G-SAVIOUR(ガンダムシリーズ)

登録日 :2010/07/05(月) 13:18:00
更新日 : 2017/03/08 Wed 01:14:24
所要時間 :約 10 分で読めます






未来を“築く”ための戦い




2000年に発表された、ガンダム生誕20周年記念プロジェクトの1作。
サンライズと、アメリカのポールスター・テレヴィジョン社との合同で製作された、日米合作映画。
監督はグレーム・キャンベル。

タイトルにも本編にもガンダムの文字は1つも無いが、れっきとしたガンダムシリーズの作品である。
また、シリーズ初の実写作品として(96年のゲーム「GUNDAM THE WAR FOR EARTH」は除く)製作され、このインパクトは当時も現在も不変となっている。
MSの描写はコクピット以外全てCGで表現されており、駆動音に“ウイ~ン”といった実際の機械音を取り入れ、無重力宇宙空間ではフワフワと漂い、重力下では低音と重量感を意識した独特のある種リアルな描写は、“非常にリアリティ溢れる”か“もっさりしてる”の二分の評価に分かれるところ。
他にも後述するコクピットのデザインやハリウッドSF恒例のデブリ抜けなどから、「ウルトラマンパワード」と同様に、海外と日本のSF描写観の違いを味わえる。

ハリウッド制作という宣伝もされたが、実際の所はそこまででもないTVスペシャル級の予算(およそ10億円)で製作されたためか、実写パートは少々しょっぱいものとなっている他、「スターシップ・トゥルーパーズ」の戦闘服の流用など、残念な部分もチラホラ……
また、吹き替え版は話題性を重視してタレントを中心にキャスティングを行ったせいで棒読みが目立つ。


発表当時、模型雑誌「ホビージャパン」で毎月特集が掲載され、後述するメディアミックスなど精力的なプロモーション行われたが、結果は皆の知る通り惨敗に終わった。
なので現在では黒歴史(スラング的な意味で)に近い扱いを受けているが、公式の年表にはきちんと宇宙世紀0223年の物語として記載されている。
しかし、最近は公式の年表でもスルーされることが多く『否定もしないが肯定もしない』という宙に浮いた状態となっている事が多い。

なお、Gジェネなどのゲーム出演が一切無いのは、日米合作という版権絡みの問題であるとも言われているが詳細は不明である。
小説版の表紙のキャラは実写ではなくイラストであり、仮に参戦するなら違和感のないイラスト版のような絵になるかもしれない。
例として、CGのIGLOOやコロ落ちのキャラはカード、Gジェネ、ギレンの野望OPではアニメ絵になっている。



■ストーリー

ザンスカール帝国戦争から70年、そして1年戦争から144年を経た宇宙世紀223年。
既に崩壊した地球連邦は、連邦派のコロニーを再編し「セツルメント国家議会」を結成し、再び地球圏の統治が始まった。
しかし、長きに渡る宇宙戦国時代の動乱によって地球の環境汚染が本格化し、地球圏は深刻な食糧不足に悩まされていた。
その頃、元国家議会軍の青年マーク・カランの働く大西洋深海農業研究所リグにスパイが進入。
捕縛されたが、マークはそこでシンシア・グレーブスと出会う。
彼女らは独立セツルメントのサイド8ガイアの研究者達であり、リグで食料不足を救う鍵となる「生物発光体」の開発のため侵入したと話す。
マークは彼女を留置所から連れ出し、リグの研究所で「生物発光体」の開発実験に大成功した。
しかし、それを強奪して独占しようと企む国家議会軍ガーノー総督の手が迫り、マークはしてない筈の殺人の罪に問われて指名手配されてしまう。
シンシアはマークとガールフレンドのミミ・デビアを連れてサイド4ニューマンハッタンに逃亡。そこでマークはかつて事故死したはずの戦友フィリッペ・サン・シモンと再会する。
彼は事故死に見せかけ離反、秘密結社「イルミナーティ」の幹部をしていると告白、更に最新型MSのGセイバーのパイロットを務めるよう促す。
なし崩しにGセイバーを受け取ったマークたちはサイド8ガイアへ亡命した。しかしそれも束の間、ミミはガーノーのスパイであり、彼女はガイアのコンピューターに侵入して意図的に議会軍の艦を砲撃する。
これを口実に議会軍が武力侵攻を開始、マークを憎む元上官ジャック・ヘイルが率いるMS部隊が迫る。マークは「生物発光体」、そしてシンシアたちを守る為、Gセイバーで立ち向かう!

