小此木タカオ(鉄鍋のジャン)

登録日:2012/09/26(水) 20:10:14
更新日:2024/03/03 Sun 23:32:31
所要時間:約 4 分で読めます





だってプライドじゃ料理できないもーん!!

ボクみたいな技術のない料理人じゃおいしいものを作らなきゃならない時は、マネでも何でもするよ!!


鉄鍋のジャン!』に登場するキャラクター。

概要

日本の中華料理店の頂点に立つ五番町飯店で働いている見習い料理人。年齢はジャン、霧子と同じ16歳。
常に笑顔で他人に気を使ういい人タイプ。ただ、頭はあまり良くなく天然ボケ気味で周囲からも呆れられている。
料理に失敗して落ち込んでいた秋山醤を励ましたことを切っ掛けに彼の親友となり、猪突猛進なジャンのサポート役に回ることが多い。
容姿はそこそこ整っている方であり、女装すると結構かわいい。

人物

作中登場する料理人の中では珍しくプライドなんて物を持っておらず、冒頭のセリフは大会予選で横にいた大前考太の調理をそのまま見ながら真似して作った際のセリフ。
もちろんただ真似して作った物が上手くいくはずもなかった……のだが、大前が皿を間違えて持って行った為、小此木の方が予選を通過した。大前は泣いていい。

まかないの野菜炒めさえまともに作れず、好き嫌いも多いなど料理人としては未熟も未熟。
その後、ジャンに指導を受けてからは実力を付け始め、後にジャンが海外修行の旅に出た時は、望月に代わり鍋(炒め物や煮物の担当)を任せられるようになった。
が、本人はそれではジャンが帰ってきた時にサポートできないと、ジャンが帰国したらわざと失敗を繰り返し、『R』では見習いに戻った。
そして望月が鍋担当に戻ったのと同時に、見習いも全員辞めてしまった。……理由はお察しである。というかこの店は従業員の暴力行為やパワーハラスメントをもう少し是正しろよ。

また発想力が優れており、蟹クリームコロッケピザなどの惣菜を具にした春巻チョコレート味の回鍋肉など色々とぶっ飛んだ料理を作り出す。
後に開かれた大会でも運が良かったとはいえ本選に出場して陸一族と戦った。もっとも、その結果はお察しである。
……が、実は単純な技術負けであり、発想そのものは対戦相手の陸一族と同じコンセプトの料理(=陸一族クラスの発想力はある)だった。
ジャンの事を純粋に尊敬し、友達として接しており、彼と一緒に野外料理を作りに行ったり食材探しを手伝ったりもしている。
小此木の行動が料理のヒントになることも多い。
ジャンもそんな小此木のことを大切な親友であり、数少ない心を許せる相手*1だと思っている。
そのため丁寧に料理の基礎を教えたり、小此木を馬鹿にした相手を見返すために特訓をさせたりと面倒を見ている。*2

五番町飯店の見習いをする前の経歴は不明。描写からして学校に行っている様子もないため中卒で働いており、家族の話も一切出ない。バイク免許、およびバイクは持っているようだが。
だが『R』で料理大会の会場の食材をくすねた時に楊から「そういうのひょっとして得意?」と聞かれたときに「昔ちょっとね」と答えていたあたり意外と黒い過去があるらしい。ダチョウ肉欲しさにダチョウを盗み出した時のことかもしれないが。
案外、天涯孤独の身の上で五番町飯店に盗みに入ったところを睦十や弥一に見つかって見習いとして働かせられることになった、なんて経緯があるのかもしれない。
望月からイジメを受けても五番町を辞めようとしなかったのは、他に行き場がなかったから……なのだろうか?
何度も言うようだが料理人としては未熟も未熟だが、これは(16歳のペーペー相手に)周りがきちんと指導・教育をしていなかったせいもあるわけで、一個人としては結構人たらしなタイプである。

Rから十数年の年月が経過した2ndでは、セレーヌ楊(結婚後はセレーヌ小此木)と結婚。
息子である小此木マリオが五番町飯店で見習いとして働いている。
マリオはフランス系の名前なので、勘のいい人はすぐ奥さんが誰か分かっただろう。
本人は五番町飯店を離れて、神戸にある楊の実家『シードラゴン(=五番町飯店神戸支店)』をマリオの妹である4つ子姉妹と一緒に夫婦で切り盛りしている。
彼の中華のセオリーに囚われない発想と想像力は、楊の「ヌーベル・シノワ」に通じるものがある為、腕が追いついた現在なら、店は繁盛間違いなしだろう。婿入りした方が良かったんじゃないかな。
……実は、逆算するとR時点で既に長男のマリオは産まれている。意外にやる事やっちゃっている肉食系である。小此木爆発しろ。


