ジム・カスタム/ジム・クゥエル

登録日:2011/12/27 Tue 10:07:43
更新日:2024/01/16 Tue 20:52:21
所要時間:約 5 分で読めます





ジム・カスタム及びジム・クゥエルとは、ガンダムシリーズに登場するMSである。






そういう時は身を隠すんだ!


                        _  i       r、
                     ,rウ‐-ヽ|.   __   _」 ヽ、
           __r┬‐┐lLl-‐j ゴ!  「 「 ̄_r'  l i
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            ト,_,_|i≡イ二7l≡≡! ヒ^ニ-' 〈{|    |j
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ジム・カスタム

 GM CUSTOM

【性能諸元】

型式番号 RGM-79N
所属 地球連邦軍
ティターンズ
エゥーゴ
シュテンドウジ →マリア・シールド社
開発 オーガスタ研究所
生産形態 量産機
頭頂高 18.0m
本体重量 42.0t
全備重量 57.6t
出力 1,420kw
推力 30,000kg×2
1,870kg×4
総推力 67,480kg
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
武装 頭部60mmバルカン砲×2
90mmジム・ライフル
ビームライフル
ビームサーベル
シールド
主なパイロット サウス・バニング
アルファ・A・ベイト
ベルナルド・モンシア
ユージン・コズラウスキー



【機体解説】

一年戦争時の地球連邦軍の主力モビルスーツ(MS)であったジムの性能向上機として戦後開発された機体。
同時期に開発されたジム・キャノンⅡは本機と生産ラインの大部分を共用している。

開発したのはガンダムNT-1、通称“アレックス”を開発したオーガスタ研。
アレックスで培った技術をフィードバックしており、
  • ゲルググMやドム・トローペンを容易く蜂の巣に出来るマシンガンであるジム・ライフル
  • 通常のジムを遥かに上回る推力
  • ガンダムタイプ並みのジェネレーター出力
を持つ、高いレベルでバランスが取れた“簡易量産型アレックス”とも呼ぶべき高性能MSである。

それだけの高性能機でありながらビームライフル系統の武装が設定にすらないことは謎だが、前述の性能からして使用できたのは間違いない。
ファンの間では
  • 当初は大気圏下での作戦だったためビームライフルを用意していなかった
  • ジオン残党であるデラーズ相手にはジム・ライフルで十分なため必要としなかった
  • ビームライフルの技術がまだ発展途上だったためガンダムタイプにしか回せなかった
などの諸説がある。
実際、エゥーゴの機体はジムⅡなどと同じBR-S-85-C2タイプのビームライフルを持っていた。

高いレベルでバランスが取れていて性能に突出した部分が無く、アンバランスさが無い。
コウ・ウラキ少尉の特長がないのが特徴という発言が全てを語っていると言っても過言ではない。
事実、本機のパイロットが一年戦争中でも最高峰の性能を持つゲルググMを相手に「旧式のゲルググが相手なら楽なもんだ」と発言する程であった。
ただ防御力は従来のジムとそんなに変わらないのか、作中ではダメージを受けて手脚が吹っ飛ぶシーンが何度か見られた。*1


しかしそんな高性能になって開発コストが安い筈が無く、結局配備されたのは一部のエースパイロットのみに留まった。

その上デラーズ紛争終結後に生産ラインがティターンズの管轄下に置かれ、若干の設計変更をされたジム・クゥエルに切り換えられてしまった。
だがグリプス戦役が舞台の『機動戦士ZガンダムⅢ A New Translation -星の鼓動は愛-』にてエゥーゴカラーに塗装された機体が登場しているあたり、少数ながら現存していたようだ。

ジム・カスタムから誕生した(最初から仕様通りに設計された)高級量産機という概念は、後にジェスタハーディガンなどに受け継がれていく。


主な登場作品はOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』。
デラーズ紛争中に活躍、同事件を通してペガサス級強襲楊陸艦“アルビオン”の艦載機として最後まで戦い抜いた。

また、コミック『スーパーロボット大戦IMPACT 衝撃騎士団』第3話の主人公ユージン・コズラウスキーの搭乗機としてオリジナルの強硬偵察仕様機が登場するなど、意外なところで活躍したこともあった。



