受けループ(ポケモン)

登録日:2011/10/03 Mon 01:30:57
更新日:2023/08/26 Sat 23:20:28
所要時間:約 5 分で読めます




ポケットモンスターシリーズの対戦における戦略やPT構成の一種。


◆概要

名称の通り強力な耐久性や耐性を持った役割理論における「受け」が出来るポケモンにより、 相手の攻撃を受け回して「ループ」を作り出し「どくどく」や「ステルスロック」「ちきゅうなげ」「ゴツゴツメット」等の定数ダメージで「じわじわとなぶり殺す事」を目的としたPTである。


BW発売後の約半年後に生まれた戦法。


ポケモンの対戦環境は、強力な威力の技や火力増強アイテムが増えDPt以降全体的に火力偏重な環境となった。
金銀世代がピークだったと言われるこのような耐久性重視な戦法はもはや旧世代の物だとされた。


より火力偏重な能力を持つポケモンが増え、火力インフレが加速したBW発売当初においてもその傾向は強かった。


だが、BWの対戦環境がある程度まとまってきた頃になると「しんかのきせき」や「ゴツゴツメット」といった道具や強力な耐性、 防御向きの特性を持つポケモンの増加によりむしろ一部の「受け」ポケが再評価。
その勢いを受けてこのような「受けループ」という戦法が生まれ、砂パ雨パに次ぐトップメタ級のメジャー戦法にまで上り詰めた。
まさに受けポケ達の逆襲である。



◆基本的構成

  • ラッキー
「しんかのきせき」により進化後のハピナス以上という圧倒的耐久を手に入れたピンクの悪魔。第5世代では「ちきゅうなげ」が過去作限定だったのが辛かった。
受けループを象徴する存在で、他メンバーはラッキーを基本に固めていく形で選出される事が多い。

ラッキーの苦手な物理格闘対策と「どくどく」の効かない毒タイプ対策を兼ねる守護者。
隠れ特性「ポイズンヒール」によるハメ殺しや状態異常対策、「ハサミギロチン」による無理矢理な役割遂行等かなり厄介。もちろん持ち物は「ポイズンヒール」を発動させるために「どくどくだま」。
剣盾ではリストラされてしまった。

上記の二匹が苦手な「こだわりハチマキ」持ちのガブリアス等を捌く。
他にも「ステルスロック」「ふきとばし」で昆布したり、特性「がんじょう」により一撃技や不意の特殊技対策も兼ねる。 かたやぶり」に弱いのは相変わらず
物理受けなので「ゴツゴツメット」持ちが多いか。

SMで登場したと同時に受けループの中核となった万能受けポケモン。
物理耐久と特殊耐久のどちらも優れており、隠れ特性「さいせいりょく」により交代戦で強い。
物理アタッカーを機能停止させる「ねっとう」やガードと同時に接触技を撃ってきた相手を毒状態にする「トーチカ」、積み技対策の「くろいきり」等、妨害手段に長けており、努力値調整次第で物理受けも特殊受けも可能とカスタマイズ性にも長けている。
持ち物は食べ残しに頼らずにHPを回復できる「くろいヘドロ」でほぼ確定。


構築成立初期は「ラキグライムドー」が最も基本とされ、残りの三匹で更に穴を埋めていくのがスタンダードであった。
しかし第7世代以降は新たにドヒドイデが基本構築に加わり、サイクル戦が可能なアタッカーや、受けループ対策ポケモンに対して強いポケモンを組み込む構築がメジャーになるなど世代を経る毎に変容してきている。

第8世代初期ではラキグライムドー全員が登場しなかったので、受けループはドヒドイデ+αとなっていたが、その後のアップデートでラッキーとエアームドが再登場し、『冠の雪原』段階では「ドヒドラキムドー」が基本となっている。



