ジム(MS)

登録日:2009/08/13 Thu 09:03:56
更新日:2024/04/17 Wed 21:08:26
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「あっ……ガンダム?」

「いえ、あれはジムです、ガンダムの生産タイプです」



GundamModoki
Mass production
略してGM(ジム)

GM(ジム)とは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(MS)


▽目次




               ___fi
                jロ-。`ミ    /7 ___
             f「└┐r、}  // | r―‐ム
           _______ {f^iー┘、_j__ -‐…il |: :ir‐┴、
        { ゙̄Y´/{/辷Z≦〔〕{    j| |__i≧=イ
        ゚, |/__,冖、___/:|     /:l |_〔0:::::::0〕
           マ {三f‐┐{三z}: : l__r‐‐<l |: : i:::::::::l
         7‐i¨l:::::l  〕 ̄`ー‐ァマr‐、| |: : :i:::::::::l
         /三〉ム:::゚, }―‐{‐〈≦マZ:| l: : :.i::::::::::l
          _/ー' f―f=n――rr‐l〕ロ〕マz{ {: : : i:::::fi:::l
       〔::〕  ,'  | |:|    ヾ Lz」:{  ', ゚,: : :i::::| ',::l
        r'==、__{   | |:|    }:}___|  ', ゚,: : i:::j l_|
     r'::i::::::|:::::〕ヽ{_ {::ゝ、__,z<i〔Z_辷z_l  l: : i〔  r〉
     |「|i::::jUm|  i ̄i: :l|    i: : :.}f::〕::l l: : i:::} l|
     |l |i:::{oj-'r‐-、i: : } 八 __ i : : j∪>:l l: : i:::l l:|
     |l |:fj:}~ .,゚ ,' 〔__z〔 f  iヽ_,ィミ `¨´l l: : i:::l l:|
     |l」i::::|二| i ⊂(ヽ)、{  l 〔((i)_  | |_i__ijイ
     |:i:i__:j  { { f  ̄ ̄}マ  ', f  ム  廴__j_ -'
     7ム ij   ゚。 ', i    i マ  ゚, {    }
     {::::}    } } ' ,   /  V  ',ヽ  }
     |:::l    ,゚ i   Y゚l   }  ', ヽ_ノ
     |fij   /  i   l {   i   l ム
         〈  ,'  l  〉   |   l  ム
        / ̄〉ー-ミr‐〔   { 冂 i  〉
      __,イ>z、   { (ヽ)   / ̄ ̄i\r‐、
      <三>、_>‐≧=イ〕 /____i ( ( )
      `ーミ三三>‐'` ̄ ,イ    /`ー込z>
                〈三三三≧ニ彡'´
                  ̄ ̄ ̄´

【基礎データ】

型式番号:RGM-79
頭頂高:18.0m
本体重量:41.2t
出力:1,250kw
推力:51,740kg
センサー有効半径:6,000m
動力源:熱核融合炉

【武装】
60mmバルカン砲×2
ビーム・サーベル×1
ビームスプレーガン
ビームライフル
シールド
ハイパーバズーカ
ブルパップ・マシンガン
100mmマシンガン
スーパーナパーム

主なパイロット

  • 連邦軍一般兵
  • シン少尉
    • 味方機と共にソロモン要塞内部に侵入するも、ビグ・ザムと遭遇。ビグ・ザムの一撃の前に戦死する。
  • キリア・マハ中尉
  • サーカス・マクガバン少尉
  • ウィラー中尉
  • シャア・アズナブル
  • フランクリン・ノボトニー中佐
    • 一年戦争においてモビルスーツ43機、艦船1隻という撃墜スコアを残した。(戦略戦術大図鑑)
  • ユウ・カジマ
  • マスター・P・レイヤー
  • シャルル・キッシンガム中尉
    • モビルスーツ52機、艦船2の撃墜スコアが残る。(戦略戦術大図鑑)
  • デリス・ハノーパー少尉
    • エースの1人でモビルスーツ32機という撃墜記録が残っている。(戦略戦術大図鑑)
  • ジャック・ベアード少尉
    • USJのアトラクション「GUNDAM THE RIDE」の登場人物でMS部隊「ジャック・ザ・ハロウィン隊」の隊長。指揮官仕様のジムに搭乗する。
  • アダム・スティングレイ曹長
    • ジャック・ザ・ハロウィン隊の隊員で現場叩き上げのベテラン兵士。バズーカラックを増設したジムに乗る。
  • イチバ・ンノウリィ少佐
    • 量産型ジムを史上初めて実戦稼働させた人物…?
など


【開発経緯】

連邦軍は、一年戦争の序盤で国力の劣るジオンのMSにより 完膚無きまでボコボコにされた。
この件でMSの有効性に気付いた連邦軍は、先行していたRX計画に続くMSの開発・生産を目指す「V作戦」を発動する。

試行錯誤の結果ガンダム含むRXナンバーの試作機の開発は概ね成功。
(ガンダムの仕様から実戦データの収集も開発に組み込まれていたと思われるため、完全には終了していなかったかもしれない)
連邦軍上層部はV作戦各機、特に集大成である白兵戦用のRX-78ガンダムの高性能に満足していた。
最初はガンダムそのものの量産を望んでいたものの、ガンダムはMSの性能検証のためにコスト度外視で開発した、いわゆる『ワンオフ機』。
コストが高すぎる上に短期量産できないため、量産機として代替することになったのが本機、ジムである。

ジェネレーター出力や装甲素材などの質をガンダムより落とすなどにより、大幅なコスト削減に成功。
またガンダムは一機であらゆる戦場に対応できる万能機体*1だが、主に対MS用の中~近距離戦闘での運用に絞る事で必要最低限の機能に抑えている。
戦争後期から本格的に参加し、中距離支援機のボール、母艦兼遠距離支援用のマゼラン級戦艦サラミス級巡洋艦と共に連邦軍の主力として活躍した。
宇宙世紀における連邦の量産型MSの代名詞として最も有名とも言えるだろう。


