ジェノザウラー(ゾイド)

登録日:2010/02/18 Thu 20:10:41
更新日:2024/03/08 Fri 08:32:27
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受け継がれたのは冷血の遺伝子


ジェノザウラーとは、タカラトミーの展開する『ZOIDS-ゾイド-シリーズ』に登場する金属生命体・ゾイドの一種。
荷電粒子砲がデスザウラー、ジェノザウラーを示すくらいには有名ゴドス好きなどはやや肩身の狭い想いをする羽目に…

【目次】





【機体データ】


番号:EZ-026
所属:ガイロス帝国
分類:ティラノサウルス
全長:23m
全高:11.7m
重量:112t
最高速度:260km/h

武装:
集束荷電粒子砲
ロングレンジパルスレーザーライフル×2
レーザーガン
レーザーセンサー
ハイパーキラーファング
ハイパーキラークロー×2
ハイパーストライククロー×2
アンカー×2


【機体解説】


ガイロス帝国軍によるデスザウラー復活計画が頓挫したことで主力機候補として開発された、初のオーガノイドシステム(OS)搭載ゾイド。

図体の割にホバリング移動能力によって高い機動力を誇り、大型ゾイドの主砲級の威力を持つ背中のロングレンジパルスレーザーライフルや小回りの利く頭部のレーザーガン、ハイパーキラークロー(アニメ版では放電付きのロケットクロー)による高くピンポイントの格闘能力という至れり尽くせり。

最大の武器は口腔内に装備した中型ゾイドなら一撃で蒸発させる集束荷電粒子砲。発射時の反動と熱負荷を軽減のため、脚部をアンカーで固定しつつ砲身を展開し、尻尾の各部の冷却装置を展開する発射形態は本機を特徴付ける要素となっている。

肉食恐竜型故の凶暴性も相まって優れた戦闘能力を誇り、劣化しているとはいえ性能は所謂「廉価版デスザウラー」
ガンダムで言えばフリーダムガンダムみたいなもんである。



デザイン面

通常機は黒い外装紫のフレーム、シリーズを通してカラーや装備を変更した機体が多数登場している。

1999年(平成11年)からのゾイド展開でメインキャラが使う完全新規オリジナルゾイドとして満を持して登場。

同時期に登場したレブラプター同様、過去シリーズの同じ獣脚類モチーフが直立しつつ尻尾を補助脚として接地させる「ゴジラ型」だったのに対し、前傾姿勢で尾を地面に引きずらない、最新の恐竜研究に基づいたスタイルを再現している*1



【バトルストーリー】


当時、ガイロス帝国軍の開発部は現在の主力ゾイド改造派と、新世代ゾイド開発推進派に分かれていた。
帝国軍の上層部は両派のゾイドを戦わせ、勝利した方を量産し実戦配備すると決定。

そして、当時の帝国軍の主力ゾイドであったレッドホーン&セイバータイガーの改造機、レッドホーンGC&セイバータイガーATの2機とジェノザウラー1機が戦闘。
結果、勝利したのはジェノザウラーで見事に次期主力機の座を掴み取る。
しかも改造機側は2機がかりでもジェノザウラー相手に全く敵わず、ジェノザウラーがスクラップのように2機のゾイドを倒す様子から『虐殺竜』の異名で呼ばれた。

しかし、あまりにも機体が凶暴であったが故に操縦性は劣悪で、エースパイロットですら容易には乗りこなせない代物となった。

その分 性能は高く、同クラスのゾイド同士での戦闘では圧倒的な戦力差を見せ付け、初陣ではゴジュラスを含めた一個大隊を護衛のレブラプターと共に壊滅させた。
後に、この試作機からOSの調整を施すなどして性能を落としながらも扱いやすくした量産型が帝国軍に実戦配備された。

試作ジェノザウラーは共和国軍相手にまさに無双状態であったが、共和国軍もOS搭載ゾイド『ブレードライガー』を完成させたことで、ジェノザウラーの無敵時代は終わりを告げた。


ガイロス帝国軍の開発部は試作ジェノザウラーとブレードライガーの戦闘のデータを分析し、兵器としての総合的な戦闘能力はジェノザウラーが上だがブレードライガーの方が格闘戦において高性能だったことを突き止める。

