タマゴ(ポケモン)

登録日:2012/07/26(木) 11:58:11
更新日:2024/01/22 Mon 05:49:16
所要時間:約 6 分で読めます




タマゴとは、ゲーム「ポケットモンスターシリーズ」において、ポケットモンスター金・銀から追加されたシステム。

◆概要

ポケモンのタマゴ。それは、生命の神秘。
元気なトレーナーやポケモンと共に過ごしている事で、中からポケモンが孵化する。

産まれたポケモンのレベルは第二世代・第三世代では5で、第四世代以降は1。
実は第四世代に入るまではレベル1のポケモンは存在しなかった。

タマゴが実装された当初の金銀では珍しい存在で、ピカチュウが進化済みポケモンである事を報告したウツギ博士は非常に興奮していた。
しかし、FRLGでもタマゴが見つかるようになった為、
その3年後のHGSSにおいてはタマゴはありきたりな存在となっている。


タマゴは育て屋にポケモンを二匹預けている時に、

  • そのポケモンの性別が違うものであり、二匹ともタマゴグループと呼ばれる分類が一緒である(1つでも一致すればOK)
  • もしくは片方はメタモンであり、もう片方がグループ「タマゴみはっけん」ではない
  • 第二世代のみ、ポケモン同士が近親関係でない*1・または色違い同士ではない場合

このどちらかの条件を満たした際にタマゴが発見される。生まれるポケモンは♀の方の系統の無進化、またはメタモンでない方の系統の無進化(一部のポケモンは1進化で生まれる。無進化を生ませる場合は後述の「おこう」が必要)。
メタモンの場合は相方は♂でも性別不明でも問題なし。逆に♂しかいないポケモンや性別不明のポケモンはメタモンとしかタマゴを作れない。なお、タマゴ未発見でない性別不明ポケモンにもタマゴグループは一応設定されているが、この事情によりグループは無意味。ちなみにほとんどのケースが「こうぶつ」のみ*2

メタモンや、タマゴ未発見のポケモンはタマゴを作れない。後述のニドラン♀系統なら進化前に、ベイビィポケモンなら進化後に作ることができるが、メタモンやアンノーンガラル地方の化石ポケモン伝説のポケモンの場合はどうあがいても入手不可。
タマゴ未発見グループ以外なら、シナリオ中に一匹しか手に入らないポケモンでも複数匹手に入る。

『ポケットモンスター金銀 ポケモンずかん 任天堂公式ガイドブック』に収録されているウツギ博士のレポートによると、タマゴが出来る瞬間を発見出来た人間はおらず、ずっと監視を続けていてもちょっと目を離した隙に出来ているらしい。
その為、タマゴ自体をポケモンが産んだという確証は未だになく、タマゴ自体は保育器の役割を果たすような物だという見解がなされている。
また、この性質上タマゴはタマゴであり、決して漢字表記の「卵」とは呼ばれない。作中でも「生まれた」ではなく「見つかった」と表現される。


◆性質

タマゴから生まれてくるポケモンのLvは第三世代までは5、第四世代からは1に固定されている。
生まれてくるポケモンは両親の個体値をランダムで3つ受け継ぐ。
第六世代からは「あかいいと」を使うことにより両親のそれぞれ違う能力を5種類受け継げる。
これにより異なるVを持つ両親を使って比較的簡単に4V以上を作れるようになった。


タマゴは手持ちに入れておくと255歩毎に判定が減っていき、0になった次の判定タイミングで孵化する。
特性「ほのおのからだ」「マグマのよろい」「じょうききかん」のポケモンがいると判定が2ずつ減る。
また、ジョインアベニューの保育所ではタマゴの孵化までの歩数を減らしてくれる。


タマゴには多くの隠し要素があり、

  • 両親ともおやのトレーナーが同じで別種
  • おやのトレーナーが違って別種、またはおやのトレーナーが同じで同種
  • おやのトレーナーが違って同種

の順でタマゴが見つかる確率が高くなる。
BW2以降は「まるいおまもり」というアイテムが登場し、これを持っているとタマゴが見つかりやすくなる。

また、育て屋の婆さんに預ける時に持たせていたアイテムが影響する事例もある。


  • おこう…対応するポケモン(第3世代以降で進化前が追加されたポケモン)に持たせると、対応するポケモンの普通のタマゴから生まれてくるポケモンより一つ進化前のポケモンが生まれる。


