コミックアンソロジー

登録日:2012/04/09(月) 08:14:22
更新日:2022/11/10 Thu 15:24:22
所要時間:約 3 分で読めます





コミックアンソロジー(アンソロジーコミック)とは一つの作品を様々な作者が描いた漫画……つまり出版社版の同人誌である。

●漫画だけではなく、アニメ・ライトノベル・一般ゲームからエロゲーまで幅広い題材を使う
●漫画やライトノベルの場合、出版社からアンソロジーコミックを出す事があるが大抵は他社が作製
●有名では無い作家を中心に漫画を描いて出版する(勿論例外もある)
●基本、同人誌と同じ二次創作
●基本的には描き下ろしと同人誌の転載の二通り(前者は殆どの出版社が採る手法だが、今は亡きラポートは後者*1
●成人向け系は著作権対策の為にキャラ名を微妙に変えたりする

大体のアンソロジーコミックはこの形式で販売している。
特に出版社から正式に刊行される漫画な為、同人ショップだけではなく普通の書店でも売られているのが特徴。
更に連載する様な漫画ではなく一発出しなので、様々な出版社から出されている*2

正に出版社界の同人誌だが二次創作に変わりは無いので、出版社によるチェックが入っている。
そのため同人誌より自由度は低いが、代わりに作者の中には無名からアンソロへの参加で知名度が上がり活躍の場を広げた方も多数。

また、公式なメディアミックス展開として企画・製作されたコミックアンソロジーについては、
公式側からの資料提供やチェックを受けている他、時には原作者自らが参加し、番外的なエピソードを執筆する場合も*3

尚、基本的には原作を題材とした読み切り作品として、普通の漫画と同様の体裁で掲載されるが、
その中に4コマが混じることもある。
「ドラゴンクエスト4コママンガ劇場」などのような4コマだけのアンソロジー本も出ているほど。

艦これは基本的に「ゲーム内課金ではなく、各種関連グッズからの売上で運営する」というのが基本なため、公式アンソロジーが複数社から出ている。
そして各作品に対する権利は各漫画家に帰属するようで、公式アンソロ収録→内容を追加して同人誌に再収録という作品がいくつか存在する。
佐世保鎮守府編に収録されている通称史実ネタトリオこと「チャーリーにしなか/中島零/坂崎ふれでぃ」が長年このスタンスである。

そして二次創作なので中身はかなーりフリーダム。
特に
  • キャラとキャラの心と体が入れ代わる。
  • 日常系の漫画なら無人島漂着
  • ここぞと言わんばかりに活躍するサブキャラやモブキャラ
  • 原作より深くした恋物語

は最早アンソロジーコミックの鉄板。よく使われる。
更に一部のアンソロジーコミックはエロに走る。
特に俺達向けより腐向けになりやすく、
古本屋等でアンソロジーコミックの棚の前に女性が立ち読みしている事が多い。
入りづらいぜ…。

ジャンプ読者の中には、80年代ではキャプ翼や星矢、90年代では幽白スラダンるろ剣、それ以降ではマンキンヒカ碁テニプリナルトのアンソロジーを、
幼少時代にBLと知らずに読んでショックを受けた人もいるかもしれない。

なお大半のアンソロジーコミックはA5版(縦210mm×横148mm)にて出版されている*4ため、
けいおん!』や『らき☆すた』などの元から同じA5版で出版されている作品、
ドラゴンボール』や『るろうに剣心』、『うしおととら』等々、連載完結後にA5サイズの豪華版が刊行された有名作品については、
書店等でアンソロジーコミックと同じ棚に纏められていることも多い。

書店の本棚は新書版(縦176mm×横112mm)やB6版(縦182mm×横128mm)に合わせられているのに対し、
アンソロジーコミックや一部の漫画のサイズはそれら普通の漫画より大きく、置き場所が無いので一まとめにされやすいのだ。

そしてBL系を始めとしたグレーゾーンなアンソロジーと、上記のA5版一般漫画、
各版元より許諾が出た公認アンソロジーが一緒くたに陳列されていた場合、原作の関連書籍と誤って手に取ってしまったり、
アンソロジーコミックへの正しい知識がないままに購入してしまう危険度は更にアップする。

そんなアンソロジーコミックの一番の魅力は、別の作者による二次創作を楽しむ事だろう。
ベターな展開から思いもしなかった展開までより取り見取りである。

絵のタッチや作風についても、中には原作の絵柄よりも好みなものや解釈一致のものが見つかるかもしれない。
勿論、画風が合っていない場合や明らかに下手なパターン、原作への知識が乏しい場合もある。

また90年代多数出版された版元公認のアンソロジーの中には、
版元のチェックを通過しているはずなのに明らかに異常なネタが混じっていたりもする。

  • とにかく酷い目に遭いまくるカツ・コバヤシ。
  • リリーナオラを殺せばぁ~。*5
  • 劇画調の8頭身で描かれた悪人面のマリオがキノピオに過剰な暴力を振るう*6
  • 『ゴジラVSキングギドラ』に登場する未来人の正体がX星人。
  • ミニスカートにみずでっぽうを浴びせてシャツを透けさせようとするレッド。
  • ヤマタのドー

……等々他多数。ファンの間でもいまだに語り草になっている作品は数多い。

そのため、ある種のギャンブルとも言えるが、自分の趣旨好みである当たり作品を引き当てた時のはまり具合は半端なものではなく、
二度目のそれを求めてアンソロジーを買っているものもいるとかいないとか。




主なレーベル(○○は作品名。一部展開終了もあり)
  • DNAメディアコミックス ○○コミックアンソロジー/4コマKINGS(一迅社)
  • 火の玉ゲームコミック ○○4コマギャグバトル(光文社)
  • BROS.COMICS EX、マジキューコミックス(KADOKAWA)
  • ミッシィコミックス・ツインハートコミックスシリーズ(宙出版)
  • アクションコミックス ○○4コマまんが王国(双葉社)
  • ○○4コママンガ劇場/スーパーコミック劇場(スクウェア・エニックス)
  • OAK COMICS(オークス)


「どうしても私の項目を編集しないの?」

「あぁ……」

「こうなったら、アンタに荒らされたっていう内容の項目を建てて皆に広めてやるんだから!」

「建てれば?」















「えぇ、18禁でね…」


こうして、俺はこの項目を編集する事になった。

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最終更新:2022年11月10日 15:24

*1 雑誌へ掲載されたトリビュート作品や公式パロディ、読者ページの投稿ネタの単行本化という側面を持つコミックアンソロジーも存在する

*2 その題材が人気になるとシリーズ化し複数弾発売されることも勿論ある

*3 やや特殊なパターンとしてはゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』の公式アンソロジーへの参加時、ゲーム本編を題材とした漫画ではなく同作に参戦している自身の作品『ゲッターロボ』の新作を描き下ろした石川賢氏や、ゲーム『SDガンダム GジェネレーションF』の公式アンソロジーに参戦作品の一つである『クロスボーンガンダムシリーズ』の作者である長谷川裕一氏が参加するなどの例もある

*4 なお、このパターンに当てはまらない例としては原作と共通の版元が出版する公式アンソロジーについては、本家の単行本と同じ版サイズや共通の装丁で一緒に並べられるようにしている場合がある。(『男子高校生の日常』や『少女終末旅行』など)

*5 同ネタが収録されたアンソロジーは『クレヨンしんちゃん』の版元である双葉社から刊行されたので、ある種のセルフパロディか。

*6 ご丁寧に某『モー●ン』のパロディで「Fatal●ty」のっぽい描き文字まで。