…の、だが。
実は開発の経緯はかなり不明瞭で、ぶっちゃけ謎の機体
  • アムロの乗ったガンダムのデータを参考にした説
  • ジャブローにあった他のガンダムを参考にした説
  • 陸戦型ガンダムの運用データを参考にした説
  • RXシリーズのデータを元に先行量産型の発展型として誕生した説
  • 先行量産した陸戦型ジムの宇宙仕様として誕生した説
  • 元々ガンダムとのハイローミックスを期待されて用意していた説
  • ガンダムとの連携を予想して急ぎ作られた説
  • そもそもジムのみが実戦投入を予定されていた説*2
…などなど、40年以上経った令和現在でも未だに結論が出ていない。
制作サイドは なぜか連邦側をちっともメインに描かない ため、いつになってもジムやボールの開発経緯は不明確なままとなっている。
とはいえ「アムロの乗ったガンダムを参考にした」にしてはどう考えてもロールアウトが早すぎるので、その場合も元々開発が進められていた所にアムロ機の操縦データも流用されたと考えるべきだろう。
08小隊」などで登場して既に運用されていた初期型ジムの存在も考えると、開発はガンダムとほぼ同時と考えないと間に合わない。
こうなると「ガンダムの量産機」という設定も無かったことにはならないがふわふわしてくる。
一応、サイド7にホワイトベースが入港した時には既にジャブローで実機の第一号は完成していたらしい。

ガンダム公式サイトでは

「ガンダムの運用結果をフィードバックして製造されたとされる生産型白兵戦用MS」

という恐ろしくふわっとした解説である。
ガンダムの「機体設計」とか「製造データ」とかではなく「運用結果」であり、劇中でマチルダさんに戦闘データを渡した件を回収しているだけである。
「されたとされる」という「とされる」いる?な表現からも確定的な事を言いたくない感じがにじみ出ており、ジオン製を含む他のMS解説ではこんな表現は一切無い。
08小隊の陸ジムの様な「ガンダムの運用結果をフィードバックしていない初期モデル」の存在と矛盾しない解説とも取れる。
メタいことを言えば、それまでのスーパーロボットに比べれば遙かに緻密な設定を行ったガンダムでさえこの程度しか考えられていなかった訳で、時代の限界といえばそれまでなのだが。おかげで後付け設定がはかどりまくる

こんな有様なので、「RGM-79 ジム」を区別する際には『前期生産型』だとか、『先行量産型』もしくは『先行試作量産型』、はたまた『先行量産型の前期型、後期型』などなど…
全然一定していない上に「先行量産型」は別機で出てしまっているし、別の先行量産型ジムまでいる始末で、余計にこんがらがってくる。

ファーストTVアニメ&劇場版に限定した話をすると、ジャブローでジムを見かけたセイラに対してアムロが「あれはガンダムの量産型です」と説明していた為、少なくともファーストの原作設定ではガンダムの量産機で間違いない。
また、シャアはジャブロー潜入時にジムの生産設備を見て「連邦もここまでこぎつけたか」と発言しており、既にジムが様々な戦場で戦っているならば違和感のある発言をしている*3
しかし、ジオンのジャブロー攻略作戦が11月30日であり、これ以後に各地の連邦軍施設にジムが配備されたと考えると、作中世界屈指の大きな戦闘であるソロモン攻略作戦やア・バオア・クー攻略作戦まで一ヶ月もない間に戦車や戦闘機から人型ロボットに乗り換えて戦えと言われた兵士だらけ(一年戦争終戦は1月1日)、ということになってしまう。学徒動員兵inゲルググと何も変わんねえ*4

ただ、「ゲルググドムの動きが目立たないのは練度不足故」という発言があるが、裏を返すとジム隊はゲルググやドム以上の活躍をしていたはずであり(そうでなければ不振ぶりを口にはしないだろう)、連邦兵の練度が低いとは考え難い……。
一応戦闘機乗りなどからMS乗りになるのは容易という設定もあれば実例もあるため、そこで培った経験がかなり応用できたのかもしれない。
「兵器の形をしたそれらと違いMSは人型をしているが、人間と全く一緒ではない」「人間ならできる細かい調整が人型ロボットではできない」という辺りは特にベテラン兵には煩わしく思われたケースもあるらしいが、既存の兵器も戦術も通用しない情勢と実際の反転攻勢の勢いからそんな連邦兵も大体はすぐ適応していったと思われる。

万事こんな具合なので、地球連邦の活躍と歴史を正面から肯定的に掘り下げた作品が描かれない限り、連邦の勝利の立役者たるジムの真実はいつまでも闇の中、ということだろうか……


【基本性能】

ジェネレーター出力はガンダムより低いものの、ジオンにはまだ無かったMS用ビーム兵器を運用する事ができた。
更に推力はガンダムと同じなので軽いぶん単純な推力比は上回っている。

ガンダムからの変更は
  • コストの関係から装甲をルナ・チタニウム合金→チタン系合金に変更
    • 性能は落ちるものの、必要な資源をすべて地球上で調達可能=制宙権を押さえられても生産に支障なし
  • 同理由から教育型コンピュータの廃止
    • アムロの戦闘データをコピーしOS化してあるのでそもそも不要
  • 同理由からコアブロックを廃止(詳細は後述)
  • アイカメラ部分をガンダム式の完全独立ツインアイからガンキャノン寄りのバイザー式ツインアイに変更*5、ブレードアンテナも廃止
    • 頭頂部メインカメラはそのままなのでより索敵距離が伸び、オリジナルであるガンダムの性能を越えている*6
    • なお簡略化に伴い余裕が出来た為、頭部バルカン砲の装弾数は増加している
  • ビームサーベルは2本→1本に、ビームライフルは小型のビームスプレーガンにとメイン装備の低コスト化
    • 技量の劣る一般兵が乗るので、威力よりも弾数を重視したスプレーガンの乱射も効果的
  • ジェネレーターの変更。但し出力はガンダムの90%に達する
    • ほかの機体で比較するとだいたいドムと同レベルで、当時の量産機の性能としては十分すぎる
など。
基本劣化しているものの、アイカメラやジェネレーター出力、ビーム兵器の実装など、ガンダムに匹敵する性能も持ち合わせている。
また、

  • ガンダムが持つ各種モニタリング機器や大気圏突入用機材等の「試作機・実験機特有の装備」を省略
  • ガンダムでは汎用部品の組み合わせで作られていたコンポーネントを「ジム専用部品」に置き換える