  • パワー系アイテム…持たせた側の対応するパラメータの個体値が必ず遺伝する。ただし両親共に持たせた場合は、両方遺伝するのではなく、どちらの親の個体値を受け継ぐかはランダム。

等々、アイテムによって生まれてくるポケモンに影響が出てくる事も。

また、両親の国籍が違うと、色違いが生まれる確率が4倍(2048分の1)に高まる。いわゆる「国際孵化」

生まれてくるポケモンのすがたは親に依存する。

  • ♀と同じ姿の進化前
  • メタモンと♂を預けた場合は♂と同じ姿

ただし、リージョンフォームが存在するポケモンの場合は

  • 両親の姿に関わらず、その地方で通常見つかる姿で産まれる。
  • 従来の姿、または別地方のリージョンフォームの親にかわらずのいしを持たせると、その姿が遺伝する。
  • 両親が異なるリージョンフォームで、双方にかわらずの石を持たせた場合は♀の姿が遺伝する。

かわらずのいしを持たせた場合は、上記の通り性格も遺伝するため、リージョンフォームが存在するポケモンは注意が必要である。


隠れ特性を遺伝する場合は以下のルールがあり、正しければ60%で隠れ特性が遺伝する。

  • ♀が隠れ特性なら遺伝
  • 第五世代では♂と一緒に預けられていること
  • メタモンを使う場合はメタモンの番いになる側が隠れ特性であること

従って、第五世代では♂や性別不明、♀の隠れ特性持ちが配信されていないポケモンは隠れ特性のタマゴを作る事が出来なかった。

なお、イワンコの特性「マイペース」は隠れ特性ではない特殊な特性なので、たそがれルガルガンorマイペースイワンコからはマイペースイワンコのみが生まれる。


ちなみに個体値・努力値システムが現行世代と大幅に異なる第二世代は、タマゴ初登場世代ではあるが後の世代とは遺伝の法則が異なる。

まず、100%遺伝するのは生まれたポケモンと異なる性別のポケモンの防御個体値。その他、特殊個体値が異なる性別のポケモンから以下の法則で遺伝する。

  • 遺伝元のポケモンの特殊個体値が0~7の場合、50%の確率でそのままの値、50%の確率でその個体値の値に8をプラスした数値で遺伝する。
  • 遺伝元のポケモンの特殊個体値が8~Fの場合、50%の確率でそのままの値、50%の確率でその個体値の値に8をマイナスした数値で遺伝する。

また、メタモンと違うポケモンでタマゴが発見された場合、必ずメタモンの個体値を参照する。そして攻撃と素早さの個体値はランダムな数値になる。
その為、後の世代では6Vメタモンがいればなどと言われるが、第二世代に関しては防御個体値が12(C)~15(F)かつ、特殊が7か15(F)のメタモンであれば限りなく理想的な遺伝が可能。
12~14のメタモンは特定のめざパを遺伝させるのに便利なので持っていると厳選難易度が下がる。

これらに加え、第二世代の色違いは個体値に依存して入手するものであった関係で、色違いのメタモンがいればなんと「1/64」という極めて高確率で色違いを入手できた。
もしも現行世代で色違いが欲しいプレイヤーは、特性は隠れ特性固定になるものの、VC版第二世代を利用して入手してみるのもありではないだろうか。第二世代ではとある手段を使えば必ず色違いメタモンを入手可能な仕様がある。
また、生まれてきた色違いをボックスバグで増殖しまくり、ポケモンバンクへ送るのもあり。


一方で面倒な仕様もあり、2匹の特殊個体値が全く同じか、±8の数値と一致する場合、その組み合わせからは絶対にタマゴが発見されないというものがある。
早い話が第二世代のみ、どういうわけか近親相姦が出来ない仕組みになっている。


