レドラー(ゾイド)

登録日:2010/03/13 Sat 07:10:43
更新日:2023/11/24 Fri 22:28:29
所要時間:約 4 分で読めます




レドラーとは、タカラトミーの『ZOIDS』に登場する機体。


◆機体スペック

番号:
RHI-7(ゼネバス帝国)
EZ-005(ガイロス帝国)
所属:
ゼネバス帝国/ガイロス帝国

分類:
ドラゴン型/超高度空撃型
ロールアウト:ZAC2045年
全長:17.0m
全高:6.0m
全幅:15.0m
重量:34.0t
最高速度:M3

武装/装備:
(旧)
引込式切断翼
格闘戦用脚×4
可変収束レーザーサーチライト
放熱システム
太陽エネルギー吸収翼×2

(新)
可変レーザーブレード
ストライククロー×4


中央大陸戦争時代より運用されている、ガイロス帝国軍の空中戦の主力
もともとの開発はゼネバス帝国にて行われており、ガイロス帝国にも輸入された経緯がある。

『ZOIDS』に登場する機体としては珍しく、現実に存在しない所謂「幻獣」の姿をしたゾイドであり、その幻獣の中でも特に有名なドラゴン型のゾイド。

しかし中型量産機故スペックの方は高いとは言えず、空戦機であると言う利点も他の機種ほど活かしきれていない。
更に、デフォルトで火器が一切無いと言う空戦型にあるまじき機体。そのため距離を取られると何も出来ず、対地攻撃すらままならない。
航空格闘戦というとドッグファイトのはずなのに……

揚げ句の果てには、肝心のデフォの武装すら二つしか無く、しかもその内の一つは尾の中にあり、尚且つ機体の上を向いて展開する。

あんまりにあんまりなためか、バトルストーリーではあごの下や翼あたりにビームガンを搭載していることがほとんど。
また、場面によっては対地・対艦ミサイルを搭載している場合もある。
それでも解説には「運動性とスピードはすごいが、火力が足りない」「上級者向け」「使いにくかった」と散々に書かれている。

とはいえ、そのスピードとパワーはヘリック共和国軍の主力空戦ゾイド・プテラスを大いにしのぐ。
実際、プテラス部隊とレドラー部隊が交戦したときには一方的に駆りまくったこともあるぐらいなのだ。
さらに、ヘリック共和国軍最大最強の空戦機として名高いサラマンダーに対しても、トンビを襲うカラスのように集団で襲い掛かれば、迎撃することも出来たらしい。


……しかし、忘れてはならないのは、共和国空軍はいつだって強い、ぶっちゃけ陸海軍より強いということ。
やがて共和国が、レドラー以上の運動性とスピード、小回りと火力を誇るレイノスを投入すると、レドラーの迎撃能力はガタ落ちに。
あまつさえ、レイノスがレドラーを相手取っている間に、プテラスとサラマンダーが爆撃を行うという悪夢のような光景が現出した。

西方大陸戦争期に入ると、幸いにもサラマンダーとレイノスが正規軍から離れたため、プテラスしかいない共和国軍に猛威を振るった……
と行きたかったが、やたら対空迎撃能力に優れるステルスバイパーなどの抵抗にあい、なぜか苦戦
さらに、共和国軍がレドラーの完全上位機種である格闘戦特化の大型ゾイド・ストームソーダーを開発・投入してしまう。
レイノス以上のスペックを誇るストームソーダーにはレドラーは一方的に蹂躙され、しかも共和国はレイノス、サラマンダーをも次々と復活させてしまう。

