強殖装甲ガイバー

登録日:2009/05/26 (火) 18:21:58
更新日:2024/04/16 Tue 16:31:15
所要時間:約 4 分で読めます





“生命”


科学が及ばぬ無限のエネルギー


今――その力を恐るべき武器へと変えて、何かが、襲ってくる……!




■概要

『強殖装甲ガイバー』とは、『冥王計画ゼオライマー』と同じ作者がかれこれ数十年以上描き続けている漫画である。
1985年に月刊少年キャプテンで連載が始まり、キャプテンが休刊になってからは月刊エースネクストを経て月刊少年エースに移籍。
3度に渡るアニメ化(映画、OVA、TVアニメ)の他、ハリウッドで2度に渡り実写化もされている。

単行本は2023年現在32巻まで出ている。掲載年数に比べ単行本巻数が少ないのは、作者である高屋良樹が頻繁に休載するため。無告知休載も珍しくない。
一部のディープなファンからは作中のキャラクターになぞらえて「タカヤンフェルの遅筆の病」「休載期」などとも言われている。*1

なお、作者作詞による初期OVA主題歌「強殖装甲ガイバー」(歌:石原慎一)は名曲。
OVA本編を見ていなくても、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』最終巻の巻末宣伝で耳にした人も多いだろう。未だ聞いた事がない人も、ぜひ聴いてほしい。


■あらすじ

遥かな昔、謎の異星人「降臨者(ウラヌス)」が地球に残した「ユニット」と呼ばれる物体。
高校生の深町晶は偶然にもその一つを手に入れ、殖装体「ガイバー」となってしまう。
降臨者の遺したデータを悪用し、世界征服を目論む秘密結社クロノスは、晶に次々と刺客を差し向ける。
生きるため、そして大切な人達を守るため、晶はガイバーとして、クロノスと戦う事を決意する!


■登場人物


○主要人物


深町(ふかまち)(しょう)

本編の主人公。父子家庭(母親とは幼い時に死別)の平凡な高校2年生*2だったが「ユニット」との接触によりガイバーとなってしまい、クロノスに追われる身となる。
運命に翻弄されながらも多くの人々に支えられ、成長していく。
ガイバーⅠに殖装しクロノスと戦う。

瀬川(せがわ)瑞紀(みずき)

晶の幼馴染。最初は顎人に惹かれていたが、過酷な状況に懸命に立ち向かう晶を、次第に愛するようになる。晶にとっても心の拠り所となる存在。

瀬川(せがわ)哲郎(てつろう)

瑞紀の兄で、晶にとっても兄貴分的な存在。ストーリー当初は高校三年生。晶と共に事件に巻き込まれてしまう。
下校の際、裏道を通って帰ろうと晶を誘ったため、それが結果的に晶の運命を大きく変える原因となった。本人もその事で心を痛めている。
高校時代は特撮研究会の部長であり雑学に堪能で、参謀として晶をサポートする。前述の通り深町家は父子家庭で親があまり面倒を見てやれなかったのも瀬川兄妹と仲が良い理由の一つ。

巻島(まきしま)顎人(あぎと)

晶が通う高校の生徒会長で高校三年生。ガイバーⅢに殖装する。
クロノス日本支部長・巻島玄蔵の養子で、次期幹部候補でもあったが、自らの野望を成就すべく造反した。
実は彼は彼でかなりキツい人生を送っているため冷酷で狡猾な性格が形成されているが、実直な晶と関わるうちに感化されているような節も。
ガァ〜イィ…バァァァァ↓

尾沼(おぬま)志津(しづ)

顎人の生家の使用人だった祖父と共に、顎人の隠れ家を守ってきた。顎人の役に立ちたいと考えている。
準ゾアロードとも言うべき特殊な調整体「グリセルダ」に調整された。

村上(むらかみ)征樹(まさき)

晶達に協力するフリー・ルポライター。その正体は獣神将試作体(プロト・ゾアロード)。打倒ギュオーに執念を燃やす。
ギュオーとの凄絶な死闘の末、死亡したかに思われたが……。

アプトム

損種実験体(ロストナンバーズ)の一人。損種実験体部隊としてガイバー捕獲のために駆り出されるが敗北し仲間を失う。
その後、再調製で新たな能力を身につけたが、同時に獣神将の精神支配を受け付けなくなり、クロノスを離反して独自の意思で行動するようになる。
そしてその能力は「あらゆる生命体を融合捕食し、遺伝子形質を取り込んで相手の能力を獲得する」「単なる肉体再生に留まらず、自細胞が欠片でもあれば、他の生命体を苗床として復活可能」という域にまで達している。
当初は仲間の仇である晶を付け狙うが、幾度もの戦いや、同じ損種実験体である速水との出会いを通じて、ツンデレ化。

速水(はやみ)利章(としあき)

元遺跡基地最下層研究スタッフ。主任であった小田桐と共にクロノスに反抗を志す。
後にクロノスによって植え付けられたウィルスを無効化するため、そして戦う力を手に入れるために自ら望んで損種実験体「バイオフリーザー」となった。
ヘリウム熱交換器による冷気を操る能力を持つが、その使用や獣化による負荷が原因で余命が短い事を悟っており、最後は敵に操られたアプトム復活のため、苗床として自らの命を差し出した。
「たとえ俺という存在は消滅しても、俺の血肉はアプトムの一部となって生き続ける事が出来る。"受け継がれる魂"のように…」


