ミラーワールド

登録日:2011/04/07 Thu 20:40:20
更新日:2024/01/22 Mon 19:31:45
所要時間:約 9分55秒4 分で読めます




「ミラーワールド」とは、その名の通りの世界のことである。

昔から創作物に登場する事の多い設定であるが、本項では『仮面ライダー龍騎』に登場するミラーワールドについて述べる。


◆概要


鏡の中に存在するもう一つの世界。
風景が左右反転されている以外は現実世界とそっくりだが、モンスターやミラーワールドの住人以外の生物は存在しない世界。
常に独特な環境音が鳴り響いており、モンスターなどが現実世界に干渉する際などには鏡を通してこの音が漏れ出てくる。
但し、普通の人間にはこの音は知覚出来ず、ミラーワールド自体の存在を感知できるのも、一部例外を除きデッキを持つ者だけである。

ミラーワールドの成り立ちにはついては謎が多いが、神崎兄妹が深く関わっているとされている。
劇中、神崎士郎がミラーワールドを作った様な言われ方をしているが、「二十回目の誕生日に消える」等と言って現れた子供時代の優衣(の幻?)の存在もあるため、
士郎が作ったのか、元々世界自体は存在していて士郎が門を開いただけなのか、一概には決めつけられない。

TVSPでは「コアミラー」という存在も登場しているがこれも謎が多い。


基本的に鏡から出入りするが、ガラス、水たまりなど鏡面化しているものでも出入りが可能である。

ミラーワールドには生身の人間は出入りすることは出来ず(鏡に触ってうっかり入り込む、なんてことは無い)、人間を狙うモンスターによって引きずり込まれでもしない限り入りこむことは無い。
しかし一度引きずり込まれてしまえばモンスターから逃れ現実世界に帰還することは極めて困難。
例えモンスターの手から逃れたとしても生身ではミラーワールド内に長時間存在することが出来ず、一定時間を過ぎると粒子化して消えてしまう。
つまり、普通の人間は入った時点で死亡確定である。

逆にミラーワールドに生息する者が現実世界に長時間存在することもできない。


唯一、仮面ライダーに変身した状態でなら鏡を通して現実世界に戻ることが出来る。
また、変身すれば生身より時間は延びるが、それでも活動限界時間は9分55秒と短く、これを過ぎれば普通の人間同様消滅してしまう。
ただしミラーワールドで誕生したリュウガのみはこの制限が当てはまらず例外的に無制限(逆に現実世界での活動制限がある)。
対して、擬似ライダーの活動限界時間は8分25秒と若干短い。

第2話において秋山蓮が「入った場所の鏡からしか現実世界に戻れない」と城戸真司に対して発言しているが、第16話で手塚海之が入った場所の鏡とは別の場所の鏡から出てきているため、これはブランク体のライダーに限る制限だと解釈できる。
しかし、ライドシューターに搭乗・移動する等、ミラーワールドの境界については不明瞭な部分もある。「ルールよりも作劇を重視した」かの様な演出も多々見られた。


基本的にモンスター、またはライダーの戦場となっているが、浅倉威のようにミラーワールドをうまく使って刑務所から脱獄、逃亡したりと、用途は広い。


◆シリーズでの登場


仮面ライダーディケイド


第1話から環境音や鏡の中に龍騎が現れるなどの演出として登場する。

その後「龍騎の世界」において本格的に登場。
刑事事件の判決を下すため仮面ライダー同士が戦う「ライダー裁判」の舞台。
原典同様鏡の中の世界として描写されているがその存在は公の物となっており、契約モンスター以外のミラーモンスターは登場しない。
ライダーバトルも敗北後はミラーワールドから現実世界へ弾き出されるようになっており、「変身能力を失いミラーワールド内で消滅」といった事態にはならないよう配慮されている。

また、ミラーワールド自体は「龍騎の世界」以外にも存在しているらしく、ディケイド龍騎がミラーから自由に出入りして奇襲を行う描写もある。


仮面ライダーウィザード


第52話「仮面ライダーの指輪」において、ライダーリングで召喚された仮面ライダー龍騎が面影堂の面々をミラーワールドに閉じ込めることで拘束している。
ミラーワールドの危険性は前述のとおりだが、彼らは魔宝石の世界の住人であるため、自由な出入りこそできないものの直ちに消滅するようなことはないのだろう。ミラーモンスターがその辺うろついているし。