本作の出来事は「ガイアの光事件」として記録される。



■用語

●スペースセツルメント
本作における、スペースコロニーの名称。
作中では各サイドが事実上独立していることから、コロニー(植民地)は不適切としてセツルメント(入植地)となった。
なお、本作においてはアースノイドとスペースノイドの軋轢はこれ以前の時期よりは少ないらしく *1
ドラマCDでは親善野球試合ユニバースシリーズが毎年開催されていることも語られている。


●セツルメント国家議会
崩壊した地球連邦の残党が、比較的連邦寄りのサイド2,3,5,7を取り込んで作り上げた新たな統一政体。
中央議会から派遣された知事が各地域の統治を行っている。
多分に軍閥的な部分があり、かつてのティターンズを彷彿とさせる武力にまかせた強権政治から、反感を持つ者も多い。


●セツルメント自由同盟
サイド1,4と月面都市が国家議会に対抗して作り上げた勢力。
詳細な描写は少ない。


●ニューマンハッタン
サイド4に存在するセツルメントのひとつ。
自由同盟所属のセツルメントではあるが、インターナショナルな気風に溢れている。
セントラルパークを再現した公園や、自由の女神像のレプリカなどもあったりする。


●ガイア
サイド4と同じラグランジュ4に存在するサイド8、及びその唯一のセツルメントの呼称。
国家議会成立の時点ではまだ建造中だったため中立サイドとして扱われているが、食料開発力に目をつけた国家議会に狙われている。
サイド4との間の空域も大部分が議会軍の監視下に置かれており、気づかれずに行き来するためには危険な暗礁空域を通るしかない。


●イルミナーティ
秘密裏に設立された武装組織。連邦時代の末期に退役軍人が中心となって結成されたプライベートクラブが元になっている。
地球圏で起こった紛争の調停を行い、時には独自の戦力で武力介入を行う。
国家議会と対立することが多いため反国家議会組織とみなされがちだが、実際の目的は地球圏の勢力バランスを保つことであり、場合によっては国家議会と協力することもある。
国家議会と自由同盟の双方に対してパイプが太いようで、実態を把握するのは困難。
…まんまソレスタルビーイングとか言ってはいけない。
ニューマンハッタン内の「サン・シモン劇場」は彼らの拠点の1つであり、劇場内の酒場「フィリッペ・ハンガー」にてフィリッペ・マルガリータを注文することがメンバーを見分ける合言葉となっている。


●セイバーチーム
ジョン・セイバーなる人物に率いられたMS開発チーム。
元々は旧連邦の所属であり、フリーダムやブグも彼らが手掛けた。
小説版によれば、弱体化した連邦の異常な体制が兵器開発にまで影響を及ぼしていた状況を打開し、当たり前の兵器を開発するための力を再び取り戻すために編成されたスペシャリスト集団とのこと。
作中では解散したと思われていたが、実は密かにイルミナーティ側についている。
その技術力は本物で、彼らが開発したセイバーシリーズMSはいずれも極めて高い性能を誇りながら、コンセプトモデルであるGセイバー以外は量産されている。
なお、ジョン・セイバーは非常に謎が多い人物で、チーム内にすらその存在自体を疑問視する者がいるほど。


