紅蓮ゾルゲ(DM)

登録日:2012/03/06(火) 00:23:48
更新日:2024/02/18 Sun 12:13:02
所要時間:約 8 分で読めます






「カレーパンを食ってやるぜぇ!」



パンドラ王家に伝わる歴史によると、リヒャルト氏はカレーパンを何よりも好み、隠れて永遠に食べていたという。
*1


【紅蓮ゾルゲ】とは、デュエル・マスターズの《紅蓮の怒 鬼流院 刃》と《偽りの名 ゾルゲ》、そして《遊びだよ!切札一家なう!/カレーパン・マスター 切札勝太》の3枚を使ったコンボデッキである。

使用される文明はゾルゲに含まれる水文明・火文明・自然文明が必須。残りの文明は補助として投入される形になる。
そのためか、Nエクスに似た構築になりがちになる。
この項目では、いくつかの型がある中で殺傷力が高く凶悪な《ヴォルグ・サンダー》型のコンボを紹介する。


使用パーツ

紅蓮の怒 鬼流院(きりゅういん) 刃(じん) ≡V≡ 火/自然文明 (7)
サイキック・クリーチャー:ビースト・コマンド/ハンター 7000
自分の自然または火のハンターがバトルに勝った時、それよりコストが小さいハンターを1体、自分の超次元ゾーンまたはマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー

偽りの名 ゾルゲ SR 水/火/自然文明 (8)
クリーチャー:アンノウン 8000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーまたは自分の他のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある他のクリーチャーを1体選んでもよい。そうした場合、その2体はバトルする。
W・ブレイカー

遊びだよ!切札一家なう! P 火文明 (5)
サイキック・クリーチャー:カレーパン/ハンター 4000+
このクリーチャーがバトルする時、「カレーパンはどこじゃぁぁぁ!」と聞いてもよい。そうした場合、そのターン、このクリーチャーのパワーは+2000される。
覚醒−このクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャーをコストの大きい方に裏返す。

カレーパン・マスター 切札勝太 P 火文明 (10)
サイキック・クリーチャー:カレーパン/レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 7000+
バトルゾーンにあるコスト6以下のクリーチャーはすべて、種族に「カレーパン」を追加する。
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある他のカレーパン1体につき、+1000される。
自分のターンのはじめに、「カレーパンを食ってやるぜぇ!」と言ってもよい。そうした場合、そのターン、このクリーチャーはタップされていないカレーパンを攻撃できる。
W・ブレイカー

ヴォルグ・サンダー ≡V≡ 闇文明 (6)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド/ハンター 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーを一人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の山札の上から、クリーチャーが2体出るまでカードを墓地に置く。
W・ブレイカー

これらのカードに加えて、

「負けたクリーチャーが破壊されるのは、勝敗が決まった直後。破壊後、勝った時の効果の処理を行う」

「複数の効果が同時に発動できる時、アクティブ・プレイヤーから好きな順に処理できる」

というルールを覚えてもらいたい。


コンボの流れ

コンボを始動するには、ゾルゲと刃が自分の場にいる状態で他にパワー5500以下のクリーチャーがいること。
流れとしては、

1.何かしらの手段で一家を出す。その後、ゾルゲの効果により一家がパワー5500以下のクリーチャーとバトル。
バトルに勝ったことにより、「刃の効果」と「一家の覚醒」の二つの処理が発生するが、ここでは刃の効果よりも先に一家を勝太に覚醒させる。
これにより、参照するコストが勝太の10マナになり、6マナのヴォルグが出せるようになる。
なお、相打ちの場合は負け扱いになり覚醒できないので「カレーパンはどこじゃぁぁぁ!」と言って、パワーを上げてバトルに勝つこと。

2.勝太のコストを参照にし、ヴォルグを出す。

3.ヴォルグが出たことでゾルゲの効果発動。ヴォルグは勝太とバトル。

4.勝太はヴォルグの種族にカレーパンを追加し、自身の効果でパワーが上昇中。これにより勝太はバトルに勝つので負けたヴォルグは墓地を経由して超次元ゾーンに戻る。

5.刃の効果により、先ほど戻したヴォルグを再び場に出し勝太とバトル。

6.3〜5の工程を相手の山札をヴォルグの効果で全て墓地に落とせる回数行う。

6.最後にヴォルグの効果を出した回数分発動、相手は死ぬ。

以上が大体の流れである。
一度でもコンボが始動した場合、いかなるデッキでも「効果の処理中の場合を除き、山札が無くなった瞬間に無くしたプレイヤーは負ける」というルールにより、山札切れで負けてしまう。

しかも、刃もゾルゲもパワーが高く、効果もパーツが揃わずに始動できない状態でも十分に役に立つので、最悪シールドを割りに行くこともできるため気が抜けない。

強力なコンボではあるのだが、『背景ストーリーの悪役である《偽りの名 ゾルゲ》背景ストーリーの味方陣営ハンターの《紅蓮の怒 鬼流院 刃》が手を組んだ挙句、主人公の《カレーパン・マスター 切札勝太》「カレーパンはどこじゃぁぁぁ!」と叫びながら自身の切り札である《ヴォルグ・サンダー》を何度も破壊し続けるデュエルマスターズ史上最もシュールなデッキのひとつとしても知られる。


このデッキの弱点としては、速攻で畳み掛けるか、徹底的に手札をハンデスするか除去を繰り返し行って選択肢を奪う。もしくは《ボルシャック・ギルクロス・NEX》か《偽りの名 シャーロック》の効果で超次元をロックしてコンボを始動させない等。

