エンヤ婆(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2010/07/26 Mon 18:41:30
更新日:2023/11/02 Thu 15:50:51
所要時間:約 4 分で読めます






脳みそ!ズル出してやるッ!
背骨バキ折ってやるッ!
タマキンブチつぶしてやるッ!
息子の恨み 今晴らしてやるッ!


エンヤ婆とは、『ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』に登場する人物。
CVは、深見梨加(OVA版)、高木早苗(PSゲーム版)、三輪勝恵(ASB)、鈴木れい子(テレビアニメ)。
名前の由来はシンガーソングライターの「エンヤ」。



【概要】

タロットカードの暗示を示すスタンド使いの一人で、スタンド使いの黒幕。
両右手の男のJ・ガイルは実の息子であり、自らも両右手である。
フルネームは『エンヤ・ガイル』

物語冒頭からDIOの側近として登場し、ジョースター一行に刺客のスタンド使いを次々と差し向けた。
DIOの人生を彼の傍で見届けることを生涯の楽しみとしている。
DIOに「弓と矢」の使い方と、スタンド能力のレクチャーをしたのも彼女である。
なお、なぜ彼女がそんな重大な事を知っていたのかはハッキリしていない。ファンの間では『「弓と矢」を作った古代人の一族の子孫だったのではないか』とも仮説されている。
彼女曰く「スタンド能力とは『認識すること』。」


空気を吸って吐くのと同じように!
HBのエンピツを指でベギッ!とへし折る事と同じように!
『出来て当然』と思うことですじゃ!!

息子のJ・ガイルを溺愛しており、彼が殺された際には同じ傷跡が聖痕として彼女の顔に浮かび上がり、彼の死を非常に悲しんだ。
当初はジョースター一行などさほど気にも止めていなかったが、これを機に自ら出陣、執念深く一行の命を狙う。
恐るべきその執念は、スタンド能力で町一つを支配するほどであり、また高齢であるにもかかわらずその脚力はポルナレフ曰く「ジョイナー以上」*1
あと何故かハサミで『チャリオッツ』とやり合える

OVA版では何故か美女に変身する能力まで有しており、深見梨加氏が一人二役を演じている。
ぶっちゃけDIO戦の時よりも最終決戦臭がものすごくしていたのは内緒。


【劇中での活躍】

J・ガイルの死後、パキスタンのとある町で宿屋の主人としてジョースター一行を待ち受ける。
そこで共闘を申し出たホル・ホースを息子を見捨てた裏切り者として始末し*2、不用意に入って来たポルポル君にも攻撃する。
スタンド能力で手玉にとった挙句、便器を舐めさせるというとんでもない羞恥プレイを強要する。

承太郎が仕掛けた些細な罠でボロを出してしまう*3*4が、油断した彼をもスタンドの術中にハメたかと思われた。
しかし『星の白金(スタープラチナ)』がスタンドの頭を吸い込んで押さえつけてしまい、呼吸が出来なくなったためあっけなくリタイヤ。
白目をむき泡を吹いて倒れてしまい、DIOの情報を聞き出すためにジョースター一行に捕われた。

その後カラチに入ったところで、鋼入りのダンにより口封じに殺害される。
しかも彼女を直接殺したのはDIOが仕込んでおいた『肉の芽』であり、その事実を知ったエンヤ婆は絶望する。
しかし見捨てられたと分かっても最後までDIOの秘密を口にはせず、その執念にはポルナレフも敬意を表した。



DIO…様は…

このわしを信頼してくれている。
言えるか。


余談ではあるが、息子の犯した犯罪については本当に知らなかった可能性もある。
それと言うのもシェリー殺害はDIO復活の一年後、ほんの三年前(1984年)なので、DIOによって隠蔽されていた事は充分に有り得る話である。(そしてDIOはこの事件をダシにポルナレフを洗脳している)
ポルナレフも正体を知るまでは「おれを息子だと思って甘えていいぜ」と本当の親切心から彼女を慕っており、
正体を知った後も当初は心の中で「とんだ逆恨み」と非難はしているが、復讐が復讐の連鎖を生んでしまった事に心を痛めたのか、上記みたいな酷い目に遭いながらも彼女を憎み切ることはできなかった。
(実はポルナレフはエンヤ婆本人には、「あんたの息子はおれの妹を殺した」などとは一言も言ってはいない。)
そして、そんな彼女を惨殺した鋼入りの(スティーリー)ダンには
「エンヤ婆に関しては妹の因縁もあって複雑な気持ちだが…てめーは殺す
と激しい怒りを露わにしていた。

