南斗五車星(北斗の拳)

登録日:2011/08/28 Sun 22:05:38
更新日:2024/03/27 Wed 00:44:49
所要時間:約 5 分で読めます




「炎のシュレンッ!!」

「風のヒューイッ!!」

「山のフドウッ!!」

「雲のジュウザッ!!」

「海のリハクッ!!」



「みんな揃ってっ!!」


っ!!



「…お、お待ちしてましたよ皆さん」




南斗五車星とは、北斗の拳に登場する5人のキャラクター群を指す。


その役目は、南斗六聖拳で生き残っている最後の将であり、「慈母星」の宿命を持つユリアを守護する事。個々がひとつの巨大な軍団を率いている。

ただし南斗聖拳の使い手では無い。一応ヒューイは南斗聖拳に近い性質の拳を持ち、シュレン、フドウも敵を切り裂いてはいる。*1


それぞれ左腕に五個の五芒星の刺青が入っているのが特徴。

キャラによって噛ませから重要キャラまで、かなり扱いに差があるのもまた特徴。

以下、1人ずつ紹介。


  • 風のヒューイ
最初に登場した五車星。風を友とし、真空を走らせる拳を操る。その技は触れずして外部から相手を両断する。
「拳王につく者は皆殺しだっ!!」「天を握るは北斗にあらずっ!!」などの粋がった発言をするが、ラオウに傷ひとつつけられず瞬殺された。
アニメではケンシロウにも一蹴されている。いちおう拳王軍のモヒカンは一蹴してるため、相手が悪すぎただけだと思えるのがわずかな救い。

北斗無双では存在が抹消された。続編では出演できたもののムービー死。一応幻闘編では敵NPCとして登場。(声優は金本涼輔)

パチンコ「CR北斗の拳」では期待度最低のスーパーリーチ担当、バトルモードでは登場しただけで継続濃厚というボーナスキャラ扱いと、とことん不遇な人。

イチゴ味ではウザキャラ化。実力も下位ランクのくせに、よりにもよってハンにケンカを売って返り討ちの上にサウザー戦の囮に使われて腹ぶっ刺されてしまった。
あげくにキャラ紹介でも赤い人ともども「すぐいなくなる」とぶっちゃけられてしまった。おまけに紹介場面の絵がひどい。


  • 炎のシュレン
風のヒューイを弟星に持ち、炎を操る。その拳は燐を使用した火炎術で、相手を焼き切るもの。

ラオウに自爆特攻を仕掛けるものの、彼どころか黒王すら燃やせなかったやはり不遇な人。
その後の殺され方も首を豪快に回されるという惨い絵面で有名。
旧アニメのCVは若本、新アニメ版のCVは勇者王なのでカッコいいのだが…。
一応ヒューイに比べればその死に様にラオウが若干の敬意を表しているので多少マシな扱いを受けている気がする。

また、「将の…我が将の永遠の光!! ケ…ケンシロウならば光輝く!」や、
「きさまが前に立てばわが将の星は涙に濡れる!!」(訳:我が将はケンシロウと一緒ならずっと明るい人生が送れるがお前が来ると泣いちゃうんだよ~)と言う様に、
考察すると笑える台詞も多かったりする。
…冷静に考えると明らかに将の正体に関するヒントをぶっちゃけており、足止めとしては完全に裏目に出ている。*2

北斗無双ではヒューイに準ずる扱い。(声優は宮崎寛務)他のゲームでも一貫している。


かつては「鬼神」と呼ばれたほどの無法漢で、修行時代のラオウに恐怖を刻みつけた。
ユリアに感化された事でその巨体に似合う、子供たちに優しい、父性あふれる非常におおらかな性格になったが、
ラオウと対峙した際は再び鬼神の心を呼び覚まし、力量では差がついていたので敵わなかったものの、精神的には彼を思わず後退させるほどに奮戦。
「(恐怖を乗り越えるため)後退したら自身を射殺せ」というラオウの無茶ぶりな命令につい逆らってしまった兵士により矢を撃たれ絶命した。
五車星の中では主人公であるケンシロウとの絡みも多く、かなり優遇されている。
詳しくは項目で。


空を漂う雲のように奔放な男。
無型の我流拳法を駆使し、その実力は五車星最強との呼び声も高い(…といっても比較対象がフドウ以外みんなアレだが)。
ユリアに惚れていたが、後に自身がユリアの血の繋がった実兄である事を知る。リュウガ?誰それ。
最期はラオウに秘孔を突かれ、最後の将の正体を割らせようとした彼に「拳王のクソ馬鹿野郎」と言い放ち絶命した。
そのユリアへの忠誠心はラオウをして「敵ながら見事」と称されるが、執拗な襲撃を受けた件で興味を抱いたこととこのことがラオウに将の正体を読ませる要因となってしまう

