ブラッドサッカー(装甲騎兵ボトムズ)

登録日:2012/05/09(水) 19:15:06
更新日:2023/05/31 Wed 09:05:27
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装甲騎兵ボトムズ』シリーズに登場するアーマードトルーパー(AT)
型番:XATH-P-RSC

▽目次

《概要》

元はギルガメス軍の次期主力AT開発計画「FX計画」で作られた「グラントリードッグ」という機体であり、スコープドッグで培われた汎用性をヘビィ級ATにまで拡大することをコンセプトとして開発されていた。

外観はスコープドッグ系と比較して被弾経始を考慮したスリムなかつ引き締まったプロポーション*1のほか、回転式のターレットレンズではなく防弾性を考慮した頭部カメラが設置されている。

正式採用されるにはスコープドッグの二倍近いコストが問題となったが、試作機が完成した直後に秘密結社によって奪取され、機密保持のためギルガメス軍での開発は中止になってしまった。

だがペールゼンが秘密結社に身を寄せた後は配下のレッドショルダー残党の機体として運用されることが決まり*2、機体には右肩には大型のブレードアンテナ、脚部にはスパイクホイール型のターンピックが追加され、更に機体色も漆黒、右肩はレッドショルダーの伝統に沿って「暗い、血の色」である赤色に塗られている。
結果、非常に禍々しい外観となりまさに「吸血部隊」と悪名高いレッドショルダーにふさわしい機体となった。


《劇中での活躍》

『ザ・ラストレッドショルダー』で初登場。
ペールゼン配下のレッドショルダー残党が搭乗し、襲撃してきたキリコ、グレゴルー、ムーザ、バイマンの4人を迎撃したが、隊内でも腕利きだった彼らの相手には手こずったのか殆どが見せ場なくやられている。
増してや、相手は不安定なターボカスタムのレプリカ機でこちらは新型とアドバンテージは有利なはずだが、実力差がありすぎたということか。

…しかし、ほぼ無傷のまま擱座した機体にイプシロンが搭乗した瞬間、やられまくった鬱憤を晴らすかの如く暴れ回り、グレゴルー、ムーザを葬ったあとキリコの機体も撃破するなど「吸血鬼」に相応しい姿を見せつけた。

最終的には基地の自爆ですべて失われたが、本機の運用データはPS専用のATである「ストライクドッグ」の開発に活かされることになる。


《ゲームでの活躍》

スーパーロボット大戦シリーズ
第2次スーパーロボット大戦Z破界篇』で初登場。
第39話のみの登場だが、HPがATとは思えないほど高く、サイズが小さいため攻撃が当て辛い。更に、HPが残った状態で倒し損ねるとRS隊員の底力が発動するので余計手強くなる。
なおパイロットは原作通り多数のRS隊員とイプシロン、そしてなんとリーマンも乗ってくる。原作と違い本作ではこの時点でも生存しているためであり十分考えられる「if」である。

再世篇でも秘密結社の機体およびワイズマンの防衛機として現れるが、なんとあのカン・ユー大尉が乗ってくることも。
撃墜されると不良な機体を掴まされたとぼやくが、どう考えても実力の敗北である。
なお、これに乗り替えてしまったせいでカン・ユーはキリコを「お前に興味はない。だが、そのATは潰す」とちょっと本気にさせてしまった。ようやっとレッドショルダーのトラウマを乗り切った頃だったからね、仕方ないね。

本機の必殺技である「アサルト・コンバット」はブラッディライフルを乱射しながら突撃し、ダッシュストレートを叩きこむ。

青の騎士ベルゼルガ物語(PS版)
元レッドショルダーのガルフ・ガーンズバックの愛機。
主人公がテーマソングをレッドショルダーマーチにすると襲いかかってくる。

▼装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ
闇バトルの凄腕ボトムズ乗り、ボルト・クライスの愛機として登場。
秘密結社と繋がりがあるらしく、最初に搭乗していた機体は借り物だったらしい。


《立体化》

過去にGKメーカーのウェーブから1/35、ボークスから1/24でレジンキャスト製のガレージキットが販売されていた。
海洋堂からも1/35のアクションフィギュアの完成品として販売されていた。
ちなみにボークスの1/24は設定画にある降着機構も再現できた。
この他にタカラトミーからもタカラマイクロワールドシリーズとして1/144の彩色済みフィギュアが発売された。

こちらは第1弾にアストラッド戦車とのセット、第2弾にスコープドッグターボカスタムのセットとしてラインナップされていた。
原型は共通だが第2弾は材質が変わったのか柔らかく、塗装もつや消しになった。


いずれも生産はとっくに終了しており入手は困難。



《余談》

▼本機をデザインした大河原邦夫氏曰くモチーフは『機動戦士Ζガンダム』に登場したマラサイだという。
「マラサイがATの世界に出たらこんな感じかな」というイメージで描き上げたとか。
そのためか右肩の形状などにイメージが見て取れる。

▼ゲームブック「復讐の惑星シド」では濃紺の機体が登場している。

▼前身であるグラントリードッグに関しては、『ザ・ラストレッドショルダー』展開当時は文字設定のみで設定画稿は無かったのだが、後年ブラッドサッカーとスコープドッグの間の機体として逆算する形でデザインが作り起こされている。
しかしマイナーなので模型等立体化商品の類は2020年代の今も存在せず、ゲーム等への出演も無し。



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最終更新:2023年05月31日 09:05

*1 ただこのせいで居住性は無きに等しく、パイロットからの評判は悪かったらしい

*2 元々レッドショルダーの新型機として開発されていた説もあり、『野望のルーツ』には開発途中の本機が描写されている。グラントリードッグの試作機の一部がオドン基地で改修されていて、後に秘密結社でも同様の改修、量産がされたとの解釈も出来る