涼宮ハルヒの憂鬱

登録日:2009/08/18(火) 02:47:48
更新日:2024/01/29 Mon 16:06:22
所要時間:約 9 分で読めます




角川スニーカー文庫のライトノベル

作者:谷川流
イラスト:いとうのいぢ

初出は2003年。角川スニーカー大賞を受賞した作者のデビュー作であり、ソフトなSFと青春コメディを融合させた当時としては鮮烈な作劇で多くの読者を魅了した。
ライトノベルの中ではトップクラスの作品で、また主にラノベ全盛期の頃に新刊を出していたのも特徴。

2006年には京都アニメーションによりアニメ化。
作画のクオリティの高さや原作の再現度、EDのダンスからこの手のアニメでは類を見ない程のムーブメントを起こし大ヒット、世間に『ハルヒブーム』を巻き起こした。
当時を知る者は、『オタク』と分類される人間で知らない者はいないだろうと思われるほど有名な作品。

巻毎に時系列がバラバラで、所々に伏線が張ってあったりする。

普通の作品であれば別々に扱う宇宙人や未来人、超能力者を同時に扱うストーリーはかなり魅力的である。

また主人公も『宇宙人に会えないかな』とか『超能力が使えないかな』とか思った人間は感情移入しやすいキャラクターであるため、
不思議な現象を求める心がある人は非常に楽しめると思われる。


上記のように高い人気を誇った作品だったが、
アニメ版終了後の原作は2007年に前後編の前編だけが出た状態で放置され、そのような中で2009年に放送されたアニメ版二期は再びの人気を得るどころか、
ほぼ同じ内容の話を8週連続で放送する という狂気の「エンドレスエイト事件」により衰退が加速。
2010年公開の映画『涼宮ハルヒの消失』は大ヒットし、原作は2011年にようやく新刊が出たが、
その後 9年間 新刊の発表が停止したことからコンテンツとしてはほぼ停止状態となってしまった。
しかしながら「2000年代半ば・オタクブーム隆興の祖」として古のオタ共の記憶には残っており、現在も「角川スニーカー文庫の代表作」として度々グッズが販売されるほか、アニソンライブでは盛り上がる定番曲の一シリーズとなっており、2019年の「ランティス祭り」(12年ぶり)、2023年の「京アニフェス」(4年ぶり)ではSOS団が再集結している。



既刊
『涼宮ハルヒの憂鬱』(2003年)
『涼宮ハルヒの溜息』(2003年)
『涼宮ハルヒの退屈』(2004年)
涼宮ハルヒの消失』(2004年)
『涼宮ハルヒの暴走』(2004年)
『涼宮ハルヒの動揺』(2005年)
『涼宮ハルヒの陰謀』(2005年)
『涼宮ハルヒの憤慨』(2006年)
『涼宮ハルヒの分裂』(2007年)
『涼宮ハルヒの驚愕』(2011年)
『涼宮ハルヒの直観』(2020年)


【あらすじ】


俺が晴れて北高の生徒になったその日、俺の後ろの席に座っていた女は自己紹介でこんな事を抜かしやがった。


「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」


これを冗談ではなく本気で言っているのだから、コイツの頭のヤバさの幾らかは分かってもらえるだろう。

――しかし、実はこれがバカに出来ない世の中らしい。

なんと、俺の前に本物の宇宙人、未来人、超能力者が現れやがったのである。




【登場人物】

涼宮ハルヒ
CV:平野綾
天上天下唯我独尊、容姿端麗、文武両道の少女。「性格以外は完璧」と評される。
自分が世界でちっぽけな存在だと思い知らされた小学生の時から、不思議な現象や存在に遭遇することに心血を注ぐ。
かなり頑固で我が強く、人の言うことはほとんど聞かない(都合の悪い話は届かない)。
キョンの発言から、不思議な事を探す部活『SOS団』を作ることを思いついた。
実は本人も知らない不思議な力があるらしく、
その力のために宇宙人や未来人や超能力者が本人に気付かれないように彼女を監視している。

しかしそれでも彼女に不思議な魅力があるのは確かである。


キョン
CV:杉田智和
本名不明の主人公。キョンというのはあだ名。本作は彼の一人称で語られる。
北高1年5組に在籍している。
かなり面倒くさがりで、いつもテンションは低め。しかし朝比奈さんの前だとテンションは爆上がりする。
唯一ハルヒに意見できる存在であるため自然とストッパー役になる(しかし止まる可能性は極めて低い)。
『ハルヒにとって特別な存在』という立ち位置ゆえ、宇宙人(以下略)に正体を明かされ巻き込まれる事に。
割と博学。


長門有希
CV:茅原実里
キョンやハルヒの同級生の無口な少女……かと思いきや、
実は情報統合思念体によって生み出された対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース……早い話が宇宙人
涼宮ハルヒを『自律進化の鍵』として監視している。
感情が欠如しているかのように常時無表情でほとんど口をきかない。
元は文芸部員だったが、ハルヒがいつの間にかSOS団団員にしていた。
部室ではだいたいいつも本を読んでいる。


朝比奈みくる
CV:後藤邑子
年下に見えるくらいロリ顔で巨乳な先輩……かと思いきや実は未来人。
ハルヒを『時間震動の原因』とみて監視している。
ハルヒが可愛らしい容姿に目をつけ強制入団させた。
見た目に違わぬ性格で、大人しく優しい少女だが、押しが弱い性格のためハルヒの玩具にされる。
コスプレ要員で、部室にいる時はメイド服を義務付けられている。