ガイロス帝国軍の開発部はブレードライガーに対抗するため、この試作機を強化をすることを決定。
そして、その結果完成したのが『ジェノブレイカー』である。

ネオゼネバス帝国でも運用されているが、最新鋭機が数か月で旧式化・・・なんてのが当たり前のZOIDSの世界なので、完全野生体ゾイド相手には分が悪く、へリック共和国軍残党の拠点を探そうとディメトロドン含む数機の小隊とともに強行偵察していたら、ライガーゼロの奇襲を受けてディメトロドンを残して部隊ごと倒されたり、クック要塞を巡る戦いではゴジュラスギガに踏みつぶされたりとやられ役に転じていた。


【漫画版での活躍】


◇『機獣新世紀ZOIDS

コミック第2巻と第3巻に登場。

謎のゾイド「D」から生み出されたゾイドで、レイヴンの搭乗機としてバンの前に立ちはだかる。
レイヴンのオーガノイド「シャドー」との合体を前提として設計されており、体内に9個のゾイド核を搭載している。

初登場して、いきなり飛行中のプテラス編隊を空中から荷電粒子砲の精密連射で撃墜し、Eシールド全開のシールドライガー・シーザーをフルパワーの荷電粒子砲で正面から貫いて重傷を負わせた*2

その後、レイヴンの独断専行を止めるべく出撃したトライブリッツ隊とシュバルツアイアンコングを格闘戦で征する。
作者の高い画力もあって、当時のアニメやプラモでは見えなかったダイナミックなアクションを見せる。

しかし、「ジークハート」の力で誕生したブレードライガーとの戦いではその驚異的な機動力と攻撃力に圧倒され、全てのゾイド核のエネルギーを絞り出した荷電粒子砲を放つが、「シールドの反発力を集中する」というアニメ版とは微妙に違った方法で攻略され敗北。
頭部をもぎ取られ爆散したが、レイヴンはシャドーと共に脱出し無事だった。



【アニメ版での活躍】


◇『ゾイド -ZOIDS-

第一部


ガイロス帝国の摂政ギュンター・プロイツェンによる『デスザウラー復活計画』の過程で偶発的に誕生した突然変異のゾイドとして登場。

マウント・オッサ火山の戦いで破壊されたセイバータイガーに代わるレイヴンの新たなる搭乗機としてプロイツェンから与えられる。

初陣でロッソが駆るアイアンコングを圧倒し、鉄屑にする衝撃のデビューを飾る。更にバンのシールドライガーとも交戦し、荷電粒子砲でEシールドを正面から破りゾイドコアを貫いて活動不能に陥らせた。
その他にもルドルフの捜索の為に出撃したレドラー部隊を壊滅させ、ガイロス帝国にある研究所で培養中のデスザウラーに与えるゾイドコアを集めるために共和国軍の基地を襲撃し、ゴルドス部隊を叩き潰すなど、その圧倒的な強さを見せ付けた。

そしてシールドライガーがブレードライガーとして甦った後、プロイツェンの野望を阻止すべく帝国首都ガイガロスに向かうバンの前に再び対峙した。やはりその圧倒的な戦闘能力でブレードライガーを圧倒し、ジークの合体を解除させるほどのダメージを負わせる。しかし、バンの闘志に応え立ち上がったブレードライガーに食い下がられ、荷電粒子砲の発射時に脚を地面に固定しなければならない弱点に気づかれてしまう。荷電粒子砲をかわしてカウンターで突進してくるブレードライガーに対し、レイヴンは荷電粒子砲を発射しながらジェノザウラーの脚を強引に捻ってへし折り、方向転換するという荒業で対抗した。
この時のシーンは最高に熱い。

バン「ブレードアタックだ!!」

レイヴン「なめるなぁぁぁぁあああ!!!!」

バン「むっ、向きを変えた!?」

互いの機体に損傷を重ねながらもハイパーキラークローでブレードライガーを捉え、至近距離から最大出力の荷電粒子砲でトドメを刺そうとしたが、回復したジークとフィーネの力でブレードライガーの機体が再生する。それに構わずレイヴンは荷電粒子砲を発射するがシールドとブレードの合わせ技で荷電粒子を切り裂かれ、徐々に接近されつつブレードで発射口を切り裂かれ敗北する。

シャドーの機転でレイヴンは脱出したコクピットが胸部で良かった…ものの、ジェノザウラーは大爆発して炎上した。

荷電粒子砲の発射までの流れで塩コーヒー3杯は軽くいける。


第二部(ガーディアンフォース編)


