登録日：2009/10/20 Tue 01:31:49
更新日：2023/07/28 Fri 09:54:04
所要時間：約 7 分で読めます
「来い、豚ども。今宵お前たちにエサはない」
レーベル:スーパーダッシュ文庫
著者:アサウラ
イラスト:柴乃櫂人
ジャンル:庶民派シリアスギャグアクション
既刊9巻+2巻
【あらすじ】
主人公佐藤洋は、学生寮の近くにある大型スーパーを訪れ、半額シールが弁当に貼られてゆく様をみたのも束の間、それに手を伸ばした瞬間意識が飛び、気がつくと精肉コーナーの前で倒れていた。
何が起こったのか理解できない佐藤の目に、半額弁当を手に持ちレジへ向かう少女が映る。
同じように床に倒れている男がその少女を睨み付け「《氷結の魔女》め……」と呻く。
立ち直る頃にはすでに半額弁当は無くなっており、かろうじて残っていた半額のおにぎりを買おうとした時、同じ学校に通う女子生徒・白粉花に出会う。
公園のベンチで夕飯となったどん兵衛をすすりながら、佐藤は白粉に半額弁当を手を伸ばした時に何が起きたのかを尋ねる。
彼女曰く、弁当に半額シールが貼られた一瞬の間に、湧い出たように弁当コーナーに人が集まり佐藤が投げ飛ばされたという。
結局あの場で何が起きていたのかは分からず、二人は翌日もう一度同じスーパーへ足を運ぶ
二人は前日の反省を踏まえ、素早く半額弁当を手に入れる為に弁当コーナーで陣取り、弁当が半額になる時を待つ。
目の前で、店員の手により弁当に半額シールが貼られてゆく。スタッフルームに戻ってゆく店員を確認し、二人は半額弁当に手を伸ばす。
しかしその手は半額弁当に届かず、何者かによりはたき落とされる。
唖然としたのも束の間、全身を打撃が襲う。
「弱気は叩く――」
「――豚は――」
「――潰す」
「それが――」
「――この領域の掟だ」
《氷結の魔女》と呼ばれた少女にそんな言葉を吐かれながら、佐藤はまた意識を失う。
スーパーの店員、アブラ神の介抱により意識を取り戻した佐藤は彼に尋ねる。一体ここで何が行われているのかと。
そして真実を聞き、佐藤は身を投じることとなる。
半額弁当の為に全てを賭けて戦う、誇り高き狼の戦い。
半額弁当争奪戦に。
【用語】
作品の主な舞台となる土地の大まかな区分け。
東区に所属する狼が主に使用する。
西区には私立烏田高校、東区には丸富大学及び付属高校が存在する。
礼儀を持って誇りを懸け、半額弁当争奪を行う人達の総称。
殴り合いをしてる時点で礼儀があるのか疑ってはいけない。
礼儀を持たず半額弁当を求める人達への蔑称。
指す相手はそれぞれ個人。
複数の弁当を一人で持っていく個人。
主婦の通称。半額になる直前の弁当を奪い、半額シールを貼らせる外道。
豚とは違い、最低限の礼儀をわきまえた人達への呼称。おおよそ豚と狼の境目にに当たる。
狼の中でも実力のある人を示す称号。まれに特別な事情により二つ名がつく場合がある。
スーパーマーケット惣菜担当であり、惣菜や弁当に半額シールを貼る人。
西区には「ジジ様」「アブラ神」、東区には「マっちゃん」等がいる。
狼達は、各スーパーを半額神の名前で呼んでいる。
長時間置いた半額弁当の中には、より深い味わいをかもし出すものがあり、半額神がその太鼓判を押した弁当。
特別な半額シールが貼ってあり、月桂冠を手することはその戦いで絶対的な勝利を収めたことを意味する。
【登場人物】
○西区の狼
CV.下野絋
主人公。
私立烏田高等学校1年。
父親が絡んだ小学3年生の夏休みの事件により、体力には自信がある。
本人に自覚は無いが奇行が目立つ。付いた二つ名は《変態》。
二階堂とコンビを組んだ時は『ツードックス』と名乗る。
一家全員がセガ信者。
CV.
伊瀬茉莉也
私立烏田高等学校2年。
セットされた髪と化粧により野性を感じさせる、黒いストッキングと頑丈な厚底のブーツを履く少女。
《
氷結の魔女》の二つ名で呼ばれる名うての狼にして、HP同好会の代表。
今の世代では最強クラスの狼。
CV.
悠木碧
私立烏田高等学校1年。
小柄で、やや長めの髪を後ろで束ねている少女。
ライトノベル研究会に所属しており、小説を書いている。
佐藤と共に半額弁当争奪戦を知り、槍水に接触する。
CV.
