殺生丸

登録日:2011/04/12 Tue 04:09:05
更新日:2024/03/18 Mon 18:10:01
所要時間:約 16 分で読めます






無駄死にかどうかはこの殺生丸が決めること。



出典:半妖の夜叉姫、23話「三姫の逆襲」、読売テレビ、小学館、サンライズ、
2020年10月3日~2021年3月20日まで放送、©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020


殺生丸とは高橋留美子の漫画作品『犬夜叉』、およびその続編であるアニメ『半妖の夜叉姫』に登場するメインキャラクターの一人。
主人公の犬夜叉とは異母兄の関係。




◆概要

長く美しい銀髪と額にある紫色の三日月模様、両頬の赤い虎縞模様が特徴の美青年*1の姿をした妖怪。
犬夜叉が半妖(人間と妖怪のハーフ)に対し、殺生丸は純粋な妖怪である。年齢も数百歳以上。
完全な妖怪であることに誇りを持っており、半妖である犬夜叉を毛嫌いしている。
同様に人間の事も見下しており、物語初期は敵役という位置から通り道にいたという理由だけで人間を惨殺していたが、後に心情に変化が表れてからは一切なくなっている。
犬夜叉とは何度も戦っているが、序~中盤にかけては普通に負けたり、途中で戦闘放棄したり、都合によりわざと負けたりとかませ犬的な役割が多かった。


◆略歴

父親である犬の大将は死ぬ際に二振りの刀、一度死んだ者を生き返らせる天生牙を殺生丸に、倒した相手の能力を奪い取る鉄砕牙を犬夜叉にそれぞれ託したが、
殺生丸が受け取った天生牙はこの世のものが斬れないという癒し*2の刀だった。
その為、力に執着する殺生丸は刀々斎に戦う刀を打たせようと脅したり付きまとったりしていたが、刀々斎は犬夜叉に対して「人間を手にかけて平気な奴に鉄砕牙を持つ資格はねぇ」と語っているように、殺生丸のような存在に刀を作る気は毛頭無かった。

故に殺生丸は鉄砕牙を求めて犬夜叉と戦うが、鉄砕牙の一撃で左腕を失い敗北する。

暫くは強い妖怪の腕を奪い取ったりしていたが具合の良い腕が無く使い捨てにしており、犬夜叉抹殺を目論む奈落の申し出を受ける形で四魂のかけらを埋め込んだ人間の腕を付け一時的に鉄砕牙を奪い取ったがすぐに奪い返されてしまう。
また、この時奈落が腕に仕込んだ仕掛けによって腕ごと取り込まれそうになった。
それ自体はこともなげに対処したが(そもそも元々信用していなかったと思われる)、報復のため犬夜叉たちとは別口で奈落も狙うようになる。

後に奈落の分身で、鉄砕牙をも噛み砕く悟心鬼の牙から作り出した闘鬼神を手に入れ当分のメインウェポンにするが、ある戦いで無理をして折ってしまう。
しかしこれまでの旅で精神的成長があったことから、闘鬼神を失った直後に刀々斎がやって来て「天生牙を武器として鍛え直す」と宣言。
その結果、天生牙は新たな力である冥道残月破を得て、強力な武器に転生した。

殺生丸は完璧に冥道残月破を使いこなすために修行する中で、亡き父親と戦った死神鬼に出会う。
そこで冥道残月破は元々死神鬼の技で、天生牙は鉄砕牙から切り離されたものであると知る。
殺生丸は父の真意が理解できず、動揺し追いつめられる。
だが犬夜叉の鉄砕牙と天生牙が共鳴し、冥道残月破が完成。死神鬼を倒すことに成功する。
が、同時に父の目的が冥道残月破を完成させたうえで鉄砕牙に吸収させることが狙いだという事に気付いてしまう。
殺生丸は再び犬夜叉と戦い、犬夜叉を鉄砕牙の正統な継承者として認めた。

