BALDR SKY

登録日:2013/07/15 Mon 18:41:15
更新日:2023/11/25 Sat 08:14:17
所要時間:約 10 分で読めます




―俺は忘れない。そこにかけがえのない"空"があったことを…


戯画から発売されたPC用18禁サイバーパンクアクションアドベンチャーゲーム。
BALDRシリーズ第5作目。

作品は二部構成になっており、2009年3月27日に第一部『BALDR SKY Dive1 "LostMemory"』、第二部『BALDR SKY Dive2 "RECORDARE"』は11月27日発売された。
2019年12月21日よりSteamで英語版が配信されている。(音声のみ日本語)


シリーズならではのアドベンチャー+2Dアクションという構成になっている。
アクションパートの基本構造はBALDR FORCEと同じ…というか、そのまんま。
だがこれは、FORCEでシステムがほぼ完成したという意味合いなので悪い意味ではない。
ブーストゲージやコンボ継続のイニシャライザなどの新要素が導入されている。

また、今作では完全にルートがロックされている。もうギャルゲーじゃない。
まぁ、元々ギャルゲーらしい所は無かったけどね。


現在、レイン編の終盤直前までを体験版として配布されている。
その容量は1.8GB
奮発し過ぎじゃね?
あと公式で記述されているスリーサイズとカップが恐ろしい程に乖離してる*1

《ストーリー》

ベッドの中でまどろむ主人公。恋人が起こしに来るのを待っていた彼は突如として女性の叫び声にたたき起こされる。

目を覚ました主人公の目に飛び込んできたのは銃弾飛び交う仮想空間の戦場。しかも自分の体は戦闘ツール「シュミクラム」に覆われていた。主人公のことを中尉と呼び、レインと名乗る女性に促されるまま仮想を脱出する主人公。

脱出した先の清城市は見るも無残に荒廃した都市となっていた。ついさっきまで学園生であると思っていた主人公は実は凄腕の傭兵で爆発に巻き込まれ記憶を失ったのだと知らされる。

唯一残った手がかりは、「灰色のクリスマス」という事件を自分が追っていたらしいということだけ。灰色のクリスマスとは?自分が何故その事件を追うのか?自分はその事件にどう関わっていたのか?

主人公は過去の記憶を辿りながらバラバラになってしまった学園時代の友人たちと再会し、共に戦い、時には敵対しながら、この世界に起こった重大な事件の経緯とその意味を知っていくことになる・・・。

《用語》

  • AI
クオリア(感覚質)を持つ生体型AIと、従来の演算能力とライブラリを持つ機械的AIの2種があるが、作中で主にAIと言われるのは前者。
電脳空間の制御などを行っているのもこれらAIによるもの。

  • 灰色のクリスマス
物語の起点となった最悪の事件。
当時のドレクスラー機関の研究所から「アセンブラ」が流出、この汚染の影響を受けた動植物は全て溶解してしまう。
そして「アセンブラ」の被害の拡大を阻止するために対地射撃衛星群「グングニール」の全力射撃を実行。
これによって数万もの人間が命を落としている。

  • アセンブラ
自己増殖・組織改編機能を持つ第二世代ナノマシン。
荒廃した環境の浄化に期待されていたが、「灰色のクリスマス」の時点では汚染された生物を融解する殺人ナノマシンというべき代物。
久利原直樹主任のチームで開発が進められていた。
過大な増殖能力を持たされた結果、その過程で癌細胞のような暴走個体が発生してしまうという欠陥がある。
あれこれ対策が施されるもこの暴走個体を駆逐しきることはできず、スパコンでも計算できないほどのプロセス後にどうあがいても暴走してしまう完全欠陥品。

  • セカンド
第二世代型の脳内チップを持つ人間のこと。
無線によるネット接続が可能となっており、その他にも防壁の強化など様々な点でネットとの親和性が増している。
ちなみに甲及びメインヒロイン達はこのセカンド。
脳内チップに記憶領域を持ち、そこにアプリをインストールしたりできる一方、ネットと定期的に接続しないと不調をきたすようになっている。
改造脳内チップのデータを流用して作ったろ、これ。

