バイオハザード5

登録日:2009/11/30(月) 12:39:08
更新日:2024/04/14 Sun 07:33:09
所要時間:約 9 分で読めます





恐怖の原点は、恐怖の頂点へ


バイオハザード5(Resident Evil 5)は、バイオハザードシリーズの第7作目である。
2009年3月5日発売。


【概要】

基本システムは4と同様であるが、今作ではパートナーと常に二人一組で行動するため味方との協力アクションが多い。
また、今作で初めて画面二分割による2人プレイが可能になった。

前作から改善・強化された部分があり、体術は頭部や脚部の他に腕部を撃つ事でも発動可能。また倒れた敵にスタンプという追撃方法も追加された。
パートナーとタイミングが合えば最大3連撃できるようになり、最大まで決めれば雑魚敵を容易に倒す事もできる。
また各チャプター開始時に所持しているアイテムの整理・改造・購入売却が可能。特に購入面では弾薬も買えるようになったので、よりゲーム内ポイントが重視されるようになった。

しかしムラっ気のある仲間AI、メニューを開いてもゲームは中断されない、瀕死になると何もできなくなるダイイング、などのリアルを追求した新システムが不評の部分もある。
前作では不可能だったメニュー内での弾薬補充も本作ではできてしまうため、武器改造欄のリロード速度上昇が実質産廃化してしまう弊害も起こっている。

2010年2月18日には、新要素を追加した『オルタナティブエディション』(Resident Evil 5 Gold Edition)が発売された。


●追加シナリオ
 「LOST IN NIGHTMARES」
 「DESPERATE ESCAPE」
●追加コスチューム
 クリス2種
 シェバ2種
●マーセナリーズ用追加キャラ
 ジョッシュ・ストーン
 エクセラ・ギオネ
 レベッカ・チェンバース
 バリー・バートン
●オンライン用追加モード
 キャラ同士での4人同時対戦

PlayStation 4、Xbox One版は2016年6月に、Nintendo Switch版は2019年10月末に発売された。

2021年時点では『RE:2』や『7』のほうが販売本数が伸びているものの、2017年末時点ではカプコン発売作品の単一タイトルとして販売本数が最も多かった作品、即ちバイオハザードシリーズとしても最高の販売本数であった。
ちなみに単一タイトル販売数トップの座がどの作品に奪われたかは…2018年の作品であれば言わなくてもなんとなく想像は付くだろう。


【あらすじ】

洋館事件から10年後。生物兵器はテロリスト達の手に渡り、世界各地の紛争地域で悪用されていた。
テロの封じ込めを図るため製薬企業連盟が創設したバイオテロ対策部隊B.S.A.A.が国連直轄の新組織として再編される。
そのメンバーには洋館事件の生存者であるクリス・レッドフィールドの姿があった。
戦渦のアフリカから不穏なバイオテロの情報を受け、キジュジュ自治区を目指した彼を、因縁の戦いが待ち受ける。


【主な登場人物】

クリス・レッドフィールド
1を始め数々のバイオハザードに登場した主人公。
S.T.A.R.S.の生き残りであり現在はBSAA北米支部に所属している。35歳。
数年前の任務で生死不明になった相棒の噂を聞きつけ、本来は担当地域ではない西部アフリカ支部の任務に無理やり参加した。
身長と体重が変更されており、体格が以前に比べてガチムチ体型になっている。ゴリスという渾名も本作からついた。
コスチュームはやけに蛮族的な要素を含んだものばかりで、棘のついた肩パッドにサングラスという世紀末スタイルもある。

●シェバ・アローマ
BSAA西部アフリカ支部に所属する褐色肌の女性。23歳。
一応もう一人の主人公だが、いまいちサブキャラクターの域を出ない。アーヴィング逮捕任務に無理やり参加したクリスのパートナーを務める。
左利きなため、彼女を操作する際は体力ゲージなどウィンドウ類が全てクリスと正反対に表示されるのである程度の慣れが必要。
コスチュームはスカートがめちゃめちゃタイトなオフィスカジュアルなどを着る。

アルバート・ウェスカー
元S.T.A.R.S.隊長にして元アンブレラの研究員でありシリーズを通しての黒幕的存在。
ウィルス投与による超人的な運動能力は更に強化されている。
今作ではウロボロスウィルスを用いて世界を救済(破壊)しようと画策する。
洋館事件から10年経つが、未だにサムライエッジを使い続けている。
自ら神になろう発言など厨二病末期な48歳。
THE MERCENARIESではグラサンをかけているので閃光手榴弾が効かないメリットがある。

