超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズネオ

登録日:2011/12/07 Wed 02:55:08
更新日:2023/10/31 Tue 00:24:39
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TFシリーズの一つ。1999年(平成11年)2月から9月までテレビ東京系列で放送。全35話。
ビーストウォーズⅡ 超生命体トランスフォーマー』の続編にあたる。
アニメーション制作は前作と同じ葦プロダクション。
変身バンクに定評ある。

〇概要

前作の最終回で宇宙に散らばった「アンゴルモアカプセル」を巡り、サイバトロン・デストロンの両軍が各惑星を舞台にカプセル争奪戦を繰り広げる。
ベクターシグマの登場やユニクロンの復活など、G1世代へのファンサービスも多い。

また、当初はOP・EDの映像が間に合わず、第1話のものを編集したものが放映された(第15話にて完成版に差し替えられた)。
作画や変身バンクも、後半に進むにつれて綺麗かつ気合が入っていき、完成版OPのビッグコンボイVSマグマトロン、完成版EDでのそれぞれの個室で休むサイバトロン戦士の一枚絵は神がかっている。


ストーリー的にはG1シリーズの最終作であり、今の所のG1シリーズでは最も未来の時代を描いた作品である(『キスぷれ』やフィギュア王No.196の年表にも記載)。
つまり、『Ⅱ』もG1シリーズの物語の一つで、同作のトランスフォーマー達・アルテミスとムーン(『Ⅱ』と本作第1話の舞台である惑星ガイアの監視であるアンドロイドとロボット)もG1シリーズの登場人物であるといえる。



〇ストーリー

『ビーストウォーズⅡ』の最終回でサイバトロンのリーダー・ライオコンボイがデストロンの破壊大帝であるガルバトロンを倒したが、仲間達共々ワームホールに飲まれて行方不明となる。
その一方、アンゴルモアエネルギーが入った「アンゴルモアカプセル」は人工惑星ネメシスが爆発した直後に宇宙に散らばっていた。

伝説のワンマンズアーミー・ビッグコンボイは、ベクターシグマの命を受け、新兵達を率いてアンゴルモアカプセルの回収の旅に出ることになった。
同じ頃、デストロンでも新たな破壊大帝となったマグマトロンが熟練の戦士達を率いてカプセル回収に乗り出した。

やがて、サイバトロンとデストロンのカプセル争奪戦に第三勢力「ブレントロン」も加わり、両軍はこの戦いの真実を知る……。


〇サイバトロン


CV:井上純一
我らが司令官。ワンマンズアーミーにして理想の教師。
ベクターシグマの毒電波が悩みの種。
あまり物を置くのは趣味ではないようで、個室にはベッド以外には特にないらしい。EDではナビと指令室にいたため部屋の様子は見れず。残念。

CV:植本潤
主席で卒業したエリート(元)副官。
ショタになったこともある。
個室は几帳面に整理されており、壁にはサバンナの風景が描かれたイラストが飾られている。

CV:竹内順子
ハートがギンギラギンなペンギン。
ヨボヨボの老ペンギンになったり、セイバーバックと人格が入れ替わったりしたこともある。
前作の月の監視者とは無関係だムーン(ちなみに最終回で共演している)。
個室は北極を意識した白い壁に冷蔵庫、とひんやりしたイメージ。壁にかかった「」ののれんも目立つ。

CV:植木誠
アウトローで単独行動が好き。ちなみに腕が両方とも人間の様な五指ではなく右が状(蛇の尾パーツ)左はクローハンドだったりする。
ブレイクとは良いケンカ友達。
個室は壺のコレクションに溢れている。ベッドも壷で、その中に入ってとぐろを巻いて眠っていることも。
左腕に銃が有るしモチーフもコブラだが、「それはまぎれもなくヤツ」とは関係無いはず………。

CV:石橋美佳
臆病だけど勇気は人一倍あるウサギ
教え子達の中では一番大きく成長した。
個室はウサギ小屋のイラストがキュートだが、さりげなく壁にタスマニアキッドの似顔絵が貼られていたりする…。