●モビルスーツ
ガンダムシリーズではお馴染みの人型機動兵器。
小型化が主流だった宇宙世紀140年代の頃よりも再び大型化 *2 しており、シンプルな外見も合間って先祖返りしたようなものとなっている。ただし性能設定を見る限りは非常に高い推力重量比を持つ高性能っぷりなので、映像解釈の問題と思っておくのが吉である。
後付けではあるが、機動戦士クロスボーン・ガンダム DUSTにおいては長きに渡る宇宙戦国時代の中で技術が大きく衰退し、全天周モニターやリニアシートなどの技術は最早維持することすら出来ず、ビーム兵器も希少化したとされている。
また、この時代には ミノフスキー粒子を無力化する技術が確立されている *3 らしいが、小説版によると本作のMSも従来同様にECM(電子妨害)の庇護下において威力を発揮する兵器として位置付けられているため、ミノフスキー粒子に代わる何かが存在する可能性も考えられる。
コクピットは全天周モニターとリニアシートが廃止されており、パイロットの正面に斜め向きのメインモニターを1枚、その両脇に三角形のサブモニター2枚(トレーラー版ではさらに足元にも1枚)をスポーツカーの窓のように配置し、そこから奥にシートをそなえつけたレイアウトが特徴。
全天周モニターに対しては本作以前の時期から「ニュータイプでない一般のパイロットでは情報量の多さに混乱し、戦闘に支障をきたす」「側面や後方を確認するためにいちいち振り向かないといけない」という欠点がしばしば指摘されてきたらしいため、恐らくこの点をセイバーチームが憂慮した結果と思われる。


●モビルウェポン
通称MW。コンピューターによって制御される無人MS。
紛らわしいがモビルワーカーではない。
議会軍は指揮官である有人MSとその手足となるMWの配備数を増やすことで戦力を増強する「MW計画」を推進している。
緻密な作戦行動と死を恐れない戦いぶりでかなりの力を発揮するが、作戦行動中に命令の更新が出来ず、とっさの状況に対応できないという欠点もある。そのため一度暴走すれば手がつけられなくなり、本編の数年前には暴走MWが居住区を丸ごと一つ焦土に変えてしまう事故が発生している。
また、前述した死を恐れない戦いぶりという点から、熟練パイロットにとってはある意味カモ同然の存在でもある。
戦闘行為に人の意思が介在しないことから嫌悪感を示す者も多い。
小説版では、MW計画はガーノーの「強力かつ絶対服従の兵士が欲しい」という要望を念頭に置き、現場の声を二の次にして進められていたため、ガーノー死後の議会軍は確固たる運用思想を持たないMWレイを持て余すこととなり、計画の見直しを決定したと解説されている。


●生物発光体
ホタルや深海生物特有の熱を起こさない光を発する物質。
リグでは、熱を持った生物発光を起こせる生物発光体を組み込むことで、光合成に必要な熱と光を自ら生み出す植物を開発し、
荒れ果てた地上の代わりに深海に農場を作ることで食糧危機を打開することを目標として、リバ博士主導で研究開発が行われていた。



■登場人物

●マーク・カラン(演:ブレナン・エリオット)
頼むぞ、Gセイバー!
本作の主人公。
かつては議会軍で凄腕のMSパイロットとして知られていたが、事故に遭った同僚ソウヤーを救えなかった辛い経験やジャックの非人道的な指導に嫌気がさしたことなどから退役する。
その後はリグで働いていたが、シンシアたちとの出会いによって事件に巻き込まれ、その人生を大きく狂わされる羽目に。
ソウヤーの一件からMSでの戦闘にトラウマを抱いていたものの、議会軍に次々と殺されるパイロット達の姿を目の当たりにしたことから苦悩を振り切って出撃、Gセイバーで獅子奮迅の活躍を見せる。
ミミとシンシアという2人の女性にキスしまくったリア充。