【武装】


  • 60mmバルカン砲
伝統的に頭部に2門装備された近接戦闘用機関砲。
ジム・カスタムは指揮官機としての運用を想定して通信ユニットが大型化しているのでジム改などに比べて装弾数が少ないとされる。

  • ビーム・サーベル
    型式番号:XB・G-1019H
近接格闘戦用のビーム兵器。
バックパック右側に1本だけマウントしている。

  • ジム・ライフル
    型式番号:HFW-GR・MR82-90mm
ホリフィールド・ファクトリー・ウエポンズ社が一年戦争中に開発したHFW-GMG·MG79-90mmジム・マシンガンの改良型。
システムウエポン構造であったジム・マシンガンの利点を活かして弾薬及び機関部、グリップなどの中枢部を流用しつつ銃身の延長によって発射速度・射程距離を強化した。
外観もサブマシンガンに近いものからアサルトライフルに近い形状となっている。また、連射・単射の撃ち分けも可能。

ジム・マシンガンと同じ弾薬且つケースレス式でありながら、弾速の向上によって実弾兵器ながらドム系・ゲルググ系の装甲も容易く撃ち抜く優れた貫徹力を発揮した。

ただ、マガジンがストック下部に挿入する構造なので取り回しはあまり良くなさそう*2だが、なんやかんや0090年代中期に入っても地上部隊では使用されていた。

  • シールド
    型式番号:RGM・M-Sh-ABT/S-0057
ジム・コマンドなどが使用していた曲面型の対MS戦用シールド改のアップデートモデルを用いる。
大戦中の物に比べて機材などが更新されているが、機能的に変更などはない。

だが、ビームスポットガンやビームバズーカくらいなら防げた一年戦争中のそれに比べて『0083』劇中ではあっさり砕かれるシーンが散見された。
戦後だからって素材とかケチってない?

  • オプション
リブート作品である漫画『0083 REBELLION』では複数のオプションが登場した。

  • ビーム・ベイオネット
ビームの銃剣。ライフルのアンダーバレルに装着する。
  • グレネードランチャー
アンダーバレル式のグレネードランチャー。
  • ロングライフル
銃身、ストック、スコープ一式。ジム・ライフルを長距離向けに対応させる。
  • スパイク
シールド先端に装着するスパイク。

ジム・マシンガンやハイパーバズーカなど連邦軍規格のMS用装備はおおよそ使用可能。
ビームライフルも使用可能で、専用モデルなどはないが、エゥーゴ所属機がジムⅡ等が使用するBOWA・BR-S-85-C2型を用いていた。



【バリエーション】

  • ジム・カスタム高機動型
    GM CUSTOM High Maneuver Model

    型式番号:RGM-79N-Fb
型式番号からもわかるように試作1号機フルバーニアンのバックパックの試験機。
バックパックと脚部の一部とシールドがフルバーニアンと共用である他、ビームライフルが専用の物になっている。

しかし、ガンダム開発計画の記録が抹消された際にこの機体の存在も一緒に消されてしまい、幻の機体となってしまった。

元々はホビージャパンのムック本「GUNDAM WEAPONS(ガンダムウェポンズ)」に掲載されたオリジナル作例だったが、Gジェネに参戦した事がきっかけで知られるようになった。



  • ジム・カスタム 《シルバーヘイズ》 / シルバーヘイズ改
    GM CUSTOM 《SILVER HAZE》 / SILVER HAZE EX

    型式番号:RGM-79N
小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』に登場。
宇宙海賊「シュテンドウジ」が不法に購入したジム・カスタムを改造したもの。
パイロットはウイングス・ハウザー。

両肩にはシュテンドウジのパーソナルマークである「鬼の横顔」がマーキングされ、全身銀色に塗装されて頭部のこめかみに当たる部分に角っぽい突起がある。
その姿から「銀色の霞」の異名を持つ。

ジオン残党「ファラク」との戦いで損傷してからは「シルバーヘイズ改」として改修され、以後シュテンドウジがPMCマリア・シールド社に生まれ変わってからも主力として活躍した。*3

主な装備は概ね連邦軍機と同じ。
改になってからは左腕にガンダムNT-1と同型の90mmガトリング砲と、高機動型ゲルググのビームナギナタに苦戦した経験からビーム・ミツマタを装備している。
まあ、三つ又のツイン・ビームスピアみたいなものである。