○クロノス

アルカンフェル

クロノスの総帥にして最古の獣神将。その正体は降臨者によって創造された唯一の原初の獣神将(オリジナル・ゾアロード)であり、他の十二神将は彼の力を分け与えられたに過ぎない。
その戦闘力は圧倒的でガイバー程度では問題にもならないが、かつて降臨者と対決した際のダメージが深く体に刻み込まれており、定期的な「眠りの病」に蝕まれている。

クロノス十二神将

クロノスの最高幹部である獣神将達。項目参照。

リヒャルト・ギュオー

自らが帝王の座につく事を夢見る野心家。最後に調整された獣神将であり、クロノスに反逆する直前までアルカンフェルに会っていなかった。
現在ではクロノスを追われる身だが、同じく反旗を翻したジャービルとクルメグニクに拾われ、限定的だが新たな能力を与えられ活動している。
実は、クロノスでもトップシークレットに属するある強力な切り札を持っている。


○その他

実験体

第1話で登場した男。ゾアノイドの調整に失敗した被験者であり、そのせいか獣化後は筋肉組織が剥き出しになった醜悪な姿となり、寿命が数週間しかもたない。
自分を失敗作にしたクロノスに一矢報いるためにユニットを持ち出して脱走。
クロノスの部隊に追い詰められた末に隠し持っていた小型爆弾で自爆して退場。
1話限りのゲストキャラであるが、晶やクロノスの運命を鑑みれば、結果的に本作の流れを決定付けてしまった重要キャラとも言える。

アポルオン

最近になって登場した謎の存在。クロノス十二神将を標的としそのゾア・クリスタルを狙っているが、それだけが目的ではない様子。
十二神将と同等以上の能力を持ち、ぶっちゃけ某主要人物と深い関係がありそうだが……?
身に纏っている鎧はガイバーのコントロールメタルと同じ金属でできており、バルカスは降臨者の先兵ではないかと推測している。
瀬川兄妹を拉致したが非常にマメに面倒を見ている。食料ばかりかゲームや雑誌まで差し入れる気の配りよう。
アポルオンと交戦したカールレオンは、アポルオンが自分と同じ能力を使用した際、「この能力を与えられた獣神将は自分だけのはず」と驚愕していたが、直後に一人だけこの能力を使える獣神将がいることを思い出し、「貴公……いや、あなた様は……」と言いかけていた。また、十二神将の11人が持つゾアクリスタルは、全てアルカンフェルが持つオリジナルから複製されたものである。以上のことから推察すると、アポルオンの正体は……



■殖装体/ガイバー

強殖装甲は単なる外部装甲ではなく、殖装者の肉体と融合し、その生体機能を強化・増幅する「瞬間改造システム」である。
未使用時は中央にコントロールメタルと呼ばれる金属球が付いた直径30cmほどの円盤状の物体「ユニット」だが、誰かがコントロールメタルに触れるとその人物を殖装者として登録し、ユニット内部に収納された強殖生物が融合すると同時に強殖装甲を形成し、殖装者を殖装体へと改造してしまう。
殖装者の意志により殖装と解除は自由に行うことができ、解除と共に元の状態へ逆改造され普通の肉体に戻るようになっている。
分離された強殖装甲は殖装者のすぐ傍の異空間「殖装空間」*3で待機しており、殖装者の背中に植え付けられた誘殖組織を通じていつでも呼び出して殖装することが可能。
この空間転移の際、次元シフトの余波が強力な重力力場となって発散する。これはバリアとなって周辺の妨害要素を排除する反面、この力場は殖装者以外を識別しないので隣接する者(無関係の仲間含む)を殺傷してしまう。
いったん誰かが殖装者として登録されると、以後はその殖装者専用となり他の人間には使用不可能になる*4
その構造は、どんな機械や生命体にも擬態が可能なアメーバ状の生物兵器・強殖生物をコントロールメタルという演算装置によって制御するというもの。
この強殖生物は本来はどんな生命体も侵食捕食し形質を奪ってしまう狂暴な怪物だが、その侵食能力を上手く制御することで使用者の生体機能の強化・増幅に利用しているのである。
「降臨者」は色々な知的生命体の混成集団だったらしい。地球人類に限らずどんな形質の生命体にも適切な補給装置兼用宇宙服を作り上げるこの装備は、降臨者にとって極めて便利な道具だったのだと想像できる。

強殖装甲は元々は降臨者の自衛用の生体ハザードスーツのようなもので、あまり大した戦闘能力を発揮するものではなかった。
しかしこれを人間が使用すると分厚いコンクリートをも殴り砕く身体能力を獲得し、重火器をも防ぐ装甲、胸部粒子砲「メガスマッシャー」や高周波ソードなど、数々の強力な武装を全身に備え、凄まじい戦闘能力を発揮するようになる。
というのも本作の地球人類は降臨者が遺伝子調整によって作り出した戦闘用のゾアノイド・ゾアロードの素体であるため。
もっとも、それを含めてもここまでの能力は降臨者にとっても想定外なレベルであった。
それに加えてのアクシデントとして、「地球人類が強殖装甲を殖装した時、降臨者への服従因子が解除される」という副作用が判明した
これによりパワーは想定外かつ基本的なコントロールシステムが効かないというブツと化し、「量産兵器としてアウト」の判定が下されたのだ。
二重の意味での規格外(ガイバー)である*5