◆タマゴグループ

概要にも書かれているように、タマゴを見つけるには適当な♂と♀の組み合わせで育て屋に預ければいいわけではなく、2匹のタマゴグループを一致させる必要がある。

そのポケモンのタマゴグループが何であるかは種族値と同様にゲーム上で直接表示されないが、タマゴが見つからない組み合わせだった時は育て屋がそのように伝えてくれたり、ソフトによっては見つかる組み合わせかどうかを教えてくれる*3


+ タマゴグループの一覧
  • かいじゅうグループ
名前通り、主に怪獣型や恐竜型のポケモンの多くが所属しているグループである。中にはドンメリープのように一見怪獣らしくない見た目のポケモンも、進化系の姿からこのグループに含まれていることが多い。
近年では減少傾向にあり、剣盾以降ではカジリガメを最後に、かいじゅうグループに属するポケモンが登場しなくなった。
主なポケモンはカントー御三家ニドキングカビゴンバンギラスボスゴドラガブリアスなど。

  • こうぶつグループ
主に金属や氷、無機物や人工物をモチーフにした非生物チックな見た目のポケモンの多くが属している。このグループは性別不明が多く習得するタマゴわざも少ない。
主なポケモンはゴローニャポリゴンZバイバニラギルガルドダイオウドウブロロロームなど。
意外にも、はがね:いわ複合のボスゴドラは含まれず、パンや焼き菓子のような見た目のバウッツェルがこのグループに入っている。

  • しょくぶつグループ
植物モチーフや体に植物の要素が入っているポケモンの多くが属しているグループ。所属しているポケモンのほとんどがフェアリータイプのキュワワーを除き、くさタイプのポケモンである。
一方でジュカインリーフィアヤナッキージュナイパーダダリンなど、くさタイプでありながらしょくぶつグループに属さない例外も多く存在する。
主なポケモンはジュカインとジュナイパーを除く草御三家、ラフレシアキノガッサドレディアマシェードオリーヴァなど。

  • すいちゅう1グループ
水中や水辺に棲む脊椎動物や、陸地でも活動できる無脊椎動物モチーフのポケモンが所属している。後述の他のすいちゅうグループと一緒に掛け持ちしていることが多い。
歴代の水御三家はこのグループに入っているが、なぜかダイケンキだけが、すいちゅう1グループに含まれていない。
主なポケモンはニョロボンペリッパートドゼルガフローゼルブロスターナマコブシなど。

  • すいちゅう2グループ
このグループに所属するポケモンは魚モチーフがメインだが、オクタンホエルオーカラマネロイルカマンも属している。ちなみにカラマネロ以外は全てみずタイプが入っている。
なお魚モチーフであってもタッツークズモーなど、進化系などの関係ですいちゅう2には属さない種も存在する。
主なポケモンはアズマオウランターンネオラントハギギシリカマスジョーヘイラッシャなど。

  • すいちゅう3グループ
原始的な生物や虫を除く水棲の無脊椎動物をモデルにしたポケモンが含まれている。他のすいちゅうグループに比べて例外が多く、みずタイプではないポケモンも少なからず属している。
主なポケモンはパルシェンサニーゴドラピオンガメノデスケケンカニグソクムシャなど。
他にも原始的であるため、オムスターユレイドルアバゴーラなどの一部の化石ポケモンもグループに含まれている。ちなみに水棲要素のないアーケオスもなぜかこの中に入る。

  • ドラゴングループ
名前の通りドラゴン型のポケモンをメインに構成されているグループ。その名の通り所属するポケモンはドラゴンタイプが多いが、ギャラドスミロカロスなど外見がドラゴンらしくなるポケモンも入る。
また、アーボックズルズキンなど爬虫類やそれらしいモチーフのポケモンも、チルタリスバクガメスのようにドラゴンらしい見た目でないドラゴンポケモンもグループに含まれる。
主なポケモンはリザードンカイリューハブネークボーマンダガチゴラスセグレイブなど。

  • ひこうグループ
鳥類やコウモリ、翼竜型といった空を飛ぶ動物をモチーフとしたポケモンがこのグループに所属する。
おなじみの序盤鳥はもちろんのこと、鳥もどきのシンボラーや進化前が空を飛べていたネギガナイト、飛べないが鳥類であるクエスパトラも所属する。
主なポケモンはピジョットプテラクロバットヨルノズクココロモリアーマーガアなど。

