ディーヴァ(ガンダムAGE)

登録日:2012/03/16(金) 20:10:14
更新日:2023/02/07 Tue 09:30:16
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ディーヴァとは「機動戦士ガンダムAGE」に登場する艦船である。

地球連邦本部所属の新型宇宙戦艦であり、前方にMS用のカタパルト、後部に4枚の主翼を備えた、上下に薄いくさび型の外観をしている。
武装は甲板上の連装ビーム主砲やミサイル発射管及びビーム撹乱幕と対空ビーム砲など。
砲門数こそ連邦宇宙軍の主力艦であるダーウィン級に劣るものの、高い戦闘能力を持つ。

ガンダムの歴代母艦の中では非常に珍しい平面的なデザインで、手足を畳んだロボットの飛行形態のように見えるが、
これは企画書段階において某超時空要塞のように巨大人型ロボットに変形して要塞相手に白兵戦を展開する予定だったころの名残である。
メカニックデザイナーの海老川氏によれば人型になろうと思えばなれたらしい。

本編では後に、AGEシステムが提示した改造プランやマッドーナ工房の技術協力により強襲揚陸形態への変形機構が追加されるなど強化されている。

強襲揚陸形態では腹合わせになっていたカタパルトが左右に回転・分離し、水平状態で双胴式となり、
後部エンジンブロックも回転して主翼は下面に移動し折り畳まれ、代替の姿勢制御翼が展開。艦橋は広域展望位置にリフトアップする。

この姿を見たギーラ・ゾイは「まるで木馬だ」と口にしている。
オマージュってレベルじゃねーぞ!?

どちらかと言うとホワイトベースなどのペガサス級よりアルビオンやグレイファントムなどの改ペガサス級に似ている。

この時に、連邦軍の主力ビーム兵器「ハイパーメガ粒子砲」を上回る威力を持つ「フォトンブラスターキャノン」が追加された。
これはAGEビルダーを動力炉とすることで発射できるが、使えるのは強襲揚陸形態の時だけである。

その威力はUE/ヴェイガンの巨大母艦「ファ・ボーゼ」を一撃で撃沈し、なお且つ背後のアンバット要塞をも貫通する威力を持つ。
但し、チャージに時間がかかり連射は出来ない。


小説版では以下のような解説がなされた。

【"特装攻城砲"フォトンブラスターキャノン】
まず最初にフォトン(硬X線レーザー)が放たれる。無論これ自体も破壊力を持つが、
この巨大な光の本質はその後(※人間に知覚出来るレベルの差ではない)に放たれる、エネルギーソリトンによる空間破壊エネルギーにある。

これはドッズライフルに用いられるDODS効果による原子分解現象を更に推し進めたもので、
空間にソリトン(孤立波)のエネルギーを送り込むことで対象物周囲の空間を崩壊させるのである。
簡単に言うと、アークエンジェルのローエングリンやミネルバのタンホイザーに近い破壊技術。

この凄まじい威力こそが、この砲が"主砲"と呼ばれない理由であり、
「戦闘艦は自己の主砲に耐えられる」という定義に基づくもの(仮にフォトンブラスターを受ければディーヴァはやはり耐えられない)。

また、艦首方向に射角が固定されているため、照準は操舵士に一任される。


本来の艦長はディアン・フォンロイド大佐であるが、ノーラ崩壊時にグルーデック・エイノア中佐に非公式に交代している。

カラーリングは白基調のトリコロール。

また、艦載機は第二部ではガンダムAGE-1及びAGE-2ウルフ専用機以外は青系で塗装されている。

大気圏離脱および突入の際には基本的に通常形態に戻す。


≪劇中の活躍≫


◇第一部

ノーラ崩壊時の混乱に乗じてディアンとその部下を拘束したグルーデックが、データにハッキングをして艦長になり替わる。
その後、アリストン基地司令のヘンドリック・ブルーザーの命令によりコロニー「ノーラ」の住民を収容したコロニーのセンターコアを引き抜き、脱出。

この際ノーラのメカニックチーフ、バルガス・ダイソンの指示によりAGEシステム一式も搬入され、
なしくずし的に秘密兵器・ガンダムAGE-1の運用母艦としての役割も担うようになった。

コロニー「ミンスリー」滞在中に大改造を施され、強襲揚陸形態と武装が追加された。
ザラムとエウバの連合軍を率いてアンバット要塞の攻略作戦を展開し、フォトンブラスターキャノンの射程内までチャージしつつ接近する。

その後、巨大母艦「ファ・ボーゼ」とアンバット要塞を貫き、突破口を開く。
MS隊の援護もあり、強襲揚陸形態のまま要塞の港に強行着陸しクルーは白兵戦を仕掛ける。
その後、要塞の自爆時にからくも脱出に成功した。


◇第二部

25年以上経っても現役艦であり(宇宙世紀に例えるなら閃光のハサウェイの時代にホワイトベースが現役のようなもの)、
第一部でブリッジクルーを務めたミレース・アロイが艦長を務める。
またクルーは全編を通して唯一正規に選出された者達となっている。

