娼年

登録日:2012/10/16(火) 05:37:01
更新日:2024/03/29 Fri 05:24:30
所要時間:約 3 分で読めます




『娼年』とは、2001年に発表された小説。著者は『池袋ウエストゲートパーク』等で有名な石田衣良。氏にとっては初の恋愛作品であり、長編作品である。
第126回直木賞候補作。


【あらすじ】
女性にもセックスにも楽しみを見いだせず、バーテンダーのバイトをして日々生活していた大学生のリョウはある日、女性向けの会員制ボーイズクラブ『Le Club Passion』のオーナー・御堂静香に誘われ、娼夫の仕事を始めることになる。

様々な理由で男性を買う女達と接するリョウは、女性の欲望の向こう側にある"何か"を求めるようになり……


【特徴】
一般的には女性からの視点で描かれることが多い性的サービスの仕事を、20歳という多感な青年の目線から描いている。
その為、ラブシーンもそれなりに多く、主人公が相手をする女性の年齢の幅も非常に幅広い(最高齢でなんと60、70代の女性もいる)
特殊な性癖を持った人も多く、3Pから放尿プレイ、擬似NTR等がある他、半ばホモォ的な展開もあったりする。
しかし性的描写はあくまで物語を構成する要素の一つであり、基本的には主人公であるリョウの成長物語として書かれている。


【主な登場人物】
●森中 領(もりなか りょう)/リョウ
20歳。大学生。恋愛も大学生活もつまらないと感じており、週に1度しか大学に行かない。
バーでバーテンダーのバイトをしており、御堂静香の誘いによって娼夫の仕事を始めることになる。
洞察力に優れているが、性格は少々淡白。
娼夫の仕事をしていく中で、次第に女性の欲望の奥深さに魅せられていく。


●御堂 静香(みどう しずか)
40代。会員制ボーイズクラブ『Le Club Passion』のオーナー。
リョウの秘めたる才能を見出し、自身のクラブで働かないかと彼を勧誘する。
とある理由によりセックスを拒んでいるが……


●田島 進也(たじま しんや)/シンヤ
領の中学時代の同級生。ホスト。自信家で調子のいい男。
ホストとして働いている、リョウとは対照的な所謂『肉食系男子』


●咲良(さくら)
『Le Club Passion』で働く、すこしふくよかで、優しい印象のある女の子。
聴覚を失っており、耳が全く聞こえない。


●平戸 東(ひらと あずま)/アズマ
『Le Club Passion』で働く、VIP向けの特別な娼夫。リョウに対して売れっ子になると断言する。
長髪と可愛らしい顔だちが特徴的な美少年で、痛みに快楽を感じるマゾヒスト。


●白崎 恵(しろさき めぐみ)/メグミ
リョウのゼミの同級生。リョウにバーでの飲み放題と引き換えに、ゼミのノートと代返を任されている。
少しおせっかいな、普通の女の子。


【余談】
続編である『逝年』が2008年に発表されている。
また、『娼年』『逝年』の両作とも、幸田育子の作画で漫画化され『オフィスユー』(集英社)で連載されていた。




「暗くなる前に帰ってくるから、追記・修正していい子にしてね」

「わかった? wiki篭りくん」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 娼年
  • 小説
  • 石田衣良
  • 恋愛
  • セックス
  • 娼夫
  • 名作
  • 男娼
  • 男娼←近いけど違う
  • 映画
  • 映画化
  • R18+
  • 松坂桃李

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月29日 05:24