そして自ら天生牙を折り、犬夜叉に冥道残月破を譲り鉄砕牙への未練を断ち切る。
またその時折れたはずの天生牙は元に戻っていた。



物語終盤、四魂の玉に宿った邪悪な霊である曲霊と戦う。
初めて自分を圧倒し「お前…弱いな」と貶す敵の存在に、「こいつだけはこの手で殺す。この殺生丸の誇りだ」と、執念から天生牙の一太刀で左目を潰すも、胸部を貫かれ重傷を負う。
絶体絶命のとき突如殺生丸の体から光が溢れ出し、新たな腕と形見ではない自分自身の刀、爆砕牙を手に入れ曲霊を打ち破る。

曲霊は奈落と同じく無限に再生する肉体を持ち、その本体は霊であることから何人たりとも攻撃することができないという、まさに完全無欠の存在。
しかも肉体の戦闘力は殺生丸さえも大幅に上回っているなど本作最強の一人だった。
しかし、爆砕牙により本来不死身の肉体を滅ぼす事ができ、さらに本来無敵である本体には天生牙で攻撃ができる。
曲霊を倒せる曲霊唯一の天敵が殺生丸だったのである。

刀々斎曰く殺生丸は始めから自分の刀を持っていた。
しかし、手に入れるには鉄砕牙への執着心を断ち切る必要があった。
そしてこの刀は、殺生丸がかつて最強の大妖怪だった亡き父親を越えた証でもある。

爆砕牙を手にした殺生丸は戦国最強の妖怪としての力を如何なく発揮し、登場から最終戦まで大いに活躍した。
三年後の最終回では、りんを預けた人里の近くをうろちょろしていることが確認されている。

最終回の直後にあたるドラマCD「あさって」*3では、りんにプロポーズらしきものをしている。
プロポーズに喜んだ殺りんファンは多いが、告白する形がギャグ過ぎたので*4賛否両論。そして結構イタい。
そもそもこのドラマCD自体、今までのドラマCDの系譜を受け継ぎ割とメチャクチャな内容(簡単にあの世とこの世の境に行けたり、父の亡骸が崩壊したりする)になっている為、「また楽屋ノリのギャグかよ」と落胆するファンも少なくない。

原作の後日談である特別編「あれから」では、最終回の半年後が描かれた。
こちらは、最終回時点から特に変更はない。

10年ぶりの新作アニメ「半妖の夜叉姫」にも引き続き登場。
かつて桔梗に封印された妖怪・根の首の出現に無関心を装っていたが、珊瑚の家の屋根に陣取り、間接的に犬夜叉と弥勒が不在の村を守っていた。
無論、理由はその場にりんもいたからだろうが相変わらずのブレなさでファンを安心させた。

また夜叉姫の主人公の内、『日暮とわ』と『せつな』は殺生丸の娘で半妖。最初は妻は誰なのかは不明だったが、第15話でりんであることが明らかになった。知ってた

時代樹によると、現在は麒麟丸と手を組んでいるらしいが、その真意は謎に包まれている。麒麟丸からは「阿久留の風車」を探すように依頼されている。

作中より14年前、半妖を嫌う麒麟丸の姉、是露に産まれたばかりのとわとせつなが狙われ、「剛億の試し」として森の中に隠す。犬夜叉と共に妖霊星の欠片を破壊した後はりんが是露によって銀燐の呪詛をかけられてしまう。是露を殺すとりんも死んでしまうことから邪見から時代樹の中にりんを封印しようと提案されて従う。その後は麒麟丸と手を組むことになり、手始めに犬夜叉と日暮かごめと対峙することになるが、犬夜叉の目の中にあった黒真珠を取ると、その中に犬夜叉とかごめを封印させた。

とわとせつなが麒麟丸に追い詰められた際は麒麟丸と対決して退けさせた。是露がせつなに殺された後は天生牙で蘇生させるが、犬の大将の牙で蘇生させられたという事実に是露が激高したことで天生牙を折られる。麒麟丸との戦いで死亡した後はとわの前に現れ、折れた天生牙をとわに貸し、せつなが蘇生するのを見届けた。

