バッタヤミー(仮面ライダーオーズ)

登録日:2011/02/08(日) 05:20:50
更新日:2024/01/22 Mon 14:30:52
所要時間:約 3 分で読めます





仮面ライダーバッタヤミーは怪人である。

彼を生み出した神林は司法試験になかなか合格出来ない妻子持ちフリーターである。

バッタヤミーは人間の正義の為に悪人と戦うのだ!



追記・修正お願いします。





その欲望…

開放しろ











「許さない…」


仮面ライダーOOO
第21話「バッタと親子と正義の味方」で登場した虫系ヤミー

CV:遠藤大輔

能力


活躍

「クスクシエ」の店長・白石知世子の大学時代の後輩、神林の「世直しがしたい」という欲望から生み出されたバッタをモチーフとしたヤミーで、顔が恐ろしくキモい。
神林の考える「正義」に従い悪人達を襲い成長した。

「正義感」という欲望から生まれただけあって、ひったくり犯からバッグを取り返して持ち主に返す、周りに迷惑をかけるDQN達を叩きのめす、バイクに轢かれそうになった子供を助けるなどやってることは一見正義の味方そのもの。
だが生身の人間をヤミーの腕力で躊躇なく投げ飛ばすなど、いかんせんそのやり方は暴力的かつなりふり構わないもので、正義という大義名分のもと暴れているだけのようにも見える。

戦闘能力は高く、並外れた跳躍力と電撃を活かし同じバッタの筈のタトバコンボをほとんど一方的に翻弄。いつものことと言ってはいけない。
あまりの速さに映司はチーター(走って追いつく)かゾウ(待ち構えて迎撃する)を要求するが、両方ともアンクの手元になかったため、結局トラクジャクと交換され、タカジャに変身するもその隙に逃げられてしまう。

その後伊達さん、ウヴァさんも現れ二対二となり互角以上の戦いを繰り広げるが、オーズがタジャスピナーから必殺技を撃とうとした瞬間、神林と息子の隆がバッタヤミーを庇う。


神林「こいつは、やらせない!やっと、正義の力を手に入れたんだ!俺は、こいつの力を借りる。こいつの力を使って、この腐った世の中を少しでも良くしたいんだ!」

隆「お父さん、頑張れー!お父さん、頑張れー!」


どっちがヒーローだかわからない絵面になってしまいトドメを刺す事が出来ないオーズバースは呆然と立ち尽くし、その隙にウヴァさんバッタヤミーは逃亡する。

その後は神林親子に付き従い、ヤクザの事務所や時代劇の越後屋と悪代官みたいなベッタベタの裏取引を繰り広げていた汚職政治家を次々と襲撃。
しかし必死に命乞いをする悪人にまで執拗に暴行を加えようとするバッタヤミーを前にして神林が自分の正義を疑い始めていたところ、映司がその場に駆けつけオーズに変身。
あれが神林さんの考える正義ですか!?」と一喝され、間違いに気づいて隆と共に逃げようとする神林だったが、
ちょっと前にめちゃくちゃいい笑顔で隆を褒めてあげていたウヴァさんに行く手を阻まれ、さらに隆を人質に取られてしまう。
目の前の悪事を見過ごせないバッタヤミーはオーズと共闘しウヴァさんに挑む……なんてことは当然なく、黙々とその意に従ってオーズを攻撃する。
ヤミーはグリードには逆らえないのである
所詮バッタヤミーは正義の味方などではなく、宿主の欲望を叶えるために行動するだけのヤミーに過ぎなかったといえよう。

タカトラドルの攻撃に追い詰められるが電撃を駆使し反撃する。
しかしアンクの介入によりタジャドルコンボになり科学忍法火の鳥マグナブレイズを放ちバッタヤミーはライダーキックで対抗するが力及ばず爆発四散という最期を迎えた。

劇中、バッタヤミー2号(仮)が誕生する予定だったが5103の活躍により、実現はしなかった…


余談

バッタは言わずと知れた仮面ライダー1号のモチーフである昆虫。
それに対して、タジャドルのモチーフの一つであるタカは仮面ライダーの宿敵・ショッカーの紋章に使われた鳥(正確にはワシだが)。
こう書くと両者の善悪が逆転した本エピソードは意味深な構図である。

「正義を貫く」という欲望から生まれただけあって(やりすぎではあるが)人の為になる事をするバッタヤミーに対して5103も「あのヤミーを倒す必要はあるのか」と疑問を投げかけていた。
このヤミーの生みの親である神林も「悪い奴を黙って見過ごせない」という純粋な正義感を持っていた為、このヤミーを正義と信じてオーズから一度はこのヤミーを庇おうとした。
しかし映司は正義の為の行動がエスカレートしていくバッタヤミーを指して「あなたがしたかった事はこんな事だったんですか?」と神林に問うた。

後々判明することだが、それはかつて映司自身が犯したのと同じ過ちだったのだ。
良かれと思って行った紛争地域への寄付。そのお金の行く先も知らぬまま「正義」を行ったと思っていた結果、映司が目にしたのは「自分の支援した金で軍備を整え戦争を続けている地域、そこで倒れてる女の子の姿」だった。
「自分が正しいと思っていたことがエスカレートして戦争が起こる」「自分ができる以上の事は出来ない」
映司は「正義」が自分の手を離れると暴走して争いが大きくなる事を知っていた。だから自分自身の手で正義を守る為に仮面ライダーとなる事を選んだのだった。


こうした描写から、正義とは何なのか、視聴者に深く問いかける回となった。
「正義」の欲望で生まれたこのヤミーが仮面ライダーと同じバッタをモチーフの怪人だった事も含めて、改めて「正義の味方」とは何なのかを考えさせられる。

また、この回で明らかになった「正義のつもりで起こした行動が戦争の引き金となってしまった」という過去が映司の人格形成に大きく影響している事、その一件で映司の欲望の器が空っぽになってしまったという事が後のストーリーの大きな伏線となった重要回でもある。


余談だが、バッタヤミー登場話と同日から放送が始まった『スイートプリキュア♪』の変身前のセリフも「(絶対に)許さない!」だった為に2週続けて一時間丸々スーパー許さないタイムが続いた。
更にその30分後、他局の『ドラゴンボール改』においてもあるキャラが怒りにより覚醒し、「もう許さないぞ、お前達…」という台詞を発する事態が起きていた。
更に数年後にもライダーの枠で復活した。

その後、バッタヤミーのマスクは仮面ライダージオウで改造され、アナザーアギトの複製体のうち1体に流用された*1
ただ、放送前週に公開されたスチール写真に写っていた複製体の中には、何故か頭部がバッタヤミーそのままの個体が確認されている。
マスクの改造が写真撮影に間に合わなかったのだろうか?



追記・修正をしない奴は許さない!



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最終更新:2024年01月22日 14:30

*1 他にも『鎧武』のイナゴ怪人や『アマゾンズ』の兵隊アリアマゾン等、数種類の昆虫型怪人のマスクが使われた