デュアルランド/Dual Land(MtG)

登録日:2011/11/07 Mon 17:22:13
更新日:2024/02/24 Sat 10:19:45
所要時間:約 5 分で読めます




「デュアルランド/Dual Land」とは、TCG『マジック:ザ・ギャザリング』で最初に登場した二色土地である。


デュアルランド・サイクル一覧

実際のカードには日本語版は存在しないため、あくまでも非公式なものであることに注意。

Tundra(ツンドラ)
土地-平地
(T:あなたのマナプールに(白)(青)を加える。)

Underground Sea(地底海)
土地-
(T:あなたのマナプールに(青)(黒)を加える。)

Badlands(バッドランド)
土地-
(T:あなたのマナプールに(黒)(赤)を加える。)

Taiga(タイガ)
土地-
(T:あなたのマナプールに(赤)(緑)を加える。)

Savannah(サバンナ)
土地-平地
(T:あなたのマナプールに(緑)(白)を加える。)

以上が友好色5種、

Scrubland(藪林)
土地-平地
(T:あなたのマナプールに(白)(黒)を加える。)

Volcanic Island(火山島)
土地-
(T:あなたのマナプールに(青)(赤)を加える。)

Bayou(バイユー)
土地-
(T:あなたのマナプールに(黒)(緑)を加える。)

Plateau(プラトー)
土地-平地
(T:あなたのマナプールに(赤)(白)を加える。)

Tropical Island(熱帯の島)
土地-
(T:あなたのマナプールに(緑)(青)を加える。)

以上5種が対抗色。

計10種の多色地形サイクルにして、最古の多色地形、最古のサイクルを成す土地でもある。
すべてレア。
αでマジック誕生と共に収録(1枚欠落)され、リバイズド(第三版)まで再録されたが、強すぎるためか以後は再録されていない。
また、カードショップ市場への影響から、再録禁止カードに指定されている。


解説

実物のカードには何やらいろいろ書かれているが、現在のオラクルは実にシンプルで基本土地タイプが書いてあるだけ

しかしそれだけのテキスト(正確にはテキストですらない)しか書かれていないこのカード群が如何に強力かは、マジックに触れたことがある方ならばすぐにわかるはず。

なんとデメリット無しで二色のマナを出せるのだ。
更に基本土地タイプを持っているため、土地タイプを参照するサーチカード(特にフェッチランド)を駆使することで、色の追加を簡単に行える。
各4枚しか積めないことを除けば基本土地の上位互換と言っても差し支えない。


一応弱点もある。
基本でない土地なので不毛の大地や血染めの月などの特殊地形対策に弱いし、複数の土地タイプを持つがゆえに特定の土地タイプを参照して強烈な効果を発動するカード(野火:すべての平地を破壊する、など)に巻き込まれやすい。

だが、受ける恩恵はそれらの些細なデメリットを補って有り余りまくる程にデカい。
例えば赤メインのデッキの《山》を4枚《Volcanic Island》に変えるだけで青マナの要求の少ないカードであれば現実的なラインで採用することが可能になってしまう。しかもそれにあたってテンポロスなどのデメリットは全くない。
先程基本土地の上位互換とも述べたが、要は特殊地形メタなどの存在を考慮しないのであれば完全に積み得なのである。

あまりにも汎用性が高すぎるデュアルランドの反省を踏まえて、以降の多色地形には何かしらのデメリットが付けられている。弟分のデュエル・マスターズで多色カードをマナに置くとき必ずタップしなければいけないのもこいつのせいである。

派生種

マジック史上初の2つの色マナが出る土地は当然ながらデュアルランドであるため、すべての二色地形はデュアルランドの派生種とも言えるだろう。
この項では特に基本土地タイプを持つものを上げる。他の二色地形は二色地形(MtG)の項を参照。

ショックランド/ギルドランド

Hallowed Fountain / 神聖なる泉
土地-平地
((T):あなたのマナプールに(白)(青)を加える。)
神聖なる泉が戦場に出るに際し、あなたは2点のライフを支払ってもよい。そうしなかった場合、神聖なる泉はタップ状態で戦場に出る。