流石にこのままではマズイと思ったのか帝国軍もレドラーの強化に踏み切り、様々なバリエーションが生まれる事になる。


◆劇中での活躍

  • バトルストーリー
基本は上述。デビュー戦であるZAC2045年5月のフロレシオ海戦にては、爆装していたにもかかわらず驚異的な運動性でプテラス部隊を壊滅せしめた。
フル装備した艦爆・艦攻機が、艦戦機を相手に圧勝したという、よく考えると恐ろしい戦果である。
しかし燃料を使いきったために敵艦隊の撃滅には失敗し、司令官ガーランド中佐の指示で投降している。
その後も帝国軍の空の王者として活躍したが、レイノス、サラマンダーF2などの登場で苦戦し、ガン・ギャラドの開発で一線を引く。
とは言え中央大陸戦争時代の活躍は目を見張る物があり、沼地にはまって身動きがとれないデスザウラーに集中砲火を仕掛けるディバイソンを単機で撃破してデスザウラーを救助したり、マッドサンダーのデータが記録されたディスクを盗み出したライジャーを追撃するレイノスを相打ちで撃墜するという大活躍を見せたこともある。*1

西方大陸戦争では再び最強の空戦ゾイドとして返り咲くが、ステルスバイパーなどの迎撃にてこずっている間にストームソーダーが現れ、圧倒される。
それでも、嵐の中の強行出撃でロブ基地に襲い掛かる、エウロペ脱出艦隊を護るべく特攻をかける(これはゼネバス残党兵が任命されていた)、アンダー海海戦でハンマーヘッドを狙撃するなど、ガイロス帝国の主力空戦ゾイドとしての見せ場は要所要所で見られていた。


初登場は第二話。
盗賊団「デザルト・アルコバレーノ」のヴィオーラの搭乗機として登場。
意外な事に登場したのは赤い装甲にオレンジ色キャノピーのゼネバス仕様。コクピットのすぐ下に小さな機銃が二基装備されている。
初登場以降バンの前にたびたび現れ、ヴィオーラの故郷・イセリナ山ではその地方特有の霧を用いて奮戦した。
それからもロッソ脱獄などに参戦するが、最後はレイヴンジェノザウラーに荷電粒子砲で狙撃・撃墜されてしまった。

その後、通常機(当然紫色のガイロス帝国仕様機)も要所要所で現れるが、たまにルドルフが移動用に使うぐらいで、あまり目立った活躍はない。

なお、ヴィオーラ機は上述したとおりゼネバスカラーだが、一説にはアニメ制作当初は新シリーズの機体色がほとんど決まっておらず、反映できなかったらしい。
実際、一話から登場したガイサックは旧共和国時代に近い青色で、コマンドウルフゴルドスもすべて独自のカラーリングとなっている。
オープニングに映る、正規軍らしき三機のレドラー(「たとえどんな」~のあたり)も、ヴィオーラ機と同じ旧カラーだった。

第29話にはブラックエンジェルが登場。
ガイロス帝国軍エーベネ空軍基地にて、ラルフ少佐率いるアイゼンベック部隊が試験運用を行っており、暗殺任務中に乱入したアーラ・バローネの二人組が駆るストームソーダーと激しい航空戦を行った。
正式採用されてからは数々の戦場で投入され、爆撃や奇襲・強襲・迎撃とさまざまに活躍する……
が、ストームソーダーに引き裂かれたり、三銃士筆頭・ワグナーのセイバータイガーに次々撃墜されたり*2、ブレードライガーに直進スピードで追いつけなかったり、デスザウラーにミサイルを撃ってもまるで効かなかったりと、悲惨な目にも遭いまくっている。



◆バリエーション

  • レドラーBC
レドラーに火器とブースターの一体化した「ブースターキャノン」を両翼に一基ずつ搭載した機体。
ブースターキャノンそのものはかなり大口径のビーム砲なので火力としては充分、ブースターも搭載されてスピードも上がったのだが、
前方スピードは上がったものの小回りは利きにくくなったらしい。そして、相手のレイノスはその小回りに長けるのであった。
とはいえ、作中では飛び上がったハンマーヘッドを撃ち抜く場面もあり、攻撃力と運動性もある程度は担保できた模様。


  • ブラックレドラー
いつまでも上層部が空戦ゾイドの強化や新型機の配備をしない事にイライラした帝国空軍のパイロット達が、勝手にレドラーを強化した機体。
それぞれパイロットにより違った改造が施されている為、機体毎に性能はバラバラ。