○登場ガイバー

現存していた「ユニット」は3つあり、これらを得た殖装者達がガイバーとなっている。
後に、人工的に再現された擬似ユニットも1つ登場。

ちなみに正式ユニットがクロノスの本部ではなく日本支部で扱われていたのは、化石化していない降臨者の「遺跡」(生体宇宙船)と共に日本で発見されたためである。

ガイバーⅠ

深町晶が殖装した姿。体色は青みがかった緑。頭頂高(頭角の高さ含まず)174㎝。
攻撃よりも防御を重視した性能に設定されており、装甲外殻も厚い。これはユニット接触時の晶の未知への恐怖による恐慌の精神状態が反映されたものと記述されている。
ガイバーⅠの諸機能は、殖装者である晶の成長と共に増幅・向上する傾向にあり、ポテンシャルは未知数。

ガイバーⅡ

クロノス監察官オズワルド・A・リスカーが殖装した黄色いガイバー。頭頂高210㎝。
「中の人」が大柄な西洋人男性のため2メートル超えの高身長。左頬にバイブレーショングロウヴ1対、右頬に放熱気孔一対(交互にピストン運動するように排気する)という左右非対称の顔面が特徴。

強殖装甲自体には性能差がないため、正規の訓練を受けて身体能力・戦闘経験・精神性で勝る彼は晶をあと一歩まで追いつめた。
たがコントロールメタルの微細破損による故障により敵の眼前で体調不良を起こし、その隙にコントロールメタルを完全に破壊された事で強殖生物の暴走が起き、リスカーは捕食されて死亡。
強殖生物自体はガイバーⅠのメガスマッシャーで消滅した。
アニメ第一作である劇場版ではバルキュリアという女性に差し替えられている。

ガイバーⅡF(フィーメイル)

オズワルドの義妹、ヴァルキュリア・A・リスカーが殖装した紫のガイバー。
ガイバーⅡより回収した強殖細胞をクロノス製の「人工コントロールメタル」で制御した、言ってしまえばガイバーのパチモン。
能力自体は他のガイバーと変わらないものの、「人工コントロールメタル」はオリジナルのそれとは格段に性能が劣る代物であるために
殖装を解いた時の衣服の再現ができなかったり時間制限があったり体調に何かしらの不調を抱えるなど問題点も多い。
更に、戦闘力とは別に世界を揺るがす極めて重大なリスクをその身に宿しているらしい。
元ネタは上記劇場版に登場したオリジナルキャラ「女性的なガイバーⅡと女性殖装者バルキュリア」。本家漫画に逆輸入されての登場である。

ガイバーⅢ

巻島顎人が殖装した黒いガイバー。頭頂高191㎝。
自分の意志で明確に武装としてユニットを起動させたため防御よりも攻撃を重視した性能に設定されており、高周波ソードが前腕部に2本(両腕合わせて4本)装備されている。
頭部や口部に角や棘の様な突起物が付いており、ガイバーⅠより攻撃的なイメージ。
基本能力はハイパーゾアノイドへの調整も視野に入れられていた顎人の高い戦闘センスや狡猾な頭脳により高いが、その反面、殖装者である顎人本人の「現実的思考」のため備えられた能力以上の事ができない点は晶のガイバーⅠに劣る。


○ガイバーの能力・機能

上述のように若干のパラメーターの割り振りの差はあるが各ガイバーの基本的な能力や武装は同じ。

コントロールメタル

ガイバーの額に露出している直径3cm程の光沢の有る金属球。多数のリング状の金属パーツで構成されている非常に高性能な制御コンピューターでありガイバーの全てを司る最重要パーツ。
ここから神経繊毛状のワイヤーが殖装者の脳に伸びて接続し、その意志を感知している。
強殖細胞を操る電気信号を発しており、本来は狂暴な強殖生物を生体装甲の形に固定している。
つまりコントロールメタルを喪失すれば強殖装甲は狂暴なモンスターとなって殖装者を食い殺すのである。
殖装者の生体データをリアルタイムで細胞レベルまで完全に記録しており、殖装者がどんな重傷を負っても短時間で完全に健康な状態に再生する。
例え脳を破壊されたり肉体すべてが消滅したとしても強殖細胞を利用して記憶や人格まで含めて完全に復元してしまう。そのため殖装者となった人間はコントロールメタルが破損しない限りは実質不老不死となる*6
また、殖装者の意志に応じてガイバーの機能を伝えたり、殖装者が反応できないほどの高速の攻撃をオートで迎撃してくれる、殖装者の脳が破損すると脳の再生が終了するまで防衛行動を取ってくれるなどの親切機能も備えている。
なおその性質上電撃に弱く、高圧電流を流されると一時的に機能が麻痺する。
また衝撃にもあまり強くないようで探査用の超音波を受けて機能が阻害されたり、第1話の実験体の爆弾によりガイバーⅡ用ユニットのコントロールメタルに傷が入ったり、ガイバーⅠの打撃で壊されたりしている。
反面、ガイバー本体が蒸発するメガスマッシャーにも耐える等、あくまで「比較的強くない」程度であって極端に脆い訳でもない*7