  • ひとがたグループ
主に二足歩行の獣人系や亜人系のポケモンで構成されており、かくとうタイプやエスパータイプのポケモンが多い。カイリキールージュラなど赤緑出身のポケモンが比較的多く、逆にサン・ムーン出身のポケモンでひとがたグループのポケモンは存在しない。
主なポケモンはフーディンカポエラーエレキブルブーバーングレンアルマ、ソウブレイズなど。
ちなみにサーナイトエルレイドも含まれるが、剣盾までは後述のふていけいグループ単体だった。

  • ふていけいグループ
ガス状の体や霊体、流体などの決まった形を持たないポケモンの多くがこのグループに入る。ゴーストタイプやどくタイプ、エスパータイプのポケモンに多い。
中には人型かつ明確な実体を持つサーナイトやエルレイド、魚型ですいちゅうグループに所属していそうなシビルドンも属している。
主なポケモンはベトベトンゲンガーマグカルゴポワルンヨノワールランクルスなど。

  • むしグループ
昆虫や広義で「虫」と呼ばれる生き物(節足動物など)がモチーフのポケモンが所属するグループ。当然ながら所属するのは、ほとんどがむしタイプのポケモンである。
むしタイプではないポケモンはフライゴングライオン、ドラピオンで、フライゴンは剣盾でドラゴングループが追加された。アギルダーは節足動物ではないが「でんでん虫」かつむしタイプということでグループ内に入る。
主なポケモンはバタフリースピアーヘラクロスペンドラービビヨンオニシズクモなど。

  • ようせいグループ
小動物や妖精などファンシーで可愛らしい見た目のポケモンが多く含まれている。ポケモンの象徴であるピカチュウもこのグループに所属しており(後述のりくじょうも兼ねている)、妖精らしからぬ厳つい見た目のグランブルオニゴーリも、分類や進化前の要素からこの中に入っている。
XYから新たにフェアリータイプが実装される以前から、ようせいグループが存在していたので、ある意味ではフェアリータイプの先駆けなのかもしれない。
主なポケモンはピクシートゲキッスエルフーンフラージェスブリムオンデカヌチャンなど。

  • りくじょうグループ
最も多くのポケモンが所属するタマゴグループである。主に構成されているのは哺乳類モチーフのポケモンだが、陸生の爬虫類や鳥類モチーフのポケモンも存在する。
このグループはスケッチでほぼ全ての技を覚えられるドーブルがいるので、りくじょうに属するポケモンは好きなわざを自由に遺伝できた。現在はタマゴわざの項目にも説明があるように、技習得の難易度が緩和されている。
主なポケモンは序盤ノーマル、ニドラン♀、ヘルガーレントラーイッシュ御三家ガラル御三家など200種類をゆうに超えるほど多岐にわたる。

  • メタモングループ
所属しているのはメタモン一匹のみ。
このグループは概要にもあるように、後述のタマゴみはっけんグループやメタモン同士を除き、あらゆる性別の、あらゆるグループの、あらゆるポケモンのタマゴを見つけることができる特殊なグループである。
メタモンと掛け合わせて生まれるポケモンは預けたもう片方の種なので、ウォーグルオーロンゲのようにオスしか存在しないポケモンや性別不明のポケモンのタマゴも発見できる。

  • タマゴみはっけんグループ
いわゆる「特別なポケモン」がこのグループに所属しており、このグループのポケモンはどの組み合わせで育て屋に預けてもタマゴが見つからない。
主なポケモンはニドリーナ、ニドクインアンノーンの他に、ベイビィポケモン伝説のポケモン幻のポケモンウルトラビーストカセキメラパラドックスポケモンが含まれている。
また特別なポケモンであれば、おきがえピカチュウやサトシピカチュウ 、サトシゲッコウガなど、通常プレイでは見られない姿を持つ一般ポケモンもタマゴみはっけんグループに入る。