CV:家富ヨウジ
落ちこぼれの古参兵…と思いきや、実はベクターシグマ直属の部下。
ザ・ワールドが使えるチート狸。玩具は目覚まし時計にもなる。
個室は純和風で囲炉裏に火を灯しながら狸汁を作るのが趣味。そこ、共食いって言わない。
総集編ではそこで航海日誌を記録することもあった。
なお、日誌の記録媒体に使うのは専用銃であるトックリガンの一部になる通帳(かよいちょう)。毛筆で書き記すのもあってかなりのアナログ志向のようだ。

海外でも重要キャラとして扱われているようで、TCCの『Transtech』(お蔵入りしたものとは別)の2013年のストーリーには別世界の彼が登場する。

市川裕文氏のコミック『CONTROVERSE』(日本のムック本「トランスフォーマー ジェネレーション2014 VOL.1」に掲載)では、
トルネドロン事件における被告人・プリマクロンの裁判の傍聴人として1コマ登場。
彼以外にも複数の時間旅行者が紛れ込んでいた。

CV:小川輝晃
サラブレッド隊の生き残りで、本編では途中参加のベテラン兵士。お調子者だが根は良いヤツ。
ニンジャレッドでも黒騎士でもない。
個室は西部劇の小屋のイメージ。壁にかかった二丁のマスケット銃にテンガロンハット、家庭用サボテンに干草の布団がチャームポイント。
玩具の変形難易度が歴代トップクラスに難しい事でも有名。
コミックボンボン連載の漫画版では登場しない。

  • サバイブ
CV:永野善一
クマに変形する歴戦の猛者にして脳筋な教官。
玩具はホワイトクローの色替え。
頭部を回転させることでバトルマスクになるギミックもアニメ本編で再現されている。

CV:小和田貢平
イノシシに変形する猪突猛進な突撃兵。
自然保護観察とストレスがたまると岩に突進してぶっ壊すのが日課。
玩具はレイザービーストの色替えだが、劣化しやすさに定評がある金プラでできているため、変形しまくると壊れやすくなる。

  • バンプ
CV:竹本英史
アルマジロに変形する偏屈な物理学者。
それなりに強いが、本編で変身した姿を見せたのは1分足らずだった。
玩具はアルマーの色替え。

  • シャープエッジ
CV:近田英紀
ノコギリザメに変形するちょっと脳筋入った剣豪。
玩具はサイバーシャークのリデコ。ヘルスクリームでもゲルシャークでもない。

  • ロックバスター
CV:松山鷹志
カニに変形する凄腕の傭兵で、もう一人のワンマンアーミー。
ビッグコンボイとはかつての相棒に当たる。
玩具はレイザークロウの色替え。
中の人は前作のメガストームと同じだぞ。

  • ナビ
CV:田上佳織
明るくけなげなサポートAI。
前作のナビちゃんと同型で色違いのボディを持つ。

  • ベクターシグマ
CV:平野智恵
セイバートロン星のメインコンピュータにして、サイバトロンの指導者。
ビッグコンボイに毒電波…もといありがたい教訓を送る人。
初代のころは中立的だったはずのベクターシグマがサイバトロン寄りになっているということで、当時は物議をかもした。
はずばな~&モノマネ対決の結果ではないか」とも、「本当は中立であり、デストロンにアングルモアカプセルの情報を流したのもベクターシグマだったのではないか*1」とも言われている。

  • グレートコンボイ
CV:矢尾一樹、金子はりぃ、富田昌則
マントを付けたコンボイ達。とにかくいっぱいいるお節介な上司。
終盤ではユニクロンにやられてあぼん。

CV:郷田ほづみ
新たな変形バンクを引っさげ、終盤に登場。
漫画版では……長くなるので、彼の項目を参照。


〇デストロン


CV:流山児祥
3体の恐竜(厳密には恐竜1体と、恐竜時代の古代生物2体)が合体する破壊大帝。色々と不遇だが、教官に負けず劣らず有能。
何があっても必ず生き残る異能生存体でもある。

