カレル(FE)

登録日:2009/10/12(月) 04:15:14
更新日:2024/04/13 Sat 12:51:53
所要時間:約 11 分で読めます





出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS


CV:間島淳司(FEヒーローズ)


【封印の剣】
クラス:ソードマスター
加入時レベル19
HP-44(210)
力-20(150)
技-28(160)
速さ-23(160)
幸運-18(200)
守備-15(110)
魔防-13(100)
体格-9
属性-光
剣-S
装備:倭刀

「剣聖」と呼ばれる達人で、俗世から離れたベルンの山奥の村で隠居している。
近くでロイ率いるエトルリア軍とベルン軍の戦いが始まった際も戦を忌避しあくまで村の防衛のみ考えており、
村を訪問してもここは戦いに関係ないから帰ってくれとだけ言って追い返されてしまう(村の門は閉じない)。
姪のフィルか義弟のバアトルで訪問すると説得に応じて仲間になる。


最終局面の23章加入の上級職レベル19ユニットで、物々しい二つ名付きのおっさんというだけありその能力はかなり高い。というか 全キャラ中でもトップクラス。
剣レベルもSなので育てなくてもデュランダルが使える。
加えて封印ソドマスの異常な必殺補正のおかげで、最後の最後のお助けユニットとしてそこらの叩き上げが涙目になるくらいに大活躍する。
強いて弱点を挙げるならHPや守備はそれほど高くない為耐久に欠け、速さも23とクラスにしては低く叩き上げソードマスター組に及ばない点か。

また成長率も異常に高く、HPと幸運は必ず2ポイント上昇し、魔防以外も2ポイント上昇する可能性があるなどファすら軽く凌駕する伸びを見せる。
だが本人のレベルが極めて高く兎に角経験値が得られない。上級職ザコを倒しても10ちょっとしか得られず下級職相手では2~3くらいと雑魚狩りだけではいばらの道。23章ボスのブルーニャを倒すとかなりの経験値を得られるので彼でトドメを刺すのも良い。そうして見るとこの異常な成長率もラスト1レベ頑張った人へのご褒美といった所か。
しかしそれでも速さは最大でも25で止まる辺り、同職叩き上げのルトガーやフィルへの配慮も一応為されている*1。それでも十分過ぎる数値だが。

実力は十二分なのだが参戦が遅すぎるため、最終決戦のスタメンに長らく使ってきたルトガーやフィル、
オージェなどのデュランダル担当を外してまで、ポッと出の彼を入れるほどの思い入れが育つ時間があまりないのが問題か。
それでもドラゴンキラー要員としては役立つ。必殺が出れば23章のドラゴンマスターや24章以降の高レベルマムクートさえひとたまりもない。
ステータスで多少劣っていても育てた勇者より使えるかもしれない。
ただし加入してから使える期間はかなり短く、また単独での性能は高くとも意図的にターンを稼がない限り支援効果の活用はほぼ望めない。
そのため総合的に見てそこまでぶっ壊れたユニットというわけではない。

ロイでさえその名前を知っているほどにエレブ大陸にその名を轟かせた猛者。
設定から想像できるように非常に温和な人物で、発言も悟りを啓いたような物が目立つ。
基本的に争い事やそれに関連する事象を忌避しているが、ルトガーの技量に興味を抱いたりなど、全く無関心という訳ではないようだ。
また、ノアが赤子の頃、彼の故郷を山賊から救った事もあり、そのためかノアは加入時の剣レベルが他ソシアルに比べて高い。

戦いの後は彼から剣術を教わろうと多くの人間が訪れたが、自ら剣をとって指導する事は無かったという。
また、昔は「剣にとりつかれた魔物のようなもの」と自称する程に各地で凶剣を振るっていたらしい。


通信闘技場ではルトガーとフィルとで支援が組めること、必殺率がやたら高いことからフルカン前提編成では一時期最強編成としてもてはやされた。
当時はソードキラーなんて武器はないため、すさまじい必殺率を持ったユニット3人のバックアップを遊牧騎兵(片方はミュルグレ持ち)が務める。
最近では遊牧騎兵3人+ソドマス2人の方が強いとされているらしく、そうなると支援相手の関係からカレルは編成からはずれてしまう。
どっちにしたってサカ人が強すぎる。史実の再現かな?



