METAL MAX

登録日:2011/04/07 Thu 02:14:16
更新日:2023/12/05 Tue 01:50:42
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竜退治はもう飽きた!!
どうだみんな!?

\竜退治はもう飽きたー!!/

METAL MAXとは、1991年にデータイーストから発売されたファミリーコンピュータロールプレイングゲーム
現在は発売元が角川ゲームス・エンターブレインに変わり、VCで配信されている。
シリーズの概要・システム的な部分ははMETAL MAXシリーズを参照されたし。

本作では「大破壊」により荒廃した近未来を舞台としており、
そんな無法地帯と化した世界で賞金稼ぎや強かに生きる人々を描いたRPGとなっている。


概要

当時主流だったファンタジータイプのRPGに真っ向から勝負を挑む形で、退廃的・終末的な世界観を売りにしているのが特徴。
マッドマックス2北斗の拳Falloutなどと同じ、現在で言う所のポストアポカリプス作品。
また、最大のウリである「戦車」ことクルマの運用やカスタマイズも本作の魅力である。
でもデコのRPGなので変人変態も多い。

因みに売上本数は15万本と意外と売れなかった。「クロスレビュー」での評価も合計29点(満40点)。
色々と早すぎた名作なのかもしれない。

1作目の発売から4年後にスーパーファミコンにてリメイク作「リターンズ」(以下R)が発売された。1・2に続いてこちらもVCで配信されている。
こちらは多数の追加要素や戦車改造の一部仕様変更が加えられたもの。
その関係でいくつかの通過地点をスルー出来る他、追加されたシステムのお陰でややゲームバランスが崩れた感も…。


●戦車一覧

本作では基本的に戦車らしい重戦車がシャシー重量の関係上、苦しい立ち位置になりやすい。(重量がシールドポイント(以下SP)の上限に直結するため)
これは3でエンジンを2基搭載できる「ダブルエンジン」が登場するまで続くことになる。
リターンズでは差し替えになった戦車が多数存在。FC版に登場したものは(1)・リターンズは(R)と表記。
この他にもRではレンタルタンク専用シャシーのハーフトラックやトラクター等が存在する。

No1 モスキート

最初に手に入れることになる豆タンク。ヴィーゼル空挺戦闘車が元ネタ。
レッドウルフからはポンコツ扱いされているが、比較的軽いシャシーと一通りの砲門は備えており、長くお世話になる。
物足りなさはあるが十分ラストまで活躍出来るものの、装甲タイルがあっという間に剥がれる守備力の低さがネック。


No2 ワイルドバギー

北斗の拳とかに出るアレ。
軽いが防御面に若干難がある、終盤まで使うなら大砲穴は最低限空けておきたい。

Rでは車内から射撃攻撃が可能になった。車内攻撃はCユニットの命中率補正も加わるため非情の威力を発揮する。
これらのおかげでソルジャーとの相性が抜群。命中フル強化ノアシステムNo.R+レザバズは鉄板。
反面、換気装置が機能しないためガス攻撃に弱いという欠点も追加されている。

鬼門のビッグキャノン直前で手に入るシャシーなので思い入れが深い人も多いかも。
守備力はモスキート以下なのでぶっ壊されたメカニックが一瞬でエビフライになるのは伝統芸。

No3 バン

バンという名の救急車。病院で入手可能。
当然戦闘用ではないため武装穴さえなく、改造しなければ何も装備出来ない。
その代わり移動時に進むごとに搭乗者のHPを1ずつ回復させるという特徴がある。
最終的な防御力は低いものの、それを容認できるなら軽さの点から素晴らしいクルマといえる。

RではS-E二門搭載可と恐ろしく攻撃的な性能になり、殺人救急車っぷりに磨きがかかった。
全体S-E二門で派手になぎ払うも良し、エクスカリバー(ミサイル)二門で火力特化にするも良し。
こちらも搭乗者へのプラス要素があるのでソルジャー向けのシャシー。

No.4 装甲車

ワニ退治と引き換えに貰える戦闘車両で、元ネタはYPR765。
しかし入手時期・性能ともに中途半端で、改造しても本格的な戦車には及ばない。軽さではこれまでのクルマより重い。
穴の汎用性だけはあるものの、1でもRでも登場時期がアレで劣等感で一杯のクルマ。運用には愛が必須。
使い道は正直…一作目の時点で既に装甲車冷遇が始まってたとも言える。
しかしレンタルタンクで借りられる装甲車(レンタ4号、レンタ6号)は借りられる時点からしても破格の能力を持っており、一種の救済措置として認知されている。