ヒルツが用意した新たな個体が登場。
第一部のジェノザウラーと同型で外装も黒だが、フレームは赤いという差異がある*3。意識を取り戻したレイヴンの新たな乗機として与えられた。

登場早々、遭遇したトーマディバイソンを荷電粒子砲で中破させ、バンとの再戦では荷電粒子砲に耐えられるよう強化したEシールドを、荷電粒子砲とパルスレーザーライフルを同時に発射して破るなど、先代以上の脅威となる。その後、シャドーの創り出したエヴォリューション・コクーンによってジェノブレイカーへと生まれ変わる。

その他、物語の終盤にはイヴポリスでダークカイザーの配下としてこの赤いジェノザウラーと同型の個体が3機登場した。レイヴンのジェノブレイカー&シャドーを相手に3機の連携と荷電粒子砲を用いた猛攻で片方のフリーラウンドシールドを破壊するなど大ダメージを与える。
しかしジェノブレイカー捨て身の反撃に遭い、1機目はエクスブレイカーで頭部を切断、続いて2機目はレーザーチャージングブレードで喉を貫かれ、最後の3機目は直接首を噛み千切られる、という流れで返り討ちに遭った。

第49話でリーゼの専用機として青いジェノザウラー(サイコジェノザウラー)も登場するが出番は僅かで、第59話でヒルツのデススティンガーに破壊されてしまった。


◇『ZOIDS新世紀/0

アルティメットXの探索過程でバックドラフト団が発掘した3機のジェノザウラーが登場。外観・装備共にレイヴンが最初に搭乗していたタイプ。アルタイルの指示でチーム・フーマの3人が搭乗しロイヤルカップに乱入した。ベガのバーサークフューラーを取り囲み三方向から同時に荷電粒子砲を撃って撃破しようとしたが、それもEシールドであっさりと防がれてしまい、3機まとめて撃退されてしまった。



【ゲーム版での活躍】


◇『機獣新世紀ゾイド-ZOIDS- 邪神復活!~ジェノブレイカー編~


砂漠の洞窟の地下31階(最深部)のボスとして登場。
最深部のボスだけあって非常に強力であり、倒すには一筋縄ではいかない。
なお、見事倒す事が出来れば、ジェノザウラーを仲間にできるようになる。



【主なバリエーション】


ジェノザウラーRS/レイヴン仕様


上記のアニメ・漫画に登場するレイヴン専用にカスタマイズされたジェノザウラーの改造機。
RSは「レイヴンスペシャル」だが、作中ではジェノザウラーとしか呼ばれない。
通常機とのガワの違いは頭部のレーザーガンや細かなカラーリングのみ。玩具でもコンパチを使い再現されている。
ただし出自やゾイドコアの設定などは(こちらではガリル遺跡で発掘したゾイドコアをベースに開発したデスザウラーの変異体)バトストと違い各作品独自の物となっている。


ジェノザウラーR


上記のアニメに登場した赤いフレームのジェノザウラー。形状はRSと同じ。
RはRSと区別する便宜上の表記で、こちらも作中での呼称はジェノザウラーで統一。
アニメではこのタイプがジェノブレイカーへと進化した。
HMMではこちらが「レイヴン仕様」名義で発売されている。
なお、放送当時のプラモだとジェノブレイカーのコンパチで外装まで真っ赤なジェノザウラーが組める。

もともと、ジェノザウラーのキットはこちらのカラーで試作されていた。コロコロコミックに記載されたことがある。
またこの「黒い外装に赤いフレーム」というカラーは、デスザウラーのそれを意識したものである。


サイコ・ジェノザウラー


アニメや一部ゲームに登場。
レイヴン機のゾイド因子を培養し造られたリーゼ専用機。外装はスペキュラーの影響(?)で全身が青色になった。
頭部は独自装備として2門のフレキシブルレーザーを搭載*4
また、脚部に追加された箱型のユニットは
【アニメ・玩具】幻覚発生装置
【ゲーム】8連装ミサイルポッド
と、メディアによって違いがある。

アニメではジェノブレイカー登場後にダブルソーダに代わるリーゼ専用機として登場。
彼女と共に暗躍し、時にはバンのブレードライガーを翻弄するほどの厄介さを見せたが、最後は対峙したヒルツに見限られデススティンガーの荷電粒子砲で破壊された。