宮野真守
私立烏田高校3年。
長身の少年。オートバイを移動手段として利用する。
烏田高校に所属しているが、特待生であり出席を免除されている。
本名不明。
私立烏田高校3年。
二つ名は無いが実力のある狼。
佐藤曰くなかなかの美人で、胸が大きく形も良い。揺れる。
アニメでは顔の目の部分だけ影がかかっている。
本名不明。
私立烏田高校2年。
仙の縄張りで戦う狼の一人。
本名不明。
私立烏田高校2年。
よく顎髭と一緒に登場する。
クリ○ン。
CV.
岡本信彦
私立烏田高校3年。
剣道部に所属している少年。
顧問である国語教師の壇堂を筆頭とする、《
ダンドーと猟犬群》の代理指揮者。「勝つ」ことに執着する傾向がある。
CV.斧アツシ
烏田高校の国語教師。剣道部の顧問であり、ダンドーと猟犬群の指揮官。
生活費が底を突きそうな時にだけスーパーに現れる。彼が居る時、猟犬群は真のスタイルを見せる。
○東区の狼
CV.
加藤英美里
丸富大学付属高校1年。イタリア人の母を持つ。
長い金髪を乱雑にし、普段は眼鏡をかける少女。
金城と同じくオートバイを移動手段として利用する。
佐藤とは従兄弟という間柄だが、同じ日に生まれ、幼い頃から佐藤家に出入りし、兄弟のように育つ。佐藤とのスキンシップは過激。
佐藤と同様セガ信者。デスクリムゾンをバーチャガンを使用してノーコンティニュークリアできる。
東区の実力のある狼として《
湖の麗人》の二つ名を持つ。
CV.
竹達彩奈
丸富大学付属高校1年。著我の友人。
半額弁当を求める狼の一人だが弁当を入手したことがない。
しかし彼女が赴く所ではなぜかありえないような不幸が多発する為、異例だが《
死神》の二つ名を得ている。
CV.興津和幸
丸富大学2年。
ガブリエル・ラチェットの頭目だったがモナークが敗れた後は解散し一人の無名の狼となる。
二つ名こそないが佐藤や沢桔姉妹からも実力は高く評価されており、単騎でも佐藤や著莪と張り合えるくらいには強い。
大学の先輩であり狼でもあった松葉 菊に恋心を抱いているが、既に結婚しているので諦めてもいる模様。
本人は嫌がってるが沢桔姉妹との戦い以降、佐藤とコンビを組む事がありその場合は沢桔 鏡が名付けた『ツードックス』を名乗る事がある。
ちなみに佐藤の二つ名『変態』の名付け親。
なお後に沢桔 鏡から告白される。
CV.
田村ゆかり
丸富大学付属高校2年、生徒会長。
妹の鏡と組んだ時の二つ名は、双頭の犬《
オルトロス》。
性格は思い付いたら一直線と直情的でなおかつ行動力に富む…色々とダメな方向に。
またかなりのアホの子で特に語彙が貧困でよく言葉に詰まる。
なお何故かエロい言葉はかなり覚えているが、その意味の大半を履き違えている。
一方で物事の本質を見抜く面を持っており鏡や佐藤もハッとさせる事も。
見た目は美少女、中身はアホの子、でも本質を見抜く目は鋭い…属性あり過ぎである。
CV.堀江由衣
丸富大学付属高校2年、副生徒会長。
幼い頃から姉の梗と弁当争奪戦に参加しており、その腕前は《氷結の魔女》に次ぐ。
姉とは正反対の慎重な性格だが、姉の唐突な行動に付き合うのでなし崩し的にそのフォローに回る事になっている。
また常に姉の影に控えては言葉に詰まる姉に助け船を出している。
一方で聡いが故に諦観してる面もあり、慎重になり過ぎる事も多いが、その場合は姉が引っ張り上げるようにフォローに回っている。
二階堂 連に惚れており彼に好きな人がいるのを知っているので諦めかけていた。
だが姉の後押しがあり、バレンタインでは本命チョコを渡す勇気を見せている。
その他の登場人物
CV.
茅野愛衣
佐藤の同級生でかつ学級委員長。
しっかり者で気が利く人間だが、白粉を溺愛しており、白粉の近くに現れた佐藤には事あるごとに蹴りやビンタを食らわせる。
なお要因はただの言い掛かりや誤解もあれば、佐藤が悪い事もあり理由は千差万別。
中学三年生。
HP同好会遠征先で出会った、やや影の薄い少女。
普段はおっとりしているが《ギリー・ドゥー》の二つ名を持つ狼であり、狼達の間では有名な存在。
交換学生制度により、一ヶ月限定で烏田高校にやってきた少女。
小・中学校の佐藤のクラスメイトで、初恋の相手。佐藤に何度も告白されているが、その度にフっている。
妹系アイドル「鬼灯ラン」として売り出し中。
佐藤の古くからの友人。佐藤とは別の高校に進学した。作中で石岡自身あるいは石岡と佐藤の思い出が数多く語られる。
佐藤の中学時代の友人。かの有名な《三沢の乱》の中心人物
佐藤の同級生。マゾヒストであり、佐藤が白梅に制裁を受けている場面を見ては、佐藤に同好の士になるよう求めている。
功績ゼロのダメダメだが、交番勤務だったのを上腕三頭筋の美しさを認められて筋肉刑事に引き抜かれた新米刑事。
CV.