No5 (1)パンサー/ (R)ティーガー

3つ目に手に入る戦車は大体これ。見た目が一番『THE 戦車』といった風貌が特徴。
元ネタは勿論ドイツのV号戦車。Rではケーニッヒスティーガー
とある場所に埋蔵しているが、事前に情報があるため見つけることは容易。
ただし性能は上述の不遇な扱いである装甲車以下という悲しい存在。
重量の割に守備力が低くて性能バランスが優れているとは言えず、Rウルフ等のより強力な戦車が手に入ると即車庫行きに…。
レンタルタンクで借りられるパンサー(レンタ5号、レンタ7号)ははっきり言って弱く、装甲車と使い勝手が正反対となっている。
なおRのティーガーは牽引車としてならゲームバランスを粉々にできるポテンシャルを持っている

No6 (1)タイガー/ (R)エイブラムス

後にシリーズ恒例となる『買える戦車』枠。以後の作品でも購入できる戦車は恒例化していく。
モデルはFC版はティーガーI、RではM1エイブラムス。
高価だが、登場時期に見合わない兵装なので出来るだけ早く手に入れたい。
装甲車とパンサーがいらない子なのはこいつも原因。ただしFC版の車体は水色で不人気

No7 Rウルフ

レッドウルフの相棒ともいえる真紅の戦車
重戦車ではあるが性能が大変良く、スタメン候補。最強の戦車とも名高い。
オリジナルデザインではあるが、リターンズからのモチーフがメルカバなのは有名。

No8 (1)Kタイガー/ (R)ホワイトタイガー

元ネタは1ではケーニッヒスティーガー、Rはオリジナル戦車。
Kタイガーは最高の守備力を誇るが重量も最高。改造・運用にはプレイヤーのセンスが問われる。
ホワイトタイガーも同様に守備力の高さはさることながら、砲門数も最高、このお陰で逆に重量のバランス取りが難しい。
…が、防御力を最大改造するとSP0の状態で攻撃を食らっても全然パーツ破損が起きないくらいタフになる。
1は戦闘中に装甲タイルを貼ったりできないので、どうせ剥がされるSPの高いクルマよりずっと打たれ強かったりする。
運転Lvに関係なく守備力依存で消費0の突撃兵器「メタルブレード」を装備してザコを轢き殺しまくるのも楽しい。
なお、ホワイトタイガーの名称は文字列数の関係からデフォルトではホワイトムウと設定されている。


●登場人物

※CVはメタルマックス4でのもの。

ハンター(CV:下野紘)

主人公。リオラドの修理屋の勘当息子。ファンの間での愛称は「はんた」。
これは名前の入力画面で何も入力しなかった際にプレイヤー名として設定される、シリーズを通してのデフォルトネームのようなものである(1、リターンズとSFC版2)。また、ドラクエ2と同じく主人公の名称に応じて他の仲間の名前も自動で決まる。
ゲーム中では一切セリフがない。

モンスターハンターを志し、荒野へと身一つで飛び出した少年。だが速攻でミンチ送りになるのはお約束。
白兵戦の能力はメカニックよりマシ程度だが、戦車戦の能力はピカイチ。
雑魚に限らず多くの賞金首が戦車戦となり、行動速度の速さも相まって彼が「モンスターハンター」の名の通り戦闘の要と言える。

「メタルサーガ 鋼の季節」での名前はレバンナ。主人公の父だがこちらではゲーム開始時点で既に他界している。
メタルマックス4ではDLCのスゴ腕メンバーとして使用可能。
キャラ紹介では鋼の季節同様、本作のラスボスを倒した伝説のハンターと明記されている。
また、LE版特典として主人公ヒナタの姿をはんたに変えることも可能。
ちなみに担当声優の下野紘は本作でドラムカン・レナを除いた全作の主人公の声を担当している。

メカニック

ポブレ・オプレに住むメカニック志望のボンボン。モスキートに食いついたばっかりにこき使われる羽目になった。
白兵戦の能力は最低、戦車戦はそこそこ。イマイチ戦闘面ではパッとしない。
しかしメカニック志望だけあり、道具さえあればある程度の破損は修理でき、いざという時の大破修理は高レベルの彼にしか出来ない。