【烈火の剣】
クラス:ソードマスター
加入時レベル8
HP-31(70)
力-16(30)
技-23(50)
速さ-20(50)
幸運-15(30)
守備-13(10)
魔防-12(15)
剣-A
装備:倭刀

『封印の剣』から20年前の彼は「剣魔」と恐れられる剣士だった*2
各地で名のある強者を斬り続け、騎士団を単独で壊滅させたとの話すらある。
ゲーム内のグラフィックでは言動が危ないだけなのだが、公式イラストでは目がぎらついてて完全にイっちゃってる危険人物。
構えている剣(の鞘)も血を思わせる赤いものである。

エリウッド編25章、ヘクトル編27章で「黒い牙」のアジトに登場し、
エリウッド・ヘクトル・リンのいずれかで話すと彼等の将来性を見込んで仲間になる。
ただ「将来を見込んで」と言っても、「自身が斬るに値する強者になりうる」という意味であり、彼らが強くなったら斬る気マンマンである。
…こんな危ないやつ仲間にすんなよ…と思いたいところだが、勝手に協力してくれるんだからしょうがない。
彼の持つ倭刀はそれなりに貴重なので、出現したらすぐ仲間にしたい。

ソードマスター補正が小さくなり、能力も並に落とされ普通のお助けユニットになっている。
『封印』にも登場するので戦闘不能になっても撤退扱いで、章終了時には勝手に軍を抜けたことが後日談のような形で語られる。


章中での特定ターンまでの進軍の仕方によって、彼かハーケンのどちらか片方が出現する。
攻略本などでは『体力と攻防のハーケン』『速さと必殺のカレル』の二択のような扱いをされているのだが……
ここで両者の初期ステータスを比較してみよう。

カレル
HP31 力16 技23 速20 運15 守13 防12 体9 剣A 必殺+15 倭刀 光

ハーケン(下段はヘクトル編ハード
HP38 力21 技20 速17 運12 守15 防11 体11 剣B・斧B 勇者の剣 炎
HP42 力23 技22 速18 運12 守16 防12 体11 剣B・斧B 勇者の剣 炎

全体的にハーケンの方が分かりやすく安定している事が分かるだろう。
特にHP7、力5の差が非常に大きく、明確なアドバンテージは速さと必殺補正くらいなのだがハーケンの速さもそれなりの水準で、そこも体格差と斧装備の有無が加わるためチャラかむしろ差を付けられている。
ハードになるとその速さの差自体すら僅かとはいえ縮まってしまうので尚更。
成長率も前作からガタ落ち。技・速さはそこそこだが弱点のHPと守備の伸びが悪く、最終的な期待値ではハーケンはおろか魔法職のパントにすら劣っている。
特に物理系上級職とは思えないHPの低さは問題である。上級LV8なのに11章開始時点で加入しているパラディンLV1で加入するマーカスと同じというのは流石にモヤシ過ぎる。

とまぁ単純な能力や使い勝手で選べばノーマルでも明らかにハーケンのほうが優秀で、評価プレイともなるとほぼ確実にハーケンが選択される。
所持品を見てもカレルの倭刀(ソドマス組+リン専用&最大2つ入手可)よりハーケンの勇者の剣(誰でも使える&一品物)の方が貴重かつ有用な始末。
仲間にする難易度も圧倒的にハーケンのほうが楽。なにせ彼は何もしなくても勝手に出現してくれるのだ。
そして極めつけに、鬼畜なヘクハーマクシムにも初期ステで真っ向から殴り合えるとまできたもんだ。

とは言え、ヘクトル編ハードでも使い道を誤らなければ普通に戦える実力の持ち主なのは間違いない。
設定や作中の扱いは最強クラスなのと実際の性能の差には目を瞑ろう*3
とはいえ流石に初期HPがキツ過ぎるので、特にハードで主力で使うなら余裕があれば天使の衣をひとつ使ってあげよう。
なおカレルの初期ステに引きずられる形で、彼より未熟な設定である妹のカアラは更に厳しい性能になっている。剣姫とはいったい。

