邪神M・ロマノフ

登録日:2011/09/07 Wed 20:37:57
更新日:2024/01/18 Thu 22:45:03
所要時間:約 12 分で読めます




邪神M(マッド)・ロマノフ》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
神化編後期に発売されたスーパーデッキ「マッド・ロック・チェスター」に収録された目玉カードの1枚である。


解説

邪神M・ロマノフ P 火文明 (5)
進化クリーチャー:ゴッド/ダークロード/ナイト 3000+
Mデッキ進化−自分の山札の上から3枚を表向きにする。その中からクリーチャーを1体選び、このクリーチャーをその上に重ねつつバトルゾーンに出す。表向きにした残りのカードを自分の墓地に置く。表向きにしたカードの中にクリーチャーが1枚もない場合、このクリーチャーを手札に戻し、表向きにしたカードをすべて墓地に置く。
メテオバーン−このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、火か闇のコスト6以下の呪文を1枚、コストを支払わずに自分のマナゾーンから唱える。
G・リンク《邪神R・ロマノフ》または《邪神C・ロマノフ》の左横。

マッド・ロック・チェスターの左半神を構成する進化ゴッドロマノフ
ヘヴィ・デス・メタルと同様にトライ・G・リンクで構成される三体神の1体だが、その中でもコイツは余りにも突出した能力を持っていた。

まず、デッキ進化の強化版のMデッキ進化という能力がある。
ただのデッキ進化では山札の上1枚しか見れないので、失敗しやすくマナの無駄遣いになってしまう。
一方、Mデッキ進化では3枚見れるのでより確実に進化を成功させることができる。
つまり、ほぼ確実に山札から飛んでくるスピードアタッカーとして運用できるわけである。


だが、M・ロマノフの真骨頂はマナから状況に応じた呪文を唱えられることにある。

「たった6マナ以下の呪文限定かよw」と思ってはいけない。
デュエマでは6マナ以上カードは5マナ以下と比べてカードパワーが段違いに高くなるので(プレイヤー間では「6マナ以上優位の法則」と呼ばれる)、呪文によってはワンショットキルさえも可能となる

ちなみにワンショットキルは2種類ある。


主なコンボ

デビル・ドレーン R 闇文明 (3)
呪文
自分のシールドを好きな数、自分の手札に加える。ただし、その「S・トリガー」は使えない。
憎悪と怒りの獄門(エターナル・ゲート) SR 闇/火文明 (6)
呪文
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
相手のシールドが自分より多ければ、この呪文を唱えることができる。
自分のシールドと同じ数のシールドを、相手は自身のシールドゾーンから選ぶ。相手は残りのシールドを手札に加える。(その「S・トリガー」を使ってもよい)

《デビル・ドレーン》→《憎悪と怒りの獄門》の流れで、相手のシールドの枚数を無視してダイレクトアタックが決まる。
しかし、ドレーンを唱えた後の隙があるので何かしらの対策をしないと、自分がダイレクトアタックされるので要注意。
ただし、相手が速攻ならばこの欠点は緩和される。


とは言え、最終的には安定性に欠けていたので次の呪文がトップメタに食い込んだ。

魔弾 ベター・トゥモロー R 火/自然文明 (6)
呪文:ナイト
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このターンの終わりまで、バトルゾーンにある自分のクリーチャーすべては「パワーアタッカー+3000」を得、シールドをさらに1枚ブレイクする。
ナイト・マジック

ぱっと見、対した効果を持っているようには思えないだろう。
しかし、M・ロマノフがナイトを持っているため、ナイト・マジック(自分の場にナイトがいると同じ効果をもう一度使える)が適用されるのでロマノフを含む3体のクリーチャーの攻撃が通るとゲームエンドになる。

しかも、最速4ターンでこのコンボが飛んでくるので、コントロール型では妨害しないとまず間に合わない。
また、自然文明の《ダンディ・ナスオ》《進化の化身》《大神秘イダ》などが投入できるので安定性も高い。
(ただし、獄門型でも自然文明を投入されることが多いが、あちらは守備に光文明が追加されるので色事故がやや起こりやすくなる)

速攻にもコントロールデッキにも通用するワンショットキルデッキとして暴れ続け、さらに超次元からクリーチャーを呼び出す超次元型の登場とやりたい放題のM・ロマノフだったが、ほぼ1年後に《龍神ヘヴィ》と一緒にゴッド初の殿堂入りになる。

その後、呪文をマナに置く役だった《ダンディ・ナスオ》までも殿堂入りになってしまい、獄門型やベター型もついに消滅。もはやこれまでかと思われたが…

エピソード1に収録された《ガイアール・カイザー》、《スーパー・炎獄・スクラッパー》等の登場により、まさかの超次元型が大幅強化。
相変わらずマナから呪文を踏み倒してメタゲームで暴れ続けた。