その後はせつなの前に現れ、母のりんについて明かし、せつなの覚悟を引き出すためにせつなの中に眠っていた夢の胡蝶を切断。りんの呪いが再び進行し、りんの命がじきに尽きそうになるところでせつなを探し出す。その後は時代樹でりんの行く末を見守ったが、娘たちは是露を救い出し、縁が切られたことでりんは助かり、目を覚ました彼女に笑顔を向けた。しかし犬夜叉とかごめの娘・もろはが麒麟丸と交戦していると察知し、戦場に向かう。
再び麒麟丸と対峙したが、娘たちともろはに麒麟丸の500年ぶりの大技、巨大妖火球が向けられたことで盾となり、爆砕牙も使わずに素手で受け止める。耐え抜いて娘たちを黒真珠の力であの世とこの世の境に送ったが、直後に魄(はく、体を動かす力)が徐々に奪われ、瀕死の重傷に追い込まれる。
りん、邪見、竹千代に襲い掛かろうとしたところに現れ、麒麟丸に時代を超えようとする理由を問うた。立っているのがやっとの状態ながら、爆砕牙の一振りを麒麟丸に向けようとしていたが、あの世とこの世の境に行っていたとわが天生牙を念じているのを感じ取ると、天生牙を抜き、西国の大将の力が込められて麒麟丸を退かせるが、同時に倒れ込む。時代樹の中に潜み、命の危機が迫っていたが、とわが吸妖根の力で麒麟丸の妖気を吸い出したことで生還する。
ちなみにこの時、目が黒く覆われるため、グラサンをかけている、パンダみたいなどと視聴者にTwitterなどで言われている。

回復して時代樹から現れた後は麒麟丸と最後の対決を迎える。娘のりおんのために最強の妖怪になろうとしている麒麟丸を「まるで人間だ」と評し、本気の妖気を解放した麒麟丸に対し、殺生丸も本気の妖気を解放。麒麟丸を倒したが、「娘たちの心が救われぬ」という理由で止めを刺さず、妖霊星で麒麟丸親子の最期、魂を使い果たしたとわの復活を見届けた。

邪見曰く家族が再会を果たした時は嬉しそう、りんと共にとわとせつなの旅立ちを迎えた際はウキウキしていたという。

◆強さ

戦闘能力は非常に高く、爆砕牙を手にする前の段階で発行されたガイドブックにおいても、「戦闘能力だけなら戦国最強の妖怪である」と作者の高橋留美子も評していた。

その評価に合うだけの戦闘力であり、出遭ったほとんどの妖怪を鎧袖一触で瞬殺し、奈落ですら新しい体を得る終盤までは搦め手でしか殺生丸とは相対していない。
尤も、最早妖怪と呼んでいいか分からない存在でもありイレギュラーな強さを持つ新生奈落や曲霊を含めたり、時期によっては事情が違ってくる。
鉄砕牙を奪って一度風の傷を披露した際には、破壊規模は犬夜叉のそれを大きく上回り、遥か遠方の山までも穿つ等、弟である犬夜叉とは妖怪としての血の濃さの関係で能力の高さが大きく異なる。
にもかかわらず、上記の精神性の違いや犬夜叉相手だと過剰に舐めてかかった影響で、作品序盤頃は犬夜叉の粘りの前に手を焼いた。

爪に毒があり、これは新生奈落の瘴気や曲霊の毒を除けば最も強力な毒。
アニメ限定だが緑の光のような鞭らしきものも使える。

高い攻撃能力に対して耐久力や防御面はどうかと言えば、公式ガイドブックの限りでは、竜骨精等に次ぎ最高レベル、とされる。
強力な毒を扱う肉体故に毒や瘴気への耐性は極めて高く、上記二名の妖怪以外のものは無効。実際、毒使いの霧骨の強力な毒霧を真正面から浴びせられてもビクともしなかった。
並の妖怪でも流石に身動きが碌にとれなくなるような、心臓部付近を刺し貫かれる痛手を負っても尚、然程動きを鈍らせずに継戦出来たり、体力やタフさは妖怪の中でもかなり高い。
しかし、風の傷*5を受けた際には、天生牙による加護が多少なりあったにもかかわらずしばらく身動きできない程の重傷を負ったり、
鋭利な刀剣を受ければ流血を伴う傷くらいは負う等、肉体の硬さは並と妖怪と比べてそこまで突出したものは見られない。
頑強な甲羅等を持つ故に素で風の傷に耐える者も複数居る大妖怪を基準にすれば、むしろ低い方と言える。
当人も基本的には回避を重視した立ち回りをする。
原作者監修の劇場版「紅蓮の蓬莱島」では、妖力を解放して敵の炎の攻撃を防ぐシーンもあり、やろうと思えば防御手段も備えている模様。

