天使のたまご(押井作品)

登録日:2011/03/01(火) 17:46:51
更新日:2023/08/10 Thu 14:06:48
所要時間:約 3 分で読めます





「天使のたまご」とは1986年に制作された全編約70分のOVAである。
また一部の劇場で公開もされた。

原案・監督・脚本はアニメうる星やつらやGHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊などの監督を務めた押井守。
原案・キャラクターデザインはFFシリーズで有名な天野喜孝。
DVD版が2001年・2007年に販売・再販されている。


押井ワールド全開の作品であり、非常に難解で前衛的・哲学的な作りになっている。
辛うじてわかるのは旧約聖書の「ノアの方舟」を題材にしているということぐらいか。

押井と親交のある宮崎駿はこの作品に対し「努力は評価するが他人には通じない」と、
また押井本人に対し「あんなものよく作れた」「頭がおかしい」と述べている。

この作品を作ったことにより押井はしばらく業界から干されることになった。




上記の理由により人を非常に選ぶ作品で、合わない人にとってはたった1時間強を苦痛に感じてしまう程。
また全体的に暗く重苦しい雰囲気をしている上、大部分が音楽のみ又は無音となっているので睡眠を催してしまう人もいる。
しかし、その小道具を最大限に利用した意味深すぎる内容
「一見奇抜なデザインながらも、建築学に裏打ちされた重い程の存在感を持つ建物」をコンセプトにした背景
原画作業に入る前に行った「建物の壁一枚」「キャラクターの映り方の大きさ」にまで拘ったレイアウト作業による結果の濃い映像美
世界観にあった美しい音楽などで一部の人間を虜にした。



あらすじ

不気味なほど赤く染まった空。
巨大な目のように見える人工の太陽が沈み、夜がやってくる。


方舟の中、自分の頭ほどもある大きな“たまご”を大事そうに抱える少女。
舟の中には少女以外誰もいない。代わりに沢山の生き物の化石が至るところにある。

近くには大きな街がある。
しかし、ここにも誰もいない。生き物すらいない。
空っぽの街。少女だけがいる。

突如、街に響く轟音。
激しい駆動音を立てながら、戦車群が行進してくる。
その一台には一人の青年が乗っている。

少女に近づいてくる青年。

はじめは怯えていたが、徐々に青年に興味を持ち始める少女。


この青年は何者なのか。
少女はなぜ一人ぼっちなのか。
そして、少女の持つ“たまご”とはなんなのか……。




登場人物

  • 少女(cv.兵藤まこ)
朽ちた方舟に一人で住む幼い少女
ボサボサな白くて長い髪をしている。
いつもたまごを大事に抱えており、服の下に入れた姿はまるで妊婦のよう。
街で食べ物や空瓶を集めている。


  • 青年(cv.根津甚八)
赤い有機的な戦車に乗って街にやってきた青年。
白髪で後ろ髪を結っている。
十字架にも似た大きな武器のような物を担いでいる。
また両手には包帯が巻かれている。




少女が青年と出会う西洋風な街。
少女が住む方舟から少し歩いた所にある。
かなり廃れており生き物は住んでいない。
が、水がまだ通っていたり鐘が鳴ったりする。

また至る所に銛を持った人間の銅像が立っている。




作者曰く「見所はストーリーではなく、たまごの中に何が入っているのか」。

多くのファンが深い考察を行っているので、気になった方は検索してみるといいだろう。


ちなみに……、












解りづらいが、少女の放尿シーンがある





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最終更新:2023年08月10日 14:06