  • アトミックヘビーアーマー・ジム・カスタム
    型式番号:RGM-79N AHA
漫画『0083 REBELLION』に登場したバリエーション。
ジム・カスタムをベースとした核融合弾運用型試作実験MS
ガンダム試作2号機の開発母体となった機体。
右腕が丸々アトミックバズーカになり、背部にはバックパックの代わりに大型の冷却装置が装備されている。
また、核爆発からコックピットを守るために前面装甲(特に胸部)が強化された。

特徴的なアトミックバズーカはそれ自体にミノフスキー粒子を用いて高圧フィールドを形成、純核融合弾を撃ち出すという意欲的な設計だった。
だが一発撃つだけで使用不能になることが発覚したため、試作2号機のアトミックバズーカにはMk82レーザー核融合弾を使用することとなった。



  • ジム・カスタム(サンダーボルト版)
漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第3部に登場。
バリエーションというよりは、平行世界のジム・カスタムといった表現が正しい。

サンダーボルトではお馴染みのシーリング処理とバックパックに4本のバーニアアームが追加されているが、他は原型機とさほど変わった所はない。
シールド裏にアンカークローが装備されていたがオプションかは不明。
また、ビームライフル*4を標準装備している。

サンダーボルトの世界ではU.C.0080年には既に量産されており、ペガサス級タイコンデロガの艦載機として配備された。
サイド6に逃げ込もうとする南洋同盟の船団を撃破しようと12機が投入されるが、ビリーの駆るザニーの思わぬ活躍に手間取っているうちにダリルらの救援が到着したことで退却、攻撃は失敗に終わった。

その後は南洋同盟によるテロを阻止する為、タイコンデロガと共にホットロッド艦隊に参加する。



  • ジム・カスタム ティターンズ仕様
ジム・クゥエルの配備が完了するまでの繋ぎとして配備されたティターンズカラーのジムカス。
クゥエルの配備は2ヶ月で完了したため、運用期間は極めて短かったとされる。







そんな旧式で…この機体(ジム・クゥエル)に勝てる気でいるのか!?

ジム・クゥエル

 GM QUEL

【性能諸元】

型式番号 RGM-79Q
ARZ-79GQ(レジオン所属機)
所属 地球連邦軍
ティターンズ
テミス
レジオン
開発 ルナツー
生産形態 量産機
頭頂高 18.0m
本体重量 39.8t
全備重量 56.3t
出力 1,420kw
推力 67,480kg
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
武装 60mmバルカン砲×2
90mmジム・ライフル
ビームライフル
ビームサーベル
シールド
主なパイロット ティターンズ一般兵
元ティターンズ兵士
アルファ・A・ベイト
ベルナルド・モンシア
チャップ・アデル
フォルド・ロムフェロー
アーネスト・マクガイア
ヒューイット・ライネス
ソウイチ・オビノ



【機体解説】

主にティターンズのジオン狩りと治安維持活動に使われていた初期の主力MS。
もちろん黒と濃紺のティターンズカラー
「クゥエル(Quel)」とは「鎮圧する(Quell)」「地球の法と権限を行使する(Qualified to Use Earthly Law」 又は QUalified to Enforce the (Earth) Law)」という2つの意味があるらしい。


基本的にはジム・カスタムのマイナーチェンジで、カスタムとの違いは被弾しやすい肩アーマーを小さくし、バインダーの露出も下げている点。
また、対人制圧を主とする任務の都合上センサーが強化され、脛部や胸部にもセンサーが増設されている。
ムーバブルフレームの前身となった機構も試験的に採用されているらしい。


なおガンダムMk-Ⅱはこの機体をベースに開発しており、系譜的にはRX-78→NT-1→ジム・カスタム→ジム・クゥエル→ヘイズル→ガンダムMk-Ⅱとなる。
そういう意味では、連邦軍のMS開発に大きく貢献したMSの一つと言えるだろう。