上記の通り、犬夜叉が苦戦した敵を事も無げに退ける場面も多い反面やられ役もかなり担っており
魍魎丸や曲霊には当初殆ど一方的にボコボコにされた*6他、死神鬼も犬夜叉がサポートし、鉄砕牙と天生牙が共鳴しなければ勝てなかった。

霊力関係の耐久力は高く、かごめの矢があたっても鎧が砕けるだけで、法力もほとんど効果がない。
が、白心上人レベルの結界はさすがにダメで、結界に近い場所ではまともに動けず、人間の七人隊にすら苦戦する。
まぁ彼は作中でも最凶の妖怪キラーと言える存在であり、やろうと思えば奈落や桔梗、曲霊でさえも軽く倒せる文句なしの最強キャラなので仕方がない。


本性たる巨大な犬の姿になれば、より苛烈になった猛毒を操り強大な妖怪として猛威を振るう。
……と公式ガイドでは説明されているが、凶暴化しておつむがワンコに近付くためか、変身しない方が明らかに強い。
殆ど腕力バカのそれで、ボスの巨大化は自滅フラグを体現している。邪見にさえそれを指摘されている…。


装備

殺生丸が扱ってきた刀剣は三振り。

  • 『天生牙』
殺生丸の父親から鍛造され、譲り受けた癒しの刀。
生者に対しては傷をつける力を持たない鈍(なまくら)だが、死者に相対してこの刀を握るとあの世の使いが見える。その使いを斬り裂くことで、死者を蘇生させることが出来る。
極めれば一振りで百の命を救うらしいが、命の理に反するためか、実はこの効能は一人に対して一回しか行使出来ない。

殺生丸は無意識的にこの刀の力を過信していた所為もあって、
後述の事情でりんを危うく死なせかけた時は、不敵な笑みを浮かべる以外には表情筋が死んでる鉄面皮疑惑すらある殺生丸が後悔で顔を歪め、
命の重さを完全に理解したことで天生牙を極めることが出来た。

りんの存在を通して命を愛でることを徐々に知った後とは異なり、力が全てだったかつての殺生丸は破壊の妖刀・鉄砕牙をひたすら欲した。
そのため生者を救う力に重きを置くこの刀は、かつての殺生丸にとっては、尊敬する父の遺品として一応とっておく鈍未満の飾り以外の何物でもなかった。

あの世の使いだけでなく、この世ならぬ存在に対しては唯一の攻撃手段。
曲霊を倒すことは天生牙がなければ不可能であった。

先述のように、鉄砕牙に与える為の能力ではあったが、冥道を開き敵を問答無用で叩き込む凶悪な技・冥道残月波も扱えた。
犬夜叉の鉄砕牙から放たれるそれは冥道の斬撃だが、こちらは綺麗な満月状。


  • 『闘鬼神』
奈落が生み出した妖怪・悟心鬼の牙から、刀々斎の元弟子・灰刃坊が鍛造した剣。
まだ未熟な犬夜叉相手とはいえ鉄砕牙を折ってのけたその鬼の牙の力によって、強大な武器となった。
未熟者が扱っても、飛来骨をも軽く両断し、剣圧で相手を切り刻む程の驚異的な威力を発揮する。

が、その分リスクも凄まじい。
まず、その剣圧に耐えられる使い手でなければやがては自身が負けて切り刻まれて死亡してしまうし、何よりこの刀自体が強烈な怨念の篭った呪物となっている。
そのため、余程の大妖怪でもないと正気を保ったまま握っていることすらままならない。
その点殺生丸は剣の邪気を綽然と捻じ伏せてこの剣を完璧に使いこなす。
なお、鞘は調達できなかったのか鞘に入れずに腰に帯びている。(後述の爆砕牙の鞘は刀々斎が制作している。)

最終的には魍魎丸との戦闘で、神楽を罵倒した魍魎丸にブチ切れ、妖怪中最高の高度を誇る冥王獣の鎧甲を強引に砕こうとして折れてしまった。
かごめの矢による補助もありヒビを入れることはできた)