などといった様々な量産向けの変更・進歩が為されている。
これらにより軽量化・部品点数の削減(=故障率低下、工期短縮、整備率向上)・部品の高集積化等を実現しており、「量産機の特権」が最大限に活用されている。

コクピットはカセット式コクピットブロックとなっている。
これはコアブロックシステムを廃止した場合、その構造から被弾時の誘爆率の高さを懸念する声があり、コアファイターを簡略化した同構造を用いる事で誘爆に対して改善を図るのが主な目的。
このためむしろ対弾性は向上している。
また軽微改装でコアファイターの搭載が可能(例:サンボルジム

ちなみにガンダムとの機動力や反応速度の違いについては特に設定されていない。
ただ敵視点でのアムロ搭乗ガンダムはいずれもジムと比べて困惑するほどに差がある描写であること、(仮にガンダムと同等の機動性だとして)ザク等と比べて機動性が大きく違う描写もないこと、 性能上の問題で開発された高機動なジム派生機の存在 (ジムがガンダムと同等以上の機動力や反応速度なら、何よりもジム・ライトアーマーなんて作られては居なかっただろう)から、ここらの実際の性能もガンダムよりいくらか劣ると見るのが自然である。*7
もちろんアムロの操縦技術が卓越している影響も大きいのだが、だからと言ってジムがガンダムと同等の機動力があるのかは明言されていないだけで可能性は低いだろう。
ましてはガンダムは全パーツが非常に厳しい水準をクリアされて厳選された高水準のものであり、また機体を支える外骨格たる装甲の材質からみても、ジムよりも遥かに上の限界性能を有していたのは確実である。


【派生、生産期等】

ジムはMS全体で見ても特にバリエーションが豊富で、一年戦争期のみでも以下の様に数知れない。

そして戦後もジム・シリーズは発展を遂げていく

ジムには先行量産試作型、前期生産型、後期生産型が存在する。
Bクラブ70号の『月刊MSジャーナル』によると、一年戦争において、派生機を含め3800機以上生産されたと言われる。
書籍『戦略戦術大図鑑』の設定では終戦時、MS類は実働可能機が8000機以上、生産中の機体が4000機以上あったらしく、ジムが何割かを占めている事になる。

生産性を最重視しコストダウンを徹底した結果、生産コストは ガンダムの約20分の1 にまで抑えられたという。
もっとも戦時中の兵器というのは費用を度外視して造られるのが常であり、この場合のコストダウンは製造工程や期間の短縮という意味も多分に含まれていると思われる。

ジオンが用途に合わせて多種多様な機種を生み出してきたのに対し、連邦はMSのほとんどをジム派生機で固め、生産ライン・整備マニュアル・操縦訓練等の規格化・効率化が高度に実現されている。
同一ニッチのMSで比較すると、ズゴックの部品でザクを修理することは困難だが、アクア・ジムの部品で通常型ジムを修理することは性能変化に眼を瞑れば比較的容易である。
一応ジオンでもその問題を解決するべく「統合整備計画」が提案されていたが、発令時期の遅さもあって殆ど有名無実となっている。

また、ガンダム同様に戦闘機と同一のユーザインタフェースを持つため、トリアーエズやTINコッドからの機種転換も容易く*8、機体のみならずパイロットの調達も迅速に可能であった。
当然、ジムの操縦に一度慣れてしまえば、どのジムに乗り換えても操縦に困りはしない。
この点は、旧来機種から操縦系統が違っていたために機種変換ができなかったゲルググと比較すると解り易い。

整備のし易さとも関連してアップグレードも容易であり、ちゃんとした基地で整備すれば、その時代の最新鋭MSにも引けを取らないジムとして強化することも容易。
戦後になっても、残存機はジムⅡジムⅢへとバージョンアップされつつ運用され、愛着を持つ兵士も多かった模様。

一方で、一部のエースパイロットはその性能に満足しなかったとされ、その結果エース用の派生機としてジム・スナイパーカスタムやジム・ライトアーマー等が開発された。

同じジムでもジャブローでの初期生産の前期型と修正した後期型があり、欠陥品のイメージは前期型は数優先の粗製乱造とも言われ、予想以上に要求スペックを満たすことができず戦局を押し戻すために生産行程を大幅に簡略化した機体で、所定のスペックもろくに発揮できず、設計を無視した機体すらあったとされ、一部資料では“粗悪品”とまで断じられている。
ただこれはあまりにもあんまりな上に、ガンダム世界で見ても無茶苦茶な部類の辻褄合わせなので、ガノタの間でも評価はかなり悪い。
(ワンオフの実験機などがジャンジャン湧き出ているが事故や動作不良を起こしている機体は損傷している機体と元々欠陥のある機体を除くとほぼなく、スペック通りに動くものが基本である世界観であることと、前述の通りジムの開発史に謎が多すぎることと、原作や年表重視で考えると時系列が無茶苦茶過ぎるというツッコミから)

ちなみにカタログスペックではどのモデルでもザクⅡを凌駕する。
いくら相手が旧式とは言え、ジオンがザクを開発するまで何年もかかったのに比べると、数ヶ月でここまでの機体を開発できた連邦軍の技術力は決して低くない。

大戦末期に開発された「後期生産型」はホワイトベース隊の実働データをフィードバックし、本来のスペックを発揮出来るように調整されている文句なしの機体。
こちらは基本に忠実な設計で、ジェネレーターも同型を使用しているにも関わらず各部の刷新によって出力は20%程も向上を見せた。
後期生産型にてRGM-79は本来のあるべきスペックを取り戻し、ようやく「完成」に至ったと言える。

後期生産型ジムはアッパーバージョンと局地戦仕様が複数拠点で並行して開発されていた。これらの開発にはデータの共有・フィードバックが行われていたようだ。
後期系ジムに属するオーガスタ工廠のRGM-79D「ジム寒冷地仕様」やルナツー工廠のRGM-79E「ジムE型」、ジャブロー工廠のRGM-79C「後期型ジム」などが似通った設計・外見なのはこのためである。


なお、バリエーション機を除けば腰のスカート部分はガンダムで見られる「フンドシ」状のパーツが無いのっぺりしたデザインになっているが、ここの解釈に関しては媒体によってかなり差異が見られるポイント。
設定画を尊重し一切の可動部位が無いブルマー状と解釈される場合もあれば、段差がないだけで左右で分割されているor平らなフンドシパーツが存在する、フロントスカート全体が跳ね上がる……など可動範囲を考慮した解釈がされる場合もある。