●シンシア・グレーブス(演:エヌカ・オークマ)
ええ・・・実験は大成功よ!
シリーズ通して唯一の純黒人ヒロイン。
ガイアのウィズダム大学に所属する生化学者。
学会では若いながらも生物工学の権威として知られており、「生物発光体」の開発実験を行うためにリグに侵入した。
つまり、事件を起こした張本人でもある。
徐々にマークと心を通わせるが…。
なお、演じたエヌカ女史は「ガンダムW」の英語吹き替えでリリーナ役を務めており、アニメ声優としても活動している。


●ミミ・デビア(演:カタリナ・コンティ)
最高じゃない、あたし達にピッタリの最期ね!あんたと心中なんてちょっと悔しいけど!
マークのガールフレンド。
議会軍の諜報部所属であり、マークと付き合っているのもお目付け役としての部分がある。
自分を国家議会の重要議員にさせるよう提言を求めるなどの汚い面があり、マークからは半ば見限られていた。
しかし心ではマークを愛しており、ガーノーに情報を流したのには個人的な感情が合わさっている。
また、「生物発光体」の食料不足解決への活用には賛成しており、最終的に議会を裏切り、ガーノーと運命を共にする。
サウンドシネマ第1話にも登場。ヒロインのエリーシアを激励、手助けして活躍する。


●フィリッペ・サン・シモン(演:ロシュガー・マシューズ)
あとは我々イルミナーティに任せろ!
かつてのマークの同僚で、嫌気が差していた議会軍を事故死に見せかけて離反していた。
その後はイルミナーティに参加し、幹部を務める。
Gセイバーをはじめとするセイバーシリーズの開発にも携わっている。
マークへGセイバーに乗るよう提言したり、苦戦していたガイア軍のピンチに駆けつけたナイスハゲ。
サウンドシネマ第2話にも登場し、こちらでもオイシイ活躍を見せた。


●フランツ・ディーター(演:アルフォンソ・キーハダ)
" マーク、太刀打ちできない!このままじゃやられちゃうよ! "
シンシアと共にリグへ侵入した、ガイアの研修生。
MSパイロットでもあり、同じくパイロットであるマークに対抗心を燃やす。
ガイアでの戦いにおいてMWレイにフルボッコにされてしまうが、マークとイルミナーティに助けられ、なんとか生還する。


●コウビィ(演:ターイラ・マイケル)
" マークの、勝ちね…! "
ガイアの研修生。ディーター同様、シンシアのお供としてリグに潜入した。
終盤でガーノーの部下に撃たれるも、なんとか一命は取り留めた。


●グレーブス委員長(演:ブル・マンクマ)
" このガイアが続く限り永遠に語り継がねばならないのです!今のこのガイアがあるのは、この尊い犠牲があったからこそなんだと! "
シンシアの父であり、ガイア議会の委員長。
穏健派のようで、議会軍との戦闘には難色を示していたが、世界の行く末については彼なりに真剣に考えている。
交友関係があるニューマンハッタン市長を通し、シンシアが地球に降下するための算段を整えるのに協力した。


●リバ博士
リグに所属する高名な科学者。本編では名前と顚末のみ語られ、サウンドシネマ第3話にて登場。
どんな困難にぶつかっても不屈の執念で乗り越えてきたらしく、リグ内部での人望も厚い。
人類を食糧危機から救うために生物発光体の研究開発を行うも、最終実験に必要な触媒の開発に手を染めようとした矢先、議会軍に暗殺されてしまう。
モーリスという一人息子がおり、サウンドシネマ第3話にて主人公を務めた。