アニメでは、殺生丸固有の必殺技として、蒼い龍を象る妖気の衝撃波、「蒼龍波」をこの剣で放つ。
この技は彼が力を込めることで出力を調整したり、地面に突き刺して地中を伝達させる等汎用性が高い。
後者をやった劇場版では、妖力が噴火のように地面から溢れ出して、小山を一つ吹き飛ばした。


  • 『爆砕牙』
殺生丸が生み出した刀。
殺生丸の牙の癖に失った片腕から現れた、大妖怪の父親を超えた証でもある一振り。
機能的には鉄砕牙のような遠距離攻撃を備えてはいないが、殺生丸当人の剣圧や、この刀で斬り付けると生じる凄まじい爆発の影響で間合いも広く、爆流波や蒼龍波のような規模の衝撃波を放って妖怪の群れ等もまとめて消滅させてのける。

更に、この刀には、斬り付けた対象に極僅かでも傷が付けば、その傷が永続的に広がり続けていずれは強制的に完全破壊させる効果がある。
その為、奈落や曲霊のような無限再生能力を持つ妖怪も倒す事が出来る、と弥勒たちは推察していた。
しかし、"伝達して侵食し続ける"だけなので、破壊が及んでいない部分を先に切り離せば破壊を免れることができ、実際には奈落への決定打には成り得なかった。
とはいえ、無限に切り離し続けることもできないため確実に奈落の力をそいでいくことが出来る。
また、四魂の玉は斬れず、その影響を強く受けていた最終決戦終盤の奈落の顔面に直撃させた際には、奈落の顔は再生していた。


  • 毒華爪(どっかそう)
爪から石や骨をも溶かす体内の強力な猛毒を発する。人間なら毒で苦しむまもなく一瞬で消滅する。最早毒というより溶解系の攻撃と言ってもいいレベル。

  • 光の鞭
中~遠距離攻撃用に爪から鞭状の妖気を放つアニメオリジナル技。
複数の人間から銃撃を受けた際は全てを受け止めて弾き返した。

  • 冥道残月破(めいどうざんげつは)
天生牙を刀々斎に鍛え直されたことにより手に入れた技。
空間を切り裂いて冥道を開き、敵を冥界へと直接送り込む即死攻撃。
使用者の錬度によって冥道は真円へと近づいていき、母親に与えられた試練により完成度が上がりより円形に近づいた。
使用者の資質により威力や特性が異なり、殺生丸の場合他の使用者に比べ極めて巨大な冥道を開くことができる。
元々は死神鬼の技であり不完全な殺生丸の冥道は死神鬼の冥道に敵わなかったが、犬夜叉の鉄砕牙との共鳴により完全な円形になり技は完成。
その後の犬夜叉との継承争いでこの技は鉄砕牙に吸収され、天生牙から冥道残月破を放つことは不可能になった。

  • 蒼龍破(そうりゅうは)
劇場版「天下覇道の剣」「紅蓮の蓬莱島」及びアニメオリジナル技。
刀身に蒼い光を纏わせ、蒼い龍を形った爆流波以上の破壊力の衝撃波を放つ。
闘鬼神で放ってるイメージが多いが、映画「天下覇道の剣」で天生牙から放っている事から、刀を媒介にして妖気を龍の形にして放つ技だと思われる。
『半妖の夜叉姫』においてもこの技を使用している描写がある他、この技が作品において重要な役割を担っている。

  • 風の傷
鉄砕牙による技。優れた嗅覚で風の傷を正確に読み取り、犬夜叉より強力な一撃を放つことが可能。
ただし結界のせいで触れないので、奈落から人間の左腕を受け取って使用した。
アニメでは強引に使用する事もあったが、やはり結界に阻まれるためほんの短時間しか扱えず、使用後は手が火傷のようにただれダメージを受けている。


◆関連人物

CV:チョー
殺生丸の太鼓持ちや召使いのような役割を担う河童のような姿の小柄な妖怪。
殺生丸に仕えて結構長いらしく、(多分)心が通じ合っている。ほぼツーカーな間柄。
アニメの限りでは、元々小規模な妖怪の集団の長だったが、他の種族の妖怪との抗争を指揮していた際に
その抗争の只中を颯爽と通り抜けて行った殺生丸に惚れ込み、以降忠臣というか下僕となった。

扱いが若干ひどく、余計な発言をしては殺生丸に殴られている*7
が、邪見がマジで死んだ時には、とりあえず天生牙で甦らせてまたパシる程度には重用している。
作中で一番多く泣く。
純粋な肉弾戦ではかごめに負ける。
アニメではたまに需要なんぞない殺←邪っぽい演出が、原作と比べてもやたら多い。誰得?