●リカルド・アーヴィング
トライセル・アフリカ支社の資源開発部門に籍を置き、石油採掘施設所長を務める男。
だが裏では極秘裏に開発された生物兵器をテロリスト達に売りつけて私腹を肥やしている。
その裏取引はトライセルにとっても非合法なもので情報を入手したBSAAが彼を逮捕するために部隊を派遣するところから本作が始まる。

●エクセラ・ギオネ
トライセル・アフリカ支社の代表を務めるナイスバディな褐色肌の20代女性。
裏ではリカルドと同じく生物兵器をテロリスト達に売りつけている。
ウェスカーの資金面での後ろ盾である。
他人を見下す冷酷な性格で特に男性を低く見ているが、自分より優れたウェスカーには心酔しており常に彼の側にいる。

●フードの人物
リカルドやエクセラに付き従う謎の人物。
鳥のような仮面を身に着け、迷彩柄のフード付きマントを着込んでいる。声質から女性と思われる。
クリスとシェバ2人を同時に相手にできるほどの身体能力を持つ。本作のヒロイン。

●ジョッシュ・ストーン
BSAA西部アフリカ支部所属の特殊部隊デルタチームをまとめる黒人の男。
過去に訓練生時代のシェバを鍛え上げた教官でもあり彼女を妹のように想っている。
所々でクリスとシェバに協力する。

オズウェル・E・スペンサー
今まで名前だけは出ていたアンブレラの創立者。
アンブレラ崩壊後は逮捕されまいと行方を眩まして私邸に隠れていたが、数年前に私邸に訪れたウェスカーに重要な秘密を告げ、その直後に彼に殺害される。

ジル・バレンタイン
クリスと同じくバイオシリーズおなじみキャラ。
元S.T.A.R.S.の生き残りでクリスの相棒だった女性。
クリスと共にBSAA創設に関わったが数年前の任務中にウェスカーもろとも崖下に転落して行方不明になる。
公式では死亡扱いになるも、アーヴィングの資料から彼女の生存を示すデータが見つかる。




【クリーチャー】

今作も前作と同じプラーガが主な敵。
また、プラーガの他にウロボロスウィルスの影響を受けたクリーチャーなども登場する。

マジニ
前作でウェスカーが持ち帰ったプラーガのサンプルを改良した物を寄生された人間。
前作同様武器を使用したり連携して襲いかかってくるなど非常に知性が高い。
バイクに乗ったりバリエーションが豊富。
舞台がアフリカなのでほとんどが黒人である。
前作のガナードがスペイン語で「家畜」だったのに対し、今作のマジニはスワヒリ語で「悪霊」を意味する。

●アジュレ
改良されたプラーガに寄生された
4に登場したコルミロス同様、群れで襲ってくるため囲まれると厄介。

リッカーβ
バイオ2以来の懐かしのクリーチャー。
偶発的に生まれた過去のリッカーとは違いトライセルが極秘裏に製造、改良した生物兵器。
わらわら大量に出てくるうえに体力が高い。

●リーパー
流出したウロボロスウィルスの影響で変異した昆虫。
最強の初見殺し。

●ポポカリム
コウモリにプラーガを寄生させて改良したクリーチャー。

●ンデス
前作のエルヒガンテの改良型。
このクリーチャーの登場するチャプターのみ世紀末救世主伝説のような敵ばかりが登場する。
プロフェッショナルモード最難関のボスとして名高い。

●U-8
プラーガを寄生させて異なる生物同士の遺伝子を強引に結びつけた生物兵器。
外見はタカアシガニである。

●変異アーヴィング
追い込まれたリカルドがフードの人物に与えられた支配種プラーガを自らに寄生させた姿。
巨大な水棲生物と化し変化後も宿主の意識があり、会話が可能。

●ウロボロス
ウロボロスウィルスを投与された人間がウィルスに適応できず怪物化した姿。
某神ではない。

●ウロボロス・ムコノ
↑と同じくウロボロスウィルスを投与された人間がウィルスに適応できず怪物化した姿。
前回よりもウィルス感染者の適合性が高かったため、全体的に強靭になっている。
「ムコノ」とはスワヒリ語で「手、腕」を意味する。

●ウロボロス・アヘリ
ある人物がウロボロスウィルスを投与されて適応できずに怪物化した姿。
怪物化する際に近くにあった死体の山を取り込んだ結果、巨大化した。もはや怪物ではなく怪獣である。
「アヘリ」とはスワヒリ語で「終局」と「極限」を意味する。

●ウェスカー
今作のラスボス
合計で3回戦うことになる。
最終戦以外の戦闘ではこちらに気付いている間は弾丸を全て避けられてしまうためパートナーと協力して片方が惹きつけている間に狙い撃つ必要がある。
2回戦時に流れるBGMは神曲である。

