梅澤の十手/Umezawa's Jitte(MtG)

登録日:2012/03/28(水) 01:54:11
更新日:2022/07/19 Tue 21:43:15
所要時間:約 4 分で読めます




梅澤の十手/Umezawa's Jitte


梅澤の十手/Umezawa's Jitte (2)
伝説のアーティファクト ー 装備品
装備しているクリーチャーが戦闘ダメージを与えるたび、梅澤の十手の上に蓄積カウンターを2個置く。
梅澤の十手から蓄積カウンターを1個取り除く:以下の3つから1つを選ぶ。
「装備しているクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。」
「クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける。」
「あなたは2点のライフを得る。」
装備(2)




☆概要☆

梅澤の十手はTCGMagic the Gatheringのカードの一つ。神河謀叛で登場した伝説のアーティファクト(装備品)。

ストーリー中では、マジックの舞台である多元宇宙の中の次元の一つ、神河出身の梅澤俊郎が銀と鋼と魔力から制作した十手。
イラストではその名の通り十手として描かれているが、先が尖っており、その先には血が付いている。これは、この十手と血を媒介に漢字の魔術を発動させるという設定からだろう。


このカードの起動型能力を使うのに必要な蓄積カウンターは、装備したクリーチャーがプレイヤーかクリーチャーにダメージを与えることで溜まるため、設定を再現していると思われる。
…が、設定的には十手と血は媒介に過ぎないため、漢字の魔術の知識が無ければ発動出来ないはずだが、装備しているのが別の次元の覇者、ジョー・カディーンだろうが、お父さんこと今田家の猟犬、勇丸だろうが、果ては脳があるとは思えない捕食者のウーズだろうが問題なく発動可能。梅沢凄ェ!

プレインズウォーカーであるプレイヤーが、遠隔操作でもしてるんだろうか?




☆ゲーム中での性能☆


いわずと知れた装備品屈指のパワーカードの一枚。
ただ装備しただけではなんの強化も得られないが、蓄積カウンターを使って行える3つの起動型能力は、いずれも有用。
攻撃時に真価を発揮する火と氷の剣などと違い、クリーチャーにブロックされても蓄積カウンターが溜まり、好きなタイミングで発動可能なので見た目以上に非常に扱いやすい。

1つ目の能力は装備したクリーチャーに+2/+2。
常時強化ではないとはいえ、蓄積カウンターは1回で2個溜まるため、実質+4/+4とかなり強烈。
二段攻撃と合わせると、一段目の攻撃で溜ったカウンターを二段目の攻撃での強化に回すといった芸当も可能で、凄まじい爆発力を発揮する。


2つ目の能力は対象のクリーチャーに-1/-1の修正を与える。
再生持ちも、大概のプロテクション持ちも除去できるため、非常に強力。カウンターさえあれば荒廃鋼の巨像のような破壊されないクリーチャーも倒すこともできる。
ビートダウン同士の対決で、普通なら膠着状態になるか多少不利な状況でも、装備したクリーチャーを数回突っ込ませて能力を発動すれば、相手の戦列をズタズタに出来る。

3つ目の能力はライフゲイン。
他と比べてて直接的な使い勝手には劣るものの決して弱くはなく、
ダメージレースの終盤で非常に有効で、バーンなどの20点を削り切ることを目標としたデッキにとっては、とても忌々しい。

圧倒的な性能を誇りながら何と構築済みデッキに入っていたため、これ目当てにデッキが買い占められる事態が発生したことでも有名。


☆弱点☆

能力の起動ありきなので真髄の針や減衰のマトリックスなどで起動型能力を封じられると、既に装備していてもP/Tすら上がらない完全に置物になってしまう。これは他の装備品には無い泣きどころ。
また、コンボやパーミッションなど、クリーチャー同士での戦闘を行わないデッキが相手の場合、1つ目の能力以外は生かせないのも欠点。
また、カウンターをためる能力はダメージを与える必要があるため、最初からパワー0のクリーチャーに装備させてもまずカウンターを増やせないのも一応欠点。

現在は石鍛冶の神秘家という便利なクリーチャーがいるため、白がらみのデッキならサイドボードにおくらなくても、一枚差しで相手に応じてサーチしてくることが出来るため、あまり問題にもならないだろう。



余談だが、2005年の日本王者である『神に愛された男』諸藤氏がこのカードを搭載したデッキで対戦した際、初めて使用したこのカードの強さに驚き、跳び跳ね、しかし冷静にプレイしゲームを優位に運び、とどめと言わんばかりに





嬉々として二枚目をプレイ。



即墓地に置かれる伝説のアーティファクト二枚…



しかしそれでもゲームに勝利するのは神に愛された男ゆえなのだろう。

関連カード


梅澤の魔除け/Umezawa's Charm (1)(黒)
インスタント
以下から1つを選ぶ。
  • クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受ける。
  • クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-1/-1の修整を受ける。
  • あなたは2点のライフを得る。

梅澤の十手の起動型能力のうち1つを選んで使用できるインスタント。基本的には1番目か2番目でコンバットトリックに使うことになるだろう。
マナも手札も消費せずに何度でもこれらの能力が使える十手の恐ろしさが改めてわかる1枚。


