新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNIT

登録日:2011/11/15(火) 22:09:42
更新日:2024/03/17 Sun 12:24:33
所要時間:約 6 分で読めます





「新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNIT」は、1997年にバンダイから発売されたプラモデルによる企画、およびそれを元にした漫画作品。
テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』の外伝作品である。

コミックボンボンではときた洸一氏、コミックジャパンでみずきたつ氏の作画で連載されたが、コミックジャパンは1号で廃刊になってしまっており、ストーリーは実質ときた版のみ存在する。
また、みずき氏は後年、ADVANCE OF Ζの漫画版を担当している。

2019~2021年にガンダムエースにおいて、最終話の少し手前の時系列を舞台とした新作『オペレーション・ガリアレスト』が連載された。無印時代では期間などの関係で描けなかったストーリーを補完したものとされている。



[ストーリー]

ガンダムW本編でOZが台頭してきた頃、レディ・アンの演説に共感した資源衛星MO-Vは自主開発したMS「G-UNIT」をOZに売り込もうとする。
しかし、OZの特殊部隊「OZプライズ」によってMO-Vは隔離されてしまう。
OZにきな臭い物を感じていたオデルは弟アディンと共に戦いを挑むが…。


[主要登場人物]

(※CVはゲーム『SDガンダムGジェネレーションシリーズ』より。『F』から『OVERWORLD』『CROSSRAYS』において、何名かのキャストが変更されている)

MO-V

○アディン・バーネット
CV:結城比呂(現:優希比呂)
本作の主人公で、ジェミナス01のパイロット。
後半はガンダムグリープに搭乗する。
少年漫画の主人公らしい熱血漢で、決め台詞は「オレが決めるぜっ!」。
なお、名前の由来はロシア語の「1」だが、コロニー指導者ヒイロ・ユイを暗殺した人物と名前が同じ。
つまり、本編の方のヒイロの実父と名前が同じ
ちなみにイメージ元はガロード・ランらしい。

○オデル・バーネット
CV:津久井教生
アディンの兄で、ジェミナス02のパイロット。
序盤で行方不明になるが、OZプライズで正体バレバレの銀仮面をつけて動向を探っていた。その後、復帰する。
裏工作などの万能振りは、どこぞの仮面の兄さんを思わせる。
本作一番のチートキャラ。
主人公の憧れの兄だったり最終決戦前に「この戦いが終わったら結婚しよう」と言って出撃したくせに、無事に五体満足で帰還して結婚式を挙げた、史上稀に見る超フラグブレイカー。



○ルシエ・アイズリー
CV:池澤春菜
MO-Vのプログラマー。
アディンとはケンカする程、仲が良い関係。
ルーナの件で普段よりもアディンとケンカしてしまったが、そのこともあって、絆を深め、
最終決戦においては、アディンの無理を聞いて、PXのリミットレベルを上げ、アディンの勝利の女神となる。
余談だがGジェネクロスレイズでトランザムを使わせると「PXの方が先なんだから!」とメタ発言をかましてくれる。


○トリシア・ファレル
MO-Vのオペレーター。
オデルの婚約者であり、大人な女性。
エピローグでオデルと結婚した。


○ロガ・ハーマン
MO-V代表で、本作一番の苦労人。
バーネット兄弟とは親子のような関係。
エピローグではMO-Vを民間コロニーに改装した。


○ディック・ヒガサキ
MO-Vのメカニック。
後の作品にも意外な形で登場する。


○ロウ・サーナン
OZ特士。
上司のニコルの命令でMO-Vに向かうが途中でOZプライズに襲われる。
シェンロンガンダムを目撃しており、「誇りを感じる機体だった」と語り、G-UNITを見てガンダムと呼んだ。
エピローグは実質彼の報告で締めくくられている。