デュアルランドの最も直接の修正版。
2点ライフを払わないとアンタップインしなくなった。ラヴニカ・ブロックで友好色・対抗色10種類が登場している。その後もラヴニカが舞台になるたびに再録される他、Zendikar Expeditionなどの他媒体でもたまに再録される。
しかし、モダン・パイオニア・資産次第ではエターナルですら使用される土地なので再録回数の割にまあまあの値段はする。
アンタップインさせるのに2点受ける=ショックを喰らう なのでショックランド。
ラヴニカのギルドの土地でもあるのでギルドランドと呼ぶ人も居る。ただし本拠地ランド(そのギルドの2色マナがコストな起動型能力を持つ土地サイクル)やギルド門サイクル、さらにバウンスランドとも間違えやすいので注意。
登場直後からデュアルランドに代わるフェッチランドでサーチ可能な二色土地として大活躍。
モダン環境では1ターン目フェッチからこれをアンタップインするのがあまりにも日常と化しているので「17点スタート」とも言われている。
一時期《血染めの月/Blood Moon》環境下では「2点払わないとタップインの山になる」という裁定だったが、今では「2点支払い不可能でアンタップインの山で出る」と裁定変更されたのには注意。
他のタップイン土地も同様にアンタップインの山となりました。

バトルランド

Prairie Stream / 大草原の川
土地 — 平地
((T):あなたのマナ・プールに(白)(青)を加える。)
あなたが2つ以上の基本土地をコントロールしていないかぎり、大草原の川はタップ状態で戦場に出る。

デュアルランドの直接の修正版その2。2つ以上の基本土地をコントロールしていないとアンタップインしなくなった。戦乱のゼンディカーで登場し、友好色版のみが収録されている。
スタンダード環境でフェッチランドとこれが共存した事で一時的に世紀の多色環境が実現した。後に失敗だったと明言されたほど。
モダン環境ではショックランドに押され気味だが、その分安価なのでモダン参入をこれから考える場合にはオススメ。

デュアルサイクリングランド

Irrigated Farmland / 灌漑農地
土地 — 平地
((T):あなたのマナ・プールに(白)(青)を加える。)
灌漑農地はタップ状態で戦場に出る。
サイクリング(2)((2),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)

デュアルランドの直接の修正版その3。タップイン固定だがサイクリングが付いた。(まあタップインはサイクリングランドのほぼ全般に共通することなのだが)
アモンケットで登場し、友好色版のみが収録されている。
念願のサイクリング可能な多色地形でありながらフェッチランドなどでのサーチが効くのが強み。

基本土地タイプ持ちタップインデュアルランド

Idyllic Beachfront / 理想的な浜方
土地 — 平地
((T):(白)か(青)を加える。)
理想的な浜方はタップ状態で戦場に出る。
Glacial Floodplain / 氷河の氾濫原
氷雪土地 — 平地
((T):(白)か(青)を加える。)
氷河の氾濫原はタップ状態で戦場に出る。
元々のデュアルランドは基本土地を持っているが、基本土地タイプを持たないタップイン2色土地との区別としてこう表記する。

基本土地タイプを持っているため、それらのタイプを指定したサポートを受けられるタップインデュアルランドの上位互換。テキストのシンプルさも踏まえると真の「タップインデュアルランド」は実はこちらかもしれない。
ただし、レアリティ以外は上記全ての基本土地タイプ持ち2色土地とトライオームの下位互換であり、コモンであることを活かせるパウパーやリミテッドでの多色サポートが主な舞台。タップインの一文の有無だけで物凄い格差である。

登場したのは氷雪版が先であり、カルドハイムではかつてのコールドスナップの氷雪タップインデュアルランドの再録ではなく新規にこれが登場した。
といってもカルドハイムで土地タイプが意味を持つカードはごく少数で、もっぱら氷雪であることがアイデンティティだったが……

通常版は遅れて1年半強、ドミナリアの団結で登場。
こちらでは基本土地タイプの数を参照する能力語の「版図」が再録されたため、リミテッドにおける補助として今まで存在しなかった通常土地版の登場が有力視されており、その予想通りに登場を果たした。