【劇中の活躍】

一言で言えば量産機としては同じ敵役のザクと同様、弱い機体であるという印象を持たれている。
本編では敵MSを撃墜する場面はあるものの、モブの性か見事にザクやドムにボコられていた。
  • 原型機たるガンダムが平気で耐えていたザク・マシンガンに撃ち抜かれる
  • シャアズゴックに胴体を貫かれる
  • ザク・マシンガンのストックで顔を殴られゴーグル部を砕かれる
  • ビグ・ザムのビームにボールやサラミス・マゼラン共々溶かされる
  • 蹴り飛ばされたボールと衝突して爆発四散
……など、特に防御・耐久力の無さが強調されている。
演出上の要因としては「敵側秘密兵器(ビグ・ザム等)が幾つも登場する為、その強さの引き立て役が必要」というものがある。とある漫画では「他にやられ役がいないから仕方なくジムがやっている」「ボールじゃ絵にならない」とぶっちゃけている
設定やカタログデータがどうあれ劇中では「連邦の雑兵」「単なるモブキャラ」扱いである。

初代「ガンダム」劇中でジムのパイロットが描かれたのはたったワンシーン、ビグ・ザムを前にしたシンのみであった。
セリフも「注意しろ、新型だ、デカいぞ」「ま、待て、相手の戦力を……」「び、ビームが、化け物だあぁー!!」の三つとあとは悲鳴のみ。
ジオンのパイロットは名無しのモブ含めても非常に多いのに、メタ的な意味でも扱いが悪かった。

しかし劇場版ではビームサーベルでリック・ドムを両断する勇姿が二つも追加された。
劇場版の印象深い場面や、その後の後付け設定の追加なども相まって、外伝やゲーム、小説で活躍するジムも増えてきている。
まあ、いくらなんでも「連邦軍が勝利しているのにホワイトベース隊以外は部分部分でも勝っている場面が描かれていない」というのは問題だったといえる。

作中の力関係は設定変更や描写でたびたび変化しており、ドムより少し劣る程度であったりグフ〜ザクⅡF2程度だったり振れ幅が大きい。
それでも、パイロットの技量にもよるがザクⅡには完全に優位という感じで概ね統一されてはいる。
逆に後発の新型機ゲルググはカタログスペックでガンダムに匹敵するだけあって流石に敵わないが、今度は操縦性の違いでゲルググのパイロットの質が低迷していったのに対し、ジムのパイロットの練度が跳ね上がり、性能差を操縦技術で覆す逆転現象が起きていた。
(そもそもゲルググの生産数が少なかった*9ため、活躍のしようがなかったという事情もあった)

外伝作品

初のガンダム外伝漫画の『機動戦士ガンダム0079』では戦力の一翼として活躍しており、ザクやドムを撃墜するシーンが描かれている。
主人公はジャブローでジムと初交戦するのだが、ビームスプレーガンを見てガンダムと一瞬勘違いしたほど。
なおこの時、味方を撃墜され怯えた部下に「相手はまだMSの操縦に慣れていないようだ、しかし僕たちは違う!勇気を持て!」と叱咤しており、(主人公も新兵上がりでまだベテラン手前といった所ながら)数機を撃破している。この時は連邦側も量産にこぎつけたばかりでパイロットはまだ完璧な練度とは言えない部分も見受けられた。

小説版ガンダム」ではビームライフルを標準装備し、ガンダムには劣るものの光る所もある優秀な量産機として活躍している。
特にキリア・マハ少尉のジムは、アムロのG-3ガンダムカイハヤトガンキャノンにもよく追随して多数のMSを撃破する活躍を見せていた。
ドズル艦隊との戦いでもアムロやカイ、ハヤトと共にビグ・ザムのビーム攻撃を回避し、さらに命中弾を当てて右足を破壊するという殊勲も上げた。直後にビグ・ザムと特攻をかけたグワジン級ガンドワの一斉攻撃に巻き込まれ撃墜されたが、「優秀なパイロットを失った」とクルー全員から惜しまれた。

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話では、オデッサ戦から宇宙圏に脱出してきたジオン軍の敗残兵の追撃・捕縛役として、ルナツーから飛来したジム6機が登場。機体のデザインはプラモデル「マスターグレード ジム」のものが使用されている。
登場時はそれまでボールしか見たことがなかったオリヴァー・マイが「首と足があります!」と発言するなど、ジオンに対し地球連邦軍も本格的な量産型モビルスーツを投入したことを認識させた。
このジム部隊はヅダ2機と交戦し、ヅダ1機の喪失と引き換えに全滅した。
この戦闘において加速し続けるヅダとデッドレースを繰り広げた際、複数のジムがヅダより先に空中分解を起こして自壊している
「ジムが加速しすぎて空中分解」というのは設定上や他作品で見られない描写のため、ジム好きの中でたまに話題になることも。*10
ちなみに『MS IGLOO』におけるジムはその物量でジオン軍のモビルスーツを撃破するなど、他作品に比べ活躍している方であるが、ジムのパイロットのほとんどがチンピラじみた悪役として描かれているという特徴がある。
これはIGLOOがジオン側主人公の物語で連邦側にネームドキャラがほぼおらず、モブのジムパイロットのキャラ立てのためにこのような性格としたと監督が語っている。

映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』でも…まぁやられ役として登場。少なくとも作中に出てきたジムは全員やられている。
だが彼らはドアンサザンクロス隊と言ったエースにはやられていたが雑兵のザク相手には優位に立っている描写がある。
スレッガー機も高速で動き回るルッグンを難なく撃破しており「ジムは一部エース以外には脅威」である事が描かれている。

指揮官仕様のジムが登場する作品もある。ビームサーベルを2本装備しているのが特徴で、『GUNDAM THE RIDE』でのアダム・スティングレイ機や漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』でのクワトロ・バジーナ機などがある。
「二本差し」の通称で呼ばれ、そのシルエットからガンダムと誤認した例もあるとか。
また、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』では、膝や腰の装甲形状の変更や通信アンテナの追加など、デザインの異なる指揮官機が登場している。