●ブロブ
オルタナティブエディションで追加された正体不明の新クリーチャー。
イカリのような巨大な武器を引きずってスペンサー邸内を複数体が徘徊している。
モーションは処刑マジニの使い回し。
「LOST IN NIGHTMARES」にのみ登場する。



【用語】

●B.S.A.A.
アンブレラの崩壊により拡散した生物兵器が世界中でテロに悪用されることを危惧した製薬会社の組合「製薬企業連盟」が世間からの批判逃れのために組織されたバイオテロ対策部隊。
アンブレラ・クロニクルズ』で登場した反アンブレラ組織が原型とも。
元々は国連傘下組織ではなく民間主導のNGO団体に近い組織形態だったが、トップが逮捕され求心力を失った米国主導のバイオテロ対策部隊FBCの人員・装備を吸収して国連傘下組織として再編成された。
クリスとジルは11人から成るBSAA創設メンバーである「オリジナル・イレブン」の一員であり、オリジナルイレブンの特権が認められている。

●トライセル社
アンブレラに並ぶ世界的な製薬企業。アンブレラ崩壊後の製薬企業連盟の理事を務め、BSAAを援助する出資者でもある。
今回のキジュジュ自治区でのバイオハザードに深く関与している疑いがある。

●ウロボロスウィルス
TウィルスやGウィルス、T-Veronicaなどのウィルスやプラーガを全て集めたウェスカーがそれらに共通する投与、寄生された対象の自我崩壊、知能欠如、身体的異変という欠点を克服し強制的な進化を起こさせるべく、始祖ウィルスの源泉である植物「始祖花」から生成させた完全な新種のウィルス。
投与された人間は自らの意志を持ち続け、外観も変化することなく超人的な運動能力や頭脳を手に入れることができる。
適応すれば超人的な能力を手にすることができるが適応できないとたちまちにウィルスが暴走し感染者の自我を奪い醜い怪物に変化してしまう。
大変毒性が強く、当初は投与した人間のほとんどが死亡していたがある人物の体内にウィルスの毒性を弱める抗体があること発見、研究を重ねることにより実用可能になった。

●ウロボロス計画
ウェスカーが画策している計画。
高高度の上空よりウロボロスウィルスを世界中に撒き散らし人類をウィルスに感染させ、強制的に進化させる計画。
適応した人間のみが生き残り、不適応だった人間を絶滅させ選ばれた人間だけの世界を作ろうとする。

●始祖花
始祖ウイルスの原料と言える植物。
ンディパヤ族の遺跡で生息しており、「太陽の階段」と呼ばれている。
花自体は他の場所でも栽培できるものの、始祖ウイルスは遺跡で咲いた花でしか発生しない。
元々は地下の水脈で水分が自然に供給されていたが、後述の理由で現在はポンプ装置で人工的に水源を確保している。

●アンブレラ・アフリカ研究所
アンブレラが最初に建設した研究所。
ラクーン事件の後に閉鎖されるまでジェームス・マーカスの弟子であったブランドン・ベイリーが中心となって運営していた。
武力による地上げで奪取したンディパヤ族の遺跡で始祖花を安全に採取するため目的で建てられたが、「予定より3倍の広さにしたい」というブランドンの提案を叶えるための工事で地下の水脈が変わって始祖花が干からびる寸前になるという事態になってしまい、打開策として遺跡の内部にポンプ装置を設置していた。*1
裏を返せば、始祖化の維持にはポンプ装置が不可欠となり、現在に至るまで30年以上も動かし続けている。


【4からの変更点】

本作は4からのシステムを多く継承しているが、いくつか変更された点があるのでこちらで紹介する。
  • 武器装備画面の刷新
前作ではアタッシュケースに保管するシステムが採用されていたが、本作では3×3のスロットタイプが採用された。
これにより上下左右に配置した武器装備は十字キーですぐ取り出せるようになった。またメニューを開けばパートナーの所持している装備も把握できるので、相互に交換しあう事も可能。
ただ、メニュー画面を開いている最中にゲームが止まる事がないので戦闘中に開くのは推奨できなくなった。また最大所持数が4から圧倒的に減少した事で、持っていく装備類の選定は前作以上に考えないといけない。
ついでにこれは副次的効果だが、アイテムの配置を簡単に入れ替える際に弾薬を銃器に宛がうと自動装填してくれるようになったが、これにより銃器改造欄のリロード速度上昇が事実上産廃化する事態になった。

