パラディン(世界樹の迷宮)

登録日:2009/08/20(木) 02:17:16
更新日:2024/03/13 Wed 12:19:16
所要時間:約 5 分で読めます




アトラス社のRPG「世界樹の迷宮」のメイキングキャラの一人。

重厚な鎧に身を包んだ聖騎士。
前衛キャラであり、攻撃することよりも味方を守る事の方が得意な守りのエキスパート。
PTの安定感を保つ為の存在。
ブシドー等の耐久が低いアタッカーと相性が良い。
某お風呂さんの職業もこれ。

概要

ストーリー序盤は敵の攻撃があまり激しく無い為パラディンの防御技は軽視されがちでPTから外される場合も多い。だが終盤になるにつれ敵の攻撃がだんだんと激しくなり、それに伴いパラディンの存在価値も上がって行くという典型的な大器晩成キャラ。
序盤でパラディンをリストラしたことに後悔した人も多い。

武器は剣だが(新シリーズ以降では槍や斧も装備できるように)剣を使った技は無く、むしろ「盾」を装備しないと殆どのスキルが使えない為「盾」が本当の武器と言える。
「盾」を装備し忘れて「何故かパラディンのスキルが使えません!!」 とか言っちゃうのは初心者にありがちなミスの一つ。
「盾」はパラディンの命です。決して装備し忘れることは無いように。

全職業中最高レベルの耐久力を持つが数字上の攻撃力は前衛の職業中最低。
「剣マスタリー」みたいな火力強化のスキルも無い。
だが盾でブン殴る「シールドスマイト」により高い火力を発揮することも出来る。
しかしこればかり使って肝心の守りを疎かにするのは本末転倒。
パラディンの役割は何より「仲間を守る」事なのだから。
「本来身を守るべく造られた物で敵を倒す矛盾!!即ち矛とは盾!!つまり盾=私最強!!!」などと言い出したパラディンもいたとかいないとか。
+ なお…
この「盾で殴る」=「盾は武器」という概念から 盾殴り専用 の「殺戮の盾」なるコロンブスの卵的発想の盾が初代世界樹から登場し続けている。
物騒な名前の盾だがその名に恥じず中盤~後半で入手できる割に最強クラスの攻撃力を発揮するため、早期入手するとパラディンがブシドーなどを超えてメインアタッカーになってしまうことも。
基本的に防御力は数値上そのまま攻撃力に変換されるので高いのだが、そのかわり防御耐性が著しく下がるためかえって受けるダメージが大きくなってしまう諸刃の刃。正に自他共に殺戮の盾である。
なおXのみバステ封じ耐性が下がるだけで大したデメリットがない。冗談も誇張も抜きでレムリアにおいて 殺戮の盾は最強の武器 である。盾ってなんだっけ

ちなみに聖騎士という名から高貴な家の生まれという設定が付与されやすい。
フロなんとかさんは不明だが、新シリーズに登場するPCのラクーナとベルトランは共に貴族の家柄と明言されており、ウェアルフなども竜殺しの家系と名乗っている。



グラフィックは他の職業と同じく4種類
もちろんグラフィックによる能力差は無い。

1(金髪デコッパチの女の子)
パラディンの代表的なグラフィックでパッケージのど真ん中に陣取る等「世界樹の迷宮」を代表する存在でもある。
通称「金髪パラ」「デコパラ」「師匠」
「師匠」は初回特典のオマケ漫画から付いた名前。

2(ピンク髪に褐色肌の女の子)
通称「褐色パラ」「チョココルネ」

3(普通の男の子)
通称「ショタパラ」

4(のっぺり巨漢)
通称「おっさんパラ」


Ⅰでのパラディン

己が身一つで味方のダメージを軽減したり、三竜のブレスをパリィしたり、STRがブシドーと並んでトップタイだったりと色々イカれているディフェンダー。
一応三色ガードとシールドスマイトは盾装備必須。