才能面だけ言えばケンシロウの師リュウケンが、ラオウやトキに匹敵すると評するほど。
人気も並み居る北斗キャラでもかなり高い方である。後に、あの戦国一の傾奇者に彼の魂を見出した人もいるとか…。
詳しくは項目で。

また北斗勢以外で唯一黒王が認め、背中に乗せた漢でもある。黒王自身もジュウザが絶命したときは自ら埋葬しようとするほど。

念のため言っておくが、女帝ジューザではない。

イチゴ味では自由をこじらせて自由でないと気がすまない上に自由とは何かで自縄自縛して迷走している。

  • 海のリハク
老齢の軍師。
見た目はおヒゲのナイスシルバーだが、世紀末を生きる男たち同様、鍛え抜かれた身体をしている。

ラオウからは「世が世ならば、万の軍勢を縦横に操れる天才軍師」とたいそう高評価だが、
南斗の将に無警戒だったラオウにヒューイとシュレンを逐次投入の形で嗾けたため、ラオウを脅かすどころか刺激することにしか繋がらず、
更に我関せずを決め込んでいたジュウザにもわざわざ戦わせてラオウに将の正体を看破させてしまうなど、最初から打つ手は悪手としか言いようがない。
まあいくらリハクの頭がよくてもラオウの心を読めるはずもなく、また現時点で残る軍閥は拳王軍のほかはユリア一派しかないため、いずれ拳王軍がユリア軍を狙って来ると考えたのかもしれないが……

そもそもユリアは病気で余命いくばくもないという後付け設定がその後すぐに出たことや、ラオウもユリアは死んだものと考えていたはずのため、
『最後の将を守る』ということが目的だったならば、何もしなければそれで済んでいたと思われる。ケンシロウにも会わせようとしていたし。
しかし他の五車星は全員が『命を捨ててでも最後の将を守る』という意識で統一されていたため、
最後の将を守るという名目でラオウにぶつけたことを考えると……この男……。

おまけにケンシロウの目を負傷させて使えなくするわ(驚異的な再生能力か何かでしばらくした後にスッと回復)、ラオウをユリアに鉢合わせるわ失策しかない気がする。
評価がラオウの嫌味だったとか、ラオウの目も節穴だったとか、そういう説は考えないようにしておこう。

一応ケンシロウが来るまでラオウと戦って持ち堪えてその後も普通に動けた事からそれなりの実力はあったと思われる。
この時はケンシロウも南斗の将の元へ向かっており、ラオウには痛めつけている余裕は無く全力で殺しにかかったと思われ、それにも関わらず秘孔一つ打たれずに外傷程度で済んでいる。
闘気で圧倒され新血愁を打たれたレイ…は事前に技を見切られていたことと捨て身で立ち向かっていた違いがあることもあり、流石に六聖拳より下の実力だと思われるが、ヒューイやシュレンよりは強そうである。
ただし、ヒューイやシュレンの場合も突っ込んでいたので、防戦に徹していたであろうことによる違いの可能性もある。

ケンシロウを巻き込んでしまった最後の罠でラオウにも傷を負わせることにも成功するが、
この時のケンシロウはラオウを完全に圧倒している上でラオウ側は無想転生体得も不可能な状況と、負ける要素が皆無だったので、結局余計なことをしたとしか言いようがない。
しかもこの時のラオウは罠の前からケンシロウとの闘いによって心身共にボロボロだったが、
実質失明状態のケンシロウと違って怪我の程度は割合軽く、ユリアとただ鉢合わせるどころかさらって逃走まで出来る隙が生じたことも罠のおかげである。

まあその罠が発動した際には「いかん! 最後の仕掛けが!!」と叫んでいるので、狙って発動させたのではなく偶然暴発したようだが……
また「ラオウが落ちたそこにユリアがいた」というのも、
「ユリアと合流させて逃がすはずのケンシロウがラオウと戦うために勝手に引き返す」「ケンシロウと合流させて逃がすはずのユリアがケンシロウを待つために勝手にその場に留まる」「ユリアの留まった場所がたまたま真下の部屋」という、
立てた計画を遂行すべき主要人物両名から無視されたうえに、ビックリするほどのタイミングの悪さが噛みあったのが原因でもある。