  • レドラーホークアイ
漫画『機獣新世紀ZOIDS』に登場するオリジナルレドラー。偵察目的に使用され、高高度から情報を収集し、味方に伝える。
武装は確認されず、背中にレーダードームがあるのが確認出来るのみ。恐らく、戦闘能力は皆無。
どっかの雨天時には無能な大佐を補佐する中尉は関係無い。


  • ブラックエンジェル
機動性、火力、装甲のいずれにおいても大幅に強化された、バランスの良いブラックレドラーである。
頭部形状、三基に増設された尾部のブレード、翼下のミサイルポッド、腹部の対地ミサイル、頭部の機銃など、カラーリング以外にも通常機との明確な外見的差異がある。
全体的に重武装化しての爆撃機のような機体。
しかし対戦したシュバルツによると、火力や装甲のみならず運動性も高くなっているとのこと。

もともとはアニメに登場した「ブラックレドラー」。上記のバトスト版のブラックレドラーと区別してこう呼ぶ。
ガイロス帝国軍エーベネ空軍基地の「アイゼンベック部隊」で試験運用され、後に制式採用されている。

ちなみに43話と62話ではコックピットのデザインが異なるブラックレドラーも登場した。
キャノピーがレイノスのものに近い。
いずれもルドルフ皇帝のレドラーに随伴していたので、親衛隊仕様なのかもしれない。


  • レドラーインターセプター
ドッグファイト用の改修を施したタイプのレドラー。
極限られた生産に留まり、防空部隊に配備された。


  • レドラーMk-Ⅱ
全高:13.2m 
全長:26.5m 
全備重量:93.2t
最高速度:M4.0

武装:
ストライククロー
キラーバイトファング
フェイズドアレイレーダー
ブレードアンテナ
ジャミングブレード

GBCソフト「白銀の獣機神 ライガーゼロ」に登場したゾイド。
レドラーを二足歩行させ、格闘戦に特化させたような鋭いデザイン。

詳しい設定は不明。
一説ではストームソーダーに対抗するべく、レドラーを発展させたものと言われるが、最早レドラーとは別物。

頭部に装備されたフェイズドアレイレーダー、ブレードアンテナ、ジャミングブレードのおかげで広範囲の索嫡範囲を実現していると思われる。

電撃HOBBY MAGAZINE2001年12月号に掲載された「シューティングスター」というゾイドにデザインが似ており、これを参考にしたと思われる。
「シューティングスター」は旧大戦中のガイロス帝国に存在したゾイドをベースとして開発される予定だったが、
その肝心のベースとなるゾイドを確保できなかったためにお蔵入りになったとされている。
これらの記述と、大きさや翼の形状を考えると、予定されていたベースのゾイドはガン・ギャラドあたりだろうか。


便宜上ここに記載。
ヘリック共和国の新型機だが、その基礎データはガイロス帝国から入手したもの(諜報で盗んだのか、裏取引があったのかは不明)。
おそらくはレドラーの後継機として開発されたものを、ジェノザウラー開発が優先されたためお蔵入りになったものと思われる(ジェノザウラー設計班が予算不足に苦しんでいたことは描写されている)。
しかしそのデータが共和国に盗まれて、しかもレドラーを駆逐するハメになるとは……・


ガイロス帝国が誇った最強の空戦ゾイドだが、その設計にはレドラーも反映されている……といわれる。
実際、ワイバーン型と銘打っているがなぜか四本の足があることや、顔の流線型、尻尾の形などに面影がある。

また、旧バトストではレドラーを改造して背景・遠方のギル・ベイダーに見せている場面もあった。





追記・修正は超音速で格闘戦を仕掛けてからどうぞ。

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最終更新:2023年11月24日 22:28

*1 このディスクのデータがどうなったかは直接は語られていないが、暗黒軍ゾイドが的確にマッドサンダーの急所の首や背中を狙っていた辺り、残存部隊の接収と同時にガイロス帝国の手に渡り実戦に活かされた可能性もある。

*2 一応フォローするとシュバルツでさえ撃墜は困難。ワグナーが凄すぎるのである。