CV:金子はりぃ
トリケラトプスから変身するマグマトロンの参謀。
最後までデストロンに忠義を尽くした漢。しかしデストロンらしく地位を脅かす相手を策で蹴落としもする。
デストロン一のツッコミ要員にして良心。
特技はデッドフェイクモード(死んだフリ)。

CV:矢尾一樹
ステゴザウルスから変身する、戦い方に独自の美学を持つ男。
「美しい」「美しくなーい!」が口癖。
特技は幻惑殺法にクロートラップモード(花のカモフラージュ)、そして中の人名物・『やぁってやるぜ!』。

CV:水谷誠伺
アンモナイトから変身。
戦うことに生き甲斐を見出すサラリーマンだが、全体的に影が薄い。
特技はスパイラルボム(右肩の殻飛ばし)。

CV:モンスター前塚
ディメトロドンから変身する、愛すべきアホの子。
D-NAVIのニックネームが覚えられない。
特技はテールバンカー乱射にトラップモード(トラバサミ)だが、あまり役に立ってない。
ちなみに中の人は今作のナレーションも担当している。

CV:田村連
途中参加のずる賢い始祖鳥
まさかのスタスクポジ。だが自身がリーダーになるという考えではなく部隊内での地位向上や強い側につこうとする等保身の為の行動が主。
初登場回ではオネエ口調だったが、次回からは普通になった。

  • D-NAVI
CV:宮前真樹
CG版シリーズに登場したナビ子にあたるデストロンのAI。端末のモチーフは古代トンボ。
本名を呼ばれるのが嫌いで、ニックネームで呼ぶと言う事を聞くが、メンバーからは呆れられている。最終回のエンドカードにおいても、相変わらずニックネーム(カトリーヌ)で視聴者を送った。
終盤ではガイルダートと良い雰囲気に…。

  • ハイドラー
CV:内藤玲
プテラノドンに変身する。
要塞ポーキュパインに駐留している冴えない男。ガイルダートと険悪。
一回こっきりのゲストキャラが多い中、2度も登場し、しかも2度目はそれなり活躍した。
玩具は無印テラザウラーではなく、レーザービークに塗装を追加した物。

CV:岩崎征美
パキケファロサウルスに変形する石頭の脳筋。でも結構強い。触らぬ石頭に祟りなし。
玩具はダイノボットのリデコ。
中の人は前作のビッグホーンと同じじゃーい!!

  • クレイジーボルド
CV:真島敬
エリマキトカゲに変形する虚言癖のヘタレで、他のデストロンのメンバーからは全く信用されていない。
真逆なバズーカとコンビ組まされてる。
最後はバズーカと共にダイナソアの砲撃で生死不明となるが、最終回のエピローグで生きていた事が判明し、セイバートロン星に帰還した。
玩具はイグアナスの色替え。

  • バズーカ
CV:駒田はじめ
アンキロサウルスに変形する要塞守備兵。
真面目過ぎて要領が悪く、クレイジーボルドによく振り回されている。
玩具は新規のものだが、なぜがゲスト扱い。

  • キラーパンチ
CV:宮田靖裕
スティラコサウルスに変形する頭の悪い情報将校。最後はマグマトロンの怒りで宇宙に追放されたが、最終回のエピローグでは自力でセイバートロン星に帰還した。
玩具はガイルダートのリデコ。
ちなみに何故かロボットモード時に腕になるビーストモードの頭がロケットパンチの如く飛ぶという謎のギミックが追加されており、しかも変形バンクにまで盛り込まれている(玩具は別に頭部を外さなくても変形可能)。


ブレントロン


両軍を襲った第三勢力。2種類の合成生物に変身するフューザー戦士
その正体はユニクロンの部下で、主を復活させるためにアンゴルモアカプセルを狙う。
玩具は海外での未発売だったフューザーの色替え。
メタルス』(後番組だが、時系列はⅡと本作の前時代に当たる)に登場するシルバーボルトとクイックストライクと同じカテゴリーでもある。