◆受けループの欠点

  • 受けポケが基本という関係上「ちょうはつ」や「トリック」「すりかえ」等の補助技潰しに弱い。

  • 交代によるサイクル重視な戦法なためサイクルに割り込める「とんぼがえり」「ボルトチェンジ」に弱い。

  • 交代をそもそも封じられる特性「かげふみ」に非常に弱い。

  • 交代してサイクルを回す以上、「つるぎのまい」「わるだくみ」等の積み技や「みがわり」との相性も悪い。

  • そもそも受けが基本の戦法なので「受け」が成立しにくいポケモン*1や上記の三匹の弱点を同時に突けるポケモンに弱い。

  • 一匹でも倒されてしまうと、受けが成立しなくなって一気に崩壊することが多い。役割破壊技の可能性を考慮して慎重に立ち回る必要がある。

具体的にはメガルカリオボルトロスメガゲンガーゴチルゼルウーラオス等々。
特にボルトロスは上記の「ちょうはつ」「とんぼがえり」「わるだくみ」も備えているため受けループの天敵とも言える存在。
他に、メガゲンガーは「かげふみ」でサイクルを止める上、特殊アタッカーでありながらラッキーをほぼ完封するのでかなり苦手。


しかしそれらの欠点を残りの三匹でしっかり補っている事も多いため完璧な対策は難しい。
具体的に採用されやすいのは、

対策枠が三匹もあり対策がしやすいのは地味に憎らしい。




……しかしそれら以上に根本的な最大の欠点が存在する。


それは何より「戦いが長引く」という事。


受けポケ中心の防御的思想な構成の関係上、仕方ないっちゃ仕方ないのだが、
とにかく戦いが長引くため相手する側も下手すると使う側も非常に疲れる……。
下手すると時間切れになって残りの手持ちの状態で勝敗が決まる。

その性質上切断される確率も非常に高いのが厄介である。
XY以降は切断=負けだが。

俗な話をすると、対戦の時間を豊富に取れるプレイヤーに有利な戦術である。
例えば、専業ゲーム実況者であればプレイ時間には困らないため、受けループで高レートを目指しやすい。


ポケモンスカーレット、バイオレットでは特殊耐久が高い毒&地面のドオー、凄まじい物理耐久を誇るヘイラッシャ、回復技、あくび、専用技で特攻を上げれるラウドボーンと特性てんねん持ち3匹衆、回復と一貫性高い定数ダメージを与えれる専用技のキョジオーンと新たな受けループ要員が登場。
本作の新要素テラスタルでタイプに変化して本来だと苦手なタイプから弱点つかれるのを無くせるなど相性も良好。

一方、変化技をシャットアウトしてしまうサーフゴー、ちょうはつを覚える上にてんねんではカバーしきれない強力な「ふんどのこぶし」のコノヨザルに、ドドゲザンサザンドラなどのちょうはつや火力上げる変化技を持つポケモンとテラスタルも技の威力を2倍になる効果なので、以前は受けきれていたものも受けるきれるのが難しくなった。
ラッキーも小さくなるが剥奪、ドヒドイデなどの耐久水タイプは熱湯がわざマシンから削除された関係で現時点で習得不可に。
また、じこさいせい、なまける等の回復技のPPが5に減らされたことや、アンコールが技マシンとして色んなポケモンが覚えるようになったことで行動を縛られてしまうケースが増加した。
種族値が高いパラドックスポケモン、専用特性で耐久値を下げる上に専用技が定数ダメージ効果で耐久受けを強引に突破する四災たちが解禁。
結果的に受けループの要だったラッキーが凋落。

その中で、グライオンと同じ「ポイズンヒール」を持つキノガッサが復帰参戦。
テラスタルで弱点技を打ち消して強引にキノコのほうしで眠らせてハメる戦術が編み出された。
また、前述の変化技をシャットアウトするサーフゴーは実はじこさいせいも覚えるため、こちらも受けループのパーツとして適性がある。
相手側の受けループを崩してくるアンコールやこだわりトリックの無効化要員として用いられることも。

追記・修正は受けループを崩してからお願いします。

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最終更新:2023年08月26日 23:20

*1 強力な積み技や両刀、サイコショック持ちなど