●ガーノー総督(演:ケネス・ウェルシュ)
シーザーもナポレオンも民衆に恐怖を与え、成功したのだよ
議会軍の総督で本作きっての悪役。
当初は軍を退役したマークと親しげに話しかけていたが、心では見下している。
民衆の飢餓感を煽ることで地球圏に混乱を起こし、それに乗じて自由同盟と中立セツルメントを取り込むことで、崩壊した地球連邦を再建する野望を抱いている。
サウンドシネマでは、その為に 工作員を利用して意図的に食糧危機を加速させる という非道な行いにまで平然と手を染めていたことが発覚。
アンティーク武器を多数コレクションしており、軍服にもその意匠を取り入れるなど、センスには若干疑問が残る人。
イルミナーティがガイアへの救援に駆けつけた際、攻撃を受けないようガイアのシャトルで脱出するが、ジャックがMWレイに「ガイアから脱出する民間シャトルは全て撃墜しろ」と命令していたため、敵と誤認されて宇宙のチリと化す。
吹き替えは両さん。サウンドシネマではスケジュールの都合からか糸博氏が代役を務めていた。


●ジャック・ヘイル(演:デイヴィッド・ラヴグレン)
勝つためなら何してもいいんだ!それが悪役なんだよ!
国家議会軍のMSパイロット。悪役を自称し、勝つためなら卑劣な手段もいとわない。
金は命より重い主義で、それについていけず退役したマークを裏切り者として執拗に目をつける。
ガイアへの侵攻の際には闘いを楽しむように次々とMSを撃破し、マークとの一騎打ちでも悪役らしいコスっ辛い戦法を堂々と披露した。
なお、上記のセリフは吹き替え版のもので、実際のセリフは“Good bye my friend(さらば友よ)!”である。


●ティム・ハロウェイ(演:ピーター・ウィリアムズ)
" 誰か…誰か応答してくれ!頼む、助けてくれ…!
冒頭で登場した議会軍のMSパイロット。
イルミナーティが衛星軌道上から投下した人工衛星(シンシア達が地球に潜入するために使ったカプセル)を追跡している最中に誤って大気圏に突入し、大西洋に墜落。
耐圧処理がされていない宇宙用ブグに搭乗していたためコクピットへの浸水で溺死しかけるが、マークによって救出され事なきことを得た。
因みに、装備なしで大気圏に突入したにも関わらず 死ぬどころか気絶すらしていない 。ブグの耐久性が凄いのか、彼が凄いのか…



■登場兵器

メカニックデザインは一部を除いて大河原邦男氏が担当しており、後に一部の機体の意匠が、同じく大河原氏が参加したSEEDの機体に受け継がれた。

●G-SAVIOUR Gセイバー
セイバーチームが開発したガンダムタイプのMS。設計自体は旧連邦時代から行われていた模様。
開発7番目の機体とのことで、GはガンダムのGではなく、アルファベット順で7つめのGを意味する。どうやら開発された機体順にアルファベットが振られる模様。
球体関節を採用したフレーム「オリジン」に外装を被せて作られており、専用の換装ハッチを潜ることで装備換装するという点が特徴で、3種類に換装可能。所要時間はおよそ30秒。
しかし換装ハッチが場所を取ってしまうこと、ただでさえ煩雑な設計な上にオプションが改良、拡張される度にそれに合わせた調整を施さなければならないことから、運用性には若干難がある。
武装は全形態共通で、ビームライフル、ビームサーベル×1、頭部30mmバルカン砲、ビームシールドというスタンダードなもの。
因みに、本編で登場したのは試作3号機であるGセイバー703。701は所在が不明で、702は暗礁空域での飛行試験中に事故で失われた。