  • デザイナーズ・チャイルド
被造子とも呼ばれる。遺伝子操作による改良人種。
頭脳や身体能力などが通常の人種より優れている反面、それに由来して非常にエリート意識が高い者が多い。
また、人格面での異常化も多いようで現在では禁忌として扱われている。

  • ドレクスラー機関
元々は統合政府による研究機関。
「アセンブラ」の開発元で、「灰色のクリスマス」時に研究員達は失踪している。
記憶障害に陥る前の甲は逃亡を続けるドレクスラー機関の足取りを追っていた。

  • GOAT(統合軍対AI対策班)
地球統合政府の軍組織の一つ。
対AI専門部署だけあり、反AI思想の者が多く所属している。
作中の指導者はレインパパ。

  • ドミニオン
AIを信奉するサイバーグノーシス主義の教団。AI派閥の極右勢力。
「AIは神である」「今この世界は仮想で、別に真実の世界が存在する」を教義としている。
現在はその規模が膨大化しており、警察組織であるCDFですら迂闊に手が出せなくなっている。
指導者はグレゴリー神父。

  • バルドルシステム
地球統合政府が開発した、無限とも言えるライブラリ能力を持つ自己成長型ネットワーク。
計算力と容量は生態型より勝るが、柔軟性が乏しい。
作中の舞台となる清城市にも存在する。
前作でも登場したが、どうも憐の干渉が残っているらしく、死亡後即消滅という仕組みはなくなっていた。

  • ノインツェーン
元々は反統合政府勢力に開発された情報兵器で、後に統合政府に人権を与えられる。
狂気の科学者として描写されることが多く、「彼」の生み出した技術は作中の様々な場所で影響を与えている。
ある時期に自身とバルドルシステムを接続し、脳を焼き切られるという壮絶な自殺を遂げている。
聖良は「彼」の元部下で、永二も面識がある模様。
本作のラスボス。Dive2では彼に関する情報が紐解かれていくが実際に相対出来るのは最終ルートである空ルートのみ。

《登場人物》

【門倉 甲】CV:山下一真
主人公。電脳将校の傭兵で、階級は中尉。とある事件により記憶障害に陥る。
おかげでルートによってころころと立場や考えが変わる。
が、どんな時でも女泣かしなのは変わりない。
シュミクラムユーザーとしての技量は自他共認める才能を持ち、師匠である直樹からも「異常」と言われる程。
使用機「カゲロウ(影狼/shadow wolf)」
元々は統合軍の制式採用機を、亜季がどこからか手に入れて独自のカスタムを施したもの。
この機体は自己進化ロジックが組み込まれており、戦えば戦うほど成長する特性を持つ。
シナリオ中の成長ぶりは製作者の亜季や同型機を扱う雅でさえ絶句するほどのレベルに達している。
前作の主人公透の機体と同カラー。
実は、開始直前に食らった論理爆弾のパルスによって記憶を完全に破壊されており、ある存在から転送されてくる記憶データによって記憶がどれほど復元したかが最初のルート分岐となっている。

―Dive1のヒロイン―

【桐島 レイン】CV:井村屋ほのか
甲の部下で最大級の忠誠を誓っている。階級は少尉。記憶に欠落のある甲を導く。
サポートとしても優秀であり千夏やシゼルの評価も高い。
ヒロインの中では唯一AI支持派の星修学園ではなくエリート意識の高い鳳翔学園の出身。
でもストーカー(公式)。
人気No.1
かつてやらかしてしまったことで、作中でも指折りの痛々しいバッドエンドを遂げる羽目になる。
使用機「アイギスガード」
チャフ・スタンマインなどサポートに特化したシュミクラム。
ちなみに学園時代は貯金を叩いて「アイギス」という薙刀で武装した格闘機体を使用していた。