  • チャプター間に準備フェーズが挟まるようになった
4ではチャプター間にできる事といえば、セーブかタイトルに戻るかくらいのものだった。
本作ではそこから進化して、所持している武器装備の保管と引出・購入・売却・改造などもできるようになった。なので次のチャプターで必要となる装備類を整えやすく、無駄なアイテムをわざわざ消費してスペース空けに利用するなどの手間も省ける。
ちなみに本作はチャプター間を自由に選択してプレイできるので、すでに通り過ぎたチャプターを再度やり直すというのも可能。

  • 体術の進化
頭部と脚部を撃ってよろけさせると体術ができる仕様はそのままに、腕部を撃って怯ませても体術が出るようになった。
またパートナーとタイミングが合えば最大3連撃が決まるフィニッシュブローが発動する。
また敵に拘束されたパートナーの救助にも体術ができるようになっている。

  • 挑発
L3ボタンとR3ボタンを同時に押し込むと挑発アクションをするようになった。
しっかりキャラクターごとにするモーションが異なる。


【余談】

  • パートナーシステム
シングルプレイの場合、操作するキャラクターのパートナーはAI操作となりプレイヤーに追従する。
このパートナーには、追従・援護・突撃の3種類の指示が出せる。基本的には追従させるのがメインとなるのだが、どちらかといえば行動抑制の意図が強い。
というのも、本作のAIは非常にポンコツなことで知られており、プレイするにあたってのフラストレーションの代表格として度々話題となる。
代表的なポンコツ例は、『渡した銃器の弾薬を無駄撃ちしまくり、弾が無くなればナイフで突撃する』という点。敵を倒せば確率で弾薬をドロップするシステムがあるとはいえ、序盤は特に弾数管理は徹底しなくてはならない。なのにどんな雑魚敵であろうとも乱射をし、スルーできる敵も逃さず仕留めにかかろうとする好戦的な姿勢は、時として避けられる戦闘を身勝手に発生させる悪影響にも繋がる。
シェバ「弾切れを気にする必要はない……
更に持っている銃火器の弾薬が無くなるとナイフで突撃するカミカゼスタイルに変貌。ただでさえリスクの高い接近戦を敢行するため、DYING状態までダメージを受けて救援要請を出してくるはた迷惑なパートナーになりがち*2
また負傷した時、救急スプレーや調合ハーブを贅沢に使用する習性も持ち合わせている。なので下手に被弾しようものなら急いで救急スプレーを使いまくり、大事の時にはもう回復アイテムを持ち合わせていないということも珍しくない。

なのでシングルプレイの時には、エイム力が抜群に優れるようになるスナイパーライフルのみを持たせるプレイングや、倉庫として弾薬や回復アイテムのみを渡すプレイヤーも少なくない。
…当然CO-OPプレイの場合ではプレイヤー同士の操作になるのでこんな配慮は不要になるが。

補足だが、このパートナーには好感度という隠しステータスがある。
アイテムを渡す、救助する、救助された時に感謝するなどの友好的な姿勢を見せることで上昇する。
逆にDYING状態にさせたりアイテムを貰うと好感度が下がる。前者はまだ分かるが後者は勝手にやってくる時も多いので疑問。
好感度が高いと待機モーションが変化し、指示にも積極的に従ってくれる。
好感度が低いと苛立つようなモーションや舌打ちをし、指示に従わないような素振りを見せる事も。
但し好感度を低い状態にするには、それを狙ったようなプレイングをしなければ早々なるものではない。



以下ネタバレ




発売時から議論されていたウェスカー生存説であるが、公式にウェスカー死亡と明言されてしまったため 今後復活する可能性は低い。
しかし、6にて彼の息子が登場する模様。




「今日は気分がいい。追記をしてやろう」

「7分だ、7分だけ項目を修正してやろう」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ゲーム
  • カプコン
  • PS3
  • Xbox360
  • オンライン
  • バイオハザード
  • アフリカ
  • 糞AI←スナイパーライフル持たせたらチート化
  • わんわーん!
  • 暑い?寒いわー!!
  • おっぱいガール
  • 生々しいスルー
  • 空耳
  • 初代コンビ復活
  • オルタナティブ
  • 賛否両論
  • 因縁決着
  • バイオハザード5
  • Xbox One
  • CAPCOM
  • Nintendo Switch
  • PS4
  • Steam
  • XboxOne

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月14日 07:33

*1 当時の現場からは「研究のことしか頭にないブランドンのせいで面倒なことになった(意訳)」と不満の声が上がっていた。

*2 なお箱などから弾薬がドロップすると、プレイヤーより積極的に向かって横取りしようとする