シーブック・アノー

登録日:2010/08/12 Thu 04:33:52
更新日:2024/04/06 Sat 11:10:57
所要時間:約 6 分で読めます






逃げ回りゃ、死にはしない……
F91ガンダムは、シーブック・アノーで行きます!



シーブック・アノー機動戦士ガンダムF91の主人公である。

名前の由来は見本。見る(see)と本(book)からの造語である。冨野曰く「主人公として100点の優等生」。
余談だが、GジェネFではsea(海)とbook(本)と誤字になってた。


機動戦士ガンダムF91

新興コロニー「フロンティアIV」のフロンティア総合学園工業学科に通う高校生。年齢は17歳。
13歳の時に母の仕事の都合でフロンティア・サイドへと引っ越してきた。

両親と妹の4人家族。
母親のモニカはサナリィの研究員でバイオコンピュータの権威でもあるため研究に没頭して家庭を疎かにしがちであるが、
夫との関係は良好だし息子たちに対する愛情も不器用ながらも持っているという、いうなれば母親版テム・レイ的人物。
一方で父親のレズリーはモニカのそういった性分に理解を示しつつ転職してまで兄妹の子育てをも引き受けるという包容力を持つ、
ガンダムシリーズでも類を見ないレベルの父親の鑑として描かれており、シリーズの他の主人公達に比べると家庭環境は恵まれている。

とはいえ、年頃のシーブックにそれが許容できるわけでもなく、たまに母が帰ってきても積極的に顔を合わせようとせず、妹のリィズに注意されたりもしている。

学校ではグライダーに打ち込み、サムやジョージ、ドロシーといった友人たちにも恵まれていた。
学園祭ではミスコンを取り仕切る立場となり、そんなミスコンにセシリーを参加させるために奔走したり(そして小遣い全部を彼女に賭けたり)、
セシリーが処女なのかを気にしたりする(小説版)など普通の男子生徒であったが、クロスボーン・バンガードの進攻作戦により運命が変わった。


友人アーサーの死を経て、生き残った友人らと共にフロンティアⅣを脱出し、逃げた先のフロンティアⅠでレジスタンスと合流するが、成り行きで『ガンダムF91』のパイロットにされてしまう。
ちなみに、パイロットとして選ばれたのは、母モニカが開発に携わっていたからという非常に曖昧な理由。
母親が戦闘兵器を開発していたと知り、ただでさえ良くなかった心証が更に悪化していった。


F91に搭乗した初陣でモビルスーツ3機撃墜、ドレル・ロナ率いる大隊を撤退させるなど、初っ端からニュータイプ能力全開。

その後、父の死やセシリーとの戦場での再会、疎遠だった母との邂逅、アンナマリービルギットさんらの死を経験しながら、ニュータイプとして覚醒。
セシリーと共に大量のバグを撃墜している。

そして鉄仮面ことカロッゾ・ロナの乗るラフレシアと交戦。
ガンダムF91の能力を限界まで発揮させた事で『質量のある残像(M.E.P.E.)』を生み出し、見事撃破した。


母とは、ラフレシア戦で宇宙に投げ出されたセシリーを探していた時に和解。
助言を受け、無事彼女を保護する。

ちなみに、劇中ではザビーネ・シャルと戦闘していない。

小説版ではラスト部分が異なり、セシリーを膝の上に座らせた状態で高G機動を行ったので、彼女の尻に潰されて負傷・昏倒し、セシリーが救助信号を発信して救援を待つと言う映画版とは立場が逆の結末になっている。
1G下でのセシリー8~9人分の力が加わったので下手をしたら死にかねない。


その後もレジスタンスのエースとして活躍。歴史の教科書にその名前が載ることとなった。

クロスボーン・バンガードの新型艦の事故に合い、セシリーとともに死亡したエースとして……







機動戦士クロスボーン・ガンダム

キンケドゥ・ナウ

声:辻谷耕史

宇宙海賊クロスボーン・バンガード
俺の名はキンケドゥ。キンケドゥ・ナウだ


宇宙海賊『クロスボーン・バンガード』の一員。27歳。
クロスボーン・ガンダムX1を巧みに操る若きエースパイロット。

その正体は死亡したと思われていたかつてのエース「シーブック・アノー」その人。
名前の意味は「今、禁忌を犯す(禁忌+do・now)」。
木星帝国と戦う為に再びベラ・ロナを名乗ったセシリーの横に立つ為の名前である。