強力な防御バフ「防御陣形」により強力な物理攻撃を防ぐ。
Lv5以降は軽減率の伸びが鈍くなるが発生が早くなり、ブーストをする事により敵に先んじて身を固めやすくなる。
特にメディックの「医術防御」と組み合わせる事で裏ステージの雑魚ぐらいならダメージ一桁にまで余裕で押さえ込む。
属性攻撃に関しても「ファイアガード」「フリーズガード」「ショックガード」の各属性ガードによって防ぐ事が出来る。ブレスを食らえばまず全滅する三竜戦では必須級。
ただし氷属性のブレスの場合は頭封じや即死の追加効果があり、その追加効果は無効化なら防げるが吸収なら防げない(各種属性ガードはレベル5で無効化、それ以上から吸収する)為「フリーズガード」はレベル5止め推奨。リマスター版では吸収しても防げるので安心して振っていい。

上記の通りあらゆる攻撃を防ぐ、ボスにはほぼ必須な存在である。

他にも前衛を守る「フロントガード」後衛を守る「バックガード」による守りも光る。
本作のこの2つは敵の攻撃1回にしか反応しない(範囲攻撃もまとめて1回扱い)ので雑魚戦では使いづらいが属性ガードも軽減するため使い勝手は後作と大きく異なる。

自分に攻撃を集める「挑発」はパラディン自身の耐久もあり効果は高そうだが効果がショボくタゲをまともに集められないという地雷。
間違えても覚えないように。
しかし、リマスター版ではLv5以上で吸引力が大幅に上昇、最高レベルまで上げれば単体攻撃はほぼ吸い寄せられる。
本作の雑魚敵は単体物理攻撃の比重が非常に大きく、隊列補正はダメージではなく攻撃力・防御力にかかる仕様上防御力の高いパラディンを後列に置いて挑発すれば雑魚戦の難易度がピクニック化…は言い過ぎだがそのくらい格段に楽になる。

さりげなく「キュア」による回復も出来る。
だがメディックと違って回復マスタリーによる強化が出来ず、回復量も固定値なのでそこまで回復力は期待出来ない。
その為中盤以降は全く使えないが、序盤はメディックのTP節約や補助に使える為、休養前提で振ってもいいかもしれない。

なお前述の通り剣マスタリーは持たないが、パラディンのSTR自体はブシドーと並び全職中最高のため、
いい剣を装備させてやれば雑魚戦くらいはこなせる火力はある。シールドスマイトを撃たせれば斧ソドもビックリの火力だがこちらは燃費が悪い。

Ⅱでのパラディン

細部の調整はされているが基本的に前とやることは変わらずPTの盾役。流石にガードスキル全般に盾装備が要求されるようになった。
ただ前作とくらべてSTRが大きく引き下げられており、雑魚戦でも攻撃役に回るのは難しくなった。
さらにAGIが低く攻撃を外しやすいという欠点もあり、各種ガードを使わないなら通常攻撃させるより防御してたほうがいいなんて評価も。

雑魚戦、ボス戦ともに便利だった「防御陣形」は没収。
代わりにフォース技「完全防御」が追加。
名前の通りあらゆる攻撃を完全にシャットアウトする最強の緊急回避手段。
ただしフォース技な為連発は出来ない。
この技とカースメーカーの呪いやソードマンの「カウンター」を組み合わせる事で裏ボスすら一瞬で倒す事の出来るコンボが可能。
ただし正攻法では無く、手間もかかるのでどうしても倒せない時の最終手段として使いたい。

「挑発」がちゃんと機能するようになった為単体無効技「パリング」との併用で囮としての役割も増えた。

他にも前衛後衛共に守る「フルガード」や全ての属性を防ぐ「マテリアルガード」を習得した。
しかしそれぞれの専門ガードに比べてダメージ軽減率が低かったり、発動率が低下しやすいなど性能は微妙。
特にパラディンが最も必要になるであろう三竜のブレス対策にはまるで使えない。
習得条件もやや厳しい。

「キュア」が没収された代わりに味方の状態異常を回復する「リフレッシュ」も習得。
HP回復と違って状態異常回復に回復力は関係無いので死ににくいパラディンにはなかなか効果的である。

地味にシールドスマイトの発動が早くなったりしてる。

因みにⅡから追加された金髪ガンナー♀にはパッケージの真ん中の座を奪われる等「世界樹の迷宮の代表」という特権を奪われかけている為、金髪パラと金髪ガンナーは犬猿の仲とされる事が多い。(二次では顕著)