速さ上限30かつリガルブレイドで攻速落ちしない体格があるのはカレルとCC後のラガルトだけであり、力等の上限はカレルの方が高い。
ギィ等の体格を補強するボディリングも貴重品なので、力や速さの成長を吟味しHPを2回ほどドーピングすれば通信闘技場で活躍できるかもしれない。

前作登場キャラなのに選択式かよ、とか言ってはいけない。
実は「封印の剣」でのバアトルとの支援Aで、カアラが病に伏してからバアトルとカレルが初めて会ったと語られている。
カアラが健康である烈火時代にバアトルとカレルが出会っていることになり矛盾が生じてしまい「同じ軍なのに面識が一切ない」という不自然な状況になるが、
ハーケンを仲間にするとこの矛盾がすんなり解消する。封印では説得要員なのに烈火で支援会話が存在しないのもこのためである。
つまりカレルが仲間になること自体が、多少の矛盾を承知の上であえてそこを捻じ曲げて仲間に加える選択肢を設けるというファンサービスだったのだ。実際出てくれて嬉しかった人の方が圧倒的に多かったわけだし。

剣の道を極めるべく強者との戦いを求め、各地で辻斬り紛いの行動をしている。黒い牙アジトにいた理由も強者を求めて流れ着いたからだとか。
前述の通り危険な臭いをプンプンさせているお人であり、強い人を見ると無性に斬り掛かりたくなるという変態さんである。
封印時代との落差で多くのプレーヤーにある種の衝撃を与えた。封印時代でもその設定の片鱗が支援会話の中で語られている。
ノアとの支援では「あの頃の私は 剣にとりつかれた魔物のようなものだったよ」「(山賊から村を救ったのは)人を斬れるのなら誰でもよかったんだ たとえそれが たまたま立ち寄った村の赤子でも ね」、
ツァイスとは「血風の中には あなたがいたと 俺の父が……」、
バアトルとは「当時は 人であることに気づくいとまもなかったのかもしれない」「すさまじく強く……それでいて どこか危ういような」
という烈火時代のカレルを思わせるものが語られていた。
剣聖との落差こそ凄絶だが設定自体はほとんど矛盾していない。

辻斬りのターゲットにしてもダーツから情報を買ったりもしているが、
後で斬る為にギィを鍛えたりしているあたり、やはり普通の人とはちょっと違う思考回路をしているのだろう。
せっかくイケメンなのに変態なせいで台無しである。
ただ、これはギィの強い覚悟を買った故の所謂「特例」のようなものらしく、それ以前にも多くの人間が彼に師事しようとしたが 片っ端から斬り捨てたらしい
更に、支援Aでは成長したギィと斬り合いたい衝動を堪え、一度は自分から突き放そうとしており単なる師弟以上の情を抱いていた事がわかる。

剣士の一族に生まれ、剣技は一子相伝というしきたりに則り兄弟と、ついでに父を皆殺しにしている。
また唯一の生き残りの妹カアラは彼を探しているにもかかわらず、彼女の登場章ではまさかの会話無し。バアトルよりそっちに気付けよ。


カアラとの支援会話では

「美しくなったな、カアラ」
「兄者…」
「今のお前の剣…実に美しい。 斬らずにはいられぬほどに、な」

やっぱり変態さんであr(ry
リンに対しても「美しい」と思わせぶりな剣技の褒め方をしたが、男性相手には言わないあたり言葉の使い分けはしている模様。


またルセアには

「お前の側にいるときはやすらげる…」
「…少し、眠りたい。しばらく…側に…」

とか言ってるあたり、そっちの素養もあるようだ。やっぱり変t(ry

まあ、見た目がどう見ても女にしか見えないので、間違えたのかもしれない。セーラじゃ安らがないもんな……


一応憑き物が落ちるきっかけとなった出来事として、ノアとの支援会話のラストで
「……何かを失って気づくこともあるということさ 私の愚かさは……それが遅すぎたこと だね」
というセリフがある。これがファンコミュではたびたびギィやカアラに仮託され、「今生の離別が彼の意識を変えた」という見方が生まれた。
特にギィは設定的に矛盾がないということもあり、今でも人気のある設定である。ただしあくまでこれは公式設定ではなく、ファンが勝手に言っているだけという点には留意すること。
外伝作品に至るまで、カレルが20年の間に何があったかはまったく語られていない。00年代では公式設定のように語られていたが、10年代以降は「公式のように吹聴するな」という反論を招きやすくなっている。


