ヒップホップ(Hiphop)

登録日:2011/10/15 (土) 15:52:41
更新日:2023/07/15 Sat 14:06:53
所要時間:約 6 分で読めます





ヒップホップ(HIPHOP)は音楽ジャンルの一つ

では無く、厳密には『ラップ』『DJ』『グラフィティアート』『ダンス

主にこの4つの要素からなるストリート発祥の黒人文化の総称である。

勘違いされがちだが、上記のように音楽ジャンルに限定されない。
なので、音楽を指す際は『ヒップホップ・ミュージック』が正確である

ヒップホップの名はテクノ界にも影響を与えたDJ、アフリカ・バンバータによって、1974年11月にあったとあるパーティーで名付けられたとされる。


●ヒップホップの


ラップ


似た言葉や同じ語尾の言葉を繰り返したり、韻を踏んだ歌詞をリズムに合わせてまるで話すように歌う歌唱法。
メロディが殆ど無いためとっつき難さを感じる人も多い。
イメージが付き難い人は、試しに『アニヲタ』と同じ『あいおあ』が母音の言葉を思い浮かべて欲しい。

さて、いくつ思いついただろうか?10?20?

本当にスキルのある人は一瞬でそれらの言葉からフレーズを作り出し、即興で歌う事が出来る(これをフリースタイルと言う。)。

アニヲタ民の諸兄は、ヒップホップに対して不良やDQNのイメージを持っているかも知れないが、
ラップは実はもの凄く頭を使う歌唱法であり、豊富な語彙とボキャブラリーと優れたセンスが問われるのである。

だが『センスとは磨くもの』と、かの乃莉っぺも言っているので、挑戦してみてはどうだろうか。

ちなみにラップをする人をMC(microphone controller)という。
ラッパーという呼び名を用いる人もいるが、これはメディアによって広められた言葉でありアンダーグラウンド指向であるヒップホップ的には蔑称とされる


DJ


Disc jockeyの略。ラジオの司会者やディスコ、クラブなどで曲を流す人を指す。
ヒップホップは黒人居住地区でのブロックパーティーをルーツに持つため、意味としては後者になる。

イメージ的にはレコードをトゥクトゥクドヒドヒやっているイメージだろうが、
役割としてはディスコ、クラブ、パーティーなどで観客のノリや空気に合わせて曲を流し盛り上げる事。
ヒップホップグループでの役割はトラック(伴奏)メイカーとして、

サンプリング(既存の音源の一部を用いて新しい曲を作る技法。音をサンプラーに録音する時にも使われる。)

ブレイクビーツ(サンプラー等でドラムのフレーズを分解しシーケンサーで組み立て直す技法。)

を用いて曲の伴奏を作るまたは流す事。
いわば作編曲であるが、クラシック音楽などに比べて音楽理論が重視されず作るプロセスも異なるため、それらの作編曲とは区別されることもある。
一方で、音楽理論を用いたトラックメイク人や音大で音楽理論を学びつつもヒップホップミュージックの要素を取り入れる人もいる。

またターンテーブリストというターンテーブルを楽器のように用いる人達もおり、実は日本人のチャンピオンもいたりする。
ただし、ターンテーブルを楽器に含めるかは諸説ある。

最近はアニソンクラブイベントなんかも増えてきたので、幾分身近になってきた。

まぁ引きこもりの俺達には相変わらずだが


グラフィティ


平たく言えば街の壁やシャッター、柱とかに書いてある落書き。

ただし単なる下ネタや『○○まぢ愛してる(はーと)』みたいなどうしようもない落書きはグラフィティアートとは言わない。


そもそもはギャングの縄張りを表すものや、身内同士の連絡手段などに用いられていたものが発展し、現在のものになる。

その名残か、自分グラフィティ用の名前やクルーの名前などをタグと言い、他人のタグの上から自分のタグを描く事は宣戦布告を意味する。
当然ながら無許可で描いたら犯罪行為。さっさと通報して消してもらおう。


ダンス

ヒップホップダンスというものも存在するが、ここではいわゆるブレイクダンスを指す。(正しくはBreakin'というがここではブレイクダンスと呼称する)

前述のブロックパーティーや、ギャング同士が抗争によって傷つけ合う事を防ぐために銃の変わりにダンスで決着をつけていたのが始まりとされる。

胸が熱くなるな…
後に似たような経緯でC-Walkと言うものも生まれる。気になる人は本家かググってみるといい。

ジャマイカ移民のDJクールハークが生み出した『ブレイクビーツ』で踊るから『ブレイクダンス』と呼ばれるようになり、
ブレイクダンスを踊る人達を『B−BOY』と呼ぶ。

なのでヒップホップなファッションの人をB-BOYと呼ぶのは間違いである。


地域毎の分類

ヒップホップミュージックにも様々なジャンル分けがある。特に特徴的な点は地域によって違いがあるというところだ。

☆東海岸

ヒップホップ発祥の地、ニューヨークを中心としたシーン。
全体的にクールで薄暗い空気のアーティストや、逆に洗練された華やかさを持つアーティスト、ジャズをサンプリングネタにした温かみのあるアーティストが多い。


☆西海岸

通称ウェッサイ
ギャングっぽさを全面に出したギャングスタラップの本場であり、P-Funkなどを元ネタにしたG-Funkなど、軽やかなようで図太いグルーヴが多い。

ファッション面でも
頭にバンダナ
上着はシャツ
ズボンはジーンズ
と文字だけ見れば典型的ヲタクファッションなようで、西海岸風に着こなすとあっと言う間に貴方もギャング☆スタ

ただし、路上で恐そうなお兄さん達に囲まれても立て主は一切責任をとらないのであしからず。

また何故か日本では東北で盛んである。
立て主の地元にもいっぱいギャング☆スタがいたが、未だにカリフォルニアと山形県との共通点を見いだせない。


☆南海岸

2000年代に台頭してきた地区。
アトランタを中心としたシーンで、ややチープなトラックとパーティーやセックスなど、割と頭の悪(ry わかりやすい歌詞が多い。

他の地区に比べて(幾らか)治安がいいらしい。


時代的な分類

オールドスクール(70年代半ば〜80年代半ば頃まで)
ヒップホップが生まれてから、世に広まりRun-D.M.Cの『Rasing Hell』が初のゴールドディスクをとる辺りまで。


ニュースクール(1980年代後半以降)
上記以降のシーン。ヒップホップが全米や世界中に広まり様々な進化を遂げて以降。

中でも80年代後半〜90年代中頃までを『ゴールデンエイジ・ヒップホップ』と呼ばれ、革新的なグループが沢山生まれ、名盤が量産された時期。
日本ではこの時代を『ミドルスクール』と呼ぶ。


音楽性等による分類

ギャングスタ・ラップ
チカーノ・ラップ(チカーノとはメキシカンを差す言葉)
コンシャス・ヒップホップ
オルタネイティブ・ヒップホップ
ハードコア・ヒップホップ
トラップ
などなど……。

また、他ジャンルと融合した物もあり、
ジャズ・ラップ
ネオ・ソウル
ラップロック
ミクスチャーロック
ニューメタル
ラップメタル
トリップ・ホップ
などなど……。



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最終更新:2023年07月15日 14:06