◆タマゴわざ

タマゴから生まれてくるポケモンは本来そのポケモンが生まれてくる時には習得していないはずの技を覚えている事もある。
これらはタマゴわざと呼ばれており、以下の3つが該当する。

  • レベルアップで覚える技…両親ともその技を習得している場合。
    例として、ミズゴロウはLv46まで育てないとハイドロポンプを覚えず、ヌマクロー以降は習得しない。
    しかし、両親共にハイドロポンプを習得していれば、タマゴから孵った時点でハイドロポンプを習得している。

  • わざマシンで習得出来る技…♂親が習得していた場合。
    Lvアップ技にも言える事だが、タマゴから生まれてくる進化段階で習得出来ない技は受け継がれない。
    わざマシンが有限だった頃の救済措置なのか、XY以降では遺伝しない。おとなしくわざマシンを使いましょう。
    ただし、マシン技であってもタマゴ技として設定されている技はこの限りでない。

  • タマゴわざ…♂親のポケモンが特定の技を覚えていると、生まれてくるポケモンにも受け継がれる。
    どういった技を覚えられるのかは種族毎に決められており、レベルアップでも習得出来ない技が多い。
    (例としてはタッツーオクタンほうを遺伝させる等)
    XY以降では♀親が覚えていても遺伝する。

1つ目のレベルアップで覚える技はそこまで重要には思えないだろうが、世代やポケモンによってはかなり重要。
…というのも過去世代ではやたらと高レベルで習得するレベルアップ技を持つポケモンが割とおり、その習得レベルは50を上回るものまで存在。
第3世代を例にするとキノココの「キノコのほうし(レベル54)」や、ヘラクロスの「メガホーン(レベル53)」等々…
この世代の対戦施設であるバトルタワー(またはバトルフロンティア)では対戦ルールがレベル50orレベル100(エメラルドではレベル60以上統一のオープン)だけであり、
レベル50以上のポケモンを一時的にレベル50へ統一するフラットルールは存在しなかった。
そのため、レベル50を越えて習得する技を覚えたポケモンをレベル50ルールで使いたい場合、この方法で遺伝させてから育成しなければならない。面倒くせぇ

第4世代以降は対戦施設内でもフラットルールが基本になったため、この方法で覚えさせて育てる必要性はなくなったが
世代によっては「進化前は覚えるが進化後になると覚えられなくなるレベルアップ技」を持つポケモンも存在(キノココの「キノコのほうし」等が該当)。
第6世代のXY以降はタマゴわざとして覚えさせた技は後からでも思い出せるようになったため、
この方法を用いて覚えさせておくと万が一の操作ミス等で忘れさせてしまっても、取り返しがつくので安心安全となる。

2つ目のわざマシンで習得できる技に関しても、わざマシンが有限であり1プレイで1個限定という貴重品もザラにあった第2~4世代までは重宝した(重宝せざるを得なかった)仕様であり、
これを利用して遺伝する事で貴重なわざマシンを使う事なく、わざマシン技を習得させたポケモンを作る事が可能となる。
ただし、ポケモンによっては「進化前は覚えられないが、進化後になって初めて覚えられるようになるわざマシン技」も多く存在しており、
特にメタグロスの進化前にあたるダンバルはわざマシンで技を覚えられないため、この方法でも遺伝できず、結局は貴重なわざマシンを使って技を覚えさせる必要がある。
強力な物理攻撃技の筆頭である「じしん」は、この条件に当てはまるポケモンが多く「わざマシン26」を誰に使うべきか非常に悩まされたのは、当時のトレーナーあるあるの一つではないだろうか?

上記の中では3つ目の「タマゴわざ」に該当する技がとりわけ重要であり、タマゴわざがないと技が貧弱過ぎてバトルで使い物にならないポケモンも多い。
そのため、タマゴわざが戦術の核となるようなポケモンは野生で捕まえても性能を十二分に発揮できず、タマゴからの個体と比べると劣りがち。
後天的に覚えさせる手段も長らく存在しなかったので、ポケモンによっては冗談抜きで死活問題になり得る。
…要するに過去世代ではタマゴ経由で主要なわざを遺伝させた上で育てなければ、対戦での活躍は難しかったという事でもある。
過去世代のポケモンあるある、タマゴわざ・わざマシン技にだけ重要な技を入れ過ぎてレベルアップわざが全体的に微妙
例えばガブリアスのメインウェポン候補である「げきりん」はタマゴわざか教え技限定で、教え技がない環境で育成する場合、タマゴわざとしての習得が必須。
第8世代(剣盾)ではタマゴわざから消えて技レコードの習得になっていたり、同じく第8世代のBDSPだと技レコードが存在しないからか、一時的にタマゴわざへと戻った例もある。