開発経緯に関しては諸説あり
  • ジム・カスタムの生産ラインをティターンズが独占し、ルナツーの工廠で純粋な連邦系の技術のみを用いて開発された

  • オーガスタ研が連邦の各部隊向けに開発、宇宙世紀0084年に配備を予定していた物をティターンズが前倒しして専用機にさせた
という2つの説がある。


基本的にティターンズ専用機であったが、コンペイトウ駐留軍のように極一部にはジム・クゥエルが配備されている部隊も存在した。
これは一般部隊を一時的にティターンズに編入する際に、部隊の質を向上させるために一時的な措置として配備させていたものだが、
ティターンズカラーを一般部隊に使わせるのをティターンズ上層部が嫌がったことでカラーリングは従来の/白になった。
後々ティターンズに最新鋭機が配備されるようになると正規軍にも回されるようになっていったようだが、その頃には既に型落ちでしかなく、体の良い処分でしかなかった。

また、ティターンズ崩壊後にも残存していた機体は民間に払い下げられ、『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』には民間軍事会社「テミス」の機体として登場した。
こちらも別パターンの紅白で塗装されている。


映像作品では『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のラストシーン、『機動戦士ZガンダムⅢ A New Translation -星の鼓動は愛-』、『機動戦士ガンダムNT』にチラッと映るだけで出番らしい出番はほぼ静止画という不遇の機体。
しかも出番は大概悪そうな人たちとセットなので、機体も悪っぽく見える。
唯一『ガンダムビルドダイバーズ』に脇役ではあったがまともに動く姿が見られる。
この時に登場したのは連邦カラーのもので、マスダイバー側が使用していた。

しかし、『AOΖ』シリーズではヘイズルなどの開発母体として活躍。
漫画『GUNDAM LEGACY』第3巻では創設間もない頃のティターンズのMSとして登場、その内の1機は元ガンダム5号機のパイロットだったフォルド・ロムフェロー大尉の乗機として終盤まで活躍した。

ちなみにこのフォルド機、作中でザクマシンガンを手の平で弾くシーンがあるが、流石に無理があったのか再掲載及び単行本化した際にシールドで防ぐ描写に修正されている。



【武装】

  • 60mmバルカン砲
  • ビーム・サーベル
    型式番号:XB-G-1065H
  • ジム・ライフル
  • シールド
    型式番号:RGM・M-Sh-ABT/S-0019S
標準装備。
大半はジム・カスタムからそのまま流用したものだが、ビームサーベルとシールドはマイナーチェンジモデルになった。

  • ビームライフル
    型式番号:BOWA・BR-S-85-C2
    型式番号:XBR-M84a
ジム・カスタム同様、ボウワ社製のBR-S-85-C2型を装備可能。
ビームライフルの普及が進んだ時期のロールアウトであったため、市街地やコロニー内以外ではこちらを標準武装とした機体も多かったようだ。

コンペイトウ所属機やT3実験部隊などの一部ではガンダムTR-1[ヘイズル]と同じXBR-M84aを使用。
Eパック式であるので継戦能力に優れていた。
ただし、ヘイズルはEパックを2基装着していたが、クゥエルの方は1基だけで使用している。



【バリエーション】

ティターンズ次世代機開発プラン「TR計画」の為の改修機。
詳しくは項目を参照。



  • レジオン仕様
火星へ逃亡し、レジオンに吸収されたティターンズ残党のトリスタン派が運用した機体。
カラーリングはティターンズカラーとも違う漆黒となっているが、これはティターンズ内の特務部隊であるブラックヘアーズの所属だったため。
ただし、レジオン所属となったことを示す為にシールドの一部分だけが赤い。



  • アーリー・ヘイズル
    EARLY HAZEL

    型式番号:ARZ-79GQ
    所属:ティターンズ
    旧ティターンズ反乱軍
    頭頂高:18.1m
    装甲材質:チタン合金セラミック複合材
ジム・クゥエルの頭部をガンダムタイプに換装した機体。
TR計画においてヘイズルの素体となった機体で、ガンダムヘッドである以外に性能は変わらない。
しかしジオン残党への威圧と大衆に与える影響を鑑みて少数がアーリーヘイズルに改修され、主に小隊長機として運用された。

作品としては『A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場。
レジオン内で旧ティターンズが反乱を起こした際に、反逆者への見せしめリンチである「ウサギ狩り」で破壊されたジム・クゥエルを修復して頭部を残っていたヘイズルの予備ヘッドに差し替え、旧ティターンズの旗頭として反旗を翻した。