こんな重要な装置なのになんで額にむき出しなんだよと思われるかもしれないが、外部に展開して殖装者の脳と降臨者の宇宙船の制御系との接続を仲介する必要がある、放熱のために外部に露出しないといけないという理由からそうなっている様だ。そもそも強殖装甲は本来なら多少便利な防護スーツ程度の物であるため、戦闘用としては多少不合理な設計になっていても不自然ではないだろう。
メタ的に言えば弱点がなかったら面白くないという作劇上の都合である。

ちなみに素材になっている金属は太陽系には存在しないものらしく、クロノスの凄腕科学陣がさんざん研究しても再現が出来ていない。
また、同種の金属がアポルオンの鎧にも使われている。

センサーメタル

左右側頭部の溝部分に半埋め込みで存在する感覚器金属球。複合センサーであり、今の所は重力場センサーと量子磁束センサー機能が有ると設定されている。
単純な透視スキャナー用途だけでなく、視野外の敵を感知する全方位レーダー的な用途も有する。
初期の頃は全方位レーダー的な描写が多かったが”制圧”以降は高性能スキャナーとしての描写も増え、クロノス基地の分厚い壁を透過して内部を精密にスキャンしたり、半径50kmもの広範囲をサーチしている。ただどちらかと言えば戦術眼や戦闘センスも低く知識にも乏しい深町よりも知識や戦闘センスなどに長じた巻島やヴァルキュリアの方がこの機能を使いこなしている描写が多い。

ヘッドビーマー

額のコントロールメタルのすぐ上、頭角基部に付いているコントロールメタル防衛用器官。小型の高効率赤外線レーザー「ヘッドビーム」を照射できる。
小説版によるとコントロールメタルや肉体に蓄積された余剰熱を利用しており、排熱機能としての要素も有る。
余談になるが、普段の排熱は口の部分に形成される呼吸器から老廃物などに熱も添付し蒸気として排出している。
ビームの威力はガイバーの武器の中では最弱だが、それでもコンクリートや鉄板を軽々と貫通する程度の破壊力はある。
コントロールメタルが直接制御してオートで銃弾を撃ち落としたりするなど速射性や連射性、命中精度が優れており、牽制や迎撃、敵の目などの部位破壊に使用される。

メガスマッシャー(胸部粒子砲)

ガイバーの左右の胸の装甲板の奥に搭載されている左右一対二門の粒子ビーム砲。片肺だけでも撃てる。
殖装者の肺の有った部分のスペースに形成される(肺含めた呼吸機能は喉の真下の瘤状器官としてコンパクトに再構成される)。
ガイバーの最大の破壊力を持つ武装であり、獣化兵を塵も残さず消滅させ獣神将ですらバリア越しでもダメージを受けるケースが有る程である。
ドクター・バルカスが計測した限りでは出力100メガワット強。
森林で使用した時は地平線の彼方まで射線上の木々を消し飛ばしながら直進し、最終的に山肌に炸裂してクレーターを形成した。
他にもビルを貫通したり軍事基地の対爆用の分厚いコンクリート壁を蒸発させるなど周囲への被害も大きいために都市部や建造物内では気軽に使えない程である。
その圧倒的な破壊力と引き換えにエネルギーの消耗の大きさや発射の際のチャージにやや時間がかかるなどの使い勝手の悪い部分がある他、
手で胸の装甲を開く必要があるため手や胸の装甲にダメージを受けると撃てなくなる、使用中は胸部の防御力が大幅に低下するなどの欠点もある。

胸部装甲を開くと中に収納されていた柔らかい目玉状のスマッシャー発射器官が露出し、飛び出してプルンと揺れる。乳揺れ。

振動球(バイブレーション・グロウヴ)

口に相当する部分に付いている2つの金属球体。振動することで音波を発することができる。
ガイバーになっている時は殖装者の気管や声帯は不要臓器として痕跡化するため、会話も振動球からの声で行われる。
強力な共鳴振動波を発することで攻撃する「ソニックバスター」は、一瞬で厚み30cmほどのコンクリート壁をサラサラの粉状に崩し、人間が通れる程の穴を開けてしまう破壊力がある。
但し、小説版や作中後半から現れた「逆位相の振動を発する防御武装」を持つ敵には効かない。

高周波ソード

普段は肘部の突起レベルのサイズに縮んでおり、使用する際に伸びる刃。
名前の通り刃部が高速振動して高周波を発しており、これにより分子結合を断つことで硬さと関係なく対象を切断可能。
またこの振動を利用して液状の敵を沸騰させて倒すという使い方もしている。
防御不能攻撃だが、同種の高周波切削武装や逆位相振動数防御兵装には相殺される他、バリアには効果がない。

重力制御球(グラビティコントローラー)

ガイバーの腰の中央に(ベルトのバックル状に)配されている球体状のパーツで、重力を操り異空間から重力操作などに用いるパワーを供給する。
設定資料集「ビジュアル・データ・ファイル(VDF)」によると、手首や腕・足の人体の力瘤相当の部分などに「パワーアンプ」「グラビティ・ジャイロ」などの補器官が形成されておりこれによりガイバーは自重を軽減してジャンプ力を高めたり飛行する事が可能。
攻撃時には反動などの斥力を制御する事で打撃力を高めつつ自身の被害を抑え、効率的に戦ったり自分より重たい相手を押しとどめるという使い方もできる。