なお、3つ目のタマゴわざは第5世代までだと♂親が覚えている技だけを子も受け継ぐ。
この仕様が何を意味するのかというと技や遺伝経路によっては同時遺伝不可能な組み合わせが存在するという事でもあった。
例えばズバットだとタマゴわざに「さいみんじゅつ」と「ブレイブバード」と2つの技があるが
第5世代ではこの2つの技を両方覚えられるひこうグループのポケモンが存在しないため、同時遺伝は不可能となっている。
「この技をタマゴわざで覚えさせたいが、そうなるとこちらのタマゴわざは諦める必要がある…」といったように
優秀なタマゴわざを覚えられるポケモンは技を遺伝させていく過程で取捨選択しなければならなかったのも、昔のポケモンならではの趣があったと言える。
第6世代のXY以降は♀親が覚えている技もタマゴわざの遺伝対象になったため、同時遺伝不可能な組み合わせがなくなるという形で改善された。

グループ「りくじょう」にはドーブルがいるため、タマゴ技の遺伝については最も困らないとされる。
またサニーゴはすいちゅうグループでは優秀な技遺伝要員として知られており、「わざマシン3215」などと呼ばれたり呼ばれなかったり。

また、わざマシンにある技でも何故かタマゴわざとしてじゃないと習得出来なかったり、過去の作品の教え技やわざマシンを利用したり二種類のタマゴグループに属するポケモンを複数使って遺伝するケースもあった。
過去の作品を使う事例はUSUMまでの「しんそく」ミニリュウが最もメジャー。HGSSかVCクリスタルのりゅうのあなイベントで、条件を満たした場合に限りもらえるしんそく持ちミニリュウが元手として必要となった。剣盾ではカイリューがレベル1でしんそくを覚える。

「あくのはどう」モノズのような、マシン技なのにタマゴ技という事例もある。
これはモノズ初登場のBWで「あくのはどう」がわざマシンの技ではなかったため、タマゴ技として習得する手段が与えられたというものである。
その後あくのはどうはXY以降再び技マシンになったが、タマゴ技からは外れなかったため、XY以降もタマゴから生まれてくるモノズにはわざマシンを使わずあくのはどうを習得させることができる。
一方でモノズに「だいちのちから」を覚えさせるにはUSUMまで過去作かマイチェンの教え技で「だいちのちから」を覚えたモノズ系統かフカマル系統が必須だった。
剣盾では技レコードで「あくのはどう」と「だいちのちから」を覚えるようになったため、どちらもタマゴ技からは消えた。

最近ではずいぶん難易度が下がったが、未だに一部のタマゴ技はリレーが必要となっている。
例えばオンバットに「すりかえ」を覚えさせたい場合、マーイーカのレベル技をヘイガニにタマゴ技として覚えさせ、更にヘイガニから「すりかえ」をアーケンにタマゴ技として覚えさせ、アーケンから「すりかえ」をオンバットに引き継がせる必要がある。
間に2系統を挟まなければならない上、♀の比率が低いアーケンを通さないといけないのが面倒。
(♀の個体がいなければタマゴ技を覚えさせられないため)
剣盾では習得不可になったが、SVで復活。*4

なお、一部のポケモンは所謂ベイビィポケモンでないと覚えられないタマゴ技がある。
すなわち親個体におこうを持たせる必要があるケースである。
かわらずの石かあかいいとを諦める必要があるため、高個体値を粘りにくい。

過去作必須のパターンとしてはゴンベに「じばく」を覚えさせるというものがある。
XD教え技、初代VC版わざマシン、ポケウォーカー配信限定コースのゴンベのいずれかの手段で「じばく」を覚えたカビゴンを入手する必要がある。剣盾では技マシンで覚えられる。