軍に入ったアセムロマリーの配属先となり、
第一部でもMS隊々長を務めたウルフ・エニアクルが再びMS隊長として赴任している。

フリットがコロニー「ソロンシティ」に赴く際座乗艦となりガンダムAGE-1フラットを載せて赴いている。

「ソロンシティ」での騒動の後、ヴェイガンとの決戦の地である地球圏の中軌道コロニー「ノートラム」へと向かう。
途中仇打ちに燃えるマジシャンズ8の一部メンバーと共にデシルの襲撃を受ける。
が、フリットの的確な指揮によりガンダムAGE-1で出撃することなくこれを退けている。

ノートラムでは、フリットと参謀であるフレデリックが乗り込んでいるとあってか、ノートラム防衛艦隊の総旗艦となる。
また、地球連邦軍の新型戦略兵器「フォトンリング・レイ」の砲台として配置される。

フォトンリング・レイはいわゆるレンズの役割を果たしており、
そこにフォトンブラスターキャノンを撃つことにより、威力や射程を増幅させ強力な砲撃が可能である。

一射目はゼハートに察知され指示を受けたダウネスが干渉スクリーン「ギガンテスの盾」を使用した為防がれている。
ノートラムの決戦終盤地球に降下している。


◇第三部

A.G.160年代においてはかなりの老朽艦だが、運用するつもりのフリットにより改修が続けられており、
この時代の連邦軍宇宙艦艇にひけをとらず今だに現役である。

しかし、フリットの強引な出撃命令にムカついたオリバーノーツ基地司令部によって、
指揮経験ゼロの新米艦長と有能だが問題児だらけのクルーを配属されるというハードモードで出撃を強いられる。
オリバーノーツ基地司令は完璧にヴェイガンを舐めている様子。


◇第四部

戦略的価値を見込まれ、ルナベース攻略戦と最終決戦ラ・グラミス攻略戦共に主力として投入される。

ラ・グラミス攻略戦では敵の隙をつきフォトンブラスターキャノンで突破口を開くが、
最後は敵の超兵器ディグマゼノン砲の囮となるべく放棄が決定される。

護衛として最後の艦載機[ガンダムAGE-1グランサを発進させ、ディーヴァの全搭乗員はバロノークに緊急避難。
その後ディーヴァはディグマゼノン砲に飲み込まれ、最後の仕事を果たした。

就役から約50年、壮絶な最期だった。



【バリエーション】


◇アマデウス

地球連邦軍本部のビッグリング基地に配備されている強化型。連邦宇宙軍の旗艦である。
ブルー主体のカラーリングで主砲が10基に増設されており、単純火力はディーヴァに勝る。

カタパルトは3基を備える。左右のものは通常形態のディーヴァと同じく90度回った状態なので完全な宇宙艦だと思われる。

第四部でも現役であり、ルナベース攻略戦やラ・グラミス攻略戦では作戦旗艦として最後まで戦い抜いた。
ちなみに艦載機はダークグレーのカラーリングを施される。

機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDENではアマデウス所属のクランシェが搭乗している。

その他、第四部では量産されたディーヴァ級や簡略型のディヤウス級が就役している。
バロノークも元々は連邦軍の艦であり、ディーヴァ級の面影を色濃く残している。


【艦載機】


◇第一部


◇第二部


◇第三部


◇第四部



■余談

本艦は主に艦長+管制スタッフ5~6人を中心に運用されているが、管制スタッフ5人はどの世代も名前の頭文字がア、イ、ウ、エ、オなのが特徴。
AGEシステムに追従できるあたり、整備班もなかなか優秀そう。


■ゲーム作品において

スーパーロボット大戦シリーズ

BX』にてキオ編の設定で登場。
加入直後はナトーラ含め3人のパイロット全員が集中・必中・直感を覚えておらず、へっぽこぶりを見せてしまうものの、
次のステージでフリットが参加してくれるので安心すべし。

何とエルドランの手によって地球防衛組の教室を勝手に作られてしまうというとんでもない目に合うことに……。
オブライトさん涙目

悪くはないものの、バリアMAP兵器もないためナデシコネェル・アーガマにお株を奪われがち。
ただし、だからと言って使わずにいると、フリットのレベルが上がらず後でAGE-1に乗り換えた際に周囲についていけなくなるので、
長めの射程を生かして撃ち漏らしを片付け、積極的に攻撃に参加していきたいところ。

終盤でヴェイガンとの決着がつくと広範囲のMAP兵器が追加されるが、これを最大に生かせる「覚醒」持ちのフリットはガンダムに乗り換えている、と微妙に不遇。


SDガンダムGジェネレーションシリーズ

『OVERWORLD』のみ登場。フォトンブラスターキャノンがマルチロック対応の高威力武装で優秀。
ライバルはハイパーメガ粒子砲を持つネェル・アーガマだが、あちらより移動面で優れコストも少し安い。
強襲揚陸形態より通常形態の方が移動力と地形適応に勝るので移動時と戦闘時でちゃんと切り替えるように。
本作は万能艦のコストがかなり高めに設定されているが、最後まで使い続けるに足る艦となっている。




追記・修正はディーヴァクルーになってからお願いします。

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最終更新:2023年02月07日 09:30