諜報ランド

行き届いた書庫 / Meticulous Archive
土地 — 平地
((T):(白)か(青)を加える。)
行き届いた書庫はタップ状態で戦場に出る。
行き届いた書庫が戦場に出たとき、諜報1を行う。(あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を見る。それをあなたの墓地に置いてもよい。)
『カルロフ邸殺人事件』で登場した土地で、タップイン固定で出た時に諜報1を行う。
性能としては神殿サイクルの諜報版だが、基本土地タイプのサイクリングやフェッチランドでサーチできるため諜報のタイミングを調整しやすい点が強力で、モダンはもちろん本家デュアルランドが使えるエターナル環境でも土地サーチの選択肢として採用されている。


価格について

なおこのデュアルランド、マジックの全カードの中でも高額なカード群としても有名である。
エターナルや統率者戦などの古いカードを使える環境で多色をやるなら必須の存在でありながら、再録禁止カードであることが災いして値段は上がるばかりで、もし買うならどんなに安くとも確実に諭吉が何枚か飛ぶことを覚悟せねばならない。
青絡みは特に高く、最も安い《Tropical Island》ですら青を含まないものに比べて1.5~2倍が相場で、残りの3種《Tundra》《Underground Sea》《Volcanic Island》となると1枚10万円行くのも日常茶飯事。
青絡みが高いのは他の多色地形の多くに共通する特徴でもある。

貴重な黒枠となれば値段はさらに10倍以上へと跳ね上がる。
特に黒枠の《Volcanic Island》はリミテッド・エディションの初版(α/アルファ版)のミスで欠落してしまっているため、実は枚数だけならBlack Lotusよりも希少。つまりアルファ版仕様*1のVolcanic Islandsは確定で偽物(フェイク)。絶対に購入したり使用してはいけない。
マジックが高額TCGであるという印象の原因は、だいたいこいつらのせい。
この高価なデュアルランドをできるだけ安く手に入れる手段がイタリア語版リバイズド(何故かテンペスト期辺りまで一般のショップにも流通していた)だったというのは有名な話。

余談ではあるが、リバイズドのエラー修正しようとしたらそれ以上にエラーまみれで、廃棄されるはずだったのにごく一部分流出してしまったとして有名なサマーマジック(エドガー/Edger)版にもデュアルランドは存在する。基本土地ですら数万円すると言われるが、それのデュアルランドは白枠ではあるが黒枠のデュアルランドをも超えて数十万円~100万円で取引されるという。

余談

テキストボックス背景は二色のしましま模様になっている。
印刷技術が確立される前で、二色出る土地だということをアピールするために頑張った結果である。
現在の二色地形のテキストボックスは、出せるマナ色のグラデーションになっている(三色以上出る場合は金色)
Magic Onlineおよびマジック30周年を記念して発売された金枠(通常のゲームでは使用できない仕様)で実装された新枠版はちゃんとグラデーションになっております。

また、リバイズド版のみ《Plateau》のイラストが異なる。といっても、リバイズド版のほうが流通数が多いため逆にアンリミテッドまでのイラストのほうが馴染みが薄いと思われるが。
これはリバイズドを制作する前にアンリミテッドまでの《Plateau》のイラストファイルが壊れて復元不能になったため。
当時はまだ1990年代前半、パソコンのファイル一つとっても今より遥かに壊れやすく復元なんてほぼ無理に近かったのだ。

一応実際のカード画像をスキャンすればなんとかできたそうだが、コストが高すぎたため、急遽別立てで作られていたイラストを流用する形でリバイズド版の《Plateau》が世に出ることになった。

ちなみにここで流用されたイラストというのがデュアルランドをアイスエイジに収録しようとして作られたもの。もしもこのプランが実現していたらマジックの歴史も大きく動いていただろう。


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土地-
(T:あなたのマナプールに(追記)(修正)を加える。)

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最終更新:2024年02月24日 10:19

*1 黒枠かつ現在のカードより四隅が丸みを帯びている物