特殊作戦群(陸上自衛隊)

登録日:2012/01/16(月) 03:02:45
更新日:2024/03/10 Sun 17:29:56
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特殊作戦群(JGSDF Special Forces Group:SFGp)は日本国陸上自衛隊初にして唯一の特殊部隊
習志野駐屯地を拠点にしている。

創設:平成16年3月27日
上級部隊:陸上総隊
人員:約300名



【概要】

元々第一空挺団(陸上自衛隊)内には、当時仮想敵国であったソ連軍が北海道に南下進行してきた際に、
ソ連最強と謳われ西側諸国を震え上げさせたスペツナズ(ソ連軍特殊部隊)に正面きって対抗、またはスペツナズが起こすであろう後方撹乱やゲリラ戦への対処のために、
小規模なゲリラ・コマンド作戦の研究班が存在したと言われている。
またこの研究班は1977年に発生したよど号ハイジャック事件を教訓に対テロに関する研究も行われていたとされている。
しかしこの研究班、小規模であったことや予算等その他諸々都合により発足しては解散し、発足しては解散を繰り返していた。
そんな1989年、ソ連崩壊によりまさかの冷戦が終結。以後世界各地テロが多発。
日本でも特殊部隊創設の必要に迫られた。
そして90年代後半に研究班を母体に、将来の特殊部隊創設のため習志野に所在する第一空挺団内に、
米陸軍デルタフォース及びグリーンベレーを模範とする「G」、英陸軍SASを模範とする「S」のふたつの対抗部隊が研究のため極秘裏に設置された。

その後、検討の結果デルタとグリーンベレーを規範とする「G」が妥当と判断され、デルタやグリーンベレーを参考として特殊部隊創設の準備が進められた。

また、上記部隊以外にはドイツ連邦陸軍にて創設直後にあった特殊部隊「KSK」も参考にしている。


2000年代に入り、関予算や部隊要員の募集を開始。

特に戦闘要員となるための条件には、3等陸曹以上の階級・レンジャー課程を修了していることが求められる。

選抜試験は非常に長く過酷であり、丸太を担いでの持久走や、1ヶ月以上誰とも連絡が取れないこともあるという。

そうして晴れて部隊要員となったあとも、特殊作戦に必要な各種特殊技能を習得していく必要がある。

また、部隊の性質上、非常に高度かつ厳重な情報管理体制が敷かれている。

米軍ではグリーンベレーやNavy SEALsが比較的オープンな部隊なのに対し、デルタやDEVGRUが非公開部隊なのを鑑みるに、
対テロ・ゲリラ部隊の性質上、仕方ないことである。



【人員・装備等】
特殊作戦群は人員約300名、そのうち約200名が戦闘要員とされている。
部隊は本部と3個中隊で構成されているとされる。

もっとも、創設直後の話であり現在の規模は不明。

ドイツのKSKは現在では特殊作戦群の倍近い規模であるが、陸上自衛隊の予算や人的現状を考慮すれば、特殊作戦群の規模拡大は厳しい物と思われる。

装備に関してもやはり一切が非公開であるが、自衛隊制式採用品以外に下記の装備の保有が囁かれている。

【M4A1】
米国の対外軍事有償援助によりサプレッサーやアンダーバレルグレネードと共に調達。

H&K USP
一般人のブログに写真が公開されたという話。

【特殊小銃】
H&K製らしい。
と、すればXM8HK416になる。

この他にもSIG/SAUER製の拳銃やアキュラシー・インターナショナル社、バレット社のアンチ・マテリアル・ライフルが試験評価または採用されている、といわれている。



【余談とか】
特殊作戦群は自衛隊イラク派遣に参加。
現地で一般隊員への対テロ指導などに従事した模様。

また、現地での訓練では、10m先の的の両脇に隊員を立たせながら拳銃射撃の訓練をしていた模様。

長期休暇になると自費で海外へ出向き、PMC(民間軍事会社)で訓練を受ける隊員もいるらしい。

冒頭で述べた研究班、伊達にスペツナズに対抗しようとしていただけに(当時の)陸上自衛隊としては驚く程実戦を意識した研究がされていたらしい。
実際この研究班に所属していた何人かは海上自衛隊で水中スクーバー課程を修了している。
これはスクーバーを利用した水中からの浸透作戦を意識したものである。
こういった技術の積み重ねがあったため、特殊作戦群は特別警備隊が発足時SBSから訓練を施されたにも関わらずスキル不足に悩まされていたのに対し、
特に目だった不都合は無かったと言われている。

特殊作戦群隊員が着用を許される特殊作戦徽章は榊、刀、鷲からなるデザインで物凄く目茶苦茶カッコイイ
なおこの特殊作戦徽章、習志野駐屯地で(ピンバッジだが)お土産として買えちゃったりする。

一般の陸自隊員からSと呼ばれている。


隊員個々人の技量はともかく、まだまだ実験・研究部隊としての側面が強く、
実際に他国の特殊部隊と同等の水準の実戦力化には2015年~2020年頃までかかると言われている。

特殊部隊と言うこともあり自衛隊内でも徹底した秘密主義が貫かれ、特別警備隊のように訓練を公開したこともなく、
一説には画像の編成完結式に登場したバラクラバを被った隊員達は本物の特殊作戦群隊員ではないとも言われている。


沖縄のキャンプ・トリイに駐屯するグリーンベレーと合同で市街地戦闘訓練を実施。

そのグリーンベレーに初代特殊作戦群群長、荒谷卓一等陸佐は1年間留学している。
また、荒谷一佐はドイツ駐在武官を経験しており、KSKの創設の際も間近で勉強して特殊作戦群の創設に生かした。


そんな荒谷一佐だが、定年を迎えることなく退官した。

理由は、「特殊作戦群に実戦的な訓練をさせようとしても、お偉いさんが飛んできて邪魔していく。自衛隊にいても日本のために戦えないと感じた」とのこと。

結局は、日本の体制や国民の意識が変わらなければ、特殊部隊なんて作ったって意味がないのである。






非常に情報は少ないですが、追記・修正よろしく


もちろん防衛機密は書かないでね

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最終更新:2024年03月10日 17:29