【渚 千夏】CV:神谷奈央
学園時代は活発かつスポーツ万能な少女。
当初シュミクラムに関して消極的だったが後に甲・雅とチーム戦を組んでいた。
現代では偶然リアルで再会するが以前のような快活な面影は無い。
公式でネタにされるくらいバトルがウザい。彼女のシナリオ上の行動もかなりウザい。そしてエロい。
彼女のルートを選ぶと、色々酷いことになる。その割には、バッドエンドでも救いがあるエンドがあるなど、対になる菜ノ葉とは大違いである。
使用機「クリムゾンロータス」
学生時代に使用していた「カゲロウ・凛」を統合軍仕様に改修したもの。
大幅に重装化しているが学園時代と同様に足技による連撃を得意とする。

【若草 菜ノ葉】CV:安玖深音
ナノ工学者の両親を持つ甲の幼馴染。
学園時代では如月寮の家事担当。アーク社の仮想都市「アーヴァル・シティ」で甲と再会するが、自分のリアルの事はあまり話したがらない。
甲がトラウマになるくらいのニラ好き。
彼女のルートはトゥルー以外はBALDRシリーズ屈指の鬱エンド。それ以外でも、多分真・空ルート以外では全部人知れず死亡している。
シュミクラムユーザーではないが自身や最終シナリオ終盤ではアイランナー(最弱の雑魚ウィルス)をシュミクラム体として使用している。

―Dive2のヒロイン―

【西野 亜季】CV:岩田由貴
甲の再従姉弟。かなりマイペースだが特級プログラマ「ウィザード」でAIの魔女。
聖良の会社「アーク・インダストリー社」に就職している。シュミクラム「影狼」は彼女の自作で甲の入寮祝いに贈られたもの。
ダメ人間。だらし姉。
甲のことはあくまで弟のつもりだが、シミュラクラというAIと人間の中間みたいなものを作る際に好みの男性の特徴を入力した結果、甲そっくりに仕上がったため、慌てて封印したことがある。
まさかそれが世界を救うことになるとは思わないだろう。

【水無月 真】CV:神村ひな
空の妹で、前の学校の同級生にイジメられていたところを甲たちに助けられたのが縁で姉と共に如月寮に招かれる。
内気で言葉もはっきりと話さないがネットではよく喋る。電脳症という病を患っていてる。
現在行方不明。
ロリ担当。

【水無月 空】CV:…さくらはづき
真の姉。甲が真をイジメていると勘違いし殴る。弱者には優しく強者にははっきりモノを言う正義感の強い少女。

現代の如月寮の面々は彼女の事について言葉を濁し、甲に何も語らない。灰色のクリスマスでの彼女についての記憶を思い出した甲は……。


―サブキャラ―

【須藤 雅】CV:古河徹人
甲の親友でツッコミ・フォロー役。軽薄で女好きだが甲にとっては頼れる相棒。
現代での再会時にはCDFの刑事を務めている。既に妻子持ち。
とあるルートではヒロイン達とくっつこうとするが、はてさて。
使用機「カゲロウ・鎧」
甲のカゲロウの同型機だがこちらはやや装甲が厚い。
ワッパーやスタンロッドと言った警察らしい装備となっている。

【ノイ】CV:有栖川みや美
モグリの医者。見た目は幼女だが、甲より年上。裏の世界では有名な医者。
記憶障害の甲を治療、さらに情報提供などしてくれる。ただしちゃっかり報酬も請求する。

【ジルベルト】CV:き…杉崎和哉
現在は非合法の傭兵集団「ダーインスレイブ」のリーダー。
レインと同様鳳翔学園の出身でデザイナーズ・チャイルドの一人。
その出生故にネジ曲がった幼少期を過ごしており、現在では偏執狂とも言える性格をしている。
学園時代から甲とは因縁があり、あの手この手の嫌がらせを続けてきた。
使用機「ノーブルヴァーチュ」
ニードルガンやムチ等、敵を倒すというよりは苦しめることに特化しているサド仕様。