きっとエボトMロマシューホガイアールで4ブレイクされて歯軋りした人もいるハズである。

ちなみにMロマが制限になって余っている枠には《大神秘イダ》が投入されているが、それまでイダがあまり注目されていなかったせいでイダ難民が一時期続出していた。
まぁ、ドレーンや《グローリー・スノー》に比べれば絶版じゃないだけマシ。


プレミアム殿堂~殿堂入り

2012年2月18日からプレミアム殿堂入りが決定。
当時の環境ではトップを《エンペラー・キリコ》に譲っていたが、キリコが使えない環境では大暴れすることが容易に想像できるので、妥当だといえよう。

だが、それ以上に、
リンク系のパーツのクリーチャーでも暴れすぎるとプレミアム殿堂
ということを示したと考えると、Mロマのプレミアム殿堂入りの意味は大きい。

Mロマ「…」チーン、ぽくぽく…

Rロマ「リンク出来ないゴッドなんて…」

Cロマ「…チッ(Rはドリアンコンボあるじゃん)なんで俺だけ…」

このように相方達にとっては完全にとばっちりを受ける形となってしまったが……。
今後マッド・ロック・チェスターでリンクしたい場合は殿堂ゼロデュエルをするしかない。
一応《名も無き神人類》で擬似的なリンクは可能。


かなりインフレが進んだ後年ではプレ殿を解除してやってもいいのではないかという声も一部から上がっているが、殿堂ゼロデュエルでも他のソリティアデッキと渡り合えているため、やはり厳しいと言わざるを得ない。

というか、ツインパクトのような相性が異常に良いカードタイプが現在は存在しているのに加え、
そもそも呪文を踏み倒す制限が緩過ぎるせいでカードパワーのインフレが進む毎に凶悪化していくタイプのカードである。
ちなみに現在でもしもプレ殿していないならば、《龍覇 イメン=ブーゴ》から《邪帝斧 ボアロアックス》を装備してこのクリーチャーを出すことにより*1
その時点で全文明の6コスト以下の呪文を好きに唱えられるコンボが成立したり、単純に火と闇だけでも《百鬼の邪王門》や《“魔神轟怒”万軍投》のような危険な呪文は現代でもいくらでも増えている。

つまるところ、このカードは能力が能力なので開発的に非常に邪魔な部類であるカードであり、復帰の望みは限りなく薄い・・・と思われた。


しかしなんと、2022年7月1日をもって 殿堂入りに降格 するとの発表がなされた。解除されなかった《ヴォルグ・サンダー》は泣いていい。
これまで《若き大長老 アプル》の様なこのクリーチャーに強いメタカードが量産された事や、インフレがこのクリーチャーに追いついてきたのだと思われる。

1枚とは言え、とりあえず本家本元の3体合体が復活したのは嬉しい限りである。《エボリューション・エッグ》などでしっかりサーチして使おう。


派生カード

バウ・M(マッド)・ロマイオン P 光/火文明 (8)
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド/ナイト 14000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
ブロッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、呪文を2枚まで、自分の墓地から手札に戻す。
このクリーチャーが攻撃する時、またはこのクリーチャーの「EXライフ」シールドが自分のシールドゾーンを離れた時、コスト8以下の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。

「20周年超感謝メモリアルパック 技の章 英雄戦略パーフェクト20」にて《真実の名 バウライオン》と「連結」させられたディスペクターとして登場。
《真実の名 バウライオン》の右肩に「連結」させられると言う、リンク出来なくなったマッド・ロック・チェスターを盛大に皮肉る姿をしている。
更に種族はゴッドが削除されてナイトが残り、「ゴッドに成り上がったナイト」と言うマッド・ロック・チェスターの設定に対して「ゴッドからナイトに落ちぶれた」と言わんばかりの種族設定がされているかなりのディスペクトっぷりである。

呪文の踏み倒しはマナからではなく手札からとなったが、cipで墓地から2枚まで呪文を回収出来るので使い勝手こそ異なるが状況に応じた使い分けが可能な点はあまり変わらない。
また対象コストは6から8へ拡大し、文明指定も無くなったのでディスペクト元リメイク元と比べてコンボの幅が広がった。
非進化となり大型化したが、ブロッカーを得た事で《ヘブンズ・ゲート》などの対象にもなっており、自身の効果で唱えれば2体目以降を並べる事も可能。
非進化となり召喚酔いする様になったが、攻撃時だけでなく自身のEXライフシールドが場を離れても踏み倒しが発動するので場に出したなら最低でも1回は発動出来る。

そしてやはりと言うかなんと言うか、こちらでもワンショットキルが開発された。

「疾風」の鬼 フウジン天 SR 火文明 (3)
クリーチャー:デモニオ/鬼札王国 3000+
自分の他のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドを1つ墓地に置いてもよい。そうしたら、そのターン、そのクリーチャーに「スピードアタッカー」を与える。
<鬼タイム>自分と相手のシールドの数が合計6つ以下なら、このクリーチャーのパワーを+4000し、「W・ブレイカー」を与える。
テキサス・ストーム UC 無色[ジョーカーズ] (5)
呪文:ジョーカーズ
自分の進化ではないクリーチャーを1体、表向きのまま山札の上に置く。その後、それを山札の上からバトルゾーンに戻す。そのクリーチャーは、相手のシールドを1つブレイクする。