最も面倒だと言われるのがスボミーに「じんつうりき」を覚えさせるパターン。
遺伝経路自体はそこまで面倒でもないが、これに加えて隠れ特性の「テクニシャン」とめざめるパワー炎の両立を目指す場合、非常に手間が掛かる。剣盾ではロゼリアでも「じんつうりき」を遺伝で覚えられるようになった上、めざパ消滅&「テクニシャン」の必要性がなくなったため、かなり楽になった。

第8世代ではあのドーブル先生が未登場になってしまったが、タマゴ技に大きな革命が生まれた。
なんと、同種のポケモン(♂同士、♀同士でもよい)を預かり屋に預けたとき、片方がタマゴ技を習得していてもう片方の技スペースに空きがある場合、空いた技スペースでタマゴ技を後天的に習得するようになったのである。これにより同時遺伝不可能な組み合わせが消滅。
ただし、この方法で習得したタマゴ技を忘れさせた場合は技の思い出しでは思い出せないので注意。再度同じ方法で覚えさせ直そう。
第8世代では大幅な育成の労力緩和が行われており、恐らくこれもその1つだろう。♂同士、♀同士のカップルにも価値ができたし。ポケモンが時代に追いついた?
第9世代は同種である必要性すら無くなり、「ものまねハーブ」を持たせて目的の技を覚えているポケモンとピクニックするだけで即座に習得できるようになった。また、この仕様変更により性別が♂しかいないポケモンや性別不明のポケモンにもタマゴ技が設定されるようになった。


◆特殊な事例

ポケモンの中には、タマゴに関して特殊な要素が存在するポケモンがいる。

タマゴからはバルビートかイルミーゼが生まれる。BWからはバルビートとメタモンでもイルミーゼが生まれるようになった。

1.イルミーゼと同じように、ニドラン♂♀のどちらかが生まれる。BWからはニドラン♂系列とメタモンでも同じ仕様。また、忘れてはならないがニドラン♀とニドラン♂は別の種類のポケモンである*5。図鑑のナンバーは異なる為、名前が同じで♀と♂とつくものの両者は別種のポケモンであり、第七世代以降の♂側から♀側へのオシャボ遺伝も適応されない。
2.ニドリーナやニドクインに進化すると、タマゴグループがタマゴ未発見グループに変わる。その為、ニドラン♀の時にしかタマゴを作る事が出来ない。
これは初代の公式ガイドブックのニドラン♀の設定で「進化すると生殖能力を失う」を考慮したため。
ベイビィポケモンの時にタマゴを作れない事例は多く存在するが、進化でタマゴが作れなくなる事例はニドラン♀のみ。

マナフィのタマゴは育て屋で出来る事はなく、外部のイベントで入手するのみ。このタマゴは通常のタマゴとは異なる見た目をしている。
ちなみにメタモンとのみという限定的な条件であるものの幻のポケモンで唯一タマゴを作る事ができる珍しいポケモンでもある(産まれるのはフィオネだが)。


また、旅の途中で人からタマゴが貰える事も。いわゆるお試し版。
配信でも複数のタマゴが配信対象であり、タマゴを孵すまで何が配信されたか分からないというイベントが行われる事も。


◆アニメのタマゴ

カスミトゲピールリリのタマゴを、ハルカイーブイのタマゴを、
タケシピンプクのタマゴを、サトシゴマゾウヨーギラスズルッグオンバットリオルのタマゴを、
ヒカリヒノアラシのタマゴを、リーリエロコン(アローラ)のタマゴを孵した。
また、ミズゴロウのタマゴ等、タマゴが題材になる事も。
アニメだとタマゴの殻に産まれるポケモンにまつわる模様が描かれている事が多い。
ちなみにサトシのリオルはタマゴ技で「しんくうは」を習得しており、初めてアニメで技遺伝について言及された。


ポケスペのタマゴ

ゴールドが孵す者として、第3章でトゲピーのトゲたろうやピチューのピチュのタマゴを孵した事がある。
二匹ともベイビィポケモンとは思えない力を持つ。
トゲたろうはミカントゲキッス
ピチュはレッドのピカイエローのチュチュが親。

