マスティコア/Masticore(MtG)

登録日:2010/08/10(火) 23:42:40
更新日:2022/07/19 Tue 07:09:52
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マスティコア/Masticoreはマジック・ザ・ギャザリングのアーティファクト・クリーチャー。ウルザズ・デスティニーに収録され、レアリティはレア。


マスティコア/Masticore
(4)
アーティファクト・クリーチャー:マスティコア
あなたのアップキープの開始時に、あなたがカードを1枚捨てない限り、マスティコアを生け贄に捧げる。
(2):クリーチャー1体を対象とする。マスティコアはそれに1点のダメージを与える。
(2):マスティコアを再生する。
4/4


環境に非常に強い影響を与えた、所謂「壊れた」クリーチャー。
各色で使えるため、通常控え目にデザインされるアーティファクトクリーチャーでありながら、4マナ4/4と優秀なサイズを誇る。

またダメージを与える能力が強く、無色であるため当時流行していた「サルタリーの僧侶」に代表される、プロテクション(カラー)を除去できるのは大きい。その上、再生とクリーチャーとしては至れり尽くせり。一枚で場を制圧する事すら多々あった。
その分マナを喰うが、マスティコアが収録されたウルザブロックはマナを大量に生むカードが複数存在したのでその点を悩む必要はなかった。特に「厳かなモノリス」を含む茶単とは好相性で、また除去に乏しい緑単にもよく採用されていた。


非常に強力なクリーチャーだが、アップキープコストはなかなか厄介。
マスティコアをコントロールしている限り、ドロースペルでも使わないと手札が増えない。場合によっては自身の首をも絞めかねない。
それでも当時は「天才のひらめき」のような優秀なドロースペルがあったので、手札を大切にする青系のコントロールデッキにも採用されていたが、メタによってはサイドボードどまりと言う事も決して珍しくなかった。
このデメリットを軽減するのに何度も手札に帰ってくる「ゴブリンの太守、スクィー」が用いられる事もある。

逆に手札を捨てるのを逆手にとって、リアニメイトのクリーチャーを手札から墓地に落としたりできる。スレッショルドやマッドネス、フラッシュバックなどのガードとも相性がよく、エクステンデッドのそのシステムを組み込んだデッキが登場した事もあった。
ともあれ、アップキープコストの問題から、出すタイミングが非常に難しい、プレイヤーの腕がより問われるクリーチャーと言える。


スタンダード環境からマスティコアが去った時、「最悪のカード」と評される程であったが、エターナル・レガシー環境に戦場を移した現在ではあまり出番がない。
理由は昨今のクリーチャーインフレのせいで除去能力が追いつかず、場に出しても手札を喰うばかりで活躍しづらくなってしまったためである。

また「真髄の針」のようなマスティコアの起動型能力を封じるカードが頻繁に用いられる環境であるのも敬遠されている理由のひとつ。

代わりに、マスティコアの残骸からセファリッドによって生み出された「剃刀毛のマスティコア」の方がアップキープに自動的にクリーチャーにダメージを与えてくれる分、より重宝されるようになってしまった。


【余談】

〔漫画作品での活躍〕

このカードは人気が高く、マジックを扱った漫画にも登場している。

デュエルマスターズ

かつてマジック漫画だった頃に黄昏ミミの切り札として登場。「超凶獣クリーチャー」という凄まじい冠で召喚される。
トーナメントシーンもかくやという調子で大暴れしたが、主人公の勝舞は対抗策を既に手札に握っていた上、アップキープコストを支払わせた上で破壊させる、と言う主人公の成長っぷりを引き立てる役割も担った。


デュエルファイター刃


世良円(ロリ娘)「え、えーとえーと(オロオロ)……ま、マスティコア!」

対戦相手「………お嬢さん。手札は?」

世良円「あっ」

召喚した時点でコントローラーの手札がゼロだったため、即退場という間抜けな結果に終わってしまった。でも円ちゃんだからいいんだよ。可愛いし。
今では軒下の猫のような扱いになっているマスティコアだが、油断したプレイヤーの喉笛を噛みちぎる力は間違いなく残っているので、過小評価は避けるべきだろう。

〔名前の由来とイラスト〕

名前の由来はライオンの体とサソリの尾を持つキメラ系の怪物「マンティコア(manticore)」と、「食べ物を噛む」と言う意味の「masticate」。
その名の通り、イラストには「サソリの尾」と「三つの口」を持つ青いライオンのような怪物が、一番下の口で金属の筒のような物を喰らっている姿が描かれているのだが……この「怪物が咥えている筒」を大砲の砲身と勘違いして、口からの砲撃で攻撃するクリーチャーであると誤解するプレイヤーが多かった。
イラストをよーく見ると、鉄棒の先端がギザギザになっているので、これは単なる折れた鉄棒で砲身でなさそうだということがわかるのだが……1点のダメージを与える効果や、アーティファクト・クリーチャーというロボット・機械生物のイメージ的に違和感がないこと、そして前述のデュエルマスターズにて「口から砲身を伸ばして砲撃する」シーンが描かれたこともあって「マスティコア=口に大砲」というイメージがガッツリ刷り込まれてしまったものと思われる。

なお、溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(MtG)などのリメイクカードでは、口に鉄柱といった描かれ方はされていない。


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最終更新:2022年07月19日 07:09