以下3項が各換装形態。
  • 無重力仕様(スペースモード)
宇宙空間での戦闘に特化した換装。単にGセイバーと言う場合は基本的にこれを指す。
背部と腰部の大型スラスターが特徴的で、F91の血が流れているとする説もある。
上腕部と大腿部には装甲が無くフレームむき出しという、徹底した軽量化が図られており、 1008t という驚異的な推力もあって運動性能は非常に高い。それでいてこの手の形態にありがちなパワー不足ということもなく、片腕で巨大デブリをこともなげに押しのけられる程パワフル。
重力下でも戦闘自体は出来るようである。
この機体のみガンプラ化されており、腰部スラスター基部が若干ヘタりやすい以外は当時としては良質な出来。内部フレームもきっちり再現されている。
13年の刻を超えてガンダムビルドファイターズにまさかの登場で本作を知る視聴者に衝撃を与えるも、ニルスの百式に瞬殺される。
が、それでもファン達は瞬殺以前に公式である映像媒体に登場出来たことに大歓喜したのであった。
BF登場に合わせてかプラモが再販されているので興味のある方は手にとってみればいかがだろうか。

  • 重力下仕様(テラインモード)
地上戦に特化した換装で、分厚い装甲と素早い機動性が特徴。スペースモードの約2.8倍の脚力を誇る反面、スラスター出力では劣る。
スペースモードと比べると、よりオーソドックスなガンダム像に近いデザイン。
本編では終盤の数十秒のみの登場、しかも後姿という不遇なもの。
しかし、高品質なCGによる描写と勇ましいテーマ曲に彩られ、アっという間に敵MSを撃破する姿は印象深い。
サウンドシネマ第2話においては性能テストにてMW化されたフリーダムとこの形態で交戦している。

  • 高起動仕様(テライン・ホバーモード)
本編のテスト用に作られたPV(未ソフト化)及びサウンドシネマ第2話に登場。
テラインモードに大出力ホバーユニットを背負わせた形態で、短時間ながら器用な飛行が可能。山岳や市街地で特に威力を発揮する。
ホバーユニットは任意にパージ可能で、推進剤が切れてもすみやかにテラインモードに移行できる。
ミノフスキードライブどこ行ったという声が多いが、恐らくこれも技術衰退によって消えてしまったものと思われる。


●I-SAVIOUR イリュージョン
セイバーチームが開発した9番目の機体。セイバーシリーズでは唯一ペットネームがある。
本編ではフレームアウトしている場面が多く、出番も少ないため全身象が掴みにくいが、設定画を見るとしっかりガンダムタイプと分かる。
AMBACデバイスと着床脚以外の機能を捨てた鳥のように細い脚と、スラスターで埋まった背部が特徴的。
完全な宇宙仕様であり、Gセイバー以上の機動性を誇るが、軽量化の結果として装甲が極端に薄く、腰に至っては シリンダー3本だけで繋がれている 。勿論防御力はお察しレベルの為、敵の攻撃は機動性を活かして回避するのが基本となる。
要はほぼガイコツと思えばよい。
フィリッペ率いる大部隊で議会軍を蹴散らしていった。


●RGM-196 フリーダム
ジェガンの遠い末裔である、地球連邦軍最後の量産型MSにして最後のRGMシリーズ。
ブグのような最新鋭の機種と比べれば旧式化は否めないが、ロールアウトから30年以上運用され続けてきただけあって整備性と信頼性は非常に優れている。拡張性も高く、気の利いたメカニックによってチューンされれば一線級の機体に生まれ変わることもできるという。
劇中に登場した機体は緑基調のカラーリングだが、連邦軍で使われていた時は青基調で塗装されていた模様。
某モビルファイターや某スーパーコーディネーターの乗機とは無関係。
連邦崩壊後は民間に払い下げられ、世界中で広く普及している模様。
ガイアは40機以上保有しているが、経年劣化が酷い上に整備も行き届いておらず、現役当時のスペックが引き出せなくなっている。
本来の主武装だったビームライフルは実弾マシンガンに、ビームシールドは実体シールドになり、ビームサーベルは一部の機体しか使えないという、まるで1年戦争時代に戻ったような気分にさせてくれる。
完全に名前負けしており、さらに素人パイロットが操縦していたこともあり、議会軍のレイ部隊によって血祭りにあげられていった。
正規パイロットのディーターも搭乗して出撃し、他の機体よりは何とか粘った。
サウンドシネマ第2話ではMW化されてGセイバーのテスト目標となるが、工作員シドニーの手によって暴走させられ、集団でGセイバーを手こずらせた。