OZプライズ


○ロッシェ・ナトゥーノ
CV:堀川りょう/柿原徹也
OZプライズの「星屑の三騎士(スターダストナイツ)」の一員。
真紅の指揮官型カスタムリーオー・『Leo-S(レオス)』のパイロット。
気障な性格だが、誇り高い一面もある。
クラーツの裏切りに合い負傷、ライバルであったアディンに救助される。その後はMO-Vにつき、ガンダムLOブースターに搭乗し戦った。
味方になって以降はアディンの良き相棒となり、抜群のコンビネーションを見せている。
プライズ時代は顔芸が凄く、敵味方時代問わず薔薇を周囲に浮かばせるどこぞの薔薇の騎士のような描写が多かった。
何の因果か変更後のキャストは薔薇のMSの後継機に乗る男と同じである。
余談だが台詞の一つに「チェスの借りがあったからな…」と言うが、チェスで作れる借りというと「待った」である。余り強く無いのか…。
しかもGジェネクロスレイズで遊撃連携をした際にもその事を言う為、誰にでもチェスで「待った」を掛けたことになる。 まぁ「一緒にチェスしてくれた」くらいのイメージでもいいかも知れないが。

○クラーツ・シェルヴィ
CV:二又一成/津田健次郎
星屑の三騎士の一員。
高速機動型カスタムリーオー・『Leo-R(レオール)』のパイロット。
ロッシェ同様に気障な性格だが、物腰は柔らかい。
後にヴァルダー側について、ロッシェに傷を負わせるが、彼に借りを返される。
終盤ではペルゲの開発したガンダムバーンレプオスに乗りこみ、ロッシェを窮地に追い込むが、ペルゲの捨て駒だった為、PXの副作用で死亡。
死の間際、精神崩壊を起こしており、「寒い…寒いよ…」と呟きながら死んでいった光景はトラウマもの。
レオールのデザインは明らかに女性的だが、当人は細身の優男というだけで別にそういう趣味はない。
(企画当初は女性の予定だったという都市伝説もある

○ブルム・ブロックス
CV:松尾銀三/稲田徹
星屑の三騎士の一員。
重装甲型カスタムリーオー・『Leo-N(レオン)』のパイロット。
傲岸不遜な性格だが、まともな一面もある。
ヴァルダーに楯突いたため殺害された。
Gガンダムのアルゴ・ガルスキーに非常に似ているが、向こうと比べて眉毛が細く髪は長い

○シルヴァ・クラウン
突如現れた謎の仮面戦士。
アディンどころかロッシェ以上の腕前であり、新型ガンダムの性能もあいまってMO-Vを窮地に貶める。
更に非戦闘民脱出を阻害しようとする、MO-Vに隕石をぶつけようとするなど悪逆の限りを尽くす。
だがバーネット兄弟にしか使えないPXモードを使いこなす事から、アディンは彼が行方不明のオデル兄さんじゃないかと疑うが…。
Gジェネクロスレイズのプロフィールを見てはいけない。


○ヴァルダー・ファーキル
CV:小杉十郎太
黒いカスタムリーオーで戦果を挙げたことから「暗黒の破壊将軍」の異名を持つOZ特佐。
ペルゲの手引きによって、ハイドラガンダムを愛機にOZプライズを乗っ取る。
戦場にいる者すべて獲物とみなし、MO-Vから脱出する避難船をも無慈悲に葬り去るほど冷酷な性格だが、戦争に対しては美学を持つ。
トレーズ打倒の野心を抱いており、事実PXを全開にしたグリープに対しても優勢を崩さなかったりとかなりの実力を持っている。
が、トレーズが五飛に討たれた事を知った途端動揺、一気にヘタレた。

奴のエピオンと私のハイドラ…対決の日が楽しみだ
(トレーズはエピオンを他人に渡してしまったが)
イメージ元は作者が相談した担当編集の見た西部劇の悪役だとか。

Gジェネクロスレイズの台詞によると「暗黒の破壊将軍」という異名を本人は割と気に入っているらしい。
また、トレーズもヴァルダーを知っていたらしく、Gジェネクロスレイズでヴァルダーに対し「道を違えたか…」と嘆くセリフがあるほか、『ガリアレスト』におけるヴァルダーの回想でトレーズと遭遇する場面がある。