かつては優等生クンだったシーブックも10年を経てワイルド味が増し、主人公トビアの良い兄貴分として活躍。
しかし大気圏上層での戦闘でザビーネにガンダムもろともコクピットを刺され、大気圏に落下し死んだ・・・
と思われたがなんと今まで誰もしなかった「ビームシールドで大気圏突破」を成し遂げ、やっぱり生きてた
文字通り死にかけたわけだが、トビアが死の旋風隊と戦闘を行っているところに救援として現れる。
顔に傷を負い眼帯化、さらに右腕を義肢化するハメになったが、満身創痍ながらもギリクァバーゼやザビーネのX2改を撃破するなど、機体さえ万全ならば身体へのダメージを全く感じさせない*1

最終決戦では私怨に取り憑かれたザビーネを打ち破り、ドゥガチにトドメを刺す。

最終的にはトビアにX1を託し、その後の話である『スカルハート』や『鋼鉄の7人』では再びシーブックとしてセシリーと地球でパン屋を営み、更には二人の子供を授かっている。

……と、精神崩壊したり石ころひとつ押し返そうとして行方不明になったり敵味方問わず登場人物が悉く死亡したりするニュータイプ主人公の中でもかなりのハッピーエンドである。



トビアにX1を託し、キンケドゥからシーブックに戻った彼が戦場に出ることはもうないと思われていた。
しかし――




機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト

シーブック・アノー

頼んだぜ!今一度…おれに力を貸してくれ!
クロスボーン・ガンダム!

機動戦士Vガンダム』の時代を描いた続編に再登場。

宇宙世紀0153当時はすでに50近い年齢であるが、そんなに老けた様子は見られない。
未だに街のパン屋を続けており、集団で避難している町の住人のためにパンを焼いている。
息子たちはリガ・ミリティアに入って戦うと言って家を出て行ったらしい。

小麦粉を調達した際、野盗に襲われていたところをクロスボーン・ガンダムX0で家出してきたフォントとベルに助けられる。
その後2人を匿い、ベルに頼まれパンの作り方を教えたり、命の重さに悩むフォントに自らの過去を教えたりしていたが、ザンスカールの地上部隊の襲撃を受け、戦えなくなってしまったフォントの代わりにX0に搭乗し出撃。


仕方ねえ!少し借りるぜ!


20年ものブランクと20年前の機体であることをものともせず次々と敵機を撃破していったが、推進剤が切れたことから追い込まれる。
しかしここで調子を取り戻したフォントが加勢し、形成が逆転。撃退に成功する。

その後は自分が焼いたパンをフォントに託し、再び街のパン屋に戻った。


ちなみにフォントと話した際、会話の内容やベルの存在からカーティス・ロスコ=トビア・アロナクスであることを察し、フォントにバラしている
まあ元々読者にはバレバレだったし、彼以前にもフォント達の前でローズマリーがトビ…というところまではバラしていたから今更だが。
鋼鉄の7人作戦に選ばれなかったことを気にしていたが、作戦決行の直前にトビアが店の前まで来ていたことを知ったことで彼の真意を知り、それ故にパン屋を続けている。


余談だが、彼を再登場させる際にはきちんとサンライズに許可を取り、打ち合わせをしたそうである。
またデザインももう少し太ったものやヒゲを生やしたものを考えていたそうだが止めたらしい。


「F91」では主役、「クロスボーン」では準主役として、その時代の最新鋭機を乗りこなす活躍を見せただけでなく、
「クロスボーン」ではクワトロ的ポジションになりながらもトビアとしっかり向き合って彼を導き、出番を終えた後さえトビアを成長させた。


機動戦士クロスボーン・ガンダム DUSTでは未登場。
だが、ゴーストから続投しているフォントが「何故極力殺さないようにしているのか」を語る際に、民間人の例としてゴーストのときのパン屋の姿がイメージとして登場した。