ちなみに、外伝小説『OVER HEAVEN』では、『肉の芽』は正気を失ったエンヤ婆を落ち着かせる為に、止むを得ず仕込んだものだったとされている。

◆他の部において

第4部「弓と矢」を使ってDIOや一部手下たちのスタンドを目覚めさせていたことが承太郎の調査により発覚。
DIOが目覚めてたった数年であれだけの数のスタンド使いの手下を用意できたのも、エンヤ婆とこの「弓と矢」のおかげと言えるだろう。
誰がなんの目的でどうやって撮ったのか不明だが、承太郎はスピードワゴン財団経由で『エンヤ婆と「弓と矢」』が写った写真を入手している。
また作中、虹村兄弟吉良の父親が使っている「弓と矢」は元々はエンヤ婆のものである。
なお、吉廣はエンヤ婆から直接「弓と矢」の「使い方」をレクチャーされており、一説ではDIOの手下の何人かを射抜いたのはこの吉廣なのだとも考えられている。

第5部では「弓と矢」の入手経由がディアボロからだった事が明かされる。
1986年若き日のディアボロはエジプトで6本の「矢」を偶然発見。
そしてそのうち5本をエンヤ婆が(恐らくDIOの命で)法外な代金で買い取った。
アニメではその際、ディアボロに残り1本の「矢」の「使い方」を教えた。*5
ちなみにその時得た金と「弓と矢」をディアボロは自身が設立した組織「パッショーネ」拡大に使用し、同年よりイタリアでの犯罪率は大幅に伸びてしまった。
また、この時エンヤ婆が手に入れた「弓と矢」5本のうち虫型の矢じりをしているものは承太郎と共にエジプトを調査していたポルナレフの手に渡り、5部終盤で重要な役割を果たすこととなる



スタンド



正義(ジャスティス)」は勝つ!

スタンド名:正義(ジャスティス)
破壊力-D
スピード-E
射程距離-A
持続力-A
精密動作性-E
成長性-E

タロットにおける11番目の大アルカナ「正義」の暗示を持つスタンド。
珍しい霧状のスタンドであり、王冠を被った骸骨のような像を持つ。

◆能力

能力は刃物などで傷をつけた場所にコイン大の穴を開け、そこに霧状の糸を通して自由自在に操ること。
条件さえ整えば、生死を問わず百人だろうと千人だろうと本体の意のままに操作できる。
また、死体はリッカーよろしく異常に舌が細長くなり、それで突き刺し攻撃が可能になることから、死体の場合ある程度体の構造をいじれるのだろう。
また『正義(ジャスティス)』の霧自体に強力な幻覚作用を与えることも可能。
彼女が登場したパキスタンの町は実は墓場であり、街並みは『正義(ジャスティス)』が見せる幻に過ぎず、街の人々は死体がこの能力で操られていたものにすぎなかった。
おまけにスタンド像が形のない霧であるため、通常の物理攻撃では『正義(ジャスティス)』にダメージを与えることは不可能という極めて高い物理攻撃耐性まで兼ね備える。

群体型スタンドが登場しなかった第3部において、一つのスタンドで千人分の戦闘力を持つ強力なスタンドとして描かれた。

弱点は「特殊効果付きの霧を発生させるスタンド」ではなく、あくまで霧状のビジョンを持つスタンドであるため、霧に対して通る攻撃をされると普通に本体もダメージを受けてしまう事。
そして原理上ビジョンで覆った範囲にしか干渉できないため、標的が霧に有効な攻撃手段を持っていた場合、敵の目の前に弱点部位を常時晒しているも同然となってしまう。
ただし、逆に言うと霧に通用しない普通の攻撃に対してはほぼ無敵。
アヴドゥル不在で非物理攻撃要員が欠けていた事もあり、承太郎一行はかなりの苦戦を強いられる事となった。
っつーか、スタンドを吸い込むなんて発想普通では思いつかんわ。
町一つを覆い尽くし幻覚を見せるほどのスタンドパワーは、彼女の恨みと執念深さを象徴しているといえよう。

OVA版では前半部分のラスボスという事で強化され、アヴドゥルの攻撃(クロスファイヤーハリケーン)がスタンド部分に直撃しても目立ったダメージフィードバックなしととんでもない強化をされた。連発したらどうなっていたかは不明だが、そうする前に承太郎がマヌケは見つかったを回収しつつケリをつけた。

