津軽弁

登録日 :2012/09/03(月) 18:17:12
更新日 : 2017/08/17 Thu 15:19:28
所要時間 :約 5 分で読めます




○×☆■*※$#&!だべ?
……えっ?


津軽弁とは、青森県西部で話される方言である。
非常に難解かつ個性が強く、一度聞いただけでは理解できないことが多い。
よく勘違いされるが、そもそも「 青森弁 」という言葉は 存在しない。
津軽弁はあくまでも青森県西部に位置する津軽地方の方言でしかない。
青森県には他に東部で話される南部弁、下北半島を中心に話されている下北弁があり、これらは全く別のものなのだ。
その為、同じ県の中でも言葉が通じないということがある。 世代が違うとたまに津軽弁同士でも伝わらないが。
それを逆手にとったクイズ番組があったほどである。
また、一口に津軽弁と言っても地域によって微妙に差があるため、同じ津軽弁を話しているつもりでもうまく通じない場合もある。

何も知らない人に聞かせると、フランス語、中国語、韓国語等に勘違いされる場合もある。
CMで「津軽弁がフランス語に勘違いされる」というシチュエーションがあったのを覚えている人も多いのではないだろうか。

とにかく、くれぐれも「青森弁聞かせてー」なんて言わないように。
我らがIKUZOに怒られるぞ。

さてこの津軽弁、兎に角 訳がわからない 方言として知られている。

どれほど難解かというと、テレビに津軽弁話者がでる場合、国内であるにもかかわらず標準語のテロップがつくのは当たり前。
時にはあまりの理解困難さに、テロップが「¥×≦%$・♪‖☆∀*/aで@#"$%…」といった 記号の羅列 になる。
しかもそのようにしてテレビに登場する人々はだいたいが高齢者であるため、いっそう訛りも強く、とてつもなく早口。
よって、質問した側が言っていることを理解できず、ぽかーんとなってしまう場合も……。


では、例文をいくつかあげてみるとする。

1.短縮言葉

「どさ?」(どこにいくんですか?)
「ゆさ」(温泉にいきます)

この4文字で会話が成立する。

もっと短いものになると、
「か! け!」(ほら、食べなさい!)
「く!」(食べます!)

なんてのもある。もはや 意味不明
このように言葉が短縮された背景には津軽地方の厳しい寒さが存在する。
口をなるべく開けずに話すことで、冷たい空気を吸わないようにしたのだ、と言われている。

2.兎に角濁点が多い

津軽弁で話されている有名なローカルCMがある。
よい例なので挙げてみる。

標準語訳「金利がたった一円で、 冷蔵庫 が月々千円で買えます。
金利がたったの一円で、 テレビ も月々千円の支払いで買えます。
たった一円の金利で、 カメラ も月々千円の支払いで買えますよ。
金利は一円で パソコン だって月々千円の支払いで買えますよ。
あまりに安く買えるので、弘前市、八戸市からも買いに来るんですよ。カーステレオの取り付けも今ならタダですよ!」

この標準語の文章を津軽弁にするとこうなる。原文の雰囲気を生かすためひらがなでお送りします。

「きんりいぢえ゛んで れーぞーこ つぎづぎ千円! 
きんりいぢえ゛ん で てれび つぎづぎ千円!
きんりいぢえ゛んで かめら つぎづぎせんえん!
きんりいぢえ゛んで ぱそこん つぎづぎせんえん!
あんまりやすすぎてひろさぎ、はぢのへがらもくるんだど! カーステ取り付け、いまならたんだ!」

な ん だ こ れ は 。

また、こんな文もある。
「しゃべれば しゃべるでしゃべたって しゃべらいるし、しゃべねば しゃべねで しゃべれって しゃべらいるし
どうせ しゃべらいるんだば しゃべねで しゃべねって しゃべらいるより しゃべって しゃべたって しゃべらいるほうが いんでねか?」

な に を い っ て い る ん だ 。

訳:言えば言ったで文句が来て、言わないならまたそれで文句が来る。どうせ何か言われるなら話した方が良くね?

その他単語をいくつかあげる。他地域でも使われているものも含まれている為、これは! という津軽弁のワードが有ったら随時編集お願いします。

  • じゃんぼ(髪の毛)
例)わ、じゃんぼかったじゃ(私髪の毛切ったよ)
間違ってもデカいと言う意味ではない。

  • あめる(腐る)
例)わいはー、この林檎あめでまったな(あらら、この林檎腐っちゃったな)
都会で使うと飴がどうしたの、と言われるぞ。

  • じぇんこ(お金)
例)かさん、わんつかじぇんこけねが?(お母さん、少しお金くれない?)
「銭こ」からの変化だろうか。

  • へる(入れる)
例)そのにぐがっぱどへでまなが!
(その肉一気に入れちゃえよ!)
  • ごんぼほる(すねる、わがままを言う)
例)まんだごんぼほって!(またワガママ言って!)

  • しゃっけえ(冷たい)
例)しゃっけえ!!(冷たっ!!)

  • なげる(捨てる)
例)なげてこいへ(捨ててきて)
うっかり他の地方で言ったものなら本当に投げられる。
ちなみに雪かきは「雪なげ」と言われる。

  • 番組が「入る」(放映される、映る)
例)プリキュアってどごのチャンネルで入るんず?(プリキュアはどのチャンネルで放映されるの?)
画面の中に入る訳じゃない。つまり、いいともは2チャンネルで5時から入るんだね!

  • むっつい(カステラや甘食といった食べ物を口に入れたときに口の中の水分が奪われて苦しい感じ)
もはや標準語に直せない。むっついはむっつい、それだけだ。

  • どんず(尻)
つまり「どんずあな」は……アッー!

  • かちゃましい(ごちゃごちゃしている)
例)なーんぼ、えの中かちゃましいば(あー、どんだけ家の中がごちゃごちゃしてるんだよ)

  • かつくつする(苛々する)
例)かつくつしてまねじゃ(苛々してダメだ)

  • まね/まいね(だめだ!)
例)いぐねえことせばまねよ。(悪いことしてはだめだよ)

  • めぐせえ(はずかしい)
例)あー間違えだ、めぐせえ!(ああ、まちがえた。はずかしい!)

  • てげ(面倒)
例)風呂さ入るのてげだあ。(風呂にはいるのが面倒だ)

  • とろける(片付ける)
例)ああもう! 早く肉じゃがとろけてよ!(ああもう! 早く肉じゃが片付けてよ!)

  • わいは(標準語で「わっ」と驚く)
例)わいは! 急に話しかげねんでけ〜(わっ! 急に話しかけないでよ〜)

  • でんち(懐中電灯など機械照明全般)
例)でんちつけてげじゃ(明かりを点けて頂戴)
機械照明全般を指して「でんち」と呼ぶ。それこそ懐中電灯から蛍光灯まで全て。
発音としては「電気」に近いので「電気を点ける」ということだと理解出来る人もいるかもしれない(正確ではないが)。
更に関連語として「でんちのしみ/すみ/しゅみ」がある。なんとこれ 「乾電池」 のことである。
これについてはいくつか説があるが、加筆者は「でんち(懐中電灯)の燃料(炭)」が由来であると聞いている。

このように癖が強く、時には日本語として認識してもらえない方言、それが津軽弁。
しかし、ここまでしっかりとした形で現存する方言はなかなか見つからないのではないだろうか。

例え都会の人に笑われようが、外国語に間違われようが、記号だらけのテロップを付けられようが、
宇宙人の言語だと言われようが、郷土の誇りとして守っていきたいものである。



わんつかでもいいはんで、書き足して直してけー。(追記、修正お願いします)

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