《「疾風」の鬼 フウジン天》が居る時にこのカードを出してEXライフシールドを速攻で墓地に置き、手札から《テキサス・ストーム》を踏み倒す。
再び出てきたこのカードで相手のシールドを割りつつcipで《テキサス・ストーム》を回収、《フウジン天》で再び出て来たEXライフシールドを墓地に送って再度《テキサス・ストーム》を唱える。
と言うループが発生し、こちらの山札が尽きるまで相手のシールドを割り続ける事が可能。後は《フウジン天》かスピードアタッカー化したこのカードでダイレクトアタックして勝利。
相手の残りシールドが1枚になったら唱える呪文を《闘うべき時!!》に切り替えれば、
効果処理の関係上、例え《終末の時計 ザ・クロック》を出されてもそのままエクストラウィンにも持ち込める。
ネックになるのは《フウジン天》の維持とこのカード自身の重さとなるか。


極限邪神M(マッド)・ロマノフ VR 火文明 (5)
進化クリーチャー:ゴッド・ノヴァOMG/ダークロード/ナイト 3000+
OMGデッキ進化−自分の山札をシャッフルし、その1枚目を裏向きのまま、その上にこのクリーチャーを重ねつつ出す。
メテオバーン−このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。それが火か闇の呪文なら、コストを支払わずに唱えてもよい。
左G・リンクOMG:《邪神R・ロマノフ》《邪神C・ロマノフ》、「中央G・リンク」または「右G・リンク」を持つゴッドの左横(このクリーチャーが出る時、自分の指定ゴッドの左側にリンクしてもよい。リンクしたゴッドは、各ゴッドの特性〔パワーや能力〕を持つ1体のクリーチャーとなる。離れる時は、その中の1枚を選ぶ)

なんと「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」 にてゴッド・ノヴァOMGとしてリメイクされて登場。
新能力の左G・リンクOMGにより、中央G・リンクか右G・リンクを持つゴッドだけでなく《邪神R・ロマノフ》《邪神C・ロマノフ》ともちゃんとリンク出来るので、再びマッド・ロック・チェスターの降臨が可能となった。
呪文踏み倒しのコスト上限がなくなったが、踏み倒し対象が「メテオバーンで自身の下から墓地に送った呪文」となったのが曲者。
更に新たなデッキ進化であるOMGデッキ進化は進化前にデッキをシャッフルする上に裏向きのままこのカードの下に置くため、メテオバーンを使うまで何が自分の下にあるか分からず、下手をすれば不発もあり得ると言う単体では非常に不安定な効果となってしまった。

その代わり、ツインパクトを自身の下に仕込んだりツインパクトを進化元にしたゴッドとリンクする事でメテオバーンでツインパクトの呪文面を使える様になり、リメイク前と比べてリンク状態での連携が重視された調整となっている。
リンク対象の進化ゴッドは現状《邪神R・ロマノフ》《邪神C・ロマノフ》のみだが、ともに墓地進化でツインパクトを墓地から拾いつつ出せるので強固なシナジーを形成している。

ただし実物のカードテキストではリンク対象の指定の中に、よりにもよってメテオバーンの弾になるツインパクトを複数枚用意出来る《邪神R・ロマノフ》を「《邪神・Rロマノフ》」と記述すると言う誤植がある。


煉獄邪神MRCロマノフ SR 闇/火文明 (20)
進化クリーチャー:ゴッド/ダークロード/ナイト 17000
すべての墓地にあるカードの数だけ、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは1以下にはならない。
墓地進化GV-闇または火のクリーチャーを3体自分の墓地から選び、このクリーチャーをその上に重ねつつ出す。
メテオバーン:このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを3枚まで、墓地に置いてもよい。こうして墓地に置いたカード1枚につき、闇または火の、コスト6以下の呪文を1枚自分の墓地からコストを支払わずに唱え、山札の下に置く。
T・ブレイカー

《邪神M・ロマノフ》に加えて《邪神R・ロマノフ》《邪神C・ロマノフ》の3体が1枚に収まったクリーチャー。
元々はDCGデュエル・マスターズ プレイス」の方で初登場したゲームオリジナルのカードであり、それをプレイスとのコラボで紙の方に逆輸入したという経緯を持つ。
効果についてはマッドロマノフの性能が強く出ており、3体の中での影響力が伺える。

詳しくは個別項目を参照。



追記・修正はワンショットキル成功後にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年01月18日 22:45

*1 イメンの効果で5色化してボアロの出す対象にできる