ちなみに烈火カレルのレベル20期待値に天使の衣で1回分ドーピングすると封印カレルのレベル20期待値と似たようなステータスになる。
封印の剣と烈火の剣の20年の間に、完全に憑き物が落ちたような別キャラになってしまっている。

ちなみに烈火と封印のステータスを比較してみると、

  • 初期値
烈火:HP31 力16 技23 速20 運15 守13 防12 体9 剣A 必殺+15
封印:HP44 力20 技28 速23 運18 守15 防13 体9 剣S 必殺+30

  • 期待値
烈火:HP39.4 力19.6 技29 速26 運18.6 守14.2 防13.8
封印:HP46.1 力21.3 技29 速24.4 運19.2 守16.1 防14

烈火カレルのレベル20期待値に天使の衣で1回分ドーピングするとだいたい封印と似たような能力になる。

剣レベルSと必殺補正の高さに関して、20年という時間が彼を人間的にも成長させ、剣技をも完成させた……剣魔が剣聖に成ったとい「人間的な成長」っぽさが感じられるかもしれない。
ほんとに烈火の剣は完全な後付けなのによくできてるゲームである。


後に『覚醒』では同じく厨二病な剣士ウードが登場。
しかし彼の様々な発言は、ある意味カレルを超えたものとなっている。
まぁ覚醒の頃は邪気眼(中二病)って言葉が一種のブームだったけど、烈火の頃は中二病って言葉自体まだなかったんで……。


  • FEH

出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

2017年3月より、「烈火」の時の姿で登場。イラストは北千里氏。

武器スキルはフィルと同じで奥義が発動しやすくなる『無銘の一門の剣』。
Aスキルはターン開始時自分のHPが50%以下なら攻撃を7増加する『攻撃の覚醒3』。
Bスキルは自分のHPが75%以下で、自分から攻撃した時追撃可能なら自分の攻撃の直後に追撃を行う『攻め立て3』。

非常に競争の激しい剣歩兵という区分の中にあって、彼の立場は非常に苦しい末席の状態にある。
スキルがどれもHPをある程度減らしてからでなければ発動しないものばかりで使い勝手が悪く、それでいて性能も微妙。
幸いHPは全キャラ中でも上位に位置するほどの高さがあるが、アタッカーとして使うには攻撃と速さの数値が心許なく、守備や魔防も低めなので高いHPを活かしきれない。
高難易度などで使おうとするならスキルは総取っ替えが必要。育成にも手間がかかる。
無銘の一門の剣も確かに強くはあるのだが、同じ武器を得たフィルが不利属性にも安定した威力を叩き込める強化を得られたのに対し、
彼はせいぜい奥義での撃破がしやすくなった、程度の強化にとどまっている。

極めつけは、これだけ性能面がイマイチであるにもかかわらず、現状☆4チャンス枠でしか出ないということ。
ステータスでの不利を限界突破で補おうにも、ピックアップでもない限りはそもそも入手自体が困難という有様。未だに持ってさえいないプレイヤーも数多くいるほど。
これに対し、フィルは☆3~4で登場するので比較的簡単に強化可能。

現状は姪っ子にも、妹にも、負けていると言わざるを得ないだろう。


追記・修正は悟りを開いてからお願いします。

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最終更新:2024年04月13日 12:51

*1 前作「トラキア776」は叩き上げユニットが初期上級職に負けるということがかなり多く、特にセティやガルザスはあまりの強さに重宝される一方で「これじゃこれまで育ててきた意味がない」という批判も多かった。武器レベルの仕様や専用武器の存在もあって、下級職叩き上げが初期上級職に負けるということもしばしばあった。

*2 なおダーツとの支援会話からすると、自分が世間からそう呼ばれていることは知らなかった様子。

*3 烈火の剣は、前作までであまりにもやりすぎだった剣士ユニットの弱体化が図られた初めての作品である。