○Dr.ぺルゲ
CV:麦人
この物語の元凶。
自分の機体が宇宙最強であることを証明したいが為に、MO-VやOZプライズを利用した。
実際、彼が作った機体はどれもかなりのチート性能を有していた。
Wの爺様方の負の一面のみを抽出したような人物。
バーネット兄弟の両親を事故死に見せかけて殺害した張本人。
皮肉にも、その息子が操縦する自分の造った機体によって死亡することになる。
最後の足掻きとして、グランシャリオに組み込んでおいた破壊プログラムで地球やコロニーも道連れにしようとしたが、G-UNITの活躍で防がれる。
尚、G-UNITのデザインはガンダムと酷似しており、OZプライズに加わってからは自分でも「ガンダム」と呼んでいるが、
オデルから「地球に現れた謎のMS」に勝てるかと尋ねられた時は「ゲリラ戦用カスタム機」だろうと仮定して話をしていた。
とぼけていたのか、本当に知らなかったのかは謎であるが、『ガリアレスト』の冒頭において「地球に現れた謎のMS」を「所詮はゼロの模造品」と評しているシーンがある。


○ルーナ・アルモニア
CV:島津冴子/花澤香菜
ヴァルダーの側近で、メリクリウス・シュイヴァンのパイロット。
ヴァルダーの命を受けMO-Vに潜入するが、あっさりバレる。
儚げな雰囲気を醸し出しており、アディンとの悲恋を演じた。
味方の砲撃で死亡した…と思いきや生きていました


○ソリス・アルモニア
CV:冬馬由美/甲斐田裕子
ルーナの姉で、ヴァイエイト・シュイヴァンのパイロット。
妹とは正反対な強気な性格で、かつては姉妹共々ガンダムパイロット候補だった。
そのため、アディンにガンダムパイロットしての覚悟を説き、散り際には彼に自分達のような存在を生み出さない世の中を作ってくれと告げた…が、こっちもちゃんと生きていた
…Gジェネスタッフは最終話ラストで彼女達がいる事を見逃していたらしく(まぁ、最終話ラストシーンで1コマだけなのでわからなくはないが)、
「F」のプロフィールで死亡した事にしている。ツッコミが殺到したのか、後の「OVERWORLD」では訂正されていた。
Gジェネクロスレイズではキャストが変更されたが、ゴッドフィンガー時に声優ネタを披露した。

『ガリアレスト』では撃墜された後の描写が追加されている上にそのおまけ4コマで
ソリス「前もちゃんとラストシーンに出てたからな よく見てみろ 電子書籍でも配信中だ」と言わせている。*1

彼女達がトロワのガンダムパイロットになった経緯を知ったらマジギレしそうである。


○アリサ・ウォーカー
ロッシェに好意を抱くOZプライズ特士。
アディンにガンダムグリープを届ける手助けをし、その後はMO-Vについた。



登場メカニック

ジェミナス01
パーツの換装によってあらゆる状況に対応することをコンセプトとした試作MS。
本作前半の主人公機。

ジェミナス02
ジェミナスの同型機。後にOZプライズの手でガンダムアスクレプオスへと改修される。

ガンダムグリープ
OZの試作可変MSをベースとしたガンダム。
本作後半の主人公機。

○Dユニット
リーオーのパーツを転用した簡易モビルドール
モビルドールが徹底して否定的に描かれる『ガンダムW』の作品群にて、主人公側によって正しく運用されたという珍しい例。