+ 実際のところ・・・
作中でポルナレフやホル・ホースを恐れさせ、彼らをして強大なスタンドと言わしめるほどの描写をされている『正義(ジャスティス)』だが、よく考えるとかなり微妙な能力である。

まずスタンド像による直接的な攻撃手段がないことが理由として挙げられる。
エンヤ婆は上述の通り『正義(ジャスティス)』に物理攻撃が無効であることを誇らしげに語っていたが、裏を返すと『正義(ジャスティス)』も物理攻撃ができないのである。
霧のスタンドなので殴ったり蹴ったりは当然できず、物を持たせることもできないため、相手を攻撃するためには作中でエンヤ婆がやってみせたように本体が刃物等を使用して敵に直接攻撃するしかない。エンヤ婆自身は「かすり傷一つで十分」と言っていたが、そのかすり傷一つつけるために本体が敵の至近距離まで近づかなければならないのはかなり致命的な弱点である。
作中ではホル・ホースにハサミを突き立て術中にハメていたが、これはまさか自分が攻撃されるとは思ってもいなかったホル・ホースが接近を許したためであり、もし最初から敵と知っていたら接近も許さず遠距離から『皇帝(エンペラー)』で一方的に射殺していただろう。

また、作中では多数の死体を操り承太郎やポルナレフに襲撃させていたが、これは墓地という『正義(ジャスティス)』が能力を最大限発揮できる有利な舞台に引き込んでいるからこそできた芸当である。もし街中や草原や山中といった他の場所でばったり出くわした際に同じことができる保証は全くない。
(もっともエンヤ婆はたった一人で4人の相手をする必要があるため、自分が有利に戦える条件を整えること自体は卑怯でも何でもなく、当然の作戦である。)

総評すると『ダークブルームーン』と同様、自分有利な環境では多人数をも圧倒できる戦闘力を誇るが、それ以外の環境ではまともな戦闘手段がなくかなり不利、といった極端な評価を持つスタンドといえよう。

もっとも、こうした弱点については「味方のスタンド使いを同伴する」ことでかなり克服できると思われる。
特にホル・ホースの『皇帝(エンペラー)』は、物理的な遠距離攻撃に長け、しかも弾数がほぼ無制限のために相手に傷を負わせやすく、「正義」との相性はかなり良いと思われる。
エンヤ婆がDIOに見限られたのは、ホル・ホースとの協調もできないほどに発狂してしまったからかもしれない。

余談

SFC版では、承太郎達と戦うあたりまではだいたい同じだが、倒れ際に「ジョセフの体内に『恋人(ラバーズ)』の種を入れた」と言い残す。
その後、彼らに連れて行かれる展開は無し。



ど~おおれ!
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最終更新:2023年11月02日 15:50

*1 フローレンス・デロレス・グリフィス=ジョイナー(1959〜1998)。アメリカの女性陸上選手で、1988年ソウル五輪金メダリスト。彼女の女子100m、200mの記録は2023年現在も破られていない化け物アスリートであり、38歳という若さで亡くなった悲劇のアスリートでもある。

*2 『皇帝』を持つ手を操って射殺を試みるも、実はすんでの所でスタンドを消しており、一命は取り留めていた。

*3 エンヤ婆は「承太郎」と名を呼ぶも、宿帳には「Qtaro kujo」と英語で書き込まれていた。初対面でうっかり「ジョースターさん」と呼んでしまったため最初から承太郎には怪しまれていた

*4 ちなみに、花京院も「Tenmei Kakyoin」と違う名前を書き込んでいる。…が、荒木先生曰く「花京院の名前はは公式だと『のりあき』だけど僕の中では『てんめい』です。実は、エンヤ婆が待つホテルの宿帳にもサインを残していますからね」らしいので、荒木先生の中では本名のようだ。担当編集が『のりあき』でルビを振ったのが齟齬の原因らしいが、あだ名のようなものということで受け入れ訂正はしなかった。

*5 これにより、「ディアボロは何故「矢」を独り占めしなかったのか」という謎の答えとなっている。しかし、エンヤ婆がなぜ矢の存在とその用途・正しい使い方を知っていたのかという点には現時点にいたるまで原作・アニメともに描写されておらず、新たな謎となってしまっている