FA-MAS

登録日:2011/08/22(月) 17:33:13
更新日:2020/08/08 Sat 20:47:12
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諸元
全長 757mm
重量 3.52kg
口径 5.56mm×45
装弾数 25(F1)・30(G2)
連射速度 930発/分(F1)・1000発/分(G2)
発射形式 S・F・3
製造 サン=テチエンヌ造兵廠(フランス)

フランスという国は銃器に関してはイギリスとは別ベクトルでイギリス以上に何を作っているのかよく分からない。
つまり大国な割に日本での知名度は低い。
しかし突撃銃を自前で開発していたりと、知らないだけで色々開発している。
ブルパップ式の銃として有名なFA-MASもその中の一つである。



○デザイン
一番目につくのはブルパップ式の形状だろう。携帯性の向上と銃身の長さが取れる為である。
その形状の為「Clairon(クレロン・信号ラッパ)」と兵士の間で呼ばれているそうな。
大きなキャリングハンドルは照準器も兼ねている。そのキャリングハンドルの下に付いている棒は標準装備の二脚であり、照準線の短さを補っている。
何だか頼りないトリガーガードは取り外し可能で引金を露出した状態に出来る為、手袋をしたままでも射撃がしやすい。
【画像】
↑こんな感じ



○性能・機能
作動方式はレバー・ディレイド・ブローバックという、
レシーバ・ボルト・ボルトキャリアの三部品が二本の爪をもつレバー(てこ)を介して連結される構造の独特なブローバック方式を採用している。
ちなみにAA-52なる同じくフランス製軽機関銃に使われていた機構でもある。
この良く分からん作動方式で毎分900発という高速連射が可能。

AUGとは違いこちらはちゃんとセレクターが付いている。場所はトリガーの前方。
ここ
グリップから手を離すことなく安全位置からセミ・フルへと切り替えられる。

バースト射撃機構はユニット式となっており、このユニットにメインセレクターとは別のセレクターが付いている。
メインを「フル」にした際、「連射」と「点射」を使い分けることが出来る。

また現在各国で主流になっている40×46mm榴弾発射機は付けず、銃口の先に装着するライフルグレネードの使用がデフォルトである。
G2ではM203系のランチャーを付けられる様にはしているが・・・・・。 


○欠点と長所
比較的初期のブルパップ式ライフル故に、ブルパップ式特有の欠点は有名。
  • 全長が短いので照準線も短い
  • 排莢口の切り替えが瞬時に出来ない
(分解すれば可)

長所としては、連射時の安定性と集弾性が非常に高いことが挙げられる。
銃身軸線が射手の肩の下方に位置している形状、ブルパップ式の反動を制御しやすさ、独特な作動方式、これらの効果によるものである。

この為かFPSなどでは「FA-MAS>AUG」といった評価をされることもある。

現実では9mm型や分隊支援火器みたく改造できるので拡張性はAUGが上。
なのだが、セレクターの切り替えは二段目が重いAUGよりFA-MASの方がやりやすい。

愛着や使いやすさや慣れといった部分も少なからず関係するかもしれない。



〇モデル
F1…初期型。
G1…トリガーガードが大型化。
G2…1994年以降の改良型。NATO標準の30発弾倉とM20340mm榴弾発射機が装着可能。
Commando…カービンモデル。
Sniper…狙撃銃モデル。キャリングハンドルは排除。
Picatinny rail…キャリングハンドル上部がピカティニーレール


  • Felin
FelinにはG2をベースに昼夜兼用のサイトやデータ共有機能等が装着。
光学照準器が撮影した映像をヘッドマウントディスプレイに投影する機能が付き、遮蔽物に隠れたまま射撃が可能。米国のOICW※1対抗する為だろう。




○配備・採用

画像はF1型
フランス(陸・海・空軍の地上部隊に約30万挺)
セネガル
ジプチ
ガポン
アラブ首長国連邦(F1型)
フィリピン国家警察特殊部隊(G2型)
おい、ほとんど旧植民地じゃないか!とか言わない。
それなりに成功したAUGと比べると寂しいものがある



○登場作品
◆魔法先生ネギま! (原作)…絡繰 茶々丸
◆METAL GEAR SOLID…ソリッド・スネーク、リキッド・スネーク、ゲノム兵
◆The Divisionシリーズ…無印2とシリーズを通して登場。
その他、多くのFPS



〇エアガン
実は東京マルイの電動ガン第一号で、実銃同様に同社の製品よりも連射サイクルが早く、初期の電動ガンとしては出来がよい。

そしてFA-MASのトイガン化第一号でもある。「電動ガンが受け入れられなくてもFA-MASのトイガンとして売れるように」という配慮の結果なんだとか。

しかし欠点がない訳ではなく、他の同社の電動ガンと比べパワーが弱く、射程が短い。

また、初期の試行錯誤の結果なのか、「ピストンを元の位置に戻すスイッチ」が付いている。

外見はプラパーツが多く、ギシギシと音がする事もある為に強度に不安がありそうな印象を受けるが、いざ撃ってみると精度もそこそこあり、以外な程壊れにくい。

思い切り落としたりしなければ壊れる事はまずない。

価格も比較的安めなので興味のある人は是非買ってみる事をオススメする。




○いろいろ
※1 4軍(陸海空と海兵隊)共通の次世代軍用小銃のこと、又その開発計画。大まかに言うと、ハイテク兵器の思想・運用を歩兵レベルにも浸透させようという計画。

◆FA-MASの名前は「Fusil d' Assaut de la Manufacture d' Armes de Saint-Etienne」の略で「サン=テチエンヌ造兵廠製突撃銃」を意味している。
正しくは間にハイフンを入れるのが正しい。昔は「MAS-FA」と紹介されていたこともあったとか。

◆クロアチア製のVHS(別にビデオではない)というそっくりさんがいるが、作動方式もフレーム材質(ポリマー製)も異なり、外観以外は別物。


フランス軍はFA-MASから新たな突撃銃に更新することが公表されている。
次期制式銃の要求仕様が明かされるのは2013年の予定。



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最終更新:2020年08月08日 20:47