順調に年を重ねていれば60代半ばであるが、ザンスカール戦争が終結した後も各地で戦乱が続く宇宙戦国時代であるため、シーブックやその家族はどうなっているか…


戦闘能力

彼のパイロットスキルに関しては(特に「F91」時代は)あまり触れられる事はないが、「F91」では初めてMSに触ってからたったの二週間でラフレシアを撃破出来る技量を発揮。
「クロスボーン」でも海賊軍のエースとして大活躍しており、格上の性能の機体相手でもパイロットを極力殺さず倒す(殺すのはそうしなければ止められず、且つ生かしておくと戦禍が拡大する恐れのある相手のみ)。
特に機体特性や地の利を活かすのが抜群に上手く、両腕を切断されたX1で死の旋風隊を撃退してみせたり*2
X1のビームシールドは機体から離しても起動するのを利用してヴェスバーのビームを2枚のビームシールドで減衰させてビームザンバーで受け止めたりする。
「ゴースト」でもかつての乗機と同型とはいえ戦いから20年離れていたにもかかわらず再びMSを乗りこなし、20年で進化した敵機体を相手に互角以上に渡り合う。
と実は相当優秀。
それでも肉体的には20代後半に当たる「クロスボーン」時点で全盛期とは言えないらしく、ビットの動きを目で追えても身体の反射が追い付かないと嘆く場面もあった。


ゲームでの活躍


「クロスボーン・ガンダム」はアニメ化されていないことから少し知名度は低めだったが、近年のゲーム作品にはシーブックだけでなくキンケドゥとしてもたびたび出演し、もはやガンダムゲーの常連である。
同一人物ということでキンケドゥもF91でシーブックを演じた辻谷氏が声を担当しているが、辻谷氏がキンケドゥとシーブックが同一人物である事を知ったのはゲーム初参戦作品の収録現場でのことだそうで、「知ってたらもっと役作りできた」と悔しがったという。


スーパーロボット大戦Fでは何故かビルギットさんのみ参戦。でも完結編にはちゃんと登場します。

αシリーズでは、無印では「シーブック」としてF91のシナリオで参戦し、第2次では「キンケドゥ」として参戦。
共にエースとして一線を張れる能力値、精神コマンドを持つ。

クロスボーン参戦に心踊ったユーザーも多いのではなかろうか。
同時にキャラ辞典1行目で「正体はシーブック・アノー」と全6巻中5巻まで無理矢理隠し通した正体をぶっちゃけられた事に噴いたユーザーもいたとかなんとか。
そして仕方がないと言えば仕方がないのだが、αで共闘した面々は皆正体知ってるので、序盤から「シーブック」と呼ばれる羽目になる。

尚、第3次αではクォヴレーを主人公に選んだ際に参戦するアラドがシーブックとセシリーについて幸せに暮らしている旨を言ってくれる。

スーパーロボット大戦V』では原作終了後設定ではあるがガミラスの侵攻等もあって再びキンケドゥを名乗り参戦
参戦が第三話と非常に早く途中離脱もない上、歴戦の勇士*3という設定を反映してかなんと パイロット性能はアムロクラス
肝心のアムロ加入が中盤になるため、キンケドゥは最初から最後まで安定した強キャラとして運用できる
更にF91時代は主人公だった影響か主人公扱いされており戦闘前会話や特殊戦闘台詞も豊富に存在する。

またエースボーナスは格闘武器の射程+1・技量+20で集中 不屈 直感 分析 狙撃 魂と精神にも隙がなく
更にニュータイプレベルは最初から5と高く、底力レベル7とヒット&アウェイも最初から持ち非常に頼もしい。


スーパーロボット大戦X』ではクロスボーンも続投しているが今回は久しぶりにF91の「シーブック」として参戦。
そのため、キンケドゥではないシーブックとトビアが共演すると言う初めての事態となった。
原作終了後の設定ではあるが、今作では「アクシズ落としを画策するシャアが鉄仮面と手を組んだ」と言う経緯からアムロと同じ時代を戦ったパイロットとなっている。そのためか能力値はアムロに近いのスペックとなっており、エースボーナスが射撃武器の射程+1・攻撃を回避すると本来の気力増減に加えて+3、精神コマンドも不屈・集中・直感・突撃・魂・愛と一通り優秀な物が揃っている上に『V』同様に第9話で参戦と早い段階で味方になるため非常に心強い。

乗機であるF91が中盤でリミッター解除されるまで微妙で実力を発揮しづらく、Hi-νガンダムナイチンゲールなどの強力なニュータイプ専用機が手に入る事もあってそちらに乗り換える事も多い。そして余ったF91に「フルクロス、ありがとうね!」されたトビアが乗る光景もよく見られる。

