夜王

登録日:2011/12/11(日) 10:58:40
更新日:2023/12/29 Fri 19:36:14
所要時間:約 5 分で読めます




ロミオへようこそジュリエット!



夜王(やおう)とは、ヤングジャンプにて連載された倉科遼(原作)&井上紀良(作画)による漫画。
単行本は全29巻で実写ドラマ化もされた。
余談だが、G3・龍騎・ナイト・ゾルダ・王蛇・威吹鬼・二代目ギャバン・ブルーレーサー・ガオレッド・ケガレシア等、ドラマ版は特撮関係者が多く出演。


簡単に言えばホストの頂点を目指す男のサクセスストーリーだが、元々荒唐無稽で無軌道な話の多い倉科シナリオに加えて、日本の漫画家でもトップクラスに絵を使い回す井上氏の技法が化学反応を起こし、何とも言えない抱腹絶倒なハーモニーを生み出している。

  • 1つのコマに同じキャラが2人いる
  • 話をしてる人間と聞いてる人間が同一人物
  • 台詞と表情が合ってない(そもそも口を開いてない)
  • 全員集合で一人だけ影が違う方向を向いてる
  • 顔と胴体の比率が違う
  • 奇妙な擬音
  • ありえないポーズ
  • 明らかに「それコピーしただろ」って部分がある
  • 明らかに「それ反転させただけだろ」って部分もある

こんな現象は、夜王ではよくあること。


連載当時、インターネット上ではかの彼岸島と並んで正ににネタ漫画の代名詞であった。

本作は所謂主人公補正の極致とも言え、肝心のストーリーはご都合主義の塊である。
大抵の場合、敵陣営が勝手に内輪揉めしたり、誤解や余計な気遣いから足を引っ張ったりして、それが自動的に主人公の勝利に繋がるといったケースが殆ど。
無計画な言動の主人公を周囲が好意的に解釈したり、ちやほや祭り上げることもザラ。
その為、あまりにも都合良すぎる展開を嫌う人は興醒めかも知れない。
ただ、ギャグやコメディとして割り切れば爆笑間違いなしなので、ストレス発散にはもってこいである。


誤解のないように念を押しておくと、これは本当にホスト漫画であって格闘技漫画ではない。
なのにメインキャラクターはそろって筋肉逞しい体つきで、必ず一度は派手な肉弾戦を繰り広げる。
単行本の帯に書かれていたキャッチコピーでさえ「立ちはだかる者、鉄拳制裁!!」であった。
「ホストの拳」の方が正しいタイトルかも知れない。


【あらすじ】

暴走族を率いてブイブイ言わせていた的場遼介は、生きる目的を探す為に北海道から東京にやってきた。
しかし、考え無しに上京した為あっという間に行き倒れてしまう。

そんな所を世界的デザイナー・加納麗美に助けられ、彼女に導かれるようにしてホストクラブ「ロミオ」に入店。
最初は不慣れな水商売に苦戦しながらも、数々のライバルと切磋琢磨しながら成長して歌舞伎町の象徴たる『夜王』を目指していく

………のだが、何故か中国マフィアや麻薬組織とまで激闘を繰り広げることになり、「ウォオオオオオ!!」と叫びながら立ちはだかる者を鉄拳制裁していく。


【登場人物】

◆的場遼介
主人公。
行き当たりばったりな行動を繰り返しても、ラッキーマンも真っ青の強運で危機を乗り越えていく。
引き分けで終わった勝負でも、いつのまにか彼が勝ったと事実が歪曲されていたりする。
ただし、運をそっちにフルスロットルで使い切ってるのか、愛した女性は次々に死んでいく。
感情が高ぶったり、敵を攻撃する時は「ウォオオオオオ!!」と叫ぶ奇癖がある。


◆上条聖也
遼介にとって永遠のライバル。
主人公より主人公らしく、そしてライバルキャラクターの鑑と言える存在。
カリスマホストで華があるが、実際は筋肉も売り上げも努力を欠かさない努力家で、地位に関係なく彼を尊敬して慕う舎弟も多い。
同時に、セレモニーでは甲冑姿で白馬に乗ったり、色々と名言と迷言を連発する等ネタにも事欠かない人気キャラ。
終盤では南斗聖拳さながらの手刀を会得し、敵を吐血させた。


◆修
遼介の右腕にして親友。
当初はいつ店を辞めるか考えるほど売れていなかったが、遼介についていったらいつのまにかナンバー2に出世していた。


◆藤崎卓也
ホストクラブ「エロティカ」のナンバー1だが、はっきり言って噛ませ犬(売り上げ的な意味でも戦闘的な意味でも)。
オーナーを巡る事件解決後、エロティカが閉店して途方に暮れるがロミオに電撃移籍して仲間に。
頼れるかどうかは微妙だか、遼介の良き理解者にしてナンバー3的な存在へ


◆源太
お笑い芸人を目指して挫折し、さらに脱サラした32歳の売れないホスト。
彼がやった一発芸は劇中では何故か女性客に大受けしていたが、普通ならホスト仲間の袋叩きを喰らって店を叩き出されても文句は言えない。
しかし、奥さんはとても良妻。


◆琴岡聖二
大阪編から登場した、元探偵という異色のホスト。
どうして探偵で食っていけなかったのか不思議でならないほど有能。
敵の背後関係から計画まで物凄い短時間で徹底的に調べ上げ、さらに黒幕を単身捕まえている。


◆イカロス翼(石川耕三)
遼介の留守中にロミオに加わった売れっ子の新人。
その美貌は整形手術によるもので、元々の素顔は如何にも「耕三」である。


◆天海零(佐伯零)
ホストクラブ「スナイパー」に在籍する悪徳ホスト。通称「女衒のレイ」。
女性を騙して風俗に沈める悪行を重ねていたが、最終的には遼介と共闘することに(しかもコンビネーション抜群)。
当初その容姿はアミバそのものだったが、洒落にならない悲惨な過去が明かされるにつれて名前通りレイな男前になっていった。
故障した指で必死にピアノを弾く姿は、この漫画では珍しくマトモに感動的なシーン。


◆霧崎京一郎
警視庁のエリート警部。
秘めた過去からホストと麻薬に激しい憎悪を抱いており、それらを撲滅する為なら手段は選ばない。
学生時代から剣道を嗜み、多数の刺客に襲われた際は「面ぇ~~~~~ん!!」と攻撃箇所を態々相手に教えてあげる騎士道(武士道?)精神溢れる男。
最後は出世の道を捨てて風俗嬢に求婚するが、その台詞はもはや伝説的。
恋人のいる男性は、彼のプロポーズを是非真似してみよう。フラレるだけじゃすまされないけどね!


追記修正は「ウォオオオオオ!!」と叫びながらお願いします



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最終更新:2023年12月29日 19:36