ハイドラガンダム
ヴァルダー専用のガンダム。

○ガンダムバーンレプオス
OZプライズが新造したアスクレプオスの改良型。

レオス/レオン/レオール
それぞれロッシェ、ブルム、クラーツが搭乗するリーオーのカスタム機。

ヴァイエイト・シュイヴァン/メリクリウス・シュイヴァン
それぞれソリスとルーナが搭乗するヴァイエイトとメリクリウスのカスタム機。
ビームキャノンやプラネイトディフェンサーといった原型機の特徴が2倍になっている。

○グランシャリオ
北斗七星の名を持つ、OZプライズの巨大宇宙戦艦。

○PXシステム
厳密にはメカニックではないが、ここにて紹介。
ジェミナス2機、グリープ、バーンレプオスに搭載されているシステムで、PXとはPILOTS EXPERINCEの略。
人間の緊張が極限になったとき感覚が鋭敏になる、いわゆる火事場の馬鹿力を能動的に引き起こすシステムである。
ただしこの手のシステムのお約束で、使うとパイロットの心身に多大な負担を与える為、普段はリミッターが備えられている。
そのリミッターを解除したのがGジェネ等で必殺技になっている「オーバードライブ」である。

訓練を受けていない人間でも腕利きのパイロットであれば使用自体は可能だが、人格に影響を与えたり最悪死に至る。
現状ではこのシステムを使いこなせるのはバーネット兄弟のみである。
…と言いたいところだがGジェネでは誰でも気軽に使える。
GジェネFではロッシェも普通に使ってたが、クロスレイズではゲストの彼は使うことができない特殊仕様となっている。


余談だがコミックジャパンはホビージャパン系列であり、模型誌主導の外伝作品の多分に漏れず 本編登場の機体より妙にスペックが高い。

オデルさんのチートぶり

プライズに寝返ってる最中に、G-UNITのパーツを横流ししてグリープを造る。
しかも、父親の設計した新型エンジンまで搭載。

最終決戦でモビルドール50機と対戦。しかも、オデルの攻撃パターンと回避パターンをプログラムされた、ビルゴⅡ
当然苦戦するが、ペルゲに父親殺しの真相を聞かされ怒りが爆発。
PXオーバードライブで、ビルゴを滅殺☆
ついでにペルゲも圧殺☆

グランシャリオ暴走後、「私達の乗っているのはG-UNITだ」の一言で、敵の残骸しか無い宇宙空間で、中破した3機を組み替えて魔改造ジェミナス(上半身レプオス、下半身グリープ、背中LOブースター)を完成。

Gジェネクロスレイズではシルヴァ仮面時の妙にアメリカンなかっこいいBGMを貰えた。
…がキャラクター説明文で3行目に「正体はオデル・バーネット」と書かれてネタになった。キンケドゥ「わかる」*2クワトロ「私なんていつもそんな感じ」
「このノリノリのギターサウンドは…兄さん!?」
前述の通り多数の死亡フラグをへし折っている。
「最強の兄」だなんて明らかに乗り越えられそうな称号も少なくとも最終回まで守り通した
一応『ガリアレスト』においては無印でアディンが指摘されたのと同様「基本が技術者なので、操縦は上手いものの、殺気に欠ける」点が指摘された。

ちなみにみずきたつ氏版では自分の経歴が不明なことにショックを受けるシルヴァ・クラウンの姿で中断しているので、
こちらでは記憶喪失もしくは記憶操作されていたようだ。



追記・修正、オレが決めるぜ!!


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最終更新:2024年03月17日 12:24

*1 ときた氏は「ガリアレスト」でルシエがタピオカミルクティを飲むカットを「中の人ネタ」と言いながら描いており、ゲームでしか声を当てていない池澤春菜女史が台湾好きなことまで抑えたネタを描く以上GジェネFでの死亡説にも気付いていたのだろう。

*2 第2次スーパーロボット大戦αのキャラ辞典冒頭1行目でいきなり「正体はシーブック・アノー」と書かれた事がある。シナリオ上も前々作で共闘した面々が正体を知っているため原作では全6巻中5巻途中まで無理矢理正体を伏せ続けたのに即「シーブック」と呼ばれてしまう。