【武装】

  • 60mmバルカン砲
牽制・ミサイル迎撃用の頭部バルカン砲。
ガンダムと同一のものだが、諸々を簡略化されて頭部の構造に余裕があったために装弾数が増量されている。
と言いつつ装弾数はガンダムと同じ50発とする設定もある。
TV版本編では全く使われなかったが、劇場版ではリック・ドムに白兵戦を仕掛ける際に使用する場面が描かれている

もはや説明不要のビーム
ガンダムのものとほぼ同じだが、ビームジャベリン機能付きの物はあまり出回らなかったらしい。多分使いにくいから。
また標準機だと1本しか装備されていない。(指揮官機は2本差し、後の機体でもよほど低コストだったり設計上の制限がある機体以外は複数差しが基本になっている)
これはガンダムが2本同時に用いて戦う機会がごく稀であったため、2本も要らないと判断されたという説もある。
いずれにせよ複数差しは、(機器不調時や腕の位置の都合等に対する)予備目的が大きいため、結局はただのコストカット要素と思われる。

装備箇所はバックパック左側。これは「右手に銃を持ったまま左手で抜刀できるようにする事で、武器の持ち替えというタイムロスをなくすため」という理由から。メタ的にはザクの右肩シールド同様、設定画の都合(左前方/左後方からの視点だけで描く)かもしれない
だがその場合、左手のシールドは投棄するか、結局バックパックにマウントして持ち替えるかになるのでかなり心もとない感がある。
そのせいか劇中では接近戦において「サーベルを抜かず、構えたシールドを敵に叩き付ける」という場面さえある。
ちなみに多くのゲームや映像媒体では右手で抜刀・帯剣している姿が非常に多い。
『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』ではシールドでジャイアント・バズを防御、すかさず空いた左手で抜刀し相手のバズーカを叩き切るというこの想定に近い使い方を見せている。

  • ビームスプレーガン
    型式番号:BOWA BR-M-79C-1
中距離~近距離用の拳銃型ビーム砲。
初代TV版や初期ガンプラにおいては、これとビームサーベル・シールド(+頭部バルカン)が「ジムの装備」一式として扱われている。
量産が難しいビームライフルの簡易生産型で、ピストル並に小型。
ガンダムやガンキャノンのビームライフルに比べて出力と収束率・射程で劣るが、一発あたりのエネルギー消費は少ない。
このため装弾数が多くて連射性能や速射性は勝るので扱いやすさは上回る。*11
極めて希少な例ではあるが、 両手に持って二挺拳銃のように使用することも可能。

威力は低めとはいえ製造開始当時の対MSの中~近距離戦では充分であり、劇中では乱戦の内にザクやドムを撃ち落としている。
但しゲルググ以降の新型MSは装甲またはシールドに対ビーム処理を施している場合が多く、ほとんど通用しない。
そのため嫌でも接近戦を挑まなければならない事も少なくなかったという。
また、ビームの減衰が激しい地上戦では使えない訳ではないがあまり装備されず、地上用の改良モデルや実弾マシンガンを携行する事が多かった。

これまた開発経緯や設定が不明瞭な装備であり、上記のビームライフルのデチューン品という設定の他にも諸説ある。
ビームライフルの開発が上手く行かなかった場合の保険として、平行して開発されていたガンダム用の武装を流用したという設定など。*12
一応、どの説でもビームライフルより性能は劣るとされているが。

後付け設定ではあるが、基本的な単発のビームを撃つ「シングルショット」以外に、面制圧用の「バーストショット」、ビームを拡散させ広範囲にダメージを与える「レンジショット」という3つのモードを使い分けられる。
幾つかバリエーションがあり、地上用やセンサー類などで型番が振り分けられている。
主に前期型ジムがC-1型、地上用(陸戦用ジムやデザートジム等)のC-2型、後期型ジムやジム改などは小型でセンサー付きのC-3型。
名称に関しては諸説あるが、「スプレーガンに形状が似ていたから」「収束率が低く、ビームが散るから*13」などの説が有名。

後期生産型では、すぐにビームガン系に取って代わられた。
その後は技術革新もあってビームライフルの量産が容易になった事や、連邦兵全体の練度の向上により、扱いやすさ優先のこの武器は早くも役目を終える。
そもそも大量生産されたにも拘らず対ビーム技術が未発達の時代でも後述のジムマシンガンに取って代わられている事から、威力や射程は結構深刻な欠点(ジムマシンガンの方が総合的に強力)だったのではないかとも思われる。
なお後年、量産型νガンダムが同名の武器を装備している。形状だけなのか関連技術を用いているのかなど、関連性は不明。


  • ハイパーバズーカ
    型式番号:BLASH HB-L-03/N-STD
380mm口径の大型無反動砲。ガンダムの物とほぼ同じだが、大型のサイトスコープを省略した簡易型モデルとなっている。*14
ロケット弾なので弾速が遅く迎撃される可能性も有り対MS戦には使い辛いが、ジムが扱える武器でも最大の火力を持つので対艦戦や要塞攻撃に使用された。

機体によってはバックパック右側に専用バズーカラックを増設した「バズーカラック仕様」と呼ばれたものも存在した。


  • 90mmブルパップ・マシンガン
    型式番号:HWF GMG・MG79-90mm
コロニー内での戦闘を考慮して開発された小口径の実体弾武器。ジム系御用達のため“ジム・マシンガン”の愛称を持つ。
ビーム兵器より威力は劣るものの、ビーム攪乱幕や大気の状態に影響されないという利点を持つ。
マガジンは銃体の上部から挿入され、全弾を打ち尽くした時点で空になったマガジンが自動排出される仕組みになっている。
なお実在のブルパップ銃と違いマガジンが下部取り付けでは無いため、サイトを用いた精密射撃は構造的に不可能。まぁそもそもMSの目で直接サイトを覗く必要なんてないのだが。(武器のセンサーとMSを連動させる事でスコープを機能させている)

初出作品ではRGM-79GとRGM-79SPの専用装備という扱いだったが、後発作品が登場するにつれてそれ以外の連邦軍第1世代MSもしばしば使用するようになった。
宇宙艦隊所属やコロニー守備隊の機体が使用している場面が多いが、使い勝手が良かったのか一年戦争後は地上基地のMSにも配備されている。
『IGLOO』やゲームのムービーでも装備した機体が登場している。


