機動戦士ガンダム ムーンクライシス

登録日:2011/10/25 Tue 17:00:03
更新日:2024/03/31 Sun 13:02:56
所要時間:約 7 分で読めます




ガンダムか・・・
何と因果な・・・






機動戦士ガンダム
ムーンクライシス

松浦まさふみ 著
メディアワークス版、全1巻
電撃コミックス版、上下巻構成(本編の他に3本の短編を収録)


【はじめに】


この漫画は松浦まさふみ作品のアウターガンダムの続編にあたる作品であります。
そのため世界観や設定を引き継いでおりガンダム本編とは異なる設定、展開で物語が進んでいきます。


【概要】


いわゆる松浦3部作の2作目にあたる作品。

ジオン共和国解体前のジオン最後の輝きと、新しい時代の幕開けを描いた作品。
後に本作とは異なる歴史の『機動戦士ガンダムUC』が正史となったことで、本作は非公式の物語となったものの、等身大の人物が織り成す人間ドラマは依然評価が高い。

また下巻巻末のプルトニウスのパイロット候補を選ぶ模擬戦が語られた短編「ハイランダーズ」はZ系の意義が書かれたZ乗りの聖書である。

2017年に作者の松浦氏は『機動戦士ガンダムUC』のシナリオとUCの作者の福井氏の新作である『機動戦士ムーンガンダム』に対して「プロットやタイトルが被った」と主張。
カクヨムなどのサイトに、UCへの意見と著作者人格権や二次著作物の著作権上保護を唱えた主張文を投稿するという行為に出ている。
この行動の理由について松浦氏は、上記のプロットやタイトルが被ったとの主張を角川に問い合わせたが返事がなかったからとのこと。

なお作者によれば90年代初めの時点ではサンライズ側も
「連邦vsジオンのガンダムは0083を最後にもう オワコン 、F91やVのような新世代に移っていくだろう」と認識しており
だからこそジオンとの戦いを綺麗に終わらせる本作の企画がすんなり通ったそうだ。

【あらすじ】


UC 0099年
第二次ネオ・ジオン戦争が終結し、大きな脅威もなく平穏な時間が過ぎてゆくなか、地球連邦軍は腐敗してゆき、テロなどの被害額と軍の維持費を量りにかけ、軍縮を繰り返していた。
そして連邦軍最強の空母として製造された『ベクトラ』さえも寧艦が決まってしまう。

6月、連邦軍所属タクナ・S・アンダースン准尉は戦闘空母『ベクトラ』へ乗艦、Ζ>(ゼータプロンプト)のパイロットとして配属される。
そして大統領の上空護衛補佐の任務に就く事となる。任務自体は単純なものであったが、発進前スクランブルコールが鳴り響く・・・



Ζ+ タイラント機

Ζ> アンダースン機

発進せよ!!


パイロットとして過ごしてゆくなか、ネオ・ジオンのテロが発生。
そしてある女性を救出した事により、彼の物語は大きく動き出す・・・


【キャラクター】


◆タクナ・S・アンダースン
主人公。連邦軍に所属する若き准尉。
元はレスキュー隊に志願していたが高い技術を買われ、宇宙軍入りする。そして戦闘空母ベクトラに配属されΖ>のパイロットとして任務にあたり、守るべき者のため戦う。
僅かだがニュータイプの素質を持つ描写がある。
「他に方法が無いとは、言わさないぞ!」

◆メイファ・ギルボード
ネオ・ジオンの要人。
航行不能に陥り、地球へ落下しはじめた貨物船に乗っていた女性。タクナによって救出される。
その正体はザビ家最後の生き残りミネバ・ラオ・ザビ。ただし、作者的には後に本物のミネバの物語が作られるときに矛盾が出ないよう、zzの偽者ミネバのつもりで書いたとのこと
「見て、月が・・・沈むわ・・・」

◆タウ・リン
ネオ・ジオンに加担するテロ組織ヌーベルエゥーゴの首謀者。
強化人間であり、パイロットとして高い戦闘能力を持つ。また優秀なハッカーでもある。
表面上はネオ・ジオンに協力するが、その裏で過去に封じられた『ハインライン計画』を進める。
貧民街の生まれであり、金持ちに唯一の肉親の姉をひき殺されたことから人類を深く憎んでいる。
「ベルを鳴らせ!ショーの始まりだ」

◆ベルム・ハウエル
ネオ・ジオンの首謀者で元ジオンの参謀。
誇りと高い志を持ち、ジオンの再興を掲げ発起する。後にレウルーラに乗り指揮をとる。
「血塗られた道だ!!免罪など乞わん!」

◆ロウ・シン
空母ベクトラの艦長で連邦軍大佐。
軍人として高い責任感を持ち、人類を危機から救うのため判断を下す。温厚な性格で部下からの信頼は厚い。
「よし!緊急ハッチを開放しろ!」

◆フョードル・クルムキン
地球低軌道艦隊司令兼ベクトラ司令、連邦軍准将。
責任感が強く、ロウ艦長の行動の責任を引き受け、軍を説得するため地球へ向かう。
ガンダムREONにも登場する。
「命令は私が下した。艦長権限の剥奪は必要無い」

◆ラナフ・ギャリオット
連邦議会の女性監査官。ベクトラの監査官として乗艦しておいる。
非常事態には艦の戦闘能力を停止させる権限を持ち、自身の職務をまっとうしようとする。
年下が好みでタクナを狙っていた。
―神よ、私は初めて心からお祈り致します。どうか、我等に慈悲を―