Ⅲでは残念ながらリストラされた(というか全職総入れ替え)が代わりに同じく盾役の能力を持つファランクスという職業が加わっている。

新1のパラディン

ストーリーモードではラクーナがこの職業に就いて加入する。

新システム「グリモア」により、他職やモンスターのスキルが使えるようになり小回りが利くようになった。
一方で行動速度補正の仕様変更により、後輩のファランクスやフォートレスと同じく鈍足に。
また、三色ガードの仕様が「使用時全ての味方に そのターン一度限り 」に変更されている。
このため同ターン同キャラに何度も属性攻撃が飛ぶと守りきれなかったりする。

本作の最高難易度ではザコ戦ですら油断できないバランスになっているため、最初から最後までパラディンは頼りになる。
とくにパリング(物理攻撃無効)のグリモアがあると無いとではザコ戦の危険度が大違いになる。

転職の素体としてはトップクラスの耐久と平均的なSTR・TECを持つので硬いアタッカーが欲しいなら考えられるか。

新2のパラディン

ストーリーモードではベルトランがこの職業に就いて加入する。

何気にステータス水準が高く、HPとVITが非常に高く、AGIこそ低いもののそれ以外は水準並かそれ以上。
とくにTPがかなり高く、後衛術師職に匹敵するほど。このため消費の重いスキルをグリモア化して使わせるにもうってつけ。転職の素体としても優秀である。
また、本作の敵の必殺技は文字通り 必ず殺す技 であることが多く、フォースブレイクの「完全防御」のみが目的でパラディンをパーティー入りさせることすら珍しくない。
上述の通りステータス水準が良好でグリモアもあるので、役立たずになることはまずない。

本作では別のタンク職としてペットがいるがパラディンは「ダメージを軽減させる」ことを得意としているのに対しペットは「味方が受けるダメージを肩代わりする」ことを得意としている。
このため競合するどころかタッグを組みヒールガード、キープガードを組み合わせることで「味方を庇うペットの負担を軽減させる」というコンボができる。
互いのスキルをグリモアにすることで、パラディンに庇う系スキルを使わせ、他の味方がパラディンのスキルで守るという運用も。
味方を強制的に敵の攻撃から庇わせるレンジャーの新スキル「スケープゴート」の対象にもなれるので、ストーリーモードではよくベルトランがフラヴィオに肉盾にされる光景が散見される。

ちなみに本作では第四階層解放直後というかなり早い段階で殺戮の盾が解禁され、グリモアシステムもあるためシールドスマイトが中盤から超強い。
パラディン自身が使わずともシールドスマイトのグリモアを味方に渡し、殺戮の盾のデメリットである被ダメージ増加をパラディンが守ることで補える。

転職の素体としても極めて優秀で、レンジャー・ガンナー・搦め手使い以外の職業はまぁまぁやれる上に、文字通り必殺の攻撃も悠々と耐えられる耐久の高さが何よりも輝く。
立ち絵DLCで6種類ものバリエーションがあるししょーファイブにもなると某森羅万象斬すら完全防御なしで死者すら出さず強引に耐えられるくらい硬く、TP豊富で長期戦もお手の物と、
表クリアまでは「耐えて回復して殴る」普通の戦術が通用してしまうのだ。

Xでのパラディン

お祭り作品の世界の迷宮Xにも出演。
新世界樹Ⅱのパラディンに近いが、4のタンク職フォートレスの要素も受け継いでいる。

伝統の挑発によるひきつけと防御のみで列回復できるヒールウォールのコンボがシンプルに強力。
SP効率と軽減率が極めて良くなったフロント/バックガードも使い勝手良好。
属性ガードもしっかり習得可能であり、無効化と吸収が可能なのはメインクラスの特権。
さらに同列のダメージを軽減しつつ列封じ回復やHP回復も安定してこなせるようになり、より小回りが利くように。
守りの切り札フルガードも3ターンのクールタイムと引き換えに軽減率が大幅に上昇しており、使い勝手は大きく向上している。

また今回は盾のDEF値が武器のATKに対して妙に高く、シールドスマイトも旧Ⅰ並の破壊力。オマケにSPもTPも抑え目で乱用もしやすい(なお行動速度は低下している)。
ただしこれは他の盾殴りスキルを持っているアタッカー職にも言えることであり、STRや攻撃パッシブの有無によってパラディンの攻撃力は盾職相応という結果に。