■作った料理


無印

  • 野菜炒め
作中における小此木の初料理。
シンプルな野菜炒めだが、中華料理の基本がなっていないせいで肉と野菜の水分が全て流れ出してスープと化してしまい、結果野菜も肉も水分がなくパサパサのシナシナになってしまっている。
おまけに本人はその欠点に全く気がついていなかったためボロカスに貶されてしまった。

ジャンが小此木に中華料理の基本連鍋(レンコウ)」「泡油(パオイウ)」「碗献(ワンチェン)を叩き込むために作らせた料理。
  • 煙が出るくらい強火で空焼きした鍋に汚れを溶かすための油を入れて戻し、次に料理に使う油を入れて炒めた物を鍋にこびり付かないようにする連鍋
  • 下味を付けた牛肉や野菜を油通しする泡油
  • 料理に使う調味料を一つの碗に混ぜて素早く使えるようにする碗献
ジャンはこの3つの基本を青椒肉絲作りを通して小此木に教えた。五番町飯店の先輩方、特に弥一は総料理長なんだからもっとちゃんと教えてあげるべきだったんじゃ……。

  • 紅龍童魚(ウロコつき甘鯛)
蟇目との料理勝負で両腕を折られたジャンの代わりに作ったもの(ジャンからは作り方を教わっている)。
60cm以上の甘鯛を使った料理でを美味しく食べられるようにすることに主眼を置いている。
調理法は塩、胡椒、老酒で下味を付けた甘鯛を手で逆さに持ったまま熱した油をかけ続けるだけと極めてシンプル。
3kgもある甘鯛で普通は手で持ち続けられるものではないが、ジャンが課した事前の特訓によって腕が硬直した小此木は何時間でも持っていられる。
その際相当ボコボコにされているが、ジャンが特訓の意図を事前にしっかり説明し、ミスった時にヘッドバッドの刑の流れだったので小此木も特訓への弱音こそ吐いてはいるがボコボコにされた文句は一切言わずに真剣に特訓を受けている。

低温の油をかけ続けたことによって鱗はフライの衣よりも軽くサクサクになり、身はしっとりとジューシーになった。
赤と青の唐辛子を使ったタレとマヨネーズにタバスコやケチャップを混ぜたタレがさらに味を引き立ててくれる。
空気のように軽く香ばしい鱗と甘鯛の身の旨みを存分に楽しめる。

  • 下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる春巻
新メニュー決定トライアルに出品したメニューで、おそらく作中初の小此木完全オリジナル料理。
コロッケなど様々な惣菜を近所で買ってきて具として巻いた春巻。料理技術もジャンとの付き合いで成長したのか、見かけはしっかり春巻として仕上がり皮もしっかりと揚がっている。
しかし手当たり次第無差別に総菜を買って具にしたせいかドカ盛り料理並の本数の春巻となってしまった。なおコロッケは中身だけ使って衣は廃棄しており、キリコは「ひどい手抜き」と若干苦虫を嚙み潰したような顔で苦言を呈していた。
具はカニクリームやコーンクリーム、マッシュした南瓜(カボチャ)、ひき肉、ポテトなどの当たりもあるが、冷めたピザやコールスロー、酸っぱい中華サラダなどのハズレもある。一応は出前のピザを使って揚げてもあるのに何で冷めてんだ……
これらの選定基準は分からないが、ジャンは「自分の好きなもん無差別に巻きやがったんだ…」と引いていた。

「ああそうだな 一応食べますか…」
「まぐれもないじゃろうが……」
「そう 確率は極めて低いけど…」
ひっ ひどい!

と、これまでまともに料理を作れていなかった手前上記のコメント通り審査員だった弥一等からも期待はされず、あまりの馬鹿馬鹿しさとそれを裏付ける名前から呆れられつつも先輩たちの笑いを誘ったが、実食した弥一には「下手な鉄砲というよりは『玉石混合』だな」「くだらん石コロの春巻もあるが、ちゃんと中華風に作れば、実にいい春巻になるものもある」と評価。
先輩達が陥っていた中華の古い固定観念に囚われない斬新な発想の他、本来コロッケを揚げる際の複数の工程をたった1工程に短縮できる点でも評価されている。
作り方は普通の春巻と全く同じなので、実際に作ってみた読者もいるのではなかろうか。

ただし同時に弥一から「中身ぐらい自分で作れるようになれよ。肝心な具材が出来合いモノなのは酷すぎると酷評もされ、この点は先輩たちにも苦言を呈されており、具の中には取り除きキレなかったコロッケの衣が混じっているのでそういった部分はマイナス点。
結局店に出すものは、弥一から「大人も子供も親しまれる」と推された中華風にアレンジしたカニクリームと、マッシュしたカボチャの2つに絞った。
実際のところ最終候補に残った4人の春巻の中では、楊のスイーツ春巻と並んでお客さんに支持されやすい春巻と思われる。
具がユニークな以外はごく普通の春巻なので、睦十からも調理法からして手間はかかるし奇をてらい過ぎたジャンや霧子は殺到する注文に調理が間に合わずヘトヘトになってたことを引き合いに出して「作り方も簡単で、ユニークで気軽に食べられる春巻らしい春巻」と、小此木の料理の技量不足を除けば褒められている。