プレッシャーカノン

腰の重力制御球で生み出した重力エネルギーを手首の「グラビティコンプレッサー」で制御し掌に微小ブラックホールを生成しその蒸発による砲弾状の重力塊を投射する砲撃技。
威力の方は、並みの獣化兵程度なら一撃で胴体に大穴を開けて致命傷を与えられる。
一方で再生力や防御力の高い相手には1発や2発では有効打にならない事も多かった。
メガスマッシャーに比べると破壊力はだいぶ劣るがその分エネルギーの消費が少なく気軽に連発可能。
最初の起動には若干時間が必要なものの、いったん起動が終わればその後は機関砲の如く連射もできる。
普段は両手の掌をかめはめ波の様に合わせる「グラビティ・ランチャー」の状態を取る事で投射するが片手のみでも投射はでき、左右の手による二方向同時攻撃とかも可能。
また重力塊をそのまま手に留める事で、レーザーなどの防御や地中を掘り進む用途に転用できる。

なお、ガイバーⅡFとエンザイムⅢの戦いで、通常出力のプレッシャーカノンが通用しないエンザイムⅢに対しても最大出力で撃てば致命傷を与える事が可能であると語られており、これまでの描写でプレッシャーカノンが通用しなかった相手に対しても最大出力なら倒せていた可能性はある。
しかし最大出力で撃とうとするとチャージにそれなりに時間がかかり気軽には撃てないとも言及されている。



■ガイバー・ギガンティック(巨人殖装)

ガイバーⅠがアルカンフェルに敗れた際、宇宙船のナビゲーションメタルや生体組織を使って、自身の復元もしつつ創造した二重殖装形態。
コントロールメタル部は更に外部円周に金属パーツが追加された「デュアル・コントロールメタル」に強化されている。
戦闘力はガイバーの10倍以上で、バリアーや背部プラズマジェットスラスターなど新たな能力も身につけている。
またガイバーの「パワーアンプ」系器官の有った場所や肩に追加されたポッド状パーツに上位器官である「エネルギーアンプ」が形成されている。
ガイバーⅢの巨人殖装形態は「ギガンティック・ダーク」と言い、体色や高周波ソードの数などがガイバーⅠのギガンティックと異なる。
これは当初深町のギガンティックしかなかった頃イマカラムに敗れた際に「蛹」だけ呼び出して二重殖装を強行して得た物。

当初は装備一式を保管しエネルギーチャージなどのメンテナンスも受け持つ「蛹」が晶の創造した1つしか存在しなかったため、2体のガイバーに対して1体しか存在できず、その所有権を巡ってⅠとⅢの間で争奪戦も起きたが、後にガイバーⅢがクロノスの遺跡宇宙船の死骸「ウラヌスの聖櫃」からナビゲーションメタルを奪って独自に蛹を創造*8して問題は解決した。
主武装はガイバーのメガスマッシャーを更に強化したギガスマッシャー。
エネルギーの大量消費によって強制解除される弱点があり、イマカラムと晶の戦いでは詳細は不明ながら*9解除されている。

○ガイバー・ギガンティックの能力・機能

基本的にはノーマルのガイバーの武装を高出力化・スケールアップしたような武装構成になっている。

ヘッドビーム、ソニックバスター、プレッシャーカノン

ガイバーのものと基本の性質は同じだが性能は大幅に向上している。
ヘッドビーマーは出力5倍の強化型が頭角基部に、従来型がデュアルコントロールメタル脇に左右1個ずつ付いており、同時に三方向への攻撃が可能になっている。
バイブレイショングロウヴはソニックバスター使用時に展開する分が追加されている*10。それ等によって行う「ギガ・ソニックバスター」はガイバーのそれより広範囲を短時間のチューニングで制圧でき大規模鉄塔の様な建造物すら破壊可能な威力になっている。
プレッシャーカノンは胸部に追加された二つのグラビティコントローラーも有ってより高威力ながら高速連射が利く様になり、ギュオーの強化型で「重力使い」のイマカラムの重力バリアすらゴリ押しで破ってしまう程。また最大出力時(巻島は「プレッシャーカノン・ギガ・マキシマム」と呼称)は数km離れた所からクロノス米国支部の巨大タワーを圧し折るという凄まじい威力となっている。

ギガスマッシャー

メガスマッシャーと同じく胸部を開けて放つ粒子砲。但しこちらは粒子ビーム発生器官中央内部に重力制御球が存在する為、重力制御によって粒子ビームの集束強化などの改良が施されていると思われる。
その出力はメガスマッシャーの百倍以上とされる。
作中ではもっぱら敵の大技を相殺する様な特殊なシチュエーションでしか使っておらず具体的な破壊力は不明だが、東京一円を消し飛ばすとされたネオ・ゼクトールの最強必殺技ファイナルブラスターテンペストを軽々と飲み込んで宇宙の彼方まで押し返してしまった事から、それを遥かに上回る破壊力と思われる。またイマカラムの作った疑似ブラックホールを破壊する等もしている。
しかし全力で撃つとエネルギーの大半を消耗してしまい、ギガンティックが強制解除されてしまうという欠点がある。また破壊力が高過ぎる故に射線上の付帯被害などもメガスマッシャー以上に大きい為、深町は特に使いたがらない傾向が有る。

