女王の教室(ドラマ)

登録日:2011/11/12 Sat 00:02:56
更新日:2024/02/12 Mon 17:56:14
所要時間:約 6 分で読めます





この物語は

悪魔のような鬼教師に

小学6年生の子供たちが戦いを挑んだ

一年間の記録である。





◆女王の教室◆


『女王の教室』は05年7月2日から9月17日まで、日本テレビの「土曜9時ドラマ」枠で放映されたテレビドラマ。
全11話。
脚本はかつて『GTO』を手掛け、そして後に『家政婦のミタ』を世に送り出す遊川和彦。

番組の開始早々、その衝撃的な展開から多くの物議を醸し出し、番組スポンサーが提供クレジットを表示させない措置を取る等の騒動を巻き起こした事で有名だが*1
中盤以降は主人公である鬼教師・阿久津真矢の真意が視聴者にも理解され、日本のドラマ史上でも屈指の名作として記憶される事となった。

後に本編の前日譚となるスペシャルドラマ『女王の教室〜堕天使〜』と『女王の教室〜悪魔降臨〜』が制作されている。


【物語】


「あいつが担任になったら一年間地獄だよ~。あの教室では信じられないようなことがいっぱい起こるらしいから」

姉・優の不吉な言葉。
小学校最後の一年の始まりである新学期に思いを馳せる神田和美らの前に現れた新しい担任教師は、黒い服に身を包んだ悪魔だった。
始業式を放棄し、初対面であるにも関わらず、和美ら生徒の詳細な情報を完璧に記憶している彼女の名は阿久津真矢。
テストの成績による階級制度を導入し、母親達を味方に引き入れ、従順な生徒と反抗的な生徒を分け、
更に生徒自身に互いを監視させる事で不信感と鬱積を煽る真矢……。

それでも友達を信じたい和美は、真矢の槍玉に挙げられてしまい、一度はクラスから孤立しかけるものの、過酷な状況の中で得た仲間に支えられ、やがては真矢の洗脳に陥っていた他のクラスメートの心を動かす事に成功する。

……卒業制作を作り終える頃、遂に一つに纏まる6年3組。

自分達はおろか、親達とすらも本音をぶつけ合った末に真の絆を得た和美ら児童達の間に「真矢は今の状況を想定して敢えて厳しくしていたのでは?」との疑念が浮かんだ頃、
真矢の虐待疑惑を調査するべく、教育委員会からの調査員が現れるのだった……

……果たして、真矢と「女王の教室」の生徒達に待つ結末とは?


【主要登場人物】


◆阿久津真矢(演:天海祐希)
「いい加減目覚めなさい」
「イメージできる?」
一学期初日に、6年3組の生徒達の前に姿を現した悪魔の様な新任の女教師。
年齢不詳で、顔と手以外の素肌を「黒」いタートルネックの衣装に覆った長身の女性。
髪の毛は後ろに引っ詰めて纏められている。
顔立ちは整っているが異様な雰囲気を放っており、わずかに笑う事も無い。
美しいダンスを披露する一方で、大柄な並木を投げ飛ばす等、完璧さを感じさせる存在であり、
更に問題を起こしそうな生徒が居ると、昼夜や場所を選ばずに背後に忍び寄っていたりする為に生徒達からは異常に恐れられている。
章子曰く、「2年間現場から離れていたものの、受け持った生徒の成績を必ず上げ、私立への合格者も出すほど優秀」とのことだが、6年3組を徹底的に改革し、生徒達を追い込む彼女の真意とは……?
モデルは『スターウォーズ』のダース・ベイダーで、後のスペシャルドラマではマジで黒に転じるまでが描かれた。
紺色のスカート、ピンクのブラウスの上に白いカーディガンを羽織った、衝撃の白マヤは第8話冒頭(及び予告)*2の和美の夢の中のシーンにて見れる。