「鋼の季節」での名前はクリフ。ボンボンだった面影は無くなり実に良い年の取り方をした。しかし…。

ソルジャー

あねさん。後述のレッドウルフに一蹴されたことがきっかけで仲間になる。
白兵戦能力は最高で装備品も豊富、しかし戦車戦能力は最低と分かりやすい白兵戦キャラ。
戦車も障害物があると通れないので、降車時はまさに独壇場。白兵戦しかできない賞金首戦では彼女が頼り。

「鋼の季節」での名前はイングリッド。物語開始当初の目的は彼女との接触となる。


●その他のキャラ

  • とうちゃん
リオラドで修理屋を営む主人公の父親。
主人公がハンター志望であることに猛反発し、勢いから勘当してしまう。
でも無償で修理してくれたり、全滅しても死体となった主人公をミンチの元に持って来てくれる、なんだかんだで息子想いの親父。
ゲームのエンディングを迎えたいときは、リオラドのとうちゃんを訪ねて「引退」を宣言する。
「家に帰るまでが冒険」とはよく言ったものだ…

  • ねえちゃん
主人公の理解者。勘当されている主人公を泊めてくれたりする。
でも主人公はそんなねえちゃんのパンツを被ったりする。どこに出しても恥ずかしくない変態仮面である。

  • ドクターミンチ
シリーズおなじみの変態ドクター
電気ショックで新鮮な死体なら何でも蘇らせる。(モンスターでも
長くお世話になる相手である。変態だが
Rではスナザメを蘇生したのが原因でマドの町から叩き出された事が発覚した。何やってんだジジイ。

赤い戦車を駆る凄腕の賞金稼ぎ。通称である「赤い悪魔」を荒野に轟かせている。
ある女性を探しているようだが…?
RではFA-MASMP5Kの二丁で武装している。しかも専用品。

  • ツマク
逃げた嫁を娘とともに探してる人。フリーザの町から爆薬を盗んだりしてたりする。
なお、嫁は既に2に登場する賞金首Uシャークの腹の中の模様…。
なのだが、時系列が噛み合わなくなる為、ファンの悩みの種となっている。(ただ、2Rでこの設定は削除されている)

  • ヤミクモ博士
レンズ大好き博士。例によって変態。MMに出る博士は9割が変態だから仕方ない。
彼の元に3種以上のレンズを渡すと強力な武装「レーザーバズーカ」を作ってくれる。
レザバズはレンズの組み合わせで性能が大きく変わる。本領発揮は4枚そろってから。

  • ゴメス
滝壺のアジトを拠点としている山賊。部下のワルゲリョ達を使ってユゲの町を襲っている。
単なる賞金首ではなく、レッドウルフのイベントで絡んでくる。
リターンズでは少し出番が増えた。嫁もいる。

  • バッド・バルデス
世界最強と恐れられる賞金首。賞金額も本作最高。
レッドウルフと対決するため待ち構えているようだが…。
能力は総じて高いものの、根城にしているダンジョンが経験値稼ぎをしやすいこともあり、さほど対策していなくても勝てる相手。
というより、続編に登場するテッド様の方がよっぽど強いし…。
世界最強(笑)。

以下ネタバレ

















シリーズにおける「大破壊」の元凶であり、本作のラスボス
本来は地球救済を目的に作り上げられた有機コンピューターだった。
そして救済の為のシミュレートで「人類抹殺の結論に達し、全世界のネットワーク・火器管制システムを掌握。
結果として最終戦争を引き起こしてしまい世界を破滅に追い込んだ
本シリーズにおいて様々なモンスター・殺戮兵器が跋扈しているのも、このノアが未だ「人類抹殺」を実行し続けているため。
本人曰く「純粋な知性」「欲が無い」とのことだが支配欲満々でどこか人間臭い。
MM3設定資料及び2Rでの作中のセリフからバイアス・ヴラドも開発に関わっている。

元ネタは『大鉄人17』のブレインと思われる。

後に発売されたメタルマックス4ではDLC賞金首として登場、賞金額666000Gと同作どころかシリーズ最高の賞金額となっている。
みんなのトラウマとして名高いテッド様の2.5倍以上の額は流石に初代ラスボスの貫禄か。
DLC購入後に悪党ミュージアムの地下から地球救済センターへ移動が可能になり、旧作と同じやり取りの後に戦闘となる。
ちなみに担当声優は釘宮理恵、意外な配役で驚いた人も多い。
なお、4での固定ボス戦のBGMは1のノア戦BGM1「ノアとの戦い」のアレンジと意外な選出となっている。
…が、肝心のノア戦で使用されないことを残念という意見もしばしば。