高周波ソード

基本性能はガイバーのものと同じだがソードの基部が伸縮自在の触手状になっており、殖装者の意志で自由に操れるため自由度がとても高い。
ダークの物は両腕三対六つに増えており、自在に動き回るオールレンジ切断兵器的な物になっている。

グラビティラム、グラビティナックル

「グラビティラム」は胸部の棘状器官を延伸し衝角状の重力場を形成跡、背中のプラズマジェットスラスターによる加速を用いた突進攻撃。
「グラビティナックル」は手首のエネルギーアンプで強化したパンチ。普通に打っても超獣化兵の群れをまとめて吹き飛ばし倒せる。
プラズマジェットスラスターの加速を併用すれば複数の超獣化兵が合体した大型の敵すらも原形も残さず消し飛ばし、クリーンヒットさえすればガイバーでは手も足も出なかった十二神将級の敵にも一撃で戦闘不能になる程の重傷を与える威力がある。

バリア

エネルギーアンプの出力を増幅して防御力場を形成する能力。
全身タイプは肩のポッドアンプ二基のみでギガンティックの全身を完全に覆う事が出来る。他のアンプも併用し範囲を広げて周囲の仲間ごと守る事も可能だが、発動中は動きが鈍くなる。
また手首のアンプのみで小盾の様に形成する事も可能。こちらは高速戦闘中でも使えるため敵との殴り合いの最中に最低限の動きで敵の攻撃を捌くという使い方をしたり殴打技「グラビティナックル」にも使える。
VDFによるとギガンティックのバリアは「電磁バリア」であり獣神将の「重力バリア」とは違う原理である事が判明しているが、作中の巻島の説明によると体中の各部のアンプはバリアと重力制御の両方の起点となっていること、また一部超獣化兵の電磁バリアやアプトムオメガブラストのそれとも違う部分が有る為「電磁気力と重力のハイブリッドバリア」の可能性が有る。


ギガンティックXD(エクシード)

ギガンティックの全能力を解放し、エネルギーアンプを展張させて巨大化した真の姿。サイズ相当分以上の戦闘力向上を果たしている。
こちらもガイバーⅠとⅢそれぞれが能力を有しており、ガイバーⅢのXDは「XDダークネス」と呼ばれる。
なお、ギガンティックXDの身長は52mである。どっかのM78星雲人並みの大きさといえば分かり易い。
ちなみにこの形態は実際にギガンティック自体が巨大化してるのではなくギガンティックのエネルギーで構成されエネルギーアンプから投影された立体映像みたいな物であり、質量などは存在するがギガンティックそのものではないのでダメージを受けてもギガンティック本体にはダメージは入らず、切断などを受けると一定時間で本体から離れた身体のパーツは構成するエネルギーに戻って雲散霧消してしまう。

本形態では「グラビティ・インプロージョン」という新たな超武装が使用可能。
これは全身のエネルギーアンプをフル稼働させながら三基のグラビティ・コントローラーで作り出したマイクロブラックホールを胸の重力衝角と両肩ポッド部から伸びた重力スタビライザーで照準して発射するというもの。
ギガスマッシャー以上にチャージに時間が掛かるという欠点があるもののその威力は「巨獣神(ドラグロード)・カブラール」のギガスマッシャー級の大出力熱エネルギー球「真・煉獄砲(ウェールス・プルガトリウム)」を丸ごと飲み込み無効化した上で全長100mを超える巨獣神・殲滅形態の巨体を一瞬で消滅させてしまう程の破壊力を有する。
それでいてこのマイクロブラックホールは敵や敵の攻撃を吸収した後に安全な形で蒸発して消滅するために周辺被害が全く出ないという、無駄な破壊を嫌う晶の意志を具現化したような性能をしている。


■設定

○クロノス

アルカンフェルの下、ドクター・バルカスを中心として組織された秘密結社。
人間社会に深く浸透して準備を整え、ある日決起し一日で全世界を手中に収める。
32巻現在では世界を統帥する存在であるが、晶や顎人を始めとする反乱分子の存在に加えて一部十二神将の離反やアポルオンの出現など、その屋台骨は大きく軋み始めている。


獣化兵(ゾアノイド)

ガイバーという作品を象徴する存在。遺伝子を操作し、モンスターの如き姿への可逆変身とそれに合わせた様々な能力を与えられたクロノスの尖兵達。だが雑魚。
より強力な超獣化兵(ハイパー・ゾアノイド)も存在し、このクラスだとガイバーとそこそこ良い勝負をする。

先述の通り、本作の地球人類は元々「獣化兵の素体」であるため、調整を受けて獣化兵になる素質は誰もが持っている。
クロノスの世界征服後は、獣化兵としての調整だけ受けて人間態として元の生活を送る一般人達も存在する。

その存在目的のために何世代も代を重ねて力を維持しなければならず、人間の女性と交わって子供を残し、その子に形質を継承させる「生殖能力」を保持する事が正式ゾアノイドの条件になっている。
獣化兵と未調整の通常の人間との子供も獣化兵として生まれてくるが、通常の人間の血が濃くなりすぎると獣化兵の形質は失われてしまう。余談だが降臨者が超古代に作成した獣化兵の子孫のうち、獣化能力が失われなかった個体が世界中に伝わる獣人伝説の元になった可能性があることが作中で語られている。
生体改造であるからして、調製の過程で「失敗」という事例も当然存在する。生殖能力を失った者は未来のなくなった規格外、「損種実験体(ロスト・ナンバーズ)」と判定されて使い捨ての運命を与えられる。
損種ですらない失敗体は「処分」される。