むしろ最大の突っ込みどころは「戦った後のシンとケンシロウでは拳王に抗えない」と言いつつユリアだけ連れていったり、ケンシロウとユリアが合流した後の事はほぼ2人任せだったりと、実力的に仕方ないとはいえ策が上手くいったとしても詰めに希望的観測や他力本願が混じっているところ。

上記の戦歴からネタキャラ枠気味に捉われることもある。
Google検索のサジェストでも「無能」だとか「節穴」だとかそんなのが出てくる。なんとも致し方ない。

一応対ラオウ向けに罠を張るという思考に関してだけ言えば、それ自体は何らおかしくなく、むしろ当然とも言える。
ただ罠をものともしないラオウの力、そしてラオウを圧倒していたケンシロウの思考と力を完全に見誤っていたという、致命的な分析力の無さ*3(あと戦略眼の無さと罠のセンスの無さと運の悪さ)が最大の欠点だったと言えるだろう。

非戦闘要員であるためか、五車星の中では唯一生き残り、後の帝都編にも登場した。
……流石天才(但しSS版の北斗の拳では死亡)。
ラオウ戦から数年を経ているため、黒さを残していた眉もすっかり白くなり、口ひげに加えて顎ひげまで伸ばすなど、より老け込んでいる。
後、世紀末の老人らしく、ことあるごとに謎の電波を受信しては天がどうのこうの言い出すようになった。

イチゴ味ではそーゆうツッコミどころ満載なところを拾われたのか、徹底的に愚策を連発するクソ老害に。
落とし穴に異様なこだわりを見せ、しかも嫌味ったらしく周りを煽るウザキャラぶりに枚挙のいとまがない。
一時期はもはやヒューイやシュレンよりバカなんじゃないかと思えるくらい。ついに二人にもキレられてボコられた。
しかしジューザのあまのじゃくぶりに逆に煽って言うことを聞かせたり、ユダをおだててゴッドランドをつぶさせたりと知将らしい面もなくはない。

トウ

五車星ではないが、サザンクロスから身投げしたユリア救出に同行していた↑のリハクの娘。
リハクの策に巻き込まれてユリアに変装した、もしくはさせられたのだが、ラオウと対峙した時に実は彼に惚れていたというその思いを吐露するも、
されど叶わぬ想いであったことを悟り、ラオウの懐にあった短剣を抜き取りそのまま(勝手に)命を絶つという行動に出た。
なんというヤンデレ。

生きてても駄目なのであれば死してその姿を心に遺す…。
この意味不明な(理解出来る人も居るかもしれないけど)衝撃的過ぎる行動には、
当時の多くのちびっ子を震撼させたが、後に大きくなった大人達が再度読み返した時も震撼させた。

対するラオウもトウの亡骸を前に「思いが届かぬならなぜこの俺を殺さぬ!殺せば二度とだれの手にも渡らぬわ!!一生おまえの中に生きよう!!」「このラオウの想い届かねばユリアにも死あるのみ!!」とか言っちゃう。
衝撃的な行動に対してなおも怯まぬ拳王様のメンタルを垣間見る言動だが、こっちもなかなかヤンデレ気味な文面である。
な、なんという人達であろうか…。

アニメ版では猛犬の大群に襲われていたトウをラオウが気まぐれで助けた事から、トウに一目惚れされてしまったというエピソードが追加されている。



追記・修正は5人揃ってお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 北斗の拳
  • 南斗五車星
  • ゴレンジャー
  • 風と炎はかませ
  • 二軍
  • 人気キャラから噛ませ犬まで
  • 軍団
  • シュレン
  • ヒューイ
  • フドウ
  • ジュウザ
  • リハク
  • トウ
  • ユリア

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月27日 00:44

*1 フドウは力任せの切断ではあるが

*2 もっともラオウはジュウザに「知れば疾風となって将の下へ走る 天を握ったきさまが最後に望むものがわが将!!」とまで言われても自分の知り合いかもしれない、程度にしか予想ができない程に鈍感だったため、シュレンが余計な事を言ったところで大して意味はなかったと思われる。

*3 ただし「北斗神拳伝承者という差」、「マミヤの町でラオウと引き分けた」、「引き分け後ラオウが避けたサウザーをケンシロウは撃破」という判断材料もあったが、ケンシロウ対ラオウを楽観視しないことはもっともである。とは言え五車星をてきとうにけしかけて結局ヒューイとシュレンは足止めすら出来なかった件などから、実はラオウについても強敵だと思ってはいてもそれほど凄い男だとも思っていたわけではない。陰謀でもなければ、天才軍師とか扱われている割に深く考えていなさそうである。