騎士は徒手にて死せず

登録日:2009/10/31(土) 21:31:25
更新日:2024/02/19 Mon 01:56:31
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そういう事か……!

あの黒いのが掴んだ物は、何であれ奴の宝具になる訳か!



騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)


Fate/Zero』にて登場するバーサーカー宝具の一つ。

ランク:A++
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:30人


手にした武器に自らの宝具としての属性を与え、駆使する宝具。

どんな武器、兵器であろうともバーサーカーが手にした時点でDランク相当の宝具となり、
元からそれ(D)以上のランクに位置する宝具であれば、従来のランクのままランスロットの支配下に置かれる。

バーサーカーの正体であるランスロットがフェロットの策に嵌められて丸腰のまま戦う羽目になったとき、楡の木の枝でフェロットを倒したエピソードの具現。
(『Fate/Zero material』より抜粋)


簡単に言えば、手にした物を武器ならなんだろうと相手の宝具だろうと自分の宝具にする能力。
自身の魔力で対象を浸食することによって、「自分の宝具」に変えて武器を支配するため、宝具化した物体の扱い方を把握して扱うことが出来る。
機械類を宝具化した場合は宝具のように魔力で操れるようになる。
例えば、そこら辺の鉄材を宝具化しても使い慣れた愛用品のように振るうことができるし、
戦闘機を宝具化した場合、操縦桿を握るどころかコックピットに乗り込む必要もなく、触れてさえいれば操縦から搭載された兵器まで自在に運用できる。

また、この能力で「宝具化」された武器は、ランクこそDと低いがちゃんと「宝具」として扱われるため、
サーヴァントの「霊体であるため物理干渉が通じにくい」という特性を無視して攻撃することが可能になる他、
魔力に侵されたことで性能も強化されるため、サーヴァントに対しても非常に有効な武器として使用することができるようになる。

この能力にかかれば単なる鉄柱がセイバーの持つ聖剣とまともに打ちあえる魔剣と化したり、
本来自分が持ち主ではない他のサーヴァントの宝具を奪って、あたかも自分のもののように振るうことが可能になったり、
機関砲の弾丸一発一発が、まるで人間相手の時と同様にサーヴァントにも致命傷を与えられるレベルの殺傷力を持ったり、
本来レーダーで追尾するはずのミサイルを魔力で敵を追尾するように変えたり、本来囮に使われるフレアを攻撃可能な焼夷弾にまで変貌させたりしている。
また、『Fate/Grand Order』の幕間の物語ではピクニックのお弁当を食べるのに利用していた割り箸まで宝具に変化させて魔物と戦っていたため、「武器」の認識範囲も相当広い模様。
※マシュ曰く、箸を使ってハエを捕らえた剣豪の逸話があるので十分武器の範疇だとか。ハエを捕らえるって武器の役割じゃなくね?


作中では、雨霰と射出される相手の宝具級の武器のうち一本を的確に掴んで奪い、それを振るって飛来する他の武器を叩き落したり、
F-15戦闘機でギルガメッシュのヴィマーナとドッグファイトを繰り広げたり、マシンガンをぶっ放したりとやりたい放題している。
地味に『Zero』最高の燃え要素でもある宝具である。

ギルガメッシュの十八番である、『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』に貯蔵した宝具(級の武器)を無数に展開・射出する戦法に対しては、
この『騎士は徒手にて死せず』の効果と、それを扱うランスロットの戦闘技術が高いこともあって、
射線を見切られて射出した宝具を掴まれる→奪われる→それで射出を弾かれる→さらに強い宝具を射出する→それを掴まれ、奪われる…
という、(ギルガメッシュにとっての)負の連鎖が続きかねないので、天敵とも言える。


…と、ここまでなら「インチキ効果もいい加減にしろ」と言いたくなるほどのトンデモ宝具に聞こえるが、
『騎士は徒手にて死せず』自体はあくまで手に取った武器や道具を宝具化させる、あるいは相手の宝具を一時的に奪うというだけの宝具であり、
火力自体は宝具化する武器、あるいは奪った宝具の性能に依存するため、これ単体での使い勝手は実はかなり微妙な宝具。
上記の金ピカ戦も、狂化による膨大な魔力消費に加え、宝具の使用には結局ランスロット自身が魔力を使わねばならないので、何時までも持久戦が出来る訳でもない。