基礎力増し増し能力特盛りの万能獣化兵が量産されないのは、調製し過ぎると生物としてのバランスが崩れ、損種したり失敗して調整中に死亡などの危険性も高まるので、クロノス側も無茶を避けている為。
超獣化兵はそういうリスクを踏まえて時間とカネをかけ素体としての人間も選り抜かれた逸材の人材を使ってやっているだけである。
VDFの獣化兵一覧の中に「調製成功率が高さが注目された」という言葉があるように、獣化兵調製に適合する人間をそうそう気軽に「使い潰す」わけにはいかないのである。

ちなみにゾアノイドもゾアロードも、女性は調製対象外。これは「女性は子供を産むという大切な役割があるので戦闘に出せない」という理由から。
調製自体は可能で女性の調製体(や、規格外品)も本編にちょくちょく出ているが、みなイレギュラー。
過去のクロノスは女性調製の実験もやっていたらしいが…。

損種実験体(ロスト・ナンバーズ)

上述の通り、調整の段階で生殖能力を喪失した個体。
ただ、一口に損種実験体と言っても「生殖能力こそ喪失したが目的の能力自体は獲得できた者」「知性を失いただの肉塊になり下がった者」「想定していなかった特殊能力に目覚めた者」など状況は様々。
また、共通して「遺伝子操作が不完全なために獣神将による精神支配を受けにくい」という特性がある。
損種実験体の中でも有用な能力を持つ獣化兵は損種実験体部隊(ロスト・ナンバーズ・コマンド)という損種実験体のみで構成された戦闘部隊に組み込まれて特殊な任務に就いている。
損種実験体部隊の獣化兵は正規採用された獣化兵にはない特殊な能力を持っているものが多いとされる。
作中では上述のアプトム、ソムルム、ダイムの3体が登場しており、一般的な獣化兵がシンプルに肉体を強化したり特定の生体武装を扱うことに特化しているのに対してアプトムは相手の姿に擬態する能力*11、ソムルムは生体融縛粘体という相手の肉体と強制的に融合して動きを封じる粘液の生成と放射、ダイムは液化して周囲の地形に溶け込んで味方に有利なフィールドを作り出すというかなり特殊な能力を持っている。ダイムとソムルムの能力は再調整されたアプトムの融合捕食能力の原形のような能力であるあたり、バルカスがアプトムの再調整をした際はダイムとソムルムのデータを参考にしたのかもしれない。

造反防止ウイルス

クロノスに所属する科学者が投与されるウイルス。
これは脳を活性化させるが、一定期間が経過すると爆発的に増殖して脳細胞を破壊してしまうというえげつない性質がある。
一度これを植え付けられたら基本的に除去することは出来ず、定期的にワクチンを投与しなければならない。
これを打ち込まれているため、未調製の人間であるクロノスの技術メンバーはクロノスから逃げる/反抗するのを封じられている。

だが一つだけウイルスを死滅させる方法がある。獣化兵に調製される事である。
もっともこれは同時にクロノスへの忠誠を遺伝子に刻み付けられるという事であり、どちらにしろクロノスの支配からは逃れられない…と思われていたが、これには意外な抜け道があった。

エンザイムシリーズ

ガイバーに対抗するために開発された特殊ゾアノイド。
ガイバーⅡから得た強殖細胞サンプルを解析し、これを分解する酵素を体液に仕込んだ「ガイバーの天敵」。ただし他の用途に使い辛い特性も有って獣化兵としてのランクは最底辺レベル。
ガイバー勢の脅威に対抗するため段階的に開発され、ガイバーの素の格闘能力に対抗するために再生能力なども強化され、それに伴って「種」としても怪物化していった。
ちなみにエンザイムという名前は「酵素」という英単語(Enzyme)から。
初代
日本支部が最初に開発したエンザイム。鈍重なボトムヘビーのクマのような毛深い体躯に、キバを生やしたムカデの頭のようなキモい頭部が乗っかっている。
タカヤンフェルをして『ゾアノイドは「クリーチャー」であって「フリークス」ではないが、こいつは例外』と言い切るほどに不格好な姿。
爪・キバ・尻尾先端のトゲに対ガイバー分解酵素の分泌腺がある。この酵素は空気に触れるとすぐに無効化するので、ガイバー相手に掴み合いで戦う事を強要されるという悲運の怪物。
2代目
バルカスが乗り出してきて開発したタイプ。
相変わらずバカデカい体躯だが、多少動きは軽くなった。
背中から昆虫の足のような副足が4本生えており、
対ガイバー分解酵素は飛び道具として溶解液的に射出できるようになった。
戦術次第でガイバー達をも苦しめる難敵。
3代目
グンと細くなった、ヒーローっぽいスタイルの三代目。
飛翔能力並びにアプトムの融合捕食への対抗能力まで備え、まさしくガイバーとアプトムのチームを潰す為の存在となっている。
しかし強力な能力の代償として極めて寿命が短い上に人間としての自我まで失くしており、待機時はチャンバーの中で休眠状態に置かれている。
このため、「もはや厳密にはゾアノイドとすら呼べない」とまで言われる。