●CAMS-13 レイ/CAMW-13 MWレイ
議会軍の量産型MS及びMW。MW計画によって開発された新型機。
トーラスみたいなものだと思えばいい。
昆虫の様なデザインが特徴で、ツインアイが怪しく光る。
ビームライフル兼用のビームスピアと背部ロケットランチャー、そして肩部マシンガンなど充実した武装を備え、当初はガイア軍より少ない部隊で一方的に撃破しまくるも、マークのGセイバーによって形勢を覆された。
増援を呼んで再び窮地に落し入れるが、今度は更に倍あるイリュージョン部隊によって全滅した。
そして、2機のMW型が…。
ジャックはMS型に搭乗。
デザインは現地スタッフのケビン・イシオカ氏が手がけた。


●CCMS-03 ブグ
議会軍の主力量産型MS。西洋の鎧を思わせるデザインが特徴。
ザクのプロトタイプではない。
量産機ながら非常に堅牢で、 装備無しで大気圏に突入しても機体もパイロットも五体満足、数発程度ならGセイバーのビームライフルがノーガードで直撃しても耐えられる *4 程。またコクピットはそのまま脱出ポッドにもなり、パイロットの生存性を重視していることが窺える。
基本性能そのものも優秀なようで、サウンドシネマ第2話ではパイロットの技量差があったとはいえGセイバー相手に単独で善戦してみせた。
ガイア侵攻の際、ジャックが連れて来た2機がガイア内部まで攻めるが、マークのGセイバー重力下仕様により瞬時に撃破された。
本編では実弾ライフルとジャイアントハチェットを主武装として、稼働時間が通常のMSと比較して3倍にも増えているが、ビーム兵器を選択する事も当然可能である。
何気にジンのデザインモチーフだったりする。


●MMS-DS209 グッピー
冒頭でマークが操縦していた旧式の深海作業用MS。
潜水服のような姿をしている。
四肢を後ろに回すことで巡航形態への変形が可能で、また腕部は様々なツールに換装できるようになっている。
あくまで深海作業用機のため、地上では歩く程度の機動性しか持たない。
劇中では海中に墜落したブグを作業中に発見し、射出された脱出ポッドを手動でキャッチして救出した。
レイ同様にケビン氏のデザイン。


●ニンバス
イルミナーティが保有する小型のMS運用母艦。Gセイバー運用を前提として建造された。
武装は一切持たないがMS3機を搭載可能で、それぞれが前述のハッチを利用して装備を換装できるようになっている。
ガーノーが終盤で乗り込んだ艦はニンバスと外見が同じだが、同じ艦なのか似ているだけの別の艦なのかは不明。


●ユリシス
議会軍が保有する駆逐艦。
ガイア領空に侵入し、対デブリ火器「キー・アサット砲」による砲撃を受けた。
ガーノーによると死者が6人出たらしいが、真偽は不明。


●MS母艦
戦艦以上の規模を誇る、議会軍最大の艦。
多数(小説版によればジャックのMS型を含めて25機)のレイとブグ2機を搭載してガイアを襲撃した。


●F-SAVIOUR Fセイバー
サウンドシネマ第1話にて登場した機体で、Gセイバーの開発母体。
フリーダムを魔改造して作られた6番目のセイバーシリーズ。
外見こそほぼ変わらないが、フリーダムがベースとは思えない俊敏な機動性と至近距離からの被弾にも耐えうる頑丈な装甲を持ち、操縦性も農耕用MSの操縦経験しかない民間人でも正規軍を蹴散らせる程度には良好。
劇中では反議会軍組織「クラブ4」に供給され、わずか5機で議会軍のMS部隊を圧倒。特に主人公アンディが搭乗した黒い機体は彼の技量もあって凄まじい強さを発揮した。