花澤香菜
槍水 仙の妹。10歳。子犬のような少女で、姉からは溺愛されている。
CV.
若本規夫（ドラマCD）
陸上自衛隊に所属する洋の父親。旧姓は著莪。熱狂的なセガ信者である。
気合さえあれば
かめはめ波を撃てると信じており、早朝からに庭で「かぁーめーはーめーッ……波あぁあぁああああ!」と長時間月を吹き飛ばしかねないパワーを込めて大声で叫び続けたり、
国家機密である職場の情報を某国に売り渡したり、猛吹雪の中にパンツ一丁で買い物に出て全裸で帰ってきたり、息子を乗用車で撥ねたりと破天荒な行動を繰り返す、近隣では知らない人間が居ないほどの有名人。
著莪家の長男であるが、結婚の際に「著莪という名は普通の人は読めないだろうからいちいち説明するのが面倒」という妻の一言で佐藤家の婿養子になる。正月の一族の会合の席で弟に大声で言い放った一言がきっかけで家族全員会合に呼ばれなくなった。
洋の母親。
ハンドルネームは「ネネ14歳」。
ネット廃人でRPG中毒者。家事をせずにネットにハマることもある。正確には「ネットゲームにハマった中学生を演じる」という少々ややこしい遊び方をしている。中学生が学校に行っている時間帯はネットをせず、テスト期間が近づいてくるとゲームの時間を減らすなど。
そのキャピキャピとした迫真の演技は家族の誰もが鳥肌を立てるほどである。
以下ネタバレ
かつては佐藤の寮友の一人であったが、ある事件をきっかけにその強大過ぎる邪気により人外へと成り果て、世界を脅かさんとした為に6重の結界を以て封印された。
しかし、とある少女によって封印は綻び初め……。
スーパーで売っている半額弁当に命懸けで情熱を燃やす者達の青春バトルコメディ。
笑って熱くなれる数少ない作品の一つなので、未読の方はスーパー…ではなく書店に急げ!
11/20追記
このライトノベルがすごい!2012にて第三位を獲得。
アサウラおめでとう
追記・修正にしに行くぞ。佐藤、白粉、ついて来い。
- てかスーパーの半額弁当なんて必死で求めるようなもんじゃないし、貧乏学生ならバイトと自炊しろと思ってしまってな -- 名無しさん (2013-10-10 10:29:19)
- ↑別に安いから半額弁当求めてるわけじゃないよ? -- 兄ウォーター (2013-10-10 13:00:06)
- ↑×2、あの世界のスーパーの弁当はやたら美味く豪華。で、狼は血と汗を流しながら必死で弁当をとっているため、苦労する分だけよりおいしく食べられるのでその満足感を味わうためにああいうことをしている、という設定。節約目当てで参加しているのは初期の主人公ぐらいなもんで、他の狼が「まさか、金がないからってこれに参加する酔狂な奴はいないよな」なんて言うもんだから事情を言うに言えず主人公が苦笑いするしかない、というシーンがある。 -- 名無しさん (2013-10-17 01:25:40)
- 定価で買えよ、と -- 名無しさん (2013-11-29 11:16:11)
- 個人的に、白粉のネタが好きです（KONAMI） 筋肉刑事はいつ単行本になってくれるんですか・・・？（小声） -- 名無しさん (2014-01-23 18:40:45)
- 最終巻近くの白梅はいいキャラだけどな、佐藤のことが好き(もちろん友達として)と言って、佐藤のことを応援してたし -- 名無しさん (2014-11-03 23:02:00)
- 白粉が書いた生保アニキが本当に小説化するなんて…誰が予想したんだ… -- 名無しさん (2014-11-03 23:04:24)
- 設定の骨子にある狼のプライドや意地、雰囲気はヤンキー漫画っぽいって聞いたことあるけどヤンキー漫画自体あんま読んだことないからイマイチわからんな。とりあえず、最近a-bout読み始めてみたが。 -- 名無しさん (2015-08-03 12:25:53)
- アラシの項目間違ってんよ。あれは個人じゃない。 -- 名無しさん (2015-08-03 14:28:00)
- サバゲにGO!2巻がオルトロスだった。 -- 名無しさん (2020-10-02 22:09:07)
- アニメを仕事先の人に車で見せて貰ってたけど学級委員長がひたすら不快だった -- 名無しさん (2020-10-02 23:23:27)
- もともとウィザードを1巻で倒して完結する読み切りの構成だったのを、ラスボスにしたせいで最後がちょっと尻すぼみ気味。 -- 名無しさん (2022-07-13 01:05:19)
- 2期みたいけれど無理だろうな…… -- 名無しさん (2022-07-28 23:31:37)
最終更新：2023年07月28日 09:54