頭以外の性能は素のクゥエルと変わらないが、こいつはレジオンのハイザックをワンパンK.O.していて、その姿はレジオンにガンダムの恐怖を思い出させた。

ちなみにその時のパイロットはパイロットは元ティターンズ兵のモンシ…ドナルド。



  • 前期生産型
ティターンズ創設当初に配備されたタイプ。
腕部をジム改、脚部をジム・カスタムから流用しており、頭部の形状も異なる。
主にアレキサンドリア級アル・ギザなどに配備された。

元ネタは『0083』ラストに登場したジム改っぽいデザインのクゥエル。
『A.O.Z Re-Boot』にて正式にバリエーションとして設定された。



  • 連邦軍仕様
グリプス戦役期のコンペイトウ方面軍に配備されていた正規軍カラー。
これは正規部隊を一時的にティターンズに編入する際に、部隊の質を向上させるために一時的な措置として配備させていたものだが、
ティターンズ本隊としてはティターンズカラーを正規軍に使わせるのは嫌だったので、カラーリングを従来のジムらしい/白に塗装して差別化している。



  • チョバムアーマー装備型
ガンダムNT-1と同型のチョバムアーマーを装備したタイプ。
装備箇所を胴体と腰部に限定したことで機動性の低下を最小限に抑えている。

実弾装備が主流のジオン残党軍相手には有用だったらしい。




ゲームでの活躍

他メディア同様、高性能機の名に恥じぬ活躍を見せることが多い。

ジオンの系譜では開発時期に比べてスペックが高く安定しており、作品によるがZZZ初頭ぐらいなら十分一線を張れる。
特に後期になるほどビーム主体になる連邦軍機で、対Iフィールド機に活躍する実弾のジムライフルは地味にありがたい。但し、普通の機体相手だと間接攻撃が可能でありながら隣接しても後衛なら十分に威力を発揮でき更には索敵も可能なジム・キャノンⅡにお株を奪われがち。

更にアクシズの脅威以降は、系譜までは割高だったパワード・ジムが大幅に値下がりしたため、射程の長さと索敵能力を持つジムキャノンⅡや移動力や地形的性に優れ更には生存性もカスタムより高めのパワード・ジムに使い勝手で大きな差をつけられてしまっている不遇の機体。まさに残念な意味で”特徴が無いのが特徴”に。


0083は以前から参加していたが、ジム・カスタムは『α』から参戦。
原作ではエース用の機体とはいっても、このシリーズでは戦力の基準となるのがガンダムタイプをはじめとする新鋭MSや色々インフレしているスーパーロボット達なので一介の量産機という扱いでしかない。
性能自体もそれほど高くはないものの*5、ベテランっぽさを意識してか武装の命中率やCT補正が高めに設定されていることが多い。
第2次α』など小隊システムのある作品では「ジム・ライフル(連射)」がALL兵器なので序盤なら小隊長機としても使えるかもしれない。
なお、全4作のαシリーズで次々と生まれては消えていった量産型MS達の中で、トーラスと並んで最初から最後まで最前線で活躍し続けており、
0083のメインキャラ達の愛機だからというメタな都合は置いといて、同期のジェガンにすら一度は見切りをつけた*6連邦軍もジム・カスタム(とジム・キャノンII)は高く評価していた模様。*7
実際、ビーム兵器が主武装ではない分場所を選ばず戦えるので、その辺りが重宝された可能性も高い。
『第2次α』で大空魔竜隊がいない間の穴埋めとしてジム部隊が極東基地に送られたというネタとしか思えない展開もこの場所を選ばず戦える長所を考えれば納得できる気もする。
実際大空魔竜隊の帰還まで持ちこたえてみせたし。

また、『AP』ではフル改造ボーナスにより『一つ一つの攻撃に気力-10の効果』が追加されるという、鬼畜じみた能力を持つ。
ジム・カスタム「量産機に当てられてどんな気持ち?ねえねえどんな気持ち?」ということだろうか……。
また、コミカライズ版でオリジナルキャラクターの乗機として抜擢された事もある。


基本性能はUC序盤の機体としては高めで、ガンダムに匹敵するほどの数値となっていることも。
しかし、主力機には高火力や長射程の武装が求められるため、どちらも持たないジム・カスタムは基本的に開発や図鑑登録のためだけの存在となる。火器がシリーズを通して不遇系なマシンガン系しかないのも痛い。
設定上は支援機であるはずのジム・キャノンⅡの方が前線で活躍する機会は多いだろう。