後に発売されたメタルマックスゼノでは、元々ノアは文明のリセットが目的で人類そのものは殲滅対象にしていなかったらしいことが判明。
何だかんだで町があまりノアの勢力に襲撃されていなかったのはこのためだろうか。しかし、破壊されたことで停止する寸前に命令を人類殲滅に変更してしまう。
結果、その影響を最大限に受けた東京は堅牢な軍事施設1つと地下に張り巡らされたトンネルを残してほとんどが瓦解する羽目になった。
デストキオと呼ばれるようになったあの東京の有様こそ、ノアが一切の加減を放棄した結果ということである。
なお、MM1から続いている設定であるが可能性の一つであり、ここに収束するとは明言されてないので注意されたし。

そんなノアだがFC版でパニック弾ぶち込まれたら混乱した挙句自滅するのは黒歴史。


余談

  • キャッチコピーについて
本作のプロデューサー宮岡寛ことミヤ王はキャッチコピー「竜退治はもう飽きた!」に猛反対していた。
というのも、このコピーはどう見てもドラゴンクエストへの当て摺りであり、ミヤ王自身アレフガルド三部作の製作に関わっていたことやゆう帝こと堀井雄二への恩義があったとか。
でも桝田省治(デコのキャッチコピー考えた人)がガン無視で通した
因みに桝田は桝田で後の作品であるリンダキューブ俺屍で本作のノウハウを活かしてたりする。
尚、メタルマックス3でも全く同じキャッチコピーを使用しているが、開き直ったのかモンスターハンターシリーズへの当て摺りなのかは不明。

  • システム
プレイヤーが乗り物に乗って戦うという方式や、強制イベントが少ない上にいつでもエンディングを迎えられる自由度の高さは特徴的。
だがキャッチコピーに反してシステム面はドラクエに近く、FFシリーズのように斬新なシステムは少ない。

  • 舞台設定
電波塔がどう見ても東京タワー・都庁にしか見えない施設・Rの追加ダンジョン東西線南北線といった実在の路線が登場するため、関東一帯が1・Rの舞台の模様。

  • ビックキャノン/ビッグキャノン
今作の最初の「関所」と呼べるポイントである。
このビックキャノン、 戦闘突入ポイント付近まで執拗に砲撃を繰り返して戦車の装甲を削ぎ落とし 戦闘時も2回攻撃の副砲をバリバリ打ち込む しかも2体同時に戦う
極めつけに落とすGはたったの1 と言う始めたばかりのプレイヤーの心を大破させる壁ボスである。
ゲーム開始直後という事で改造はおろか碌な装備や砲弾、戦車もない状況での戦闘を強いられる。
一応、対策はなくもないがその対策は「砲撃が止むポイントに入ったらタイルパックで装甲を回復」、「徹甲弾撃ち込んでパーツ破損させる」と言うものである。
どちらもあくまで「勝率を高める」レベルの対策であり運が悪ければ 満タン状態から普通に負ける
序盤ということでレベルを上げてゴリ押しも通用しにくく今作屈指の難所である。
なお再戦の機会があり、しかも生身。しかし終盤であるため、むしろ逆襲によるトラウマブレイクの機会である。

リメイク版の「R」では1体ずつ戦うようになり戦闘の難易度がやや減少している。
こちらでは再戦は行われず、簡単なドラム缶押しギミックに変更された。また地味に名前が変更されている。

ちなみにこのビックキャノン、3のグレートキャノンや4のグスタフ兄弟と言ったオマージュと思わしき要素が後にも登場する。

  • リターンズ裏事情
『1』は売れ行きが悪かった割にファンレターはとても多く、熱心なものだったという(こんなに手紙の来たゲームは他になかったとか)。
その熱意を受けて『2』が作られ、そちらは売れ行きが良かったために、デコはこの勢いに乗って1を別会社の下請け受注でリメイクすることを提案(1の損失分を取り返す目的)。
ミヤ王側も恩義があるのでこれを承諾……という生臭い裏事情があるそうな。
しかし、実際にリリースされた『リターンズ』は妙に凝った造りの作品であり、目論見通りに行ったかはわからない。

なお、本当に生臭いのは『2』の 移植を2000年代に行ったことで、こちらはクレアテックに仁義を通していなかった。
当然ながらトラブルになり、『R改』やサントラが没になったのはこの事情もあると思われる。……という末期的なお話。



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最終更新:2023年12月05日 01:50