●G2-SAVIOUR G2セイバー
Gセイバーの設計を発展させたコンセプトモデル。設定のみが語られ、後にホビージャパンにてプラモデル作例が掲載された。
ジーツーではなくジーセカンドと読む。
球体関節を二重にした「ダブルジョイントフレーム」構造を採用。剛性こそ若干落ちたものの、元から高かった運動性はさらに強化され、高速で接近してくる敵への迎撃力は16%、回避性能は12%程向上している。
ダブルジョイントフレームは後にJセイバーやG3セイバーにも採用された。
また、並行して高速地上移動システムも開発されており、それを装備した形態が正式なG2セイバーであるとする説もある。


●戦闘母艦マルス
サウンドシネマ第3話で登場した議会軍のMS母艦。
MS2機を搭載し、シンシアが搭乗するシャトル便を襲撃する為に暗礁空域で待ち構えていたが、イルミナーティのMS部隊がシャトル便を護衛していた為、隠密作戦は不可能と判断して攻撃は行わなかった。



■メディアミックス

●サウンドシネマ
地球のぶどう農家を主役に据えた第1話「イカロスの紅い翼」、Gセイバー開発秘話を取り扱った第2話「Before the mission」、シンシアが地球に降りるまでのいきさつを描いた「深海のプロメテウス」の全3話構成。
一部FMラジオ局で放送され、後にドラマCDとして発売された。


●小説版
上下巻の2部構成。講談社スーパーダッシュ文庫より出版された。
著者は本作の企画書製作も担当した河原よしえ。
基本的なストーリーは本編と同じだが、設定や心理描写がより掘り下げられている。
また、巻末には作中世界の人物のレポートという設定で、世界観やMSに関する解説が記載されている。


●コミカライズ版
エンターブレイン発行の「ファミ通ブロス」誌で掲載された。未単行本化。
ゲーム版第1話を題材としている。


ゲーム版
本編の1年後を舞台とした作品。対応ハードはPS2、ジャンルは3Dシューティング。
PS2初のガンダムゲーにして、現状では宇宙世紀最新の物語となる。
単調なゲーム性やストーリーの完成度の低さから評価は低いが、グラフィックはPS2初期タイトルとしては中々綺麗で、音楽やメカデザインも好評。
本編の内容をまとめたスペシャルPVが3種類収録されている。
当初は別世界の話だった本編とは異なり、こちらは過去の宇宙世紀作品のネタが多く存在することも注目要素の一つ。



■備考

発表当初は「宇宙暦」という、アナザーガンダムに分類される作品ではあったが、のちに宇宙世紀に組み込まれた。
それ故に、1年戦争から100年以上も経っているのに技術が退化しているなどと色々言われてしまうようになったが、
アナザーガンダムのままだったら本当に黒歴史より闇の彼方に葬り去られる羽目になっただろうから、比較対象としてある意味有名ではある。

CGは十数年前のものに関わらず、関節の動きや姿勢制御など、細かい動きまで丁寧に描かれており、今の視点でも充分に高品質である。
特にコロニーミラー上におけるビームサーベル戦と、広大さと巨大感を演出するカメラワークも注目に値する。
また、農業というテーマを扱ったストーリーや設定、あまり取り扱われない宇宙世紀200年以降を舞台としている点などの独自性に関しても支持する声は多く、超マイナー作品ながら熱心な固定ファンも一定数存在する。

2015年現在ガンダムシリーズを時系列順に並べると、本作の次は『ガンダム Gのレコンギスタ』となる。
しかし、同作にて宇宙世紀末期に深刻な食糧難が発生したと語られたことと、食用賤民の末裔「クンタラ」が登場したことから、
「生物発光体は活かされなかったのか?」「本作は正史に入れなかったのか?」と物議をかもした。





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