梅澤俊郎/Toshiro Umezawa (1)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 侍(Samurai)
武士道1(このクリーチャーがブロックするかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。)
対戦相手1人がコントロールするクリーチャーが死亡するたび、あなたはあなたの墓地にあるインスタント・カード1枚を対象とし、それを唱えてもよい。このターン、その呪文が墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。
2/2

梅澤の十手の持ち主。インスタントを再利用する能力を持つが、タフネス2と除去されやすいのがネック。そちらの能力がメインであるため、ただでさえ受動的な能力である武士道はまず活かされない。
神河ブロックのストーリーでは黒らしい自己本位のピカレスクヒーローとして活躍した。『神河:輝ける世界』の発売にあたり改めて彼の悪行が公式にまとめられたが、誰しも「『梅澤の十手を世に放った』が抜けている」とツッコミを入れた。


梅澤俊郎の生涯/Life of Toshiro Umezawa (1)(黒)
エンチャント・英雄譚
1,2―以下から1つを選ぶ。
  • クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受ける。
  • クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-1/-1の修整を受ける。
  • あなたは2点のライフを得る。
3,この英雄譚を追放する。その後、これを変身させた状態であなたのコントロール下で戦場に戻す。

俊郎の記憶/Memory of Toshiro [黒]
クリーチャー・エンチャント-人間(Human) 侍(Samurai)
(T)、1点のライフを支払う。:(黒)を加える。このマナは、インスタントやソーサリーを唱えるためにのみ使用できる。
2/3

『神河:輝ける世界』で登場した梅澤俊郎の英雄譚クリーチャー。魔除けと同様に梅澤の十手の起動型能力が第1章と第2章になっている。
発動タイミングが完全固定なのでコンバットトリックに使えないのが痛いが、除去も強化も単独で弱い効果ではないことに加えて、更地でも回復に回せる汎用性は大きな魅力である。
変身後の梅澤俊郎はマナクリーチャーとしては最短4ターン目と遅め。しかも過程に追放を含んでいる為、マナを出せるのは変身した次のターンになってしまう。基本的にはブロッカーや搭乗要因として割り切り、《絶望招来/Invoke Despair》などの重かったり色拘束が強いカードのサポートとして使うといいだろう。
梅澤俊郎の水墨画のイラストアドバンテージは極めて高いため、上手く使ってやりたいカードといえる。


Tetsuo Umezawa (青)(黒)(赤)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 射手(Archer)
Tetsuo Umezawaはオーラ(Aura)呪文の対象にならない。
(青)(黒)(黒)(赤),(T):タップ状態のクリーチャー1体か、ブロックしているクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
3/3

神河ブロックのラストで梅澤俊郎は神河からドミナリアに追放され、そこで子孫を残した。その末裔がテツオである。初出はこちらが先。
カードとしての性能はともかく、「非プレインズウォーカーでありながらかのニコル・ボーラスを打ち倒した*1というストーリー上の活躍でMTGの歴史に名を刻んでいる。


逃亡者、梅澤哲子/Tetsuko Umezawa, Fugitive (1)(青)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) ならず者(Rogue)
あなたがコントロールしていてパワーかタフネスが1以下であるクリーチャーはブロックされない。
1/3

エキスパンション『ドミナリア』の時代におけるテツオの子孫。梅澤の血筋はボーラスから呪詛を受けており、哲子はそれに対抗するために身を隠しつつ対ボーラスの計略を練っているという。当のボーラスは遠くラヴニカで倒されたのでその計略が役に立つことはおそらくない。
《楕円競走車/Ovalchase Dragster》に搭乗してブロック不能のパワー6で相手をひき殺すコンボ「哲子ドライブ」がスタンダードでは有名。忍者っぽい服装の女性が自動車を運転するミスマッチからネタにもされたが、ネオカミガワのサイバーパンクな風景を鑑みるとむしろベストマッチだったのかもしれない。


梅澤悟/Satoru Umezawa (1)(青)(黒)
伝説のクリーチャー - 人間(Human) 忍者(Ninja)
あなたが忍術能力を起動するたび、あなたのライブラリーの一番上にあえうカード3枚を見る。そのうち1枚をあなたの手札に、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。この能力は、毎ターン1回しか誘発しない。
あなたの手札にあるすべてのクリーチャーカードは忍術(2)(青)(黒)を持つ。

『神河:輝ける世界』の時代の氷山勢団の首領で、梅澤俊郎の末裔を自称する男。一応俊郎が神河時代に子を成している可能性はないわけではないらしいが、真偽は不明。
あらゆるクリーチャーに忍術を付与でき、実質マナコストも踏み倒せる。《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》なんかが忍術で出てくれば相手にもはやなすすべはないだろう。


追記、修正は梅澤敏郎に梅澤の十手を装備してからお願いします。

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最終更新:2022年07月19日 21:43

*1 一時的に撃退したわけではなく完膚なきまでに滅ぼされ、数百年後の大修復のどさくさで完全復活を果たすまでは肉体を持たない残留思念になり果てた。