  • 100mmマシンガン
    型式番号:YHI YF-MG100
陸戦型ガンダムや陸戦型ジムのものと同じ、MS用実体弾マシンガン。開発はミライさんの実家であるヤシマ重工。
小型で取り回しに優れ、対MS戦だけでなく対空戦にも有効。
主に地上部隊に配備されていたが、戦後の規格統一で90mm系統に負けて姿を消してしまった。


  • ビームライフル
    型式番号:BLASH XBR-M-79-07G
ガンダム用に開発されたビームライフルだが、ジムでも一応使用可能。
但しこれは高出力のガンダムの為に開発された物でかつガンダムでも機体のジェネレーター機器類が全て揃って始めて運用可能になる代物*15なので、ジムが使うのは非推奨だったようであり、装備した場合ガンダムよりも高い制限が課せられる状態だった可能性が高い*16
また高価で生産数も少なく、装備出来た機体は極少数であった。
劇中では、ジャブロー防衛戦においてシャア専用ズゴックと対峙したジムが持っていたが、腹部を貫かれたシーンでは手持ちの武器がビームスプレーガンに入れ替わっている事がよくネタにされる。
というかこのシーンのジムは「ビームライフルを撃つ瞬間、左手のシールドが消える」「貫かれた瞬間シールドが出現し、さっきまで左側にマウントされていたはずのビームサーベルが右側に移っている」と、割と作画崩壊している。まあ『機動戦士ガンダム』では割とよくあることだが……
ちなみに小説版『機動戦士ガンダム』ではジムはビームライフルを標準装備としている。

この他にも陸戦型ガンダム/陸戦型ジム用のXBR-M-79E型も使用した例が僅かながら残されている。


  • スーパーナパーム
諸元表にてこの装備を記載した資料もみられる。
ガンダム用との違いは不明。そもそもガンダム用のものも謎が多いので…。


  • 対MS戦用シールド
    型式番号:FADEGEL RGM-M-Sh-003
ガンダムのものと同型で、意外かもしれないが材質も一緒(ルナ・チタニウム合金製)。
他にも表面の十字マークが簡略化された廉価版の007型も存在し、そちらはコストダウンのためにチタン合金製に変更されているが、裏面にラッチを備えて汎用性が高められた。
劇中やゲームではシールドを構えているのにザク・マシンガンでシールドごと撃ち抜かれたのか撃墜されるシーンがあったりするが、防御力の高くないジムにとっては生命線であり、外伝作品ではザクの攻撃を全く受け付けない脅威的な防御力を見せつけ、初めてジムに遭遇したジオン兵を動揺させる様子が描写されている。


  • その他
一部の作品ではこれら以外に陸戦型ガンダムや陸戦型ジムと同じ装備(ショートシールド等)を用いる機体も存在し、戦闘地域や部隊によって適宜カスタマイズされる事がわかる。
元々ジム自体が汎用性の高い仕様であることから不自然さは感じさせない。


【カラーリング】

基本的に胸部と肩部がレッドで他はミントグリーンを基調としているが、この彩色が地味に安定していない。
設定画の彩色だとミントグリーン、リアルタイプカラーだとホワイトだが、実際の映像ではやや灰かかった白で描かれている場面も多い。
この辺は媒体によって異なるが、立体物だと緑を強めにする傾向がある。*17
ガンダムの白とは似ても似つかないこの微妙なグリーンはジム自体の立ち位置も相俟って「弱緑」(よわみどり)と呼ばれる事もある。

一年戦争以来のベテランパイロットにはこのカラーリングに愛着を持つ者もいたらしく、乗機のジムⅢを初代ジムカラーにした例も確認されている。

なお、アニメ本編だとどのカラーパターンでもシールドのふちとサーベルグリップはホワイトに描き分けられている。
やはりガンダムの流用品だからだろうか。


これらの基本カラー以外にも、オーストラリア戦線で活躍したホワイト・ディンゴ隊の濃淡2色のグレーやジムの稼働データ収集を行っていたギャザーロード隊のブラック&ホワイトなど、部隊毎のパーソナルカラーで塗装されたケースもあった。

ジオン軍のように「個人カラー」ではなく「チームカラー」というのがジオンと連邦の違いであろう。


【バリエーション】




【ジムの流れを汲む機体】



ガンプラ

放映当時は1/144と1/100と1/250情景模型のみであったが、後にMG(2回)、HGUC化された。
特にHGUCはガンダムに先んじて発売された。

HGUC版はHGのモビルスーツ(サポートメカや武器セット、プチッガイを除く)全体で、価格が700円(定価/税抜)とズゴック(MS)、シャア専用ズゴックと並び最も安く、小隊買い(3機買い)しても2100円(定価/税抜)とお値打ち価格。
だからと言って安かろう悪かろうではなく、つくりの古さは感じるが可動、色分けなど全体のつくりは良好である。作りやすく、安価なためガンプラ初心者におすすめのMSである。

かつて、富士急ハイランドの『ガンダム・ザ・ライド』限定商品としてHGUCジム2体と大型脱出挺をセットにした、「ジャック・ザ・ハロウィン隊」仕様(HGUCジム ガンダム・ザ・ライド~ア-バオア-クー)が発売されていた。
ただ、ハロウィン隊のジムはビームサーベル2本挿しの隊長機仕様とハイパーバズーカの専用マウントラッチの付いたジムの為、イベント仕様と銘打ちつつ全く再現できていない。
ちなみにこのキット、現在では、かなりのプレミア価格で取引されている。

MGもMGガンダムVar1.0のランナーを流用しているが、「ガンダムより高くなっては量産機ではない」と、通常のランナー流用とは違い不要パーツを極力排除して低価格化に成功している。
そのためMGジムの登場以降、金型改修でMGガンダムVar1.0のA/Bパーツのランナーの構成が変わっている
またMGジムVar2.0はMGガンダムVar2.0譲りの可動域を誇る。

SDガンダムシリーズにおいては30年以上の歴史を誇りながら一度も単体発売されたことがないという伝統(?)がある。
(ジム・カスタムなどの派生機や三国伝での雑兵としてのキット化、SDCSのジム頭パーツなどは存在する)