ジェノザウラー(ロジャー仕様機)


『ゾイドフューザーズ』に登場したロジャーの機体。
フレームが黄色になった他、尻尾の節が一つ増えている。アメリカにおける『ゾイドフューザーズ』展開では何故か同カラーのライトニングサイクスが発売された。


◇プロトブレイカー


『バトスト』に登場。
ジェノブレイカーの先行試作機。
背部に二つの大型スラスターと長距離レーザーを、両脇には簡略化したエクスブレイカーを装備し、機動力と攻撃力を強化した。
データ上ではブレードライガーと渡り合えるらしい。


ジェノトルーパー


『バトスト』に登場。
マグネッサーシステムの翼により飛行能力を得た改造機。機体は外装部が赤色に塗装されている。
高高度空中戦闘が可能になったうえ、背部には4連レーザーを装備しており、かなりの重装備。
高い強襲戦能力を与えられていたが、暴走したデススティンガーによってプロトブレイカー共々破壊された。


ジェノザウラーホロテック


ジェノザウラーに光学兵器反射用の特殊コーティングを施した機体。
しかし性能的には十分とはいえず、少数生産されただけで終わった。
プラモは通常型のクリアパーツ仕様で、トイザらスの限定発売となった。


ジェノリッター


『ゾイドオリジナル』に登場した機体。
外装は紺色で、背面のマグネッサーウイングバーニアとそこに接続された二振りの大剣・ドラグーンシュタールが特徴。この剣は実体剣ながら広い可動範囲と切れ味、更に柄から電磁ブレードを発生させての広範囲防御まで行える攻防一体の装備である。
元々はジェノザウラーの中でも特に優秀で凶暴な「ブルージェノザウラー」を改装した「ヤークトジェノ」だったが、常人には扱えない機体となり開発が中止された。
しかし後にこのヤークトジェノを制御出来るアッシュ・ラボーンが現れたことで開発が再開され、完成。
ヤークトからリッターとなった折、脚部に小型マグネッサーウイングバーニア、頭部には骸骨状のヘッドギアが装着されたが、後者は暴走防止装置兼アッシュに手懐けられた証とされる。
アッシュの騎士道精神に則り、一対一の戦闘では荷電粒子砲は使用しない。
PVでは通常型ジェノザウラーとの模擬戦も描かれている。
プラモではリッター、ヤークト、通常型(色は紺)といった各形態に組める。


◇スーパージェノザウラー


一部ゲームに登場。
ジェノザウラーを改良し、基本性能を向上させた改造機。
機体は灰色で、背部に4連装ライフルを装備しているのが特徴。
ジェノザウラーの改造機なのだが、デザインはジェノブレイカーの没画稿から二種類をチョイスして使用している。その中にはフリーラウンドシールドを装備したものもあったため、ZOIDS SAGAでは、見た目が殆どジェノブレイカーと同じであった。


◇ジェノザウラーBS


『ZOIDS SAGA』に登場。
四天王の一人であるブラッド専用機。
全身が青色であること以外はノーマル機と性能はほぼ同じである。


◇ジェノフレイム


『ZOIDS SAGA Ⅱ』登場のゲームオリジナル改造ゾイド。
展開式ビーム砲、フレイムクロー、ハイパーEシールド発生器等を持つ。
曲線主体のデザインで、カラーリングは銀と赤。


ジェノハイドラ


「ジェノ系」らしいが全然違う機体。

◇ジェノザウラーボーンカラー


恐竜博2005で販売された限定カラーバージョン。
骨をイメージした白色が基色で、カメラアイもオレンジ色になっている(他にはレッドホーン、レイノス、スナイプマスターがある)
それから実に14年後、恐竜博2019にてHMM版がガンスナイパーと共に販売された。

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最終更新:2024年03月08日 08:32

*1 このスタイルにはマーダという先駆者が存在する。

*2 流石にフルパワーでの発射は機体に負担があったらしく、しばらく荷電粒子砲は使えなくなった

*3 これに関してはジェノブレイカーのゾイド因子を培養したアンビエントの影響を受けたものと推測される

*4 曲射可能な光学兵器。デザインはジェノブレイカーの没画稿からとられており、スーパージェノザウラーにも同形状の装備がある。