川野一宇

登録日: 2010/05/09(日) 13:30:05
更新日:2021/10/07 Thu 16:59:09
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川野一宇(かわの かずいえ)は、東京都出身の元NHKアナウンサーである。

1943年4月4日生まれ。
都立高校から東京大学に進学し、卒業後は日本放送協会(NHK)に入社した。
様々な地方放送局に勤め、2008年に定年退職した後もシニア・スタッフとして番組出演契約という形でラジオ番組等に出演している。


古参のNHKアナらしく落ち着いた聞き取りやすい声で、テレビ・ラジオともに安定
感抜群。

かつては、NHKの人気クイズ番組「連想 ゲーム」で五代目司会(78〜81年)を務めた経験があり、中高年には顔も覚えられていることが多い。
我々の世代にとっての登坂アナみたいなものだろう。
ちなみに、彼の直後に連想ゲームの司会を務めたのは、「その時歴史が動いた」などで知られる松平定知アナウンサーである。


ほかに馴染み深いものとしては、緊急警報放送のアナウンスがある。
NHKで毎月1日に放送される

「今から、緊急警報放送の試験信号をNHK東京から放送します。緊急警報受信機をお持ちの方は、受信機が信号を正しく受信するかどうか確かめて下さい」ピロロロロ

というアレは彼の声である。
このアナウンスは、収録されてから20年以上変わらず使用され続けている。


ちなみに、なぜかアンチ美空ひばりから毛嫌いされている節がある。





多くのアニヲタ住人にとっては、NHK FMで2010年5月5日に放送された「ラジオ深夜便」が印象深いだろう。
というか、これしか知らない人が大半のはず。

ラジオ深夜便はNHK FMが毎日放送している番組で、2時台には「ロマンチック・コンサート」というコーナーを設け、普段は洋楽・クラシック・映画音楽などを放送している。
ところが、この日はアニソン三昧の後番組だったためか、「リラックス・サウンズ 〜ゲーム・ミュージックの世界〜」と銘打って、有名ゲームのBGMなどを流す暴挙に出た。

当時67歳の川野は当然ゲームに無知だが、それゆえの率直な感想や若干的はずれなコメ ントが飛び出し、完璧な番組構成も相まって、特にネットで実況していたリスナーの間で

「おっさんそれ違うwww」
「なんか可愛い www」

等と評判となった。



以下、時系列順の番組まとめ

【始】

「ゲームというのは最近やったことがない。昔、20年前から25年前の『インベーダーゲーム』の時代にやった記憶はあるが最近は全然知らない」

※インベーダーゲームの発売は約30年以上前です。

「今日お聴き頂くのは、だいたいそのくらいの前の音楽が多いので、『あ、これか』と思う曲もある」

※だいたい昭和の曲。

「この『ラジオ深夜便』をお聴きの方でテレビゲームに馴染みのある人はあまりいないと思う」

※普段は高齢者層の視聴者が多いのだとか。

「私もそうだが、ただ音楽だけを抜き取って聴いてみると『なかなか…』というのがあるので、そういう意味で聴いて頂きたい」



「1曲目、ファイナルファンタジーII、と聞いても何やらわからないとおっしゃるかもしれない」

・曲
交響曲ファイナルファンタジーから
『SCENE I : ファイナルファンタジーUのテーマ』
(服部克久指揮・東京交響楽団/混声合唱団)



「今日紹介する曲、インベーダーゲームよりずっと後だという指摘がありました。インベーダーゲームってもっと古いんですねw私よりずっと若いスタッフから指摘がありました」

※インベーダーゲームは1978年発売。ちなみに、この後の曲もずっとと言う程後でもなかったり。



「2曲目、その後のゲームに大きな影響を与 えた、中世ヨーロッパをイメージしたロールプレイングゲームというゲームの曲です」

・曲
ウィザードリィ3 ダイヤモンドの騎士
『オープニング・テーマ』
(演奏・羽田健太郎)

「中世ヨーロッパの堅固なお城、兵士達が群れ集っている中で、甲冑や兜が太陽にきらめく光景を想像した」



「3曲目、グラディウスという曲なんです が」

※作品名と曲名を間違えてます

「戦闘機を動かして、惑星グラディウスを侵略している敵を倒すゲーム」

・曲
グラディウス
  • 組曲グラディウスファンタジア- 『遥かなる宇宙へ…』
(ワークス・カルテット)

※この辺でリスナーのテンション激上がり

「…なんかクラシックの演奏会でそのまま演奏してもいいくらいの、素晴らしい曲ですね」



・曲
スーパースターソルジャー
『オーヴァー・ アゲイン』
(都留教博・ハニービー)

※リスナーさらにテンションアップ

(コメントなし)



「5曲目はゼルダの伝説から。アクションアドベンチャーゲームという分類のゲーム」

「『ある嵐の夜に』、こういうの僕好きなんですよw」

※ストーリーがお気に召したご様子

「ある嵐の夜に、助けを呼ぶ『ゼルダ』と名乗る声が聞こえてくる。実は、お城に囚われているゼルダ姫――ま、主人公の人ですね」

※……よくある間違いです

「ゼルダ姫を助けて謎を解き明かし、平和を取り戻すという内容なんだそうです」

・曲
ゼルダの伝説 神々のトライフォース
『ゼルダの伝説のテーマ』
(東京シティフィルハーモニック管弦楽団)

※リスナーのテンション最高潮

「むぅ…素晴らしい……」

※この一言のみ。



「次の曲、スーパーマリオブロス

「日本では社会現象ともなり、家庭用ゲーム機を『あ、そういうのもあるんだ』と知らし めるきっかけになった作品」

※…本人が知らないように聞こえる

・曲
スーパーマリオブラザーズブロス
『SUPER MARIO BROS.』
(渡辺貞夫)

「まぁゲームとしてはスーパーマリオブラザーズ。これは皆さんよくご存知です。私などでも知っております」



「おしまいに近づきました。これも爆発的に売れたゲームで…(あらすじに目を通しつつ)こういうの好きなんですよ私も」

※と、お気に召したご様子

「魔物を使い世界征服を目論む魔王に対し て、勇者を動かし様々な謎を解き明かし、世界を救うという物語」

・曲
ドラゴンクエストV
おおぞらをとぶ
(すぎやまこういち指揮・NHK交響楽団)

※ちなみにすぎやんに対しては"さん"付け



「おしまいの曲は、MOTHERからEight Melodies」

「8つのメロディを集めて(以下略)」

・曲
MOTHER
『Eight Melodies』
(セントポール聖歌隊)

※目からペンシルロケットを出すリスナー続出



「ファンの方は先刻ご承知ですが、私は正直あんまり知りませんでした。スーパーマリオブロス、ンフフw、の他は」

※敢えてなのかブラザーズと言わない

「ですけれどもやっぱり素晴らしいですね。才能溢れる優れた頭脳から生み出された曲の数々、素晴らしい演奏。今日は私も楽しませて頂きました」

【終】




ちなみに「ブロス」はタイトル表記のSUPER MARIO BROS.をそのまま読んだものと思われる。
一応ブロスでも同じ意味なので水に流してあげよう。


と、思いきや



放送翌日、NHK FM公式ページに曲目リスト がアップされたのだが、そのリンクがあろうことか

『ラジオ深夜便』“ゲーム・ミュージックの 世界”でおかけした曲目リストはこちらでブロス

だったのである。



一 体 ど う し た N H K

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最終更新:2021年10月07日 16:59