校内でも評判の美少女で、彼女をどうかすると北高の半分(ようは男子生徒全員)を敵に回すとかなんとか。


古泉一樹
CV:小野大輔
北高に転入してきた美男子転校生……かと思いきや実は超能力者。
ハルヒを監視する組織『機関』の一員だが、長門有希、朝比奈みくるがSOS団に入ったため急遽北高に送り込まれる。
しかし、その時期が中途半端だったため『謎の転校生』としてハルヒに目をつけられ強制入団させられた。
同年代相手でも敬語を使う。ボードゲームを好むが超が付くほど弱く、哲学的な話が好き。
彼の説明は分かりにくい事で有名。


鶴屋さん
CV:松岡由貴
朝比奈みくるの友人で、その伝でキョン達と知り合った。
快活かつさばさばした性格で、常に笑っている良き先輩。
家は豪邸。
空気が読める人。


キョンの妹
CV:あおきさやか
やんちゃなキョンの妹。本名は明かされていない。
もう小学校上級生なのにも関わらず、下級生のように子供っぽい。


谷口
CV:白石稔
ハルヒと同じ中学出身の生徒。アホ。
消失の時に話に出ていた光陽園の女とはまさかの……。


国木田
CV:松元恵
キョンと同じ中学出身の少年。
大人しそうな見た目。
驚愕にて北高入学の理由が判明、また新たな一面が見られる。


【SOS団】

キョンの発言からハルヒが思いついた『世の中の不思議を探す』団。
許可なく文芸部室を占拠し文芸部の部費を使用しているが、学校側は黙認している。
ハルヒによって宇宙人、未来人、超能力者が集められたが、集めた本人は気付いていない。


名前の意味は、
『世界を』
『大いに盛り上げるための』
『涼宮ハルヒの』
『団』
略してSOS団である。

そこ、笑っていいぞ。
俺は笑う前に呆れたけどな。


■時系列


  • 笹の葉ラプソディ(中1 ・7月 7日)
  • Rainy Day (中3・9月)
  • 編集長★一直線!(中3・卒業後の春休み)
  • 涼宮ハルヒの憂鬱(高1 ・4~5月 )
  • 溜息と約束のプロローグ(憂鬱の直後)
  • 涼宮ハルヒの退屈(6月)
  • 笹の葉ラプソディ(高1・7月7日)
  • ミステリックサイン、ミステリックサインおかわり(7月頃)
  • 孤島症候群(7月の終わり頃)
  • 涼宮ハルヒの直列(8月の始まり付近)
  • 涼宮ハルヒの並列(直列の直後)
  • エンドレスエイト(8月最後の2週間)
  • 朝比奈ミクルの冒険 Episode 00の撮影(11月)
  • 涼宮ハルヒの約束(北高祭前日)
  • 涼宮ハルヒの追想でキョンが迷い込んだ消失のような世界(北高祭当日)
  • ライブアライブ(本来の世界での北高祭当日)
  • 射手座の日、射手座の後日、サムデイインザレイン(11月下旬)
  • 涼宮ハルヒの消失( 12月18日~24日)
  • 涼宮ハルヒの追想(消失の直後)
  • ヒトメボレLOVER (消失後で年末が近い)
  • 猫はどこに行った?(年末)
  • 朝比奈みくるの憂鬱(1月)
  • 涼宮ハルヒの陰謀(2月3~15日)
  • 編集長★一直線!、ワンダリングシャドウ(3月)
  • 涼宮ハルヒの分裂、驚愕(高2・4月)
  • 鶴屋さんの挑戦(高2・6月)

■不明
  • 涼宮ハルヒの激動(時期不明だがキョンが動画編集したことがないと言っていたので溜息以前)
  • 涼宮ハルヒの戸惑(多分高1の1月~3月までの間で起きた1ヵ月間の物語)

【音楽】

オープニングテーマ
(第2話 - 第9話、第11話 - 第13話)
(2009年版第12話 - 第22話)

エンディングテーマ
(第1話 - 第13話)
(2009年版第8話、2009年版第12話 - 第18話、第20話 - 第23話)

挿入歌
  • 恋のミクル伝説
(第一話)
  • God knows...
(第12話)


【補足】

  • ハルヒ達が通う北高は、兵庫県立西宮北高等学校がモデルとなっている。
    尚、平成24年現在1学年4間口の学校なので1年5組は存在していない。

  • ロッテから発売されているガム「ACUO」のCMにてヒロイン三人娘が生田斗真と共演する事になった。
    いろいろと爆笑モノなので、一見の価値あり。

  • Amazonの2000年11月1日から15年10月31日までのライトノベル部門で、
    『涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き)』が通算販売数トップに輝いた。



追記?修正?
勝手にやってくれ、俺は知らん。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • パチンコ化
  • 涼宮ハルヒの憂鬱
  • 涼宮ハルヒ
  • 角川スニーカー文庫
  • 角川つばさ文庫
  • ライトノベル
  • アニメ
  • 京都アニメーション
  • ダンス
  • エンドレスエイト
  • 世界各地に出没
  • 谷川流
  • いとうのいぢ
  • 宇宙人
  • 未来人
  • 超能力者
  • 異世界人
  • 異世界人(未登場)←追想でキョンがなった
  • SUPER GT
  • みずのまことは黒歴史
  • ツガノガク
  • 06年春アニメ
  • 09年春アニメ
  • SF
  • 押井守版うる星やつら
  • 日本のメディア芸術100選
  • 角川春樹
  • カオス
  • 傑作or問題作
  • 傑作
  • 問題作
  • 名作
  • 不朽の名作
  • 神作

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月29日 16:06