しかし、手に持っている「人頭杖」の威力は本物で、多数の侍や雑魚妖怪に囲まれた際にはそれらを跡形もなく焼き払い、索敵もこなせる便利アイテム。
実力自体は紛れも無い一線級妖怪……と言いたいところだが、
アニメで邪見が語った過去によれば、殺生丸に忠誠を誓って付き従うと決意した際に、殺生丸から適当に下げ渡された護身用、と言うか効率良くパシる為の道具である。
とはいえ、人頭杖は父の墓の鍵でもあったため、殺生丸としても、信頼できる人物と見込んで託したと思われる。

またアニメで鉄砕牙を奪う為に研屋に化けた際、犬夜叉以外の一行の武器を研ぐ羽目になり、鉄砕牙も研いでほしくなるぐらい見事に研いでやろうと頑張り、一行から大好評など研屋としての才能もある模様。
尚、その研ぎ具合に犬夜叉も鉄砕牙を研いでもらおうとしたが…邪見は研ぎすぎて疲れて眠ってしまったのだった…。


CV:能登麻美子
ある村で野盗に家族を殺されたショックで口がきけなくなり、村人達にも気味悪がられ疎んじられていた孤児だったが、ある日犬夜叉の風の傷により重傷を負った殺生丸を密かに介抱していた。
その村が妖狼の一団に襲撃された際に狼に噛み殺されたが、追い払っても自分の面倒を見ようとする奇特なょぅι゛ょに思うところがあったのか、
殺生丸が天生牙で蘇らせた第一号になる。
蘇生した後は言葉も取り戻し、それ以降は旅に同行するようになり明るい性格へと変わっていった。

殺生丸も、りんのおかげで少しずつだが、優しさや思いやりの感情を持つようになった。
邪見曰く「りんに何かあれば殺される」
冥道残月破の修行中にりんが冥道に飲み込まれ、省みず助けに行くも間に合わず死亡。
天生牙を使って再び蘇らせようとするが、それも適わない。
この時殺生丸は

りんの命と引き換えに得るものなど何もない

と深く悲しみ後悔し、りんは大切な存在であることを悟る。
この際、生まれて初めて例えようのない悲しみと大切なものを失う恐怖や後悔という感情を持ち、冥界の無数の死者に対しても慈悲を抱き、その魂を浄化したことで天生牙の作り出す冥道が広がった。
この後すぐ殺生丸のママ様の力で生き返ることになるが、ママ様には人間の娘に執着する様を「変なところが父親に似てしまったな」と指摘されている。

ラストは楓の村で生活している。
理由は、りんの意思で人間と妖怪の生活のどちらでも選べるようにと殺生丸が配慮したから。
とは言え、殺生丸当人は内心ではいずれは自分との生活を選んでほしいようで、気長に待ちながら贈り物を手にこまめに村に通っている。


奈落の分身の一体。
だが心臓を(文字通り)握られており、無理やり命令を聞かされていた。
当初は敵として現れたが、殺生丸の強さなら奈落を倒せるかもしれないと思い、度々殺生丸と接触。
また徐々に彼に対し恋愛感情も芽生え始めていたよう。

しかし途中で奈落に心臓を返して貰った上で体を貫かれる……
神楽が死ぬ間際に殺生丸が駆けつけ

「(…天生牙では救えん)…逝くのか」

「ああ…もう、いい(…最後に、会えた…)」

このやりとりは涙腺崩壊もの。
直後、奈落の分身である魍魎丸との戦いで神楽の死に様を侮辱されたことに怒り(闘鬼神が壊れる原因)、魍魎丸に「神楽を憐れんでいるのではあるまいな」と気の乱れを読み取られる。
その怒りと神楽の死に対する悲しみの心が冥道残月破を得うるきっかけとなり、冥道残月破を習得した際には
「無駄死にかどうかはこの殺生丸が決めること」
と述べている。