【久利原 直樹】CV:子やs…薬師寺兼一
星修学園の講師で甲たちの師匠。灰色のクリスマスの原因であるナノマシン「アセンブラ」を開発。
菜ノ葉の両親は彼にとっては恩師とも言えるようである。
一見温和な人物なのだが…
使用機「震機狼/Mirage Wolf」
ちなみにこの機体、どっからどうみても帝劇の"アレ"である、それはもう清々しい程に、また武器も刀の二刀流であるため狙ってやってるとしか思えない仕様となってある。でもカッコイイ。

【門倉 永二】CV:中里圭太
甲の父親。PMC「フェンリル」を率いる傭兵。階級は大佐。
仕事の性質上家を空けることが多く、妻・八重が危篤の時もその場に居なかったため、甲との関係は気まずいものになっている。
なお、八重の危篤の原因は電子体がドミニオン連れ攫われた事によるもの。当時永二はその奪還に奔走していたというのが真相。
色々な意味で作中最強のキャラ。
使用機「ニーズへッグ」
「嘲笑する虐殺者」の名を持つ万能型の機体。格闘・射撃ともにハイレベルな戦法を繰り広げる。
自称ライバルの人が比較にならないほど強い、Dive1最強のボス。

【橘 聖良】CV:奥田香織
甲の叔母、アーク社社長。黒いお目目でマインドハック☆
立場や能力もあって勝手に怪しまれているが、ぶっちゃけ亜季と同レベルのマイペースさんでダメ人間。
本人も言う通り甲のことを非常に大切に思っている。が、ルートによっては女に狂った甥はそんな叔母を一方的に疑い裏切るのだった。
まぁBALDR FORCEプレイヤー的には名字が橘で女社長で怪しい所が多々あるので仕方ないといえば仕方ないが。
ファンディスクでは色々暴走し、子供時代の甲の写真を見て鼻血吹いたり亜季と3Pする。

【グレゴリー神父】CV:上下左右
カルト宗教団体「ドミニオン」の神父様。
過去にも死亡しているはずなのだが、何故か何度でも蘇る。
使用機「パプティゼイン」
巨大なチェーンソーを両腕に装備した重量型機体。
これだけでなくトラップ型の武装でこちらの動きを翻弄してくる。こんにちは。

【ドミニオンの巫女】
天才ハッカーと言われている。ラスボスよりも強い……というより面倒臭い事に定評がある。
そこ、正体バレバレとか言わない。
使用機「ネージュ・エール」
ビットによる射撃能力と飛行能力を有する強力な機体。
ちなみに甲の学園時代からアリーナで目撃されていた。

【桐島 勲】
CV:祭大!
AIの対策、監視を行う組織「GOAT」の長官。レインの父親。
昔は名の知れた凄腕で永二のライバル…だったらしい(笑)
ハッキリ言って今作のシナリオのストレス要因。一応、上司としては比較的有能。父親・夫としてはカス。
使用機「タイラントギガース(爆笑)」

【阿南 よしお】
CV:熊野茶太郎
清城市の市長。変態。

【クゥ】
CV:さくらはづき
空と瓜二つの少女だが知能は幼児並。亜季のプライベート仮想空間で出会う。


◎2009年度の2chベストエロゲーでは1,2位の堂々のトップに輝いた。

◎「Dive.2」は2010年度の萌えゲーアワードの○○を受賞した。


Dive1
OP:KOTOKO 「Restoration~沈黙の空~」
挿入歌:片霧烈火 「パラダイムシフト」

Dive2
OP:KOTOKO 「jihad」
ED:片桐烈火「Nano universe」 



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最終更新:2023年11月25日 08:14

*1 例を挙げるならばレインはスリーサイズ(T172、B91、W52、H83を測定ツールで計算するとJカップ相当だが公式ではDカップ扱い