サマーウォーズ

登録日:2009/08/20(木) 15:09:00
更新日:2024/03/07 Thu 14:43:43
所要時間:約 5 分で読めます





「つながり」こそがボクらの武器。



「サマーウォーズ」とは2009年8月1日に公開されたアニメ映画。
監督は「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」や「時をかける少女」で有名な細田守。
脚本は「学校の怪談」の奥寺佐渡子。


【概要】

所謂サイバーパンクに分類される作品だが、SNS的にビジュアライズされたアバターや、大家族をテーマにするなど、コンピュータに詳しくない人でもとっつきやすくなっているのが特徴。

また詳しくは後述するが、ストーリーの流れやネットワーク内の表現など、上記の「ぼくらのウォーゲーム!」との類似点が非常に多い事も指摘されている。

今作以降の細田監督作品全般に言えることだが、見る人によって賛否がバッサリ分かれがちな映画でもある。
だいたい家庭環境にコンプレックスがあるかどうかと侘助に感情移入するかどうかが評価の分かれ目になりやすい。

角川書店から漫画版が出ている。全3巻。
ストーリーが微妙に変更されている他、夏休み明け後を描いた後日談が追加されている以外はほぼ映画と同一。

また、カズマを主役にしたスピンオフ
サマーウォーズ~クライシス・オブ・OZ」がスニーカー文庫から、
サマーウォーズ~キング・カズマVSクイーン・オズ」が角川書店から発売されている。


【あらすじ】

2010年7月。
高校2年生の小磯健二は先輩の篠原夏希から「バイトしない?」と誘われる。
その内容とは、8月1日に長野県上田で開かれる曾祖母・陣内栄の満90歳の誕生日会の手伝いであった。
しかし、早速栄に面通しとなった健二は夏希から
私の彼。お婿さんになる人
と紹介される。
実はこのバイト、近頃病気がちな栄を元気付けるために夏希が考えた苦肉の策だったのだ。

栄に認められ、慣れない大家族の団欒を経た健二はその夜、送り主不明のメールを受け取る。
本文には暗号めいた数列が並び、件名には『Solve Me(私を解いて)!』の文字が。
つい夢中になり、夜を徹して解答を導き出した彼だったが、翌日驚くべきニュースを目にする。
全世界の生活を支えるネットワークシステム『OZ』が大混乱に陥り、そしてその犯人が健二だという……

明らかになる事件の全貌と一族との意外な繋がり、そして日常を侵すネットワーク・クライシス。
健二は、そして陣内一族は、この混乱を解決に導く事ができるのか?


【登場人物】

◆小磯健二
CV:神木隆之介
本作の主人公。そして混乱の一端。
17歳の高校2年生。数学が得意で、数学オリンピック日本代表……になり損ねた男。彼女いない歴17年。
序盤は自信を持てない少年だったが、陣内家、特に栄(夏希の祖母)との交流で徐々に前向きになり、終盤に覚醒する。ついでに鼻血も出ちゃった。
OZのアバターはミッキーマウスめいた耳*1を付けた少年……だったのだが、故あって中盤からは二頭身のリスになる。
「よろしくお願いしまぁぁぁああああすっ!」

◆篠原夏希
CV:桜庭ななみ
本作のヒロイン。18歳の高校3年生。
剣道部に所属し、校内のアイドル的存在。
最初は健二のことを意識している様子はなかったが……
OZのアバターは和服の鹿少女。夏希とよく似ている。

池沢佳主馬(かずま)
CV:谷村美月
本作のもう一人の主人公。13歳の男の子。
PCの扱いになれていて、実は『OZ』では有名人。キングカズマの正体。
日焼けした肌とクールな言動が特徴。
多分みんな、実は女の子説を考えただろう。
つまり
かわいい。

かわいいのである。

◆陣内栄(さかえ)
CV:富司純子
御年90歳。戦国時代から数百年以上続いている陣内家16代目当主。
名実共に陣内一族をまとめるカリスマおばあちゃん。若かりし姿は凛とした美人。
劇中の「あんたならできるよ!」は多くの観客、視聴者に勇気を与えた。

◆陣内侘助(わびすけ)
CV:斎藤歩
41歳。
陣内家の当主だった曾祖父の隠し子。
他の親族たちからは疎まれているが、夏希には懐かれている。
東大卒でアメリカ留学の経験を持つ天才

◆佐久間敬
CV:横川貴大
健二と同級生の17歳。健二と共に物理部に所属。
PCの扱い自体は健二や佳主馬より上で、事件解決のサポートに回る。
OZのアバターはドット絵の眼鏡をかけたサル。

◆その他陣内一族
詳細は陣内家(サマーウォーズ)


◆ラブマシーン
「モー娘?」
いいえ、人工知能プログラムです。
当初は健二のアバターを崩したような姿をしていたが、途中から仁王のような姿に変化した。
学習能力に特化しており、吸収したアバターのアカウントを乗っ取りOZでパニックを引き起こす。


◆世界のみんな
ありがとーーー!!


【スタッフ】

監督:細田守
作画監督:青山浩行
アクション作画監督:西田達三
キャラクターデザイン:貞本義行
脚本:奥寺佐渡子
美術監督:竹重洋二
主音楽:松本晃彦


主題歌:山下達郎『僕らの夏の夢』

監督はわかってる。
え、何がって?
ジュブナイル見れば解ると思う。

また、この作品は『ぼくらのウォーゲーム!』との類似点が数多く存在し、『デジモンの代わりに人間が活躍するウォーゲーム』と言っても過言ではない。
ただしシナリオやキャラクターの魅力は負けず劣らずの素晴らしさなので、『デジモンが出ないウォーゲームなんて』と言わず、是非見ていただきたい。
ストーリーを楽しみつつ、思い出にも浸れる贅沢ができる。


ちなみに、監督は時間の都合により『ぼくらのウォーゲーム!』でやりきれなかったことをこの映画でやりきったとのこと。


【ウォーゲームとの類似点】



【余談】

田舎の親戚が多い視聴者(編集者含む)からは宴会のシーン*2がやけにリアルと評判。

涼宮ハルヒの憂鬱の原作者である谷川流は、仕事をすっぽかしてこの映画を見に行っていたようである。

仕事しろ。


3月3日にDVD、BDが同時発売され、いずれもオリコンで週間1位を獲得。またBDではアニメ作品最高の初週売上となった。
しかし、1週間後には機動戦士ガンダムUCに記録を塗り替えられている。


実際の花札ではプレイヤーの頭脳や冷静さは当然重要なわけだが、同時に良い札を引けるか、運に非常に左右されるので、終盤のこいこいのシーンの様に連続で高い役を連発出来るのは奇跡としか言い様がない……というより有り得ない。


2009年当時としては最新機種だった最初期型iPhoneが侘助の携帯電話として登場しているが、本作はiPhoneが登場した世界初の映画らしい。


2023年7月には細田監督作品のリバイバル上映が開始されたが、本作も7/28より2週間限定で公開開始した。
おそらくは意図したものであろうが、本作は2010年の7/26から8/1にかけての物語であり、再上映時期は作中時期と対応している。
また栄の誕生日である8/1には陣内家の家紋入り限定うちわが配布された。




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最終更新:2024年03月07日 14:43

*1 小説版によると、とある懸賞で当選して入手したアクセサリー。

*2 机をいっぱいくっつけて並べる宴会席、余計なこと言うおじさん共、台所に集合する女性陣などなど