大体シャアザクのついでに金型流用で発売されるザクとは違い、新ブランドでのキット化は時間がかかったり、そもそも出ないこともしばしばある。
理由としてはガンダムのキットは値段を抑えるためにランナー配置に余裕がないこと、ガンダムと完全に流用できるのが腕と太もも、足首、シールドくらいで案外共通部品が無いこと、頭部のカメラがクリアパーツかシールとなるためコストがかかることなどが挙げられる。
連邦兵は泣いていい。


【ゲームでの活躍】

ギレンの野望シリーズ

連邦軍編では開始直後だとMSを生産出来ないので、ザクを主力にしたジオンを相手に相当厳しい戦いを強いられる事になってしまう。
1ターン目から提案されるV作戦が終了すれば本機の量産が可能になるので、追加予算をつぎ込んででも早急に終了させ、いかにして早く本機を生産出来るように出来るかが攻略の鍵となる。
本機の量産体制が整えば、これまで苦しかった状況が一転して好転するので、それまでは航空兵器や戦車で何とかして耐えしのごう。

但しV作戦を実行し「RXシリーズ回収計画」を承認した時点で、史実通りパオロの戦死が確定してしまう。
彼を戦死させたくなければV作戦を実行した上で、「RXシリーズ回収計画」を承認しなければいい。
艦長として非常に有能な人材なので出来れば死なせずに済ませたい所なのだが、そうなるとガンダムとホワイトベース、Gアーマーが開発出来なくなるという非常事態に陥ってしまう。
さらにホワイトベース隊を結成出来なくなってしまうので、ジオン軍のパイロット大量抹殺orアムロたちの早期加入も諦めなければならなくなってしまう。
確かに有能な人材である事は間違いないのだが、真剣に攻略を進めるのにあたって、そこまでして彼を生き残らせる価値があるかどうかとなると…。
純粋に損得だけを考えるのであれば、可哀想だがパオロには犠牲になって貰おう。

逆にジオン公国軍編の場合、序盤は連邦軍にMSがいないのでヒャッハー出来るものの、だからといってチンタラやってると連邦軍に本機を量産され、あっという間に形勢を逆転されてしまう。
本機の量産体制が整うまでに、いかにして電撃作戦で多くの領地を支配出来るかが攻略の鍵となっている。

本シリーズではこのように基本的に重役出勤なので、性能は明確にザク系統より上、何ならドムと互角以上に張り合えるポテンシャルになっている。
ジムの「カタログスペックはザクより強くドム並」という現代の価値観は概ねここで築かれたと言えるか。

スーパーロボット大戦シリーズ

後輩であるジムⅢやジェガンが出てくることが多いので、元祖ジムが呼ばれることはめったにない。
数少ない登場作である『第3次』ではガンタンクとGファイターの代わりに3機ホワイトベースに配備されているのだが、恐ろしく貧弱でザクより弱くドラッツェよりはマシ程度の性能しかない。
少し進めればネモが配備されるし、ハヤトとリュウは確定で、セイラもクワトロと択一で抜ける為、出撃させないのが一番いいかもしれない。
スーパーロボット大戦GC/XOでは少しマシな性能になっているが、NPCが乗ってくるやられ役という印象が強い。

各種派生機もあまり出番がないが、不死身の第四小隊のおかげでジム・カスタムとジム・キャノンⅡはかなり出番が多く、作品にもよるがそれなりに戦える。

SDガンダムGジェネレーションシリーズ

ジム系の開発ツリーの始祖として間違いなく大量生産することになる。
シリーズ通して非常に弱く設定されている。基本性能はザクⅡとほぼ同等(わずかに増し)でグフやドムにも劣り、しかも武装面ではビームサーベル・バルカン・ビームスプレーガンのみでハイパーバズーカさえ装備されない。
ビームスプレーガンは命中率こそいいが威力・射程に乏しく、耐ビーム属性持ちの敵にも弱い。そして始祖がこのせいでか、ジム系MS全般でバズーカを装備するのがほとんどいない(ほぼジム改のみ)という事態になってしまっている。
基本性能は後から補強できる分、セイバーフィッシュより弱いとも言える。バズーカさえ採用されれば違うのだが。

GUNDAM EVOLUTION

初期から使用できる機体として参戦。
シールドを構えつつ射撃可能なビーム・スプレーガン、設置後に任意爆破できる炎上爆弾、着弾点周辺の味方を回復するリペア・グレネードを持つ。
シールドの耐久値は1300と本体耐久値の800を大きく上回る数値を持ち、これを使ったシールドバッシュも攻撃に含まれている。
反面、ブーストゲージが1しかなく、シールド使用時は移動は歩行のみと戦闘時の機動性では他機体に劣ってしまうのが難点。
Gマニューバはホーミングマイン。5基のグレネードが投擲後に浮遊し、近くに来た敵機を追尾して爆発する。拠点争奪や爆弾設置などピンポイントで守りたい箇所にばら撒くと非常に厄介。
タンク役として前線で機能しやすい性能だが、同じ役割のサザビーと比べて火力で劣る分ヒットボックスの小ささと小回りの利く武装類で勝る。

機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…

パッケージを飾るのが部隊専用カラーの渋いジムという当時としては極めて異色の作品。
初期機体なので安かろう悪かろうを字で行く性能でしかない(一応機動力は高い)が、それでも純粋なRGM-79を駆り、部隊一丸となって協力して性能面で優れる(が故にチームプレイを重視していなかった)ジオンのMSを倒していくというゲームデザインはガンダム世界の設定面でも「ジムを擁する連邦が勝利できた理由」を強く補強するものとなった。

ちなみに本作のジムはビームスプレーガンがダウンロード特典となっており、基本武器は100mmマシンガンかロケットランチャー(いわゆるハイパーバズーカ)。

機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡

原作通り大量生産されており、さまざなミッションで登場。連邦編では大して登場せず、そもそも操作機体が優秀なのであまり頼りにならないが、ジオン編では一転して戦場を問わず多数が配備されている。
単体ではザコ敵だが、基本的に集団ないしガンダムタイプに追従して襲いかかってくるため、レベルや数次第では侮っていると痛い目を見かねない。
中でもエース機やハイパーバズーカを装備した機体はなかなかの強さを誇る。