  • 三種のおにぎり
店のまかないで作った料理。
見た目はラップで包まれた海苔のない大きなおにぎりであり、具はカキフライ、酢豚、麻婆豆腐の三種類。
「ボク最近マジメに料理やってるんですよ」と答えた通り、台湾の屋台のおにぎりを参考にしており、表面のラップ側は熱くないがラップを剥がした中のおにぎりは熱々というギャップが特徴。
中の具のボリュームもあっておかずとご飯を纏めて食べられるが、肝心の具は相変わらずデパ地下で買ってきた惣菜。
成長と発想のユニークさは弥一にも認められたが、それはそれとして「まかないはみんな楽しみにしてるんだからもっとちゃんとした料理を作れ」とも注意された。ちゃんと後進育成してます?

  • コピー炒飯
第2回大会予選「指定された米で日本人の口に合う炒飯」という課題で製作。
近くにいた大前孝太の作っていた炒飯を真似て見た目そっくりに作ってしまった代物。
おまけに大前の炒飯の横に自分の炒飯を置いたせいで、大前が自分の炒飯と間違えて持っていた結果まぐれではあったが予選通過を果たしてしまった。
確認を怠った大前の過失もあるが、それでも見た目はそっくり(味はまるで違う)に作ってるのは変に技術が高いような気がする。

  • ドジョウ鍋
第2回大会第1試合「豆腐料理」という課題で製作。
土鍋に生きたドジョウ数匹と豆腐を入れて煮込んだシンプルな料理。
熱せられた湯により熱を嫌ったドジョウが豆腐の中に潜り込むミラクルが発生し、湯豆腐の中から茹でられたドジョウが飛び出すインパクト抜群の料理になった。
奇跡の産物と言えるが、そのインパクトを評価され1回戦通過となった。

  • 変わりギョーザ
第2回大会第2試合「制限時間60分以内+審査員合計55人分の餃子」の課題で作ったと思われる料理。
見た目は普通の焼き餃子で、具にフルーツと餡子を使っていたこと以外は不明。
素早く餃子を作るためこっそり会場を抜け出して店で餃子を早く包むためのギョーザ包み器を購入し持ち込む相変わらずのダーティさだったが、対戦相手が陸麗華だったため完全に泣きが入った状態で作っていた。
なお得点は54点と小此木にしては割と高め。ジャンと付き合う内に最低限の料理技術を身に着けていたのだろうか。



R頂上決戦

  • 温泉卵饂飩
消化の良い温泉うどんの組み合わせ。
楊からは「中華の料理人なのに〜?」と少し呆れられていたが、ジャンからは「卵の中で最も消化が良い状態だ」と褒められた。
ちなみに楊が直前に振る舞ったのはママン直伝の甘ーいオムレツ。オイ嫁。

  • チョコレート回鍋肉
反り返るまで炒めた豚肉、煮崩れしないように素揚げしたタロイモ、トック*3
それらの具を大量のチョコレートとラズベリー、黒胡椒と岩塩で味付けした奇抜な回鍋肉。
一見すると完全にゲテモノだが黒胡椒とラズベリーでチョコレートの甘さを引き締め、さらに味の無いタロイモとトックを加えて甘さを半減、そして岩塩のしょっぱさによって全体の味をまとめている。
塩チョコをヒントに生み出されたものであり、店では絶対に出せないが味は及第点だと自由な発想を評価された。
1部では「クソ料理人」などと小此木を見下してた蟇目も褒めた一品。*4


追記・修正は

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ボクみたいな技術のないWiki篭りじゃおもしろい項目(もの)を作らなきゃならない時は、マネでも何でもするよ!!

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最終更新:2024年03月03日 23:32

*1 背中の傷を見られることにも抵抗がないのは小此木ぐらいである。

*2 特に『R』では(ワザと)見習いに降格した小此木に内心で『何やってんだよ!』とやきもきしたり、課題の新作の回鍋肉を皆の前で披露する場面では『俺がサポートに入る』と(頼まれてもないのに)名乗りを上げる等

*3 朝鮮半島の

*4 嫌みや煽り抜きで「発想は大事だが、料理は手堅く!」とコメント。正当の中華料理では絶対に店に出せない一品であり、本人も「ごもっとも!」と返している。また共に乱入してきた五行達も「面白い」と評し、一切ケチは付けていない。が、横にいたジャンはケチを付けてきたと感じていたのか険しい表情をしていたが。