以下、劇中で行った主な政策。
  • テストの成績による階級制度の導入。さらに授業以外で自分に話しかけていいのは、成績上位の2名だけ。
  • 誰かが遅刻し、授業開始が遅れてしまった場合には、休み時間を短縮する。
  • 「授業中にトイレに行くという行為は自分はスケジュール管理の出来ない馬鹿だと言っているのと同じ」という理由から授業中にトイレには行かせない。
  • 自分に逆らった生徒に体罰をあたえる。
  • 開校記念日に披露する創作ダンスが上手かった者には褒美、台無しにした者には責任を取ってもらう。
  • クラスをグループ分けし、そのグループで誰かが失態を犯した際、班ごとに連帯責任を取らせる。
  • 夏休みは無し。さらに夏休み中のテストで成績が良かった者と生活態度が良い者には、カードにシールを貼りつけ、さらに点数をグラフにして貼り出す。
  • 私立受験まであと3か月を切ると、テストのレベルを上げ、ベスト5に入らない場合は内申書を悪くすると言い、私立を受けない者は、受験する者の邪魔をしないようにと忠告する。
  • 三者面談前に、今まで隠していた秘密や嘘が記載された資料を生徒たちに手渡し、これを見ながらの三者面談が嫌なら、大人しく自分の言う通りにするよう脅迫する。(尚、手渡した資料はコピーでデータは全てパソコンに記録(無論バックアップあり)してある為処分しても無駄)
etc…


【主な生徒】

◇神田和美(演:志田未来)
「テへ!」
生徒側の主人公。
当初は人を信じる事しか出来ない、脳天気なだけのお人好し。
孤立を乗り越え、やがては彼女の友達を信じる心がクラスメート全員を救う事になった。
真矢に対立する存在として衣装は「白」が基本となっている。
第1話では廊下で漏らした。


◇真鍋由介(演:松川尚瑠輝)
「じいちゃんが…」
クラスで一番成績が悪いが、水商売を営むゲイの祖父(演:藤井英介)の影響からか独自の大人びた感性を持つ少年。
表面的には明るく振る舞っているが、自分を捨てた母親(演:酒井若菜)の残したモグラのぬいぐるみ「タタッキー」を大事にする等、センチメンタルな部分も持つ。
真矢の出現により急接近した和美を支える。
そして、和美に淡い恋心を抱く。


◇進藤ひかる(演:福田麻由子)
クラスで一番の成績を誇る反面、誰にも心を開いていなかった謎めいた美少女。
和美に対する真矢の仕打ちに敢然と立ち向かった事を契機に和美との交流が始まり、やがては過去のトラウマを乗り越え、和美と親友になる。


◇馬場久子(演:永井杏)
愛称は「馬場ちゃん」。地味でどん臭く、運動も勉強も苦手な、密かに漫画を描くのだけが取り得の少女。
最初に自分の個性を認めてくれた和美と仲良しになるが、真矢に目を付けられた結果、一度は彼女を裏切ってしまう。
……が、後に和美の優しさに自らの過ちを認め、真の友情を結ぶ。
実は漫画が上手くなったのは憧れの存在であるひかるをスケッチしていた為で、和美を通してひかるとも親友になれた。


◇佐藤恵里花(演:梶原ひかり)
和美とは以前からの友人同士であったが、真矢の出現により孤立していく和美を裏切り、
ビジュアル3人組のリーダー・マリからから盗んだ財布の犯人を和美に押し付けた挙句に庇おうともしない行動は視聴者のトラウマ必至。
真実を知る真矢に生徒を見張るスパイに仕立て上げられていた事がバレ、自暴自棄に陥るも当の和美に救われ、自らの過ちを認める。
そして、この恵里花の事件を契機に、和美の言葉はよりクラスメートに届いて行く事になる。
某ムッコロとは関係ない