まともに裏ボスに耐久戦を挑む場合、シリーズ伝統通りかなり優秀なクラスとなる。
特にサブシノビであれば分身してフルガード連続使用したり属性ガードを2色構えられる。
Ⅲのファランクス+シノビを彷彿とさせる働きができるので、ぜひ活躍させてあげたいところ。

また本作のパラディンはあまりにも膨大すぎる立ち絵も特徴のひとつ。
最初で述べられている「師匠」*1は多方面でネタにされ、顔役として販促にも多く使用されている。
その結果、それらを詰め込んだ立ち絵DLCには莫大な量の金髪パラディンが収録されている。しかも今作発売に伴ってさらに1枚増えた。
パーティ全てを金髪パラディンにすることも可能であり、ある意味充実していると言ってもいいだろう。
また本作にはそっくりさんもいる。


代表的なスキル


  • フロントガード/バックガード
    • 使用ターンそれぞれ前列/後列の物理攻撃ダメージを軽減。

フロントガードさんや「お肌の悩みをフロントガード☆」等、公式非公式問わずパラディンの持ちネタにされている色んな意味で代表的な技。
ん?バックガード?まぁ使う機会が少ないからな……。
シンプルな効果だが攻撃力はさほどでもないヤマネコになどが闊歩している世界樹なのでこれ一つが生命線になることも珍しくない。
新1のみ重ね掛け可能。重ね掛けしないと即死する攻撃がしょっちゅう飛んでくるとも言う。
その名の通りフロントは前列、バックは後列のみ対象。前列が狙われやすいことから上述したように大体フロントの方が習得優先順位も使用頻度も高い。
基本的に対象列が違うだけで性能は同じなのがフロント優先の理由の一つだったのだが、Xのみバックガードの方が性能が良い。
使用頻度こそ少ないものの、後述するディバイド系スキルと組み合わせたり後列パラディン運用をした時に本領を発揮する。
ちなみに旧Ⅰでは最初の攻撃1回にしか反応しない代わりに素っ裸でも使えるし、属性ダメージも軽減する。DS版ではこれを使うと回避しなくなるという不具合だか仕様だが微妙なモノがあった。

  • ファイアガード/ショックガード/フリーズガード
    • 使用ターンパーティー全体にそれぞれ炎・雷・氷のダメージを軽減→無効→吸収する。
通称三色ガード。物理ガードがとりあえず使っておくかに対して、こちらはかなり敵の行動を読む必要がある。
スキルLvを上げていくごとに軽減→無効→吸収とパワーアップしていく。Xでは無効化以上は本職の特権*4
大体FOEやボスクラスの凄まじい威力を持った属性攻撃対策に習得する傾向が高い。
というかこれ無しに三竜や裏ボスの属性攻撃を喰らったらまずhageる。
医術防御が異常性能だった初代はまだなんとかなるが、旧Ⅱでこれ無しにそれらと戦うのはかなり難しい。
「タンク職を入れる最大の理由」「クリア後のボスは三色ガード強制されているみたいでつまらない」などとも意見された罪深いスキルたちでもある。
現にIVやXの三竜のブレスの威力は無策で受ければ即hageだった頃に比べれば随分おとなしい威力であり、
三色ガードや先見術が無くてもどうにかなる威力なので属性ガードが必須ではなくなっている。
3DS以降の作品では「1人につきそのターン一度限り」という制限がつくようになった。
このため、1ターン中に連続で範囲属性攻撃が飛んできたり、庇う系スキルで何度も属性攻撃に被弾する場合対処しきれない技になってしまった。
そのかわり他の対処方法が増えたのでそれらでなんとかしろ、ということなのだろう。

  • ヒールガード
    • 対象のHPを回復し、そのターン物理攻撃ダメージを軽減。
新2とXで登場。新2では単体対象、Xでは列対象。
ガードスキルなので最速で発動する回復技であり、オマケに軽減までついてくるという大変優秀な技。
新2では単体対象で消費が軽いため、庇う系スキルを使うペットを守る際に絶大なシナジーを発揮する。グリモア化して何個か保有しておくとものすごく便利。
Xでは列対象となっているため消費が重いが、最速発動の列回復というだけでも十二分に優秀。やはりサブクラスで使用して庇う対象と併用するコンボが強い。
回復量に関わるステータスの高いメディックなどの職業がサブクラスやグリモアで使用すれば回復量も馬鹿にならない。
パラディン本人が使っても強いが、パラディンと強力してより守りを万全にする、という「他職のスキルが使えるシステム」を上手く落とし込んだ技と言えるだろう。