また、Dランク相当に強化されるとはいえ、別に特別な効果がつく訳では無いため、Cランク以上の特殊効果付き宝具が普通に飛び交う聖杯戦争では火力不足は否めない。

奪った宝具を自分の宝具として使えるという効果も、逆に言えば敵の宝具を奪える状況でなければ文字通り宝の持ち腐れである。
無論、他者の宝具を強奪出来れば相手を無力化しつつ圧倒的優位に立てるのは間違いないが、
それ以前にキャスタークラス等ならまだしも、三騎士等の武人との戦闘中に相手の宝具を強奪するのは不可能に近い。
実際、セイバーの『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を掴んだ際も、僅かに宝具の効果が発揮されかけたものの、完全に奪い取る前に阻止されてしまっている。

作中で猛威を奮っていられるのは、あくまでランスロットが狂化の影響もあって筋力A・敏捷A+という高スペックだったこと、
ランスロットが高い技量を持ち、さらにスキル「無窮の武練」でバーサーカー化していてもその技量を十全に発揮できること、
対戦したギルガメッシュの『王の財宝』及びそれによる宝具掃射戦法と極めて相性が良かったこと、
件のヴィマーナとのドッグファイトでは、宝具化することで凶悪な武器となる近代兵器をいくつも入手できた幸運等のおかげであり、
特に対ギルガメッシュ戦に関しては、ランスロットがもしも別のクラスで召喚されていたら拮抗は厳しいとのこと。

なお、ランサーに対しては彼の宝具の一つである『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』によって宝具属性を無効化されてしまうため、非常に不利になる。
そのため、第4次聖杯戦争におけるランサー陣営の勝利パターンの一つは、バーサーカーを泳がせて彼に強力なサーヴァントを撃破、ないし疲弊させた上で、
上述の通りランサーが抜群に相性の良い宝具を持つことを活かして、バーサーカーや彼との戦闘で疲弊したサーヴァントを討ち取るというものだとされている。


ランスロットがサーヴァントとして実装されている『Fate/Grand Order』でも登場。
バーサーカー時は宝具、セイバー時はスキルになっている。
バーサーカー時は自身の攻撃力を上げてからのQuick属性全体攻撃宝具。
セイバー時は3Tの間毎ターンスター獲得状態とクリティカル威力アップの効果を付与する。

いずれもクリティカルスターを多めに生成できるという共通点があり、「無窮の武錬」と合わせてクリティカル率を底上げできる。
バーサーカー時は勿論だが、セイバー時でも自身の切り札たる宝具に「騎士は徒手にて死せず」の効果は乗らないため、間接的に「同時使用できない」という制約が再現されている。

なおその演出が当初アロンダイトを放り捨ててJM61A1を使うことでネタにされていたが、その後モーション改修で今度はF-15を召喚しミサイルを放ったのち機体からJM61A1を取り出してぶっ放す
これは良くあるゲーム上の都合と取ることもできるが、他にもzeroで使用した鉄パイプや重火器も持ち出しており、
本命たる宝具を放り捨てるだけでなく一度宝具化したものはストックできるのでは?という疑問が沸くなど更に混迷を極めることに…*1


余談

「騎士は徒手にて死せず」はフェロットを倒した逸話の具現とされているが、拾った武器や他者の武器を使ってランスロットが自身の危機を打開した逸話は他にもいくつかある。
最も有名なのがギネヴィアとの密会の場にモードレッドら13人の騎士達が踏み込んできた際、素手だったにもかかわらず騎士達の武器を奪って戦い、返り討ちにして逃走したという逸話である。
もしかしたら他人の宝具を使用出来る能力はこういった逸話に由来しているのかもしれない。

「徒手」とは手に何も持っていない事、またそのさま。
類義語に「空拳」があり、組み合わせると「徒手空拳」(としゅくうけん)という言葉になる。意味は同じ。

ルビの「ナイト・オブ・オーナー」は海外では「Knigt of owner」と訳されている。
だが恐らく元は「Knigt of honor(誉れの騎士)」という意味だったと思われる。もっともその場合は「ナイト・オブ・オナー」とするのが適切なのでownerと読まれても仕方がない。
まあ「Knigt of owner(所有者の騎士)」でも意味的に不自然ではないが。

尚、某PCゲーのチート主人公や仮面ライダークウガの一部フォームが似た様な能力を持つが気のせいである。



追記、修正は飛んでくる王の財宝を掴み取ってからよろしく。

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最終更新:2024年02月19日 01:56

*1 バレンタインのお返しでギルからパクったであろう宝剣を渡したがあるためその疑惑は以前からあった