【その他登場人物】


◆神田武(演:尾美としのり)
和美の父。
家族の体裁さえ取れていればいいという駄目パパだったが……。


◆神田章子(演:羽田美智子)
和美の母。
夫に従うだけで浮気に文句も言えない、駄目ママだったが……。


◆神田優(演:夏帆)
和美の姉。
進学校に通う喘息持ちのお姉ちゃん。
頭が良く病弱、何より犯罪レベルに可愛い。
和美の最大の味方だが、和美の最大のコンプレックスでもあった。
完璧に見えた優だが、和美と家族の成長と共に彼女自身もコンプレックスから抜け出す事になる。


◆近藤(演:泉谷しげる)
半崎小学校校長。
真矢の過去を知りつつも彼女を受け入れた大人物……と思いきや、意外に小心者。
しかし、最終的にはになる。


◆上野(演:半海一晃)
半崎小学校教頭。
日和見で保守的な現実主義者。
真矢を敵視する。


◆並木平三郎(演:内藤剛志)
半崎小学校教師。6年1組担任。
本人曰わく燃え尽きた熱血教師。
凛とした真矢の本質に惹かれる。


◆天童しおり(演:原沙知絵)
半崎小学校教師。6年2組担任。
教育一家に生まれ、教師になるべく教師になった若い女教師。
美人で理想だけは高いが、自分の目標を良く解っていない為に生徒にナメられている部分も。
和美と仲良しだったが、悩んだ末に彼女を見捨てた事もあった。
父親(演:平泉成)は真矢の嘗ての職場の校長。
真矢曰く「誰かさんに似ている」…。


【各話リスト】


本編中にサブタイトルは表示されず、DVDの表記から。
話数 タイトル 放送日
第1話 『悪魔のような鬼教師に戦いを挑んだ六年生の一年間の記録!』 2005/7/2
第2話 『鬼教師の目に涙!?』 2005/7/9
第3話 『親友・裏切り・涙』 2005/7/16
第4話 『みんなにドロボウと呼ばれて』 2005/7/23
第5話 『友達も消えた…』 2005/7/30
第6話 『夏休みはありません!』 2005/8/6
第7話 『学校が燃える夜』 2005/8/13
第8話 『卒業行事はやりません。』 2005/8/20
第9話 『鬼教師への刺客』 2005/9/3
第10話 『真矢、最後の授業』 2005/9/10
第11話 『真矢のいない卒業式』 2005/9/17

女王の教室スペシャル
話数 タイトル 放送日
第1話 『エピソード1〜堕天使〜』 2006/3/17
第2話 『エピソード2〜悪魔降臨〜』 2006/3/18


【余談】


●ドラマの内容に不釣り合いなエンディングの「ダンス」と笑顔は、共演した子供達をマジでドン引きさせた程の天海祐希の熱演を緩和させる為に用意された。さらに、冒頭でこれはあくまでフィクションのドラマだと演出する事で、役者への風評被害を防いでいる。PTAや小学生の視聴者から多大な反感を買いそうな内容なので賢明な判断である

●体当たりの演技と存在感が世間の注目を集め、志田未来と福田麻由子の出世作となった。

●第1話、真矢が社会の現実についてクラスの児童に語るシーンで、本放送時は「特権階級の人間は、デ○ズ○ーランドでも、特別の入り口から入って並ばずに人気のアトラクションに乗ることができる」という台詞があったが、流石に色々とアウトだったのかDVDでは該当部分がカットされている。



追記修正は「こんにちは」「さようなら」に続く「アローハ!」の3つ目の意味を知っている人だけお願いします。





和美「先生、アロハ」

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最終更新:2024年02月12日 17:56

*1 後に同じ放送枠で放送されたドラマ『銭ゲバ』も衝撃的な内容だった事もあり、こちらも一社を除いて提供クレジットを自粛し、ドラマの放送前後でCMを流していた。

*2 実は過去のマヤそのものであり、本編終了後の特別編にて登場する。