  • センチネルガード
    • 使用ターンパーティー全体を使用者と同じ防御力にし、全ダメージを軽減。次ターンガードスキルが使用不可能になる。
新2のみ登場。新2の守りの切り札というべきガードスキル。
これを使えばペラペラのカースメーカーやアルケミストでもパラディン並の防御力になり、さらにダメージ軽減までついてくるのでよほどの攻撃でもない限り生き残ることができる。
ただし次ターンはガードスキルそのものが使えなくなるという弱点がある。フロントガードもヒールガードも全部ダメ。
連続でそう危険な攻撃が飛んでくることは少ないが「そろそろヤバい攻撃が飛んでくる」という時はフォースブーストしてまずセンチネルし、次ターンフォースブレイクし、さらに改めてセンチネルすることで都合3ターン安全確保できる。
まぁそんなガバガバな読みしないことが一番なのだが。
ちなみにこれもグリモア化できるので、アルケミストあたりに使わせると パーティー全体がペラペラになる というガードスキルにあるまじき事態が起こる。
が…これすらも呪いの反射ダメージで倒す条件ドロップ等に活用出来たりする。何が役に立つかわからないものだ。

  • シールドスマイト
    • 敵一体に壊攻撃。腕封じ付与。
盾専用攻撃スキル。
攻撃力は盾に依存しており、盾の防御力が高いほど威力が出る。最近の作品では大体「防御力X3=攻撃力」になっている。
出が早く、倍率も高いパラディンをアタッカー化させたくなる魅力を持っている。
だが往々にして習得SPも消費TPも重く、パラディンの低AGIも伴って命中率が信頼しきれないこともあり大体断念することになる。
XではSPもTPも軽めなのだが、出が遅く威力も徐々に物足りなくなっていくのでやはり断念することになる。副砲としては優秀。

  • シールドラッシュ
    • 敵全体に壊攻撃。3ターン中物理攻撃力低下付与。
新1で習得して以来、定番となった盾殴りスキルその二。
シールドスマイト全体攻撃版といった所で、威力と速度はスマイトよりやや劣るものの、そもそも全体攻撃という時点で優秀なスキル。
盾で行えるというのも良い点であり、武器種を問わないのでアタッカーがグリモアで持つとザコ戦で役立つ。もっとも燃費がかなり重いので乱発はできないのだが。
Xでは速度に遅延補正が入るので単体としてはやや使い辛くなっているのだが、盾殴りアタッカーが多いのでそれらの職業が全体攻撃として運用するうえで便利。

  • シールドフレア
    • ターン開始時に構え、敵から攻撃を受けると遠隔炎攻撃でカウンター。次ターン終了時までカウンター状態維持。
Xのみ登場。ありそうでなかった盾によるカウンター技。
盾殴りスキルなので他のそれと同様、盾のDEFと使用者のSTRを参照して威力が決定される。そして原理不明の炎攻撃でカウンターを行う。
あまりにも意味不明で発売前 「これぞホントのランタンシールド」 だの 「盾の中にアルケミストが入って光撃の術式使ってんじゃないのか」 だの言われていた。
理屈不明だがその強さは本物で、この手のカウンタースキルにしては珍しくカウンター可能回数に制限がなく、被弾回数分きっちり返す。
じゃあ一発一発の威力が低いのかと言ったらそんなことは全くなく、一発シールドスマイト一回分と威力も保証付き。
さらには一回使うだけで2ターンカウンター状態が維持されるため、次ターンラインディバイドを使って敵が範囲攻撃を使えば凄まじい量のファイアボールが敵を襲う。
かように文句無しに強いのだが、カウンタースキルの宿命として敵の行動に依存するため、これ一本に頼りきったパーティー構成はオススメし辛い。
逆に言うと定まったターンに範囲攻撃を仕掛けてくるボスには滅法強くソードマンが使えば裏ボスのHPを8~9割方削る威力を誇る。