  • ラートラータ(ミノカサゴ&蜂)
CV:斉藤信行
リーダーで三体の中でも一番強い。
なのにやたらエルファオルファに出番とセンターを取られる。
ネーミング的に某メダルのコンボとは無関係である。
元玩具はデストロンの航空部隊指揮官・インジェクター。

  • エルファオルファ(シャチ&ゾウ)
CV:金子幸信
一番活躍してる。
時空間移動のバンクは必見。
元玩具はサイバトロンの将軍トーカ。色はかなり違う。

  • ドランクロン(トンボ&トカゲ)
CV:内田慎二
目立たなかったりラートラータが回避した流れ弾に直撃したり色々と残念な人。
元玩具はデストロンのスカイシャドウ。メガトロンのカウンセラーも務めてるらしい。


〇黒幕

CV:小村哲夫
トランスフォーマー ザ・ムービー』で初登場した伝説の破壊神で、同作のユニクロンとは同一の存在。
実は死んでおらず眠っていて、長い間再起の時を待っていた。
惑星ガイアに封じられていた自らの動力源であるアンゴルモアエネルギーを奪還しようと、ブレントロン達にカプセル回収をさせた。
実はカーロボットも関係している。

終盤でネメシスに散った(ビースト)ガルバトロンのボディを使い、遂に完全復活。
「破壊神」の名は伊達ではなく、マグマトロンを一方的にフルボッコしてラスボスの座まで奪い取った。
更にベクターシグマのメインコンピュータをも乗っ取るが…。
ある意味、宇宙をひとつにするための力を欲した兄ちゃんのなれの果てともいえる。



〇その他・余談

最終回のエピローグではⅡのキャラ達も登場。勝利の宴を楽しんだり、敵味方関係無く共同でセイバートロン星を復興する様子が描かれるという、ファン感涙のものとなっている。
また、前作の最終回でドームが破壊されたと同時にバリアが解除され、Ⅱとネオのトランスフォーマー達にも見える様になったアルテミスとムーンも登場している(バリア解除前はライオジュニアにしか見えなかった)。

コミックボンボンで連載された今木商事先生の漫画版は、アニメとは異なりハードな展開で進む。キャラごとに独自の設定がなされているのが特徴的。
衝撃の最終回で涙腺崩壊した読者も多い。


ちなみに当時の玩具企画コンセプトは「動物園対ジュラシック・パーク」。
中でもマグマトロン、ビッグコンボイの完成度は高く、現在も人気が高い。

また、和製TFキャラながら全員名前はそのままで、Ⅱのキャラ達と共にアメコミへの出演を果たしている。
IDWパブリッシングの『The Gathering』や『The Ascending』など。


長らくDVD化されていなかったが、2012年4月からニコニコ動画で配信!
更に9月にはDVD-BOXが発売された。

ちなみに2011年10月に発売されたビーストウォーズⅡのDVD-BOX用の描き下ろし着せ替えジャケットも付属、2つの絵は対になっている。
手掛けたのはキャラデザを担当した、ロボット関係ではお馴染みのやまだたかひろ氏。


また、序盤は変身バンクはビッグコンボイ、ロングラック、ガイルダート以外未完成で、カクカクしてイマイチカッコ良くないバンクが多かった。
しかし中盤以降になって次々に新しいバンクが完成し、最終的なバンクはいずれも非常に丁寧で凝った仕上がりであった。
ブレイクとマグマサウルスは序盤でほぼバンクが完成していたが、前者は終盤に決めポーズが追加、後者も決めポーズに光沢が追加された。
前作に登場したライオコンボイに関してはほぼ前作のバンクを流用していたが、他のビースト戦士に合わせて決めポーズが追加された。
アニメーションの時点で既に変形機構が複雑な傾向にあり、アシンメトリーな構造も多いため作画担当泣かせだが、完成版のクオリティは文句なしの出来栄えである。





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最終更新:2023年10月31日 00:24

*1 ベクターシグマは『ザ・リバース』でも似たようなことをやっている