仮面ライダージオウ


第21話から始まる「リュウガ編」において登場。

ジオウの世界では、仮面ライダー龍騎におけるライダーバトルが龍騎最終回の神崎士郎の諦めによってその歴史が無くなっていた。
ところが、龍騎の歴史の改変後もミラーワールドは現実世界への接続ルートが実質消滅しただけで、存在自体は残り続けていた。
そんな中、門矢士がウールに「数千回に一回鏡が割れる瞬間にだけ繋がる、失われた鏡の中の世界」として、ミラーワールドの存在とその世界へのアクセス手段の情報を提供する*1
これを素直に信じたウールは、時間停止能力と時間遡行能力を利用して鏡を粉砕し続け、ついにミラーワールドへのアクセスに成功する。

「ジオウ」におけるミラーワールドには野生のミラーモンスターはいないが、鏡像の城戸真司が存在していた他、鏡像の常磐ソウゴなる人物も存在している。
また、ソウゴ自身は生身でミラーワールドに侵入した上にしばらく気絶していたが、原作のように肉体が消滅してしまう事もなかった。
消滅しなかった理由については、ソウゴ自体がジオウの力を持つ人物であることから、普通の人間と影響が違う可能性もなくはないが。

ウールの介入によって、鏡像の城戸真司はアナザーリュウガの力を手に入れ、現実世界にいる人々を原典におけるミラーモンスターのように襲った。

ここで登場した鏡像の真司とソウゴはそれぞれの心の底の不安や恐れがミラーワールドで具現化した存在であり、
原典のリュウガとは出自自体が異なる(あちらはあちらで明言されているわけではないが)。最終的には真司はオリジナルに回帰して消滅した。
裏ソウゴは鏡の世界に留まっていたが『小説 仮面ライダージオウ』では、第三のウォズがノートの力で干渉したことで第四の歴史を生み出しアナザーオーマジオウとして君臨する。

スピンオフの『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』ではほぼ原典同様の状態で再び開かれ、ミラーモンスターが闊歩していた。

双方に共通する事項として生身での活動制限時間がなくなっている(スピンオフの方はライダーバトルそのものに制限時間が課せられているが)。
ただし、劇中でミラーワールドに入ったのが特殊な設定を持つソウゴと作中でとある事実が見え隠れするスピンオフのキャラクターたちであるため、
本当に原典にあった生身での活動制限時間がなくなっているのかは映像作品では明言できないとはいえる。


◆余談

『龍騎』ではこの鏡写しの世界を再現するために、スーツアクターに左右を逆にした動きをさせ、出来た映像を左右反転させるというとんでもない方法で撮影しており、
左右逆の演技を要求された高岩成二を始めとするスーツアクター達は大混乱だったとか。
さすがに無茶だったと判断されたのか、『ディケイド』では「看板等を左右反転させたセットを作る」というシンプルな方法が取られている。
「最初からそうすれば良かったのでは」という声もあるだろうが、これはこれで背景が反転していないため、人によっては違和感があるという問題も発生してしまうのだが。

しかし、『ジオウ』では鏡写しの存在と戦うという展開から『ディケイド』の方式が使用出来ず(反転した鏡像用のジオウスーツを新造しないといけないため)、
背景に使う看板を正像用と鏡像用の2種類を用意し、それぞれジオウとミラーワールドバージョンのジオウでそれぞれ使い分けて撮影。
そしてカットごとに緻密に計算した上で撮影したそれを合成するという原典クラスに手間がかかった撮影となった。
白倉伸一郎{曰く「田﨑竜太監督と宮崎剛アクション監督が編集された映像を見て『あれだけ苦労したのに、つないだらたったこれだけ?!』」とガクゼンとしていたそうだ。

『RIDER TIME 龍騎』では『ディケイド』方式を採用している様子。
そのためか、王蛇が右腕で武器を使用したりと原典と若干違う面も見られる。


追記・修正は9分55秒以内で宜しくお願いします。

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最終更新:2024年01月22日 19:31

*1 門矢士が何故このようなミラーワールドの情報を知っていたのかは不明。ウールの反応を見るに仮面ライダーリュウガ及び鏡像の城戸真司に該当する存在がいる事も把握していた模様。