  • 挑発
    • 「敵に狙われやすくなる」強化を自分に付与。
オンラインゲーム環境ならばタンク職ならば持っていて当たり前のヘイト操作スキル。
ただ、初代世界樹発売当時の2007年日本のオフラインコンシューマーゲーム界隈で、こういったスキルは珍しかった。
そして 初代では引きつけ力が明らかに弱かった。
まぁリマスターやそれ以降の作品では改善されているので良しとしよう……。
後輩のファランクスやフォートレスも習得しドラグーンも「竜の咆哮」という名でほぼ上位互換の同スキルを持っている、世界樹タンク職必修項目となっているスキル。
基本的に最序盤から使用できるので、挑発して防御しているだけでも、単体攻撃の多い最序盤はタンクとして仕事ができる。
ランダム多段攻撃を全部吸ってしまって耐えきれずに撃沈はほぼお約束のようなものだが、
アクセサリ等でガチガチに固めれば「全て受けても痛くも痒くもないダメージ=守りたい味方はもちろん無傷」という美味しい状況も作れる。
一部作品では「先制挑発」という、戦闘開始時オートで挑発して1ターン目の隙を無くす派生スキルもある。

  • パリング
    • 旧Ⅰ:使用ターン、自身への攻撃を無効化(高レベルで2回目以降の発動確率アップ)
    • 旧Ⅱ:使用ターン、自身への通常攻撃を無効化(高レベルで2回目以降の発動確率アップ)
    • 新1:使用ターン、自身のいる列への物理攻撃を確率で無効化
    • 新2:自身のいる列への物理攻撃を確率で無効化(常時発動)
名前も効果も同じなのだが、細かい仕様が作品ごとにやや違う。
基本的にはアクティブスキルであり、使用ターン高確率で敵の物理攻撃を弾く。Lvを上げると一回目は確実に、そして二回目の確率もどんどん上昇する。
旧Ⅰでは素っ裸でも使用でき、三竜のブレスなどの属性攻撃も弾く謎の超性能。
旧Ⅱでは引き続き素っ裸でも使用できるが通常攻撃にしか反応しない歴代でも屈指の微妙性能。
新1のエキスパなどグリモア化して仲間に分配しないとやってられないレベルの最重要スキルの一つ。
新2で常時発動型のパッシブとなり、発動確率がガタ落ちになった。ただ、盾マスタリー自体が「自身への物理攻撃を確率で無効化」を持っているため、併用すると信用度が上がる。
新2ではどのみち庇う系スキルが豊富なので、それら全てを併用すると確率は収束しやすく、かなり信頼のおけるスキルになる。
今まで皆勤賞だったがXでは遂にリストラされてしまった。まぁそれ以上にある意味ヤバいブラッドベールなどもあるので……。

  • 猛進逃走
    • 高確率で逃走。逃走成功後、階段の前まで戻る。
ベルトラン「パラディンが逃げて何が悪い!!」
殿(しんがり)を担当しそうなパラディンが真っ先に逃げ出すというのは絵的にはアレなのだがパラディンがもっとも生き残りやすいので理には適っているスキル。
上述のように新2のストーリーメンバーのベルトランですら必要ならばケツまくって逃げるのは正しいと言っている。それほどまでに世界樹で安全確実に逃走できるというのは重要なことなのだ。
DS版の作品ではレンジャーを中心に構成された採集部隊でもパラディンを一人入れている人が少なくなかったが、主にこれが原因。
とくに旧Ⅱの!!ああっと!!の発生確率の高さ、危険性はシリーズ中でも最悪なので スタメンの完全武装パラディンにこれ覚えさせて採集部隊の殿をさせる という人までいた。
グリモアや輪廻の角鈴(このスキルと同効果のある消費アイテム)のある新シリーズではSPを割いてまで覚える必要性は薄いが、それでもこのスキルの有用性が認められればこそである。
Xではパラディンではなくファーマーのスキルになったが有用性は相変わらず高い。前述のグリモアや角鈴もXにはないのでますます頼もしい。