◆レイニー・ゴールドマン
地球連邦代表大統領、反スペースノイド派。
オーストラリアのコロニー落としの戦災者で宇宙開発そのものを憎んでおり、連邦軍の軍縮も彼の政策の1つでもある。
しかし非常事態には軍を動かす柔軟な思考の持ち主である。
「だがな信仰深く人を疑う事すらも嫌う女性に、かくもむごたらしいを与える権利など誰にも無いハズだ!」

◆タイラント
連邦軍少尉、ベクトラ所属のパイロット。
タクナの上司で共に任務にあたる。乗機はΖ+。
「ダブリン……連邦軍が何もしなかった…コロニーの落ちてきた、俺が…産まれた街だ」

◆ベクトラのΖ乗り
タクナにΖに乗る技術と意味を教えてくれる。
「それでこそΖ乗りだ!」
「できないバカはうちの隊にはいません、艦長!」
「諦めるにはまだ早いぜ!!」


その他


ブライト・ノア
ラー・カイラム艦長。
本編と同じく貧乏クジを引いている
正史では、この数年後にマフティーの反乱が起きることになる。
「もうなれたよ」

カミーユ・ビダン
フォンブラウンでファ・ユイリィと共に医者をしており、怪我人が増えることを予期してテロの脅威に晒されたフォンブラウンに残ることを決める。
「何か不安な、嫌な感じだ…」

ジュドー・アーシタ
事件後に地球圏に戻ってきた木星ヘリウム3採集船団にルー・ルカと共に搭乗。
ビーチャ・オーレグに話を聞いていた。
「そう言われると…何か変わった気もしないでもないね」


【登場する兵器】


MSZ-006P
Ζ>(プロンプト)

ベクトラに配備されたΖシリーズ。Ζ+の変形機構を受け継いでおり可変機として高い性能を持つ。
耐熱性能も高く、大気圏内であれば通常のビームではほとんどダメージを受けないほど。
しかし重力下ではMS時の戦闘力が低いなど、Ζ+の欠点も引き継いでいる。


MSZ-006PL1
Ζプルトニウス

Ζシリーズの欠点であったMS時の性能改善のため、8年ぶりに再設計されたΖシリーズの最新鋭機。
WR時、MS時どちらでも高い性能を発揮できるよう、関節、ジェネレーターを強化されている。
防御面もIフィールドを搭載し、更にIフィールドの機能を利用してビームフィールドを機体に張ることによって、ビーム、実弾問わず高い防御力を獲得している。(主にシールドや機首に使用)


型式不明
グラン・ジオング

ネオ・ジオンの強化人間用重MSで切り札。
通常のマニピュレータの外側にメガ粒子砲装備の有線クローアームを備え、肩部にはミサイルポッド、近接用にビームサーベル、バルカンが装備され高い火力を持つ。
特殊装備にフィールド効果を封じる、AFS(アンチファンネルシステム)を搭載している。
胸の中央にジオンの紋章が描かれており、ジオンの象徴として製造された事がうかがえる。


ベクトラ

地球連邦軍の戦闘空母。
第一次ネオ・ジオン戦争時、ネオ・ジオン軍旗艦であった『グワダン』のデータを連邦軍が盗用し、再設計した超大型戦闘空母。
他を圧倒する火力、艦載能力を誇るうえ、戦略・戦術・戦場核を搭載しており、この一隻で連邦宇宙軍を相手にできるとされている。
表向きは連邦の権威の象徴とされているが、維持費がかかるため実際は連邦のお荷物扱い。
なお、元は外惑星用に建造されたため居住区画が充実している。


アウーラ

ネオ・ジオンの戦艦。
核パルスエンジンを搭載し、単独での大気圏離脱が可能。
ラーカイラム級戦艦を一撃で撃沈させるほどの大出力ビーム砲を3門持ち、更に艦全体を防御できるビームバリアを搭載しており、攻守ともに高い性能を持つ。艦載能力も備え多数の無人機を搭載している。


他にΖΖガンダムνガンダムドライセン、量産型キュベレイ、アッシマーヤクト・ドーガゲーマルクジェガン旧ザクなどがチョイ役で登場している。
今作の無人機は無人防衛システム程度の扱いである。



【巻末書き下ろし】


■ムーンクライシス外伝 HIGHLANDERS

ベクトラに配属されたばかりのタクナ。新入りということで歓迎されるが、志望がΖのパイロットとなると多くの者は渋い顔をした。
確かにΖはコストがかかる上、Ζ乗りには性格に難がある者も多かった。
しかしタイラントはΖ乗りのそういう風潮は良くないと前置きした上で、Ζの意義とパイロットたちのプライドについて語る。

プルトニウスのパイロットを選ぶための模擬戦の最中、衛星基地がテロリストによって奪われて地球へ落とされようとしているとの通報が入る。
阻止限界点までは10分。対処できるのはΖチームしかいない。
葛藤を抱える中、タクナも少しでも守れる人を守るために奮闘する。


■機動戦士ガンダム 敵中逃亡者

地球に降下したものの、敵陣営の中に取り残されてしまったザクのパイロット。
孤立無援の上に、敵の新型量産型MSジムまでが投入されてくる。
火力も装甲も段違いの相手だったが、白兵戦に関しての経験の差で辛くも生き延びることに成功。
救援に来た隊長は「いまならMS戦の撃墜王だぜ」とねぎらうのだった。


■機動武闘伝Gガンダム 硝煙の果てに

さて、今日のカードはネオベルギーのブローニングガンダム。
しかしファイターのジョン・ブローニングはすでに愛機の頭部を破壊され失格となっていました。
公式戦の資格を失っているにも関わらず、どんな手を使ってでもドモンと戦おうとするジョンの思惑は一体?
そしてこの対決の末に待つものは?

それでは!ガンダムファイト!レディーゴー!!





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最終更新:2024年03月31日 13:02