アムロ編「ジャブローに散る!」をSランクでクリアすることで入手可能。このミッションでは原作におけるビームライフルとビームスレーガンの作画ミスまで忠実に再現されているという気合い(?)の入れっぷり。
優秀な機体の多い連邦軍では決して満足な性能とは言えないが、ガンダムに比べて60mmバルカンの弾数が2倍、入手経験値補正が1.5倍に増加している。本作ではビームサーベルがバックパックの右側に装備されている。
一部のミッションではビームライフルを装備した機体が登場するが、NPC専用なのでプレイヤーは使用できない。
ラル編のEXミッション「ハードコア」ではクリス・エレドア・ミケル・カレン・サンダース・ウッディ・スレッガーも搭乗する。


【余談】

アニメの作画設定は、富野監督のラフスケッチを原形とし、大河原邦男がほぼそのままの形で仕上げるという形で作られた。
ガンダムを原形に、短時間のうちに沢山描きやすいよう、顔面を中心に線と塗り分けを減らす方向でデザインされている。

ちなみにガンダムの足音は「ガシャン、ガシャン」と巨大ロボットらしいものだが、ジムの足音は映像作品やゲームによっては 「ぽふん、ぽふん」とも形容できる気の抜けるようなもの だったりする。


ガンダムエースの漫画『追憶のシャア・アズナブル』には、とあるジムのパイロットが登場するが……


同じくガンダムエースの漫画でギレン暗殺計画の関連作『光芒のア・バオア・クー』ではオラース医師(元ジオン衛生兵)やグレッダ(元連邦軍パイロット)のインタビューの中で登場。
ア・バオア・クー戦にて、撤収するオラースと負傷兵に迫る破片群にシールドを構え、彼らを守った。

負傷兵の中に連邦の兵がいたから助けただけなのか、それとも……


特徴的な頭部のデザインから、ネット上では"(凸)"や"凸"と表されることがある。
凸という字がメインカメラのゴーグルの形状に似ていることから来ている。




                。冂 。丶     へ
                ´-冖―γヽ   //
               |-冖―人丿 //
        | ̄ / ̄/三三三/  ̄ // ̄ ̄F/======ミ
        \ /__   ___/ /__/// __ ||
   __   | 〔三 /_/〔三三〕 \   | // [ [⊂⊃] ||
 _| |⊆⊇\ |  L_■  L__ | ̄ ̄ |// _  ̄ ̄ ̄ ||
◎ )) _ ̄ ̄)\  L_■ L__| ̄ ̄ // _[0     0]
   ̄| Lっc了―,◎ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ //          ||
     ̄(彡」|_丿 |         |  //           ||
        ̄   |__|_|___|  | |      ∧    ||
            |    |   __| ______  ||
    ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)  ___)___) ||
       ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄\\∩ノ\\  =| ||
            |     ||_  皿皿皿  \\ =|||
          | ̄ ̄|\ 丿| / ̄     ̄\  ̄ ̄ ||
          |   |  |0/           \  ||
          \    / /    ――――――\||
 //◎\     |   /_|___       @)  |⌒|
   ̄| ̄| 「      |   | /  \|           | |
   \\|◎))\   |   | | (  ) |―――― ( ̄0) _|
      ̄  \  \| ̄ ̄| \  /|      ( ̄ ̄0) |||||
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最終更新:2024年04月17日 21:08

*1 機能拡張の為のコア・ブロックシステム、中・長射程に主眼をおいた高出力ビームライフル、単機での大気圏突入機能など

*2 よってガンダムと平行して設計・生産された全くの別系統機とする説

*3 ジムの本格投入時期は、おおむねガルマ謀殺前後とされることが多い(初期型の登場時期もその頃)。そしてシャアは、ガルマ謀殺前はホワイトベース隊にかかりきり、ガルマ謀殺後は戦場から遠ざけられていたため、このジャブロー潜入時点で(噂にしか聞いていなかった)ジムを初めて見た、という解釈も一応は成り立つ。

*4 学生上がりの完全な「素人」の学徒兵よりも数年間は戦車や戦闘機を乗り回していた腐っても「プロ」である連邦兵の方が「兵士」としては遥かにマシ……と言うよりこの差はかなりでかいが。

*5 よく勘違いされているがガンキャノンとジムの眼部センサーはバイザー式のデュアルアイカメラ(バイザー下に独立したアイカメラが存在する)で他のジム系列によくある「バイザーの下全体が直接光学センサー」式やジムコマンドやジェガンで採用されている「バイザー下はモノアイ」形式ではなかったりする

*6 但し、完全独立式ツインアイの方が視差による立体視的なセンサー精度が高く射撃と白兵が頻繁に交錯する状況に対応し易いので一長一短である。余談だが他作品の例を見るにアイカメラの方式変更の改造は容易な模様

*7 「THE ORIGIN」では、コアファイターが改装中だったガンダムの代わりにアムロがジムに乗った時、スピードやレスポンスが劣るためガンダムなら避けられた攻撃を回避できなかったというシーンがある。これに関してはアムロ自身がジムに慣れていないことも大きいだろうが(急に強奪するような勢いで飛び乗ったため)。

*8 但し操縦インターフェースが同じだけで機体の挙動、機動・運動特性などは大きく異なるのでザニーやジム・トレーナーなどの教習機での訓練は必須である。

*9 ア・バオア・クー戦に参加したのは67機だとか。

*10 なおヅダの欠陥は機体強度の欠陥による空中分解ではなく、速度制御の欠陥でブレーキが利かなくなることである。本編内の描写だけで見れば(ジムの強度はともかくとして)矛盾はない

*11 これは当時の連邦兵がまだMSそのものに不慣れで、ワンショットキルなビームライフルは扱いが難しかったためでもある

*12 ちなみにこの説はガンダムの番組企画段階でガンダムの前身のロボット、ガンボーイの主力武器としてデザインされていたビームスプレーガンをジムの武装として流用したのが元ネタ。

*13 とはいっても、一部のゲーム以外では普通に直線状のビームを発射している。

*14 ただし、ガンダムも本編中ではスコープ無ししか使用していない。

*15 Gブルなど機体構成が半端な状謡では使用不可。

*16 一射毎のインターバルが長くなる、ジェネレーター負荷が高まって動力不足で手足の動きが鈍くなる等々が推察できる

*17 HGUCだとパッケージではホワイトなのに実物はミントグリーンになっている。