また、第8章のエピローグではシンオウトリオがハンサムからWEB版ポケスペでレンジャーが守ったマナフィのタマゴを貰い、
後にフィオネのタマゴも発見されている。

なお、第1章においてフジ老人がポケモンのタマゴについて言及している。


ポケモンスナップのタマゴ

当時はタマゴの概念は存在しなかったが、ポケモンアイランド各地にサンダー・ファイヤー・フリーザーのタマゴがある。
ゲーム内ではタマゴ未発見グループなので手に入る事は無い。


ポケモンGOのタマゴ

「ふかそうち(孵化装置)」にセットした後、定められた距離を歩くことで孵化させることができる。
孵化させるとポケモンの他にもトレーナー経験値(XP)、ほしのすな、産まれてきたポケモンのアメが入手できる。
ポケストップを回すことでアイテムと共にランダムで出現する。
可能所持数は、通常ストック9個、ボーナススペース3個と合わせて最大12個だが、捨てることができないので新しいタマゴが欲しい時はさっさと孵化させるしかない。

タマゴは5種類あり、それぞれ2㎞(緑色)、5㎞(橙色)、7km(黄色地・桃色柄)、10㎞(紫色)、12km(赤色)と必要な距離が異なる。
なお、このうち7kmのタマゴはフレンドからのギフトでのみ入手でき、主にリージョンフォームのポケモンが生まれる。
12kmのタマゴはGOロケット団からのみ入手でき、基本的に野生では出現しないコマタナヤトウモリなどの希少などくタイプ・あくタイプのポケモンが生まれる。
産まれてくるポケモンはタマゴの種類によって決まっている。(例:フシギダネは2㎞タマゴからしか孵化しない)
タマゴの中身はどのポケモンがどの確率で生まれるかタマゴの種類や時期によって決められており、どれが生まれるかは完全ランダムなので欲しいポケモンが産まれるかは運次第。
野生で中々出ないレアポケモンもゲットでき、また必ず合計個体値が一定以上になる。
ただし地域限定ポケモン(ケンタロスガルーラバリヤードカモネギなど)はその該当地域で入手したタマゴからしか孵化しない。

また、本作のメラルバの入手機会はこのタマゴで孵化させる他にない上、
7kmと12kmを除きどのタマゴからも生まれる代わりに孵化確率はダントツの低確率に設定されている。

ちなみにレイドバトルの相手になるポケモンも、ジムに現れる巨大なタマゴから生まれてくる。
こちらは桃色(☆1)、黄色(☆3)、黒色(☆5伝説レイド)、メガシンカマーク(メガレイド)の4種類がある。
後にシャドウポケモンのレイドが行われる巨大なタマゴも実装され、そのタマゴは上記の特徴に加え紫色の禍々しいオーラを放っている。



タマゴのダークサイドに触れることを望むなら、育て屋とか爺前セーブの項目を参照。

負の遺産→ダメタマゴ

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最終更新:2024年01月22日 05:49

*1 例:同じポケモンを預けていた時に発見されたタマゴから生まれたポケモンの♂♀、ポケモンが生まれた後片方がタマゴ発見時に使ったポケモン&タマゴから生まれたポケモンの場合

*2 スターミー系統は「すいちゅう3」、メタモンは「メタモン」、ロトムは「ふていけい」、マナフィ・フィオネは「すいちゅう1/ようせい」、ポットデス系統は「こうぶつ/ふていけい」、タイレーツは「ようせい/こうぶつ」

*3 タマゴが見つかる場合は、見つかりやすい順に「仲がよい」「まずまず」「仲がよくない」、全く見つからない組み合わせの場合は「お互い別のポケモンと遊んでいる」という旨のセリフが聞ける。

*4 ただし初期の頃は習得技関連のバグによって覚えさせることができず、復活は碧の仮面配信後とかなり遅れていた。

*5 前述の「ポケットモンスター 金銀 ポケモンずかん 任天堂公式ガイドブック」のコラムでも、オーキド博士がこの事に触れている。