  • 渾身ディフェンス
    • 「物理ダメージを軽減する」強化を自分に付与。
自分にスカラ。大体挑発とセットで使う技。そしてバードの強化でうっかり挑発を追い出すまでセット。
Xでは属性ダメージまで軽減する。
挑発と同じく速攻で発動しないと意味が薄いため、これら強化は発動速度に上昇補正が入っていることが多い。
掛け直しするターンが隙になることが多く、範囲強化スキルで追い出しがちなため上手く使うのは中々どうして難しい。

  • セルディバイド/ラインディバイド
    • それぞれ対象への攻撃をそのターン中庇う。
Xのみ登場。その名の通り、セルディバイドは単体、ラインディバイドは列対象。
名前は違うが元々は後輩のフォートレスの技である。ラインディバイドは名前まで同じ。
一応庇うスキルは旧Ⅱでもあるにはあったのだが、かなりのポンコツ仕様だったので信用しきれないものがあった。
セルディバイドはLv1から習得でき、ラインディバイドはかなり遅れてLv40からやっと習得可能だが、いずれも良性能。
パーティー構成にもよるが、一時的に防御力がガタ落ちになるガンナーやインペリアルを守ったり、上段ブシドーが前に出て兜割りする時などに守るという使い方が多い。
二枚盾編成と相性が良く「前列にディバイド→バックガードorパラにヒールガードorキープガード」などで鉄壁の守りを維持できる。
Xではヒーローのシールド系スキルとも好相性。パラディンへのダメージを軽減しつつ攻撃を行い、鼓舞を習得していればダメージを負ったパラディンの傷も癒える。
このスキルを多用する場合は「ブラッドベール(ダメージを負うとそのターン中防御力上昇)」を習得できるサブハイランダーがオススメ。
逆の組み合わせのハイ/パラでも使いこなせるあたり、レムリアのハイランダーは少しおかしい。

  • パワーディバイド
    • そのターン最大HPを上昇させ、味方への攻撃全てを庇う。
新1のみ登場。新1パラディンの守りの切り札。
最大HPの増加と同時に現在HPも割合分一時的に増える。仮に最大HP500/現在HP400でLv10パワーディバイドを使った場合最大HP750/現在HP600になる。
そしてそのターンの攻撃で受けたダメージが100以下だった場合、現在HPは500になってターン終了する。
消費TPも習得SPも重いものの、効果そのものは非常に優秀。
なおいくらHPが増えても範囲攻撃を一身に受けると普通に死ねるので、仲間がグリモア化したガードスキルやパリングなどで守ることで磐石の体勢を整えられる。

  • フォースブレイク【完全防御】
    • そのターン中全てのダメージを無効化。
旧Ⅱのフォーススキル、そして新2とXのフォースブレイク。
とくに新2での重要性が高く、この作品のボスは止められなければ死ねと言わんばかりの凄まじい威力のスキルやコンボを使ってくるのでそれらの対策に有効。
旧Ⅱではアクセラをガブ飲みさせれば連続使用も可能だったのでより無茶な使い方もできた。用意するまでが非常に面倒臭いのが難点だが……。
Xでは正直ちょっと影が薄い。ワニさんに対して有効なあたり、やはり旧Ⅱの因縁だろうか。
ちなみにダメージを伴わない純粋なバステ封じや弱体付与スキルは止められない。そして上記のワニさんはじゃれてくるので……。

  • フォースブースト【大盾の守護】
    • ガードスキルの効果が全て二倍になる。
ただでさえ軽減するガードスキルによるダメージカットが、そこからさらに50%もカット!
……と言うと聞こえは良いのだが、上述のフォースブレイク「完全防御」の重要性が高すぎてあまり迂闊にフォースブーストしにくいのが現実である。
Xでは新2ほど狂った火力が飛んで来ないうえに、ディバイド系スキルもあるので新2より重要性が増した。


追記・修正は盾を忘れずにお願いします。

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最終更新:2024年03月13日 12:19

*1 一般的なボウケンシャーは「ししょー」と呼ぶ

*2 チャージエッジを絡めて最大の火力を出そうとするならその限りではない。

*3 睡眠状態の敵は一度攻撃を受けると目覚めるのだがその際の攻撃はダメージ2倍。ここに状態異常時にダメージ上昇のシャドウバイトを組み合わせて寝起きに大ダメージを狙う定番戦術。

*4 他の手段はゾディアックの先見術で攻撃そのものを阻止する程度。