  • SDガンダムGNEXT・GCENTURY
ガンダム試作機シリーズやアルビオンはGXでお披露目となったが、ジムカスタムはGNEXTからの登場・・・となったが扱いは悲惨。
まず、GNEXTでは生産することはできずGMをエース機にした後基地に格納することでバージョンアップされる隠し機体として登場するのだが、ゲーム内グラフィックがボディを白くした初代GMとしか言いようのない手抜き仕様。戦闘力もGMに少し毛が生えた程度で、TECレベルの上昇に伴い機体性能が劇的に変化するGNEXTではすぐに戦闘についていけなくなってしまう。

GCENTURYではようやくグラフィックが準備されたが何故か機体の色は白のまま。自軍をTEC2にしたのちACEになった機体を基地に格納することで入手できる機体*8なのだが、はっきり言って弱い。
連邦だけでプレイするなら素直により強力な機体に基地で買い替えたほうがいいし、他軍も交えたACE機体にフルアーマーZZやV2アサルトバスターとかあるならいっそのことTECレベルが高くなりそれらが解禁されるまで基地で眠らせといたほうがいい。

REV.2よりコスト280の近距離機として登場。(REV.4以降はコスト250)
高い機動性を持ち、コストの高さに恥じない性能を持つ。
とはいえ高コスト機なのでなるべく犬死にしないように動きたい所。

○メイン武装
●ブルパップ・マシンガン
低~中バランサー機相手ならよろけを取りやすいが、高コスト機体に見合わない性能故か、使用率は極端に少ない。
●寒冷地仕様マシンガン
ダウン値が非常に低くこの武装単体ではよろけを取る事が困難だが、バルカンから本武装につなげたり
連撃被せに使用することでダメージを累積出来るため、状況次第では心強い武装となる。
●ジム・ライフル
近距離らしからぬ長射程を持ち、高めのダメージとダウン値、ノックバック効果が特徴。
サブとの組み合わせで対複数を捌く戦術に向いている。

○サブ
●頭部バルカン砲
ダウン値が極端に低く自衛力に欠けるが強制よろけ効果を持ち、味方との連携に向いている。
●ハンド・グレネイド
他の近距離機にも見られる一発ダウンの手榴弾。ジム・ライフルと組み合わせると対複数を相手にしやすい。
●ハイパー・バズーカ後期型
相手の足を狙うように飛んでいくため飛距離は伸ばしづらいが、ブーストの誘発に向いている。
バルカンやハングレの利便性ゆえか、プレイヤーの使用率が低い傾向にある。

また、小説作品から派生機であるシルバー・ヘイズ改も、2015年秋の勢力戦より登場している。


  • ガンダムオンライン
2016年5月に低コスト機として実装。
拠点制圧に有利な固有モジュールと強制転倒・広範囲・高威力の格闘プログラムを持ち、ジオン軍を恐怖に陥れた。
しかし格闘は振った後の硬直、上下の判定が弱いことなどが厳しく、どこでも使えるわけではない。
拠点防衛などに使えば、とてつもない戦果を得られるだろう。

現在は通常機とバニング大尉モデルの2種類が実装されている。
なおジム・カスタムは実装時点でゲルググに勝っている部分が何一つなかったため「旧式のゲルググなら楽なもんだ(震え声)」状態であった。
ちなみに似た立ち位置の後輩とも言えるジェスタ実装時にも似たような事態が起きている。
「動く戦争博物館かよ…(顔面蒼白)」


  • 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2
カスタム・クゥエル共に400コストで実装されている。カスタムはイベント報酬の配布機体、後者はガチャ産出。
カスタムの方は汎用機で、地上宇宙両方出撃できるが地上適正持ち。同コスト帯では抜群の運動性能を誇り、更に緊急回避Lv2を持つ。その他の基本性能は標準的。
主武装はハイパーバズーカ[改修型]とジム2用ビームライフルがあるが一長一短。
ハイバズ改は弾数制の即よろけ武装だが弾速が遅いのとCTがやや長いため咄嗟のカットに使いづらい。
ジム2用ビームライフルは即よろけが取れるビーム兵装だがヒート率90%がネック。CT自体は短いもののそれではOH必至で、OHさせないようにペース調整するとハイバズ改よりさらに手数が減ってしまう。
そしてそれら手数に難を抱える手兵総以外の副兵装がサーベルとバルカンしかないと言うところが難しい。
ただし前述の足回りに関しては地上適正も含めて抜群であり、人気の中コスト帯ということもあり愛用者は多い。