とにかく、始動すると即死なのでゾルゲと刃を場に並べさせない事が攻略の鍵となる。
さて、このような環境を変えかねない凶悪なコンボはタカラトミーが早期に規制して使えなくなるのがオチである。
(ラストパトロールやロマキャン、《マーシャル・クイーン》が代表的な例)


公式の推奨

しかし、この紅蓮ゾルゲ、



公式の動画で使われたコンボ



なのである。

ただし、動画で使われたのは《バンカラ大親分 メンチ斬ルゾウ》のパーツを並べるために使われただけで、この時何故かバトルして負けたクリーチャーが破壊された後に刃の効果が発動と当時のルールが異なっていた。

だが公式の動画でコンボが紹介されてしまった以上、すぐに紅蓮ゾルゲに規制をかけることが出来なくなったことには間違いない。
(ちなみにその動画の配信が2012年2月下旬頃)


…と思いきや、2012年3月中旬でバトル時のルールが変更された。

その内容は…

変更前
「負けたクリーチャーが破壊されるのは、勝った時の効果が全て処理されてから行われる」

変更後
「負けたクリーチャーが破壊されるのは、勝敗が決まった直後。破壊後、勝った時の効果の処理を行う

簡単にルール変更前と比べると、

  • 破壊されたクリーチャーをゾルゲの効果の対象にとれなくなった。
  • 刃を出してからコンボを始動するには、新たにパワー6500以下のクリーチャーが必要になった。
  • ヴォルグが1枚で済むようになり、超次元に余裕ができた。
  • 無限ループが可能になった。
  • 1コンボで落とせる山札が8枚以上から実質40枚以上になった。



つまり、公式の裁定により凶悪なコンボが即死コンボにレベルアップしてしまったのである。



さらにその後、カレーパンに裁定変更があり、以前なら一家側がバトルに勝っても9コスト以下のクリーチャーを出せていたが、4コスト以下しか出せなくなった。
しかし、一度4コスト以下のクリーチャーを経由すれば今まで通りヴォルグが出せるので、超次元枠を1枚潰すか4マナ以下のハンターを入れる程度で殆ど影響はなかった。


と、数多のデュエリストを阿鼻叫喚の渦に陥れた紅蓮ゾルゲだったが、2012年8月11日をもって《偽りの名 ゾルゲ》と《紅蓮の怒 鬼流院 刃》はプレミアム殿堂超次元コンビ(一緒のデッキに入れることが出来ない)に指定され、不本意な形で終焉を迎えることになった。





そして、誰もがこのデッキの存在を忘れていた2017年1月30日…


殿堂解除

『プレミアム殿堂超次元コンビ解除』という形で紅蓮ゾルゲは帰ってきた。


しかし、解除された時代は勝太編最初のシリーズとなるエピソード1とは真逆の、勝太編最後のシリーズとなる革命ファイナルの末期。
《S級不死 デッドゾーン》等が持つ侵略や《蒼き団長 ドギラゴン剣》を筆頭とする革命チェンジ等のコスト踏み倒しや、《制御の翼 オリオティス》や《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》等のメタカードが睨みを利かしているため、妨害手段に乏しい紅蓮ゾルゲには非常に厳しい時代となっている。

ただし、こちら側にも《鬼の襲撃 モエル》や《Dの機関 オール・フォー・ワン》と言った新たな戦力が加わっている他、コンビ解除の1ヶ月後に環境を争っていたカードが大量に殿堂入りプレミアム殿堂したことによるトップメタの変動が生じるため、紅蓮ゾルゲが再び環境へ入り込む可能性はゼロではない。

地雷デッキとして警戒されるポジションに収まるか、はたまたトップメタに返り咲いて再び規制を食らう脅威となるか、今後の動向に注視したい。


まさかのカード化

【紅蓮ゾルゲ】の誕生から時は流れ2022年、パラレルマスターズにこんなカードが登場した。

「カレーパンを食ってやるぜぇ!」 UC 自然文明 (3)
呪文
自分のマナゾーンに自然のカードがあれば、コストを支払うかわりに、自然のカードを1枚、自分の手札から超次元ゾーンに置いて、この呪文を唱えてもよい。
このターン、自分のクリーチャー1体のパワーを+6000し、「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」は、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)

イラストではゾルゲが大量に囲まれたカレーパンを貪り食っており、フレーバーテキストではパンドラ王家に潜伏していたリヒャルト時代でも隠れて永遠に食べ続けていた事が書かれている。
そう、もろに【紅蓮ゾルゲ】をネタにしたカードである
陰気な印象の強いゾルゲだが、カレーパンを食べている時はわりとテンション高めだったようだ。

デュエプレにて

デュエル・マスターズ プレイスでは刃で踏み倒せるクリーチャーに「そのターンに同名のクリーチャーがバトルゾーンに出ていない」という条件が付けられており、同一のクリーチャーを出し入れするコンボは出来なくなっている。
……逆に言えば違うクリーチャーであればいくらでも踏み倒し可能という事で、某青い悪魔星龍王ガイアール・リュウセイドラゴン》と《永遠のプリンプリン》を並べてコスト19以下のハンターとエイリアン*2を次々と踏み倒すワンショットデッキなる物を考案してたりするが。



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最終更新:2024年02月18日 12:13

*1 画像出典:Twitter イラストレーターむなぁげ氏 @munagenam 2022年2月19日掲載より https://twitter.com/munagenam/status/1494902979329404929?s=20&t=S5xMjX9pOYU1Mou2qhjjJQ

*2 プリンプリンの効果で種族にハンターが付与されるため踏み倒しが可能