ガンダムVS.ガンダムシリーズでは無印の頃からF91のパイロットとして参戦。

シャア東方不敗に拒否反応を示したり、デスティニーガンダムの『光の翼』に興味を示したりとクロスオーバーネタも満載。

また、Extreme VS.以降では『機動戦士クロスボーンガンダム』枠で、キンケドゥ・ナウとしてクロスボーン・ガンダムX1改のパイロットとしても参戦している。


Gジェネシリーズでは流石NT系主人公と言ったところ、バランスの良いステータスを持ったパイロット。
ただし他のNT主人公たちと比べると覚醒値は抑えめにされている。TVシリーズと映画の差なのだろうか。


A.C.E.Rにも参戦している。


ガンダム無双では射撃寄り。
3作目で『なんとぉぉぉぉぉ!』をウッソにパクられた。
「なんて凶暴なマシーンなんだ…!」


…え?ヒーロー戦記じゃ空気みたいな扱い?
…加入しても戦闘の機会がないカミーユや武器屋のジュドーよりはマシさ。


台詞集


【シーブック】
★のついたセリフは漫画版のみのセリフ。

「だってよ……アーサーなんだぜ?」

「大人の都合だけで殺されてたまるか!」

「親が子供に銃を向けるのか!」

「そうか…このMS、お母ちゃんが触っていたんだな…」

「この、爺が…!」

「逃げ回りゃ、死にはしない」

「F91ガンダムは、シーブック・アノーで行きます!」

「超スーパーすげェどすばい…」★

「デカくって軍隊の飯を食ってる方が偉いのかよ!」

「コイツは強力すぎる…!」

「こんな所にノコノコ来るから!」

「抵抗するんじゃない!いっちゃえよ!」

「いいんだよ、セシリーはここにいてもいいんだ」

「うぬらめが八つ裂きだーッ!!!」★

「なんとぉぉぉぉ!!」

「ゲームオーバーだ、ド外道ーーッ!!!」★

「あれ、花なんだ…セシリーの花なんだよ!セシリーに決まってるじゃないか!」

「地獄の底にたたきおとしてやるーーーッ!!!」 ★ 


【キンケドゥ】

「おまえのとるべき道は2つある」
「ひとつは何も聞かずに地球へ帰り、全てを忘れ、貝のように口をつぐむこと…」
「そしてもうひとつは、われらと共に…真実に立ち向うことだ!」

「いくらマシンが良くても、パイロットが性能を引き出せなければ!」

「きさまら!きさまらぁっ!ばかやろおおっ!」

「自分の命すら大事だと思えないから人の命を奪うっ!」
「なぜ部下の命をすらたやすく切り捨てる男が、人類すべての事を考えられると思う!」
「死を強いる指導者のどこに真実があるっ!ねごとを言うなーっ!」

「いるじゃないか、連邦にも腕の立つパイロットが!」

「あんたが初めてだぜ!俺にクロスボーンのシールドを使わせたのは!」

「奇跡を見せてやろうじゃないか…!」

「おれは―――まだキンケドゥ・ナウだからな・・・行かなくちゃ・・・・・・」

「入る事が出来たんなら出る事も出来るってのが理屈ってもんだろう」

「支配をよしとしない者が最も支配者にふさわしいのなら、それを望む者は支配にふさわしくはないことになる」
「貴族主義は初めから間違っていたんだよ…ザビーネ」

「…何がぼくが守りますだ!まったく!」
「これじゃあべこべじゃないか!大バカやろう!」

「クラックス・ドゥガチ!たとえ幻でも…あなたにそれを見せるわけにはいかないっ!」

「そうだな……俺は、山道を歩いて、雨露をすすって、好きな女を抱いて……もう一度じっくり考えてみるさ……。」
「もともと人間が何だったのかを。そのための時間はいくらでもあるから」
「…ただいま、セシリー。」



追記・修正しつづけりゃ…叩かれはしない…!


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最終更新:2024年04月06日 11:10

*1 さすがに「4日半前まで意識不明の状態」から駆けつけたクァバーゼ戦では戦闘終了後に酷く疲労している様子を見せていたが。

*2 トビアの協力もあったが、作戦を考えたのはキンケドゥ。おまけに僅かな戦闘で死の旋風隊の機体特性をほぼ完璧に見切ったりもする。

*3 アムロには途中で7年のブランクがあるため、シーブックもF91~クロスボーンの間の時期の活動は明確化されていないため断言こそできないが、シーブックの初陣からクロスボーン最終話まで戦い続けた期間は逆シャア時代のアムロよりも長い可能性がある。

*4 ややこしいが、シナリオ的にはフルクロスが新たに新造されたX1で、キンケドゥはトビアからスカルハートを返却されたというゲーム中の引継ぎと逆の内容になっている。