超獣化兵五人衆

ゼクトールをリーダーとする、ドクター・バルカスによって当時最高の技術を注ぎ込んで開発された最強の超獣化兵集団。
ガイバー達を苦戦させるが、うち1人はガイバーⅢに倒され、3人はアプトムに融合捕食され壊滅。
最後に残ったゼクトールは後にバルカスが再調整を施し、潜伏するアプトムに対抗する「ハンター」となる。
ゼクトール最後の戦いは、圧倒的な戦闘力とそれをも上回るギガンティックのデビュー戦であり、その気高い散り様も併せて作中屈指の名シーンの一つ。


獣神将(ゾアロード)

ゾアノイドを統括する存在。ゾアノイドはゾアロードに対して遺伝子レベルの絶対的忠誠心を植え付けられている。
額にはアルカンフェルから与えられたゾア・クリスタルが埋め込まれており、ゾアノイドを遙かに超える強力な能力を持つ。
各獣神将についてはクロノス十二神将を参照。


○ゼウスの雷

顎人がアメリカで作り上げたレジスタンス組織。ゾアノイドとゾアロードに相当するリベルタスとグリセルダという強力な調整体を有する。

リベルタス

クロノス第2の頭脳とも言われたドクター・ヘッカリングにより開発された、ひたすら戦闘力のみを追究した獣化兵。ちなみにリベルタスとはラテン語で「自由」、転じて「解放奴隷」を意味する。
目的に応じて自身の形態を変化可能で、格闘タイプのA・生体熱線砲による遠距離タイプのB・そして自爆攻撃用途の最終形態Cの3つのモードを使い分ける。
アプトム曰く「損種実験体だった頃の自分の完成形」。

その能力は獣化兵どころか超獣化兵すら上回り、後にクロノスアメリカ本部において、(他の要因もあるとはいえ)たった4人だけで400人以上の獣化兵・超獣化兵を殲滅してのけたほど。
但し、この驚異的な戦闘力を実現するために生物としてのバランスを一切無視した調整が施されているため、寿命は保って5年と非常に短い。
また、戦闘によるエネルギー消費も莫大であり、食事ではとても賄えない。
そこで出撃の度に、チャージというエネルギー補給を施す必要があるのだが、これは再調整に近い処置であり、生体に大きな負担をかける。
つまり戦闘の度にただでさえ短い寿命をすり減らしていき、最悪2年と保たずに寿命に達し死亡するとされる。

グリセルダ

リベルタスだけでは獣神将の精神感応で支配されてしまう為、それに対する完全なカウンターとして、彼らだけのカリスマとして用意された特殊な調整体。
簡単に言えば「リベルタス専用ゾアロード」といった所。
尾沼志津が顎人の野望にその身を捧げた成れの果て。
リベルタスの回復や獣化兵への精神波感応*12といった支援向きの能力に加え、彼女自身も頭部インパクト・テイル(高周波ブレード)による強力な戦闘力を有する。
前述の寿命の問題はグリセルダも例外ではなく、残りの寿命は僅かである。




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最終更新:2024年04月16日 16:31

*1 同じく休載の多さで知られる某作品と比較すると、絵は変化しない代わりに一度に掲載されるページ数がすごく減る傾向がある

*2 一応生徒会書記で、所属部活は特撮研究会という所謂オタク高校生ではあるが

*3 通常3次元空間より高いエネルギー値を持つ次元空間らしく、殖装体はここから供給されるエネルギーで長時間活動できる。

*4 但し「ユニット・リムーバー」というコントロールメタル内の殖装者のデータを初期化して登録を解除してしまう器具がある。それを使用すると殖装者と強殖装甲を完全に分離し、別人を登録しなおすことが可能になる

*5 「ガイバー」とは降臨者たちの言語で「規格外品」という意味

*6 とはいえ死亡してから新たに再生された肉体は強殖生物の擬態化能力を利用した復元物にすぎないため、オリジナルの本人と同一と言っていいかは哲学の領域である。作中でも晶は何度か死亡してはコントロールメタルで再生されているが、初回の復元再生時は今の自分はただのコピーであり本物の晶とは言えないのではないかと悩んだ事も有った

*7 ガイバーⅡ破壊後のコントロールメタルもリング状のパーツがバラバラになっただけで個々の部品は原形を保っていた事から、構成金属は頑丈だが演算装置としての精密部品が脆いのかもしれない

*8 ナビゲーションメタル以外の内容はそれまで使ったギガンティック・ダークのデータがガイバーⅢのコントロールメタル内に残っていたのでそこから復元生成したとの事

*9 ギガンティック・ダークとして戦うエネルギーがまだ残されていたことや、当時の晶がイマカラムにギガスマッシャーをはじめとする高エネルギー武器を撃てるとは考え難いことなどエネルギー以外と思しき理由で

*10 ギガンティックでは人間で言う上唇相当の部分が左右に割れてそこに左右一対追加され、ダークでは顎を下ろして展開した下から三角形に配された三つの追加分が現れる

*11 能力もある程度は真似できるがオリジナルほど強くはなれない

*12 獣神将がいなければ完全に思考を奪われ同士討ちなどをさせられる程