クゥエルの方は強襲機で、性能もカスタムをそのまま強襲機にリファインしましたと言う性能。
緊急回避を持ちカスタム同様ジム2用の即よろけビームライフルを持つことができるため、強襲機でありながら汎用機同様の立ち回りが可能。
以前はこのメリットを帳消しにするレベルの低火力が問題だったが、21年10月に戦績低下を受けた強化調整が入りいくらか改善。
相変わらず同コスト帯では低い方ではあるがフルコンボ決めても支援機を落とせない等と言った状況は解消された。
特にカスタムと違って宇宙適性と一通りの関連スキルを持つため、宇宙での足回りは同コスト帯でも随一と言って良い。
同コスト帯にはブースト移動しながらよろけを取り、強制ダウン&バ火力のリック・ドムⅡ(GH)がいるが、
あちらとは機動力とモーションの扱いやすさ、緊急回避の有無で差別化を図っている。




ガンプラ

OVA発売当時のいわゆる旧キットは発売されず。

1999年12月にMG(1/100)でガンダムNT-1の流用キットとしてカスタム、クゥエル双方が発売。
カスタムにはバニング、クゥエルにはニナのミニフィギュアが付属する。
ガンダムNT-1からパーツを流用したことと設定の整合性を考慮してか、足首など一部形状が元々の設定と異なる。

2019年にガンダムNT-1 Ver. 2.0が発売されたことを受け、ジム・カスタムもVer. 2.0で発売されることが期待される。

ジム・クゥエルは後に、AOZのMG商品展開の一環として、プレミアムバンダイ限定でAOZ版が発売。幾つかの外装はガンダムヘイズルから、内部フレームはガンダムMk-Ⅱ Ver. 2.0から流用されており、実質ジム・クゥエル Ver. 2.0となっている。


HGUCでは2007年1月にジム・クゥエルが、2011年1月にジム・カスタムが発売されている。
前者には左銃持ち手と右サーベル専用持ち手が、後者には6種類のハンドパーツが付く。
しかしクゥエルはヘイズルシリーズに合わせてバランスが変えられたヘイズル2号機の流用キットであるせいか、
設定画や劇中に比べて脚がすごく太く、その辺りはよく批判される。
そのためHGUCクゥエルを作る際に形が似ているカスタムの脚を流用するモデラーは多い。

SDキットではGジェネシリーズとしてNT-1アレックス(No.37の方)の流用キットという形で発売。
新規パーツが頭と腕と武器だけなので、バックパックにビームサーベルが二本あるのはご愛敬。
アレックスのパーツも付属するため、ジムカスタムカラーのアレックスやチョバムアーマー装備のジムカスタムが作れる。




余談

  • ジム・クゥエルの初登場となった『0083』のエピローグでは現在のデザインと異なるものとなっているが、これは設定画が出来上がるよりも早く原画が描かれたため。
    こちらのデザインは『A.O.Z Re-Boot』で設定が整理された際に前期生産型ということになった。





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最終更新:2024年01月16日 20:52

*1 バニング機の悲劇はいくつもの不運が重なった末の惨事なので、構造に欠陥がある訳ではない。

*2 実際、立体化したものでは普通の持ち手では持たせ難く、専用持ち手が付属する。

*3 両肩のマーキングが女神の横顔に変わっている

*4 見た目はジム・ライフルだが、ビーム兵器となっている。

*5 αでのジム・カスタムは、ジェガンやガンイージと同時期に開発されたということもあり、量産機としては性能がやや高い。

*6 ヘビーガンが前線から姿を消すのと同時に前線に復活した。

*7 なお、他に最後まで生き残った量産型MSは『第2次α』で配備された量産型νガンダム。

*8 ちなみにACEになればどんな機体でもOKでMk2とかZZといったジムカスタムより明らかに強い機体もACEになったらこの機体に交換できるフラグがたつ