  • 犬夜叉
腹違いの弟。
共闘関係になる以前も以後もとりあえず顔面をぶん殴る。
連載開始前から面識自体はあったようで、当時から互いに対して嫌悪を通り越した感情を向けていた。
原作当初は単に「妖怪全般で嫌われている、弱い人間との間に出来た子供」ということで侮蔑していた感があったが、
その根底には、「敬愛する父親が半妖に大切な形見を残し、自分を蔑ろにした」という嫉妬に近い感情も多分にある。

アニメや映画等を含めて言えば、
「自分が敬愛した最強の大妖怪たる父親が、よりによって半妖と人間を守るために死期を早め、妖怪らしく力で父を超えてやる機会を奪われた。」
ことへの恨みもある様子。

当初は完全に格下でしかない犬夜叉を嘲笑っており、彼相手に手を抜いて返り討ちに遭う小物ルートに殺生丸が堕ちかけもしたが、
上記のりんとの出会いや奈落一派との戦いを通して、犬夜叉の実力やメンタル面に殺生丸なりの一定の評価を下したようで、弟と認めるのも汚らわしい木端雑魚から、不出来な弟兼好敵手の類へと認識を改めた感がある。

最終回以降は、りんが住む村に犬夜叉も住んでいる関係で、ちょこちょこ顔を合わせている。


  • 日暮かごめ
犬夜叉の連れぐらいにしか認識していないが、成り行きで度々助ける事となり、最終的には義妹になった。
しかし最終回で「お義兄さん」と呼ばれた際は、かなり嫌な顔をしていた(犬夜叉も同様)。


  • 日暮とわ
  • せつな
『半妖の夜叉姫』の主人公達にして、殺生丸の娘である半妖の少女達。
二人ともまだ若く未熟ではあるものの、最強の妖怪の血を引いてるだけあり戦闘センスはかなりのもの。
ファンの間では様々な憶測が流れたが、やはりと言うかりんとの間にできた子供達だと判明した。

  • 日暮草太
『犬夜叉』では接点など全く無かったが、『半妖の夜叉姫』にて現代に迷い込んだ長女とわの養父となり、登場人物やファンも全く想像していなかった形で決して浅くは無い縁を持つ事になった。しかし、当然ながらお互い出会う機会があるかどうかは不明。



◆台詞集

「我が毒爪にて昇華せよ」

「薄汚い半妖が!」

「くだらん」

「貴様 私を誰だと思っている?」

「血と瘴気の臭いを追ってきた」

「お前だとわかっていた……」

◆余談

クビから右肩にかけてのフワフワはいわゆる羽毛襟巻き(ショール)で本来は 女性用着物の防寒衣 である。寒がりなんだろうか
女性の美しい着物を隠さずに逆に映えさせ、寒い時期の防寒に有効という理由で成人式の女性の着物の定番グッズになっている。
なので成人式のふわふわショールを「殺生丸」と呼ぶ本作ファンもいたが作者もその俗称を認識してネタにするようになった。


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最終更新:2024年03月18日 18:10

*1 首周りのもふもふも相まって担当声優の成田氏も初見で女性キャラと勘違いした。

*2 殺生丸曰くナマクラ。

*3 犬夜叉ワイド版の予約特典のドラマCDで市販はされなかった。現在ではやはりというかプレミア価格。

*4 言葉が聞き取れない程の早口で告白しており、それ現代から持ち込んだICレコーダーで録音していがかごめがスロー再生するという流れ。殺生丸のキャラを潰しにかかる展開なのは言うまでもない。なお、実際にこの音声をスロー再生しても意味が無いので注意。

*5 無意識に手加減された一撃

*6 アニメでは魍魎丸を逆にボコる等、尺の圧縮に伴った超改変が見られる

*7 原作、アニメ共に殴るシーンが直接描かれる事は無く、タンコブができた事で表現したり、殴る音だけが響いたりする