果てしなく青い、この空の下で…。

登録日:2009/08/17(月) 10:56:33
更新日:2023/07/17 Mon 11:25:30
所要時間:約 4 分で読めます





「本年度を持って本学園は閉鎖となります、皆さんどうか最後の一年間を大切に過ごして下さい」

春の始業式で先生がそう言った。覚悟はしていた。

前任の学園長が病に倒れ、その後を継ぐ者が誰も居なかった為に瀬能先生が園長代理を勤め始めた頃から閉鎖の話はあった。

前回の閉鎖の時は瀬能先生が頑張って転入生を探してきた事でなんとかなったが、今年はもう無理だろう。

生徒数は俺を含めて六人だけ。しかも俺以外は全員が女生徒。

今年入学する予定だった子供達は何故か皆、近くの街へと引っ越して行った。

古びた校舎の大半は使っておらず、掃除さえも年に一度するかしないかどうか……。
この学園が閉鎖された後には駅が出来る事になっている。駅が出来て電車が通ればこの村ももっと発展するという話も……。

最後の一年、皆はどう過ごすのだろう?
幼い時からずっと一緒に遊んできた女の子達も、それぞれ離ればなれになってしまう。

見上げれば果てしなく青い空が広がっていた。
来年、俺達はどうなっているのだろう?


TOPCAT自社ブランドの5作目。
通称「青空」

原作が2000年6月30日に、2002年2月21日にはPS版へ移植された『どこまでも青く...』が、そして2003年5月10日にはおまけCDを同梱した『果てしなく青い、この空の下で…メモリアル』が発売された。
そして、この話の続編を描いた小説がある。

2009/10/30に完全版が発売。


「ジブリでエッチ」をキャッチフレーズにしているが、ジブリっぽいのはOPだけ。また、絵柄がかなり人を選ぶ。
加えて「青空」の付く有名な作品はいくつもあるため、青空と言ってもこの作品を思い浮かべる人は少ない。

しかし、知名度とは裏腹に評価は高く、正に「隠れた名作」という言葉が相応しい作品。
実際、2000年度の2chベストエロゲーで一位になっていた。


反面、プロローグと「ジブリ」という売りから思いつかない程ストーリーはかなり重く、まさかの凌辱・拷問要素あり。
そして、BAD ENDがどうしようも無いくらい救われずかなりの鬱度を誇り、それで止めた人がいる程。
だが、BADも含めて全てやってこそのゲームなので最後までやり遂げて欲しい。

また、宗教・ホラー・魔物・伝承・神話等の要素も含む。

完全版があるので試しにやってはどうだろうか?
値段は5000円弱と懐に優しい金額。

ただし、内容は優しくないので注意。


登場キャラクター

キャストはドラマCD/PS版で原作は声無し。

戒田正士
声:松野太紀
本作の主人公でPC版では名前変更ができる。
学校が半ばハーレム化している羨ましい奴。
外の存在なため、村の古くからの因縁・因習を破壊する役割を担っている。

芳野雨音
声:川上とも子
堂島の屋敷で雇われたメイドさん。無口でおっとりしているが、頭は良い。そして機械オンチ。
集団で行動するとなぜか必ず不幸な目に遭う。

OPでの彼女の衝撃的なあるシーンが話題になった。

穂村悠夏
声:菊池志穂
穂村神社の一人娘の巫女さんで正士の幼なじみ。
サラリーマンに憧れており、それっぽい言い回しを好んで使う。

今作一悲惨な目にあう。

松倉藍
声:前田愛
雑貨屋の娘で無類の猫好き。
知能テストで異常な点数を叩き出したこともある問題児。
明るく活発な性格。

松倉明日菜
声:西口有香
藍の双子の姉妹。メガネッ娘。
藍とは反対に大人しいが、溜め込んでは爆発するタイプ。
立ち絵が愛想笑いをしてる様にしか見えない。

プレーヤーからの人気は皆無に等しい不遇のキャラ

八車文乃
声:清水香里
一年前に転校してきた少女。
およそなんでもこなす完璧超人。

瀬能英理子
声:金月真美/井上喜久子
安曇学園の唯一の教師。学園を守るために手段を選ばず奔走する。

堂島薫
声:佐藤正治/広瀬正志
代議士。小物に見えてかなりの悪党。東京の半数以上の暴力団と関わりがあるという。
しかし裏社会で「喧嘩を売ってはいけない相手」と敵対してしまい、安曇村に逃げてきた。
安曇村の観光資源に目を付け開発しようとする。

八車斉臥
声:平野正人/成田剣
シュールレアリズムを専門とする画家。海外では「日本のR・A・ピックマン」と呼ばれ、高い評価を受けている。
代表作「もだえる女」をきっかけに大成した。

戒田宗介
声:田中秀幸/長島雄一
正士の父親。作家。
安曇村の伝承などを題材に小説を書こうとしている。
かなり顔が広く、肝も座っている。

穂村辻夫
声:堀之紀/花田光
穂村神社の神主で、村唯一の医者でもある。
悠夏の父親。

堀田武人
声:稲田徹/川村拓央
堂島の腹心。護衛を束ねている男。
誰もが「こんなところにいるような人じゃない」と思っている立派な人・・・だがやはり堅気ではない危険な男。

尚、この作品はバブル期の日本(の田舎)が舞台で、当時はそこそこ解る人がいたが、現在では20年近く前の事なので、解りにくいかもしれないので注意。


続編にあたる作品に「アトリの空と真鍮の月」がある。


追記、修正よろしく。


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最終更新:2023年07月17日 11:25