オマーン

登録日:2010/12/04 Sat 16:57:52
更新日:2024/03/17 Sun 13:20:52
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オマーンとは、中東アラビア半島の東端にある国家である。


首都はマスカット(果物ではない)で、マスカット国際空港がある。
オマーン国際空港はない。

面積は31万2460平方キロメートル(おおよそ日本の8割の面積)、人口は約258万人(2012年時点)。


現王朝の成立は1741年と、アメリカよりも古い。
絶対君主制だが、良い政策をしたりするので結構評判が良い。
またイギリスに外交権を委ねた事はあるもののどこの国の領土にもなった事は無く、
最大では東アフリカやパキスタンにまで勢力を伸ばしていた為、オマーン国民の誇りになっている。
このため王室への敬意は根強く、2010年にはカブース国王の即位40周年が記念された。


カブース国王はブータンのワンチュク前国王と並ぶ名君であると思う。

例えば……
  • 即位後すぐに対立していた反政府組織に投降を呼びかけ、一部を政府の要職に起用。
  • 長らく鎖国状態であったオマーンを1970年頃から解放政策へと転じさせ、同国をアラブ世界で最も開放的な国家の一つに押し上げた。
    例えば、かつて首都マスカットは夜間になると城壁が閉じられてしまうため、それまでに辿り着けなかった者は野宿するしかなかったが、これを撤廃した。
  • 国王自らが全国行脚し、国民の悩みを直に聞くという「ミート・ザ・ピープル」という行事も行うことで、国民の要望に応える。
    内容は「学校が欲しい」「橋を直してくれ」といった切実なものから「うちの息子の将来が心配だ」という個人的なものまで様々だが、
    一つ一つの意見にきちんと耳を傾けている。


……など、普通の王様ならやらないであろう親身な行動をとっている。


特に「ミート・ザ・ピープル」は非常に高い成果を残しており、
それまで国内に病院が2つ、学校が3つしか無かったにもかかわらず国内は急速に近代化、他のアラブ諸国に負けない豊かな国に変貌した。


そして、カブース国王の治世下で国民の所得は50倍になったのである。
さすがだカブース王

そのカブース国王は2020年に崩御、後継者の指名は無かったがいとこのハイサム・ビン・タリク・サイドが新国王に即位した。


そんなオマーンだが、かつて日本人女性が国王に嫁いでいた事はご存知だろうか?


1935年、ハイサム現国王の祖父であるタイムール元国王が退位後に訪日した。
その時、ダンスパーティで出会った大山清子さんに一目惚れし、求婚。


で、求婚したタイムール元国王はどうしたかというと、

なんとそのまま日本に定住(ほぼ永住)してしまったのである。

「彼女を連れてくと日本のご両親が心配するから、自分が日本に住むよ!」という考えでもしていたのかどうかは定かではないが、
行動力が国王の範疇を超えてるだろjk……

当然、国元は猛反対。
そりゃ退位したとは言え、元王様が国を放って同棲するとか言い出したら反対もするだろう……

それらのゴタゴタを解消する為に一度帰国し、なんやかんやで両親の了承を得て、晴れて二人は結ばれた。
実はタイムール元国王は、当初は自分がオマーンの王様だったとは清子さんや彼女の実家にも伝えていなかった(アラブの富豪と言ってたらしい)。
その後、結婚を祝うために来日した息子達を出迎えている。
清子さんは正式にオマーン元国王夫人となったのだ。
一人娘であるブサイナ姫も生まれ、幸せに暮らした二人。



しかし、悲劇が訪れた。





結婚から3年後、結核を患った清子夫人は病死してしまう(もともと体が弱かったらしく、治療の甲斐なく亡くなったという)。

タイムール元国王は悲しみ、ブサイナ王女と一緒にオマーンへ帰国したのであった……




と、ロミオとジュリエットもびっくりの幸せと絶望物語だが、これ以降も前国王が来日したりするなど日本との交流も盛ん。


日本人の元国王夫人がいたということは有名で、向こうの国ではすこぶる日本の評判が良く、
「日本から来た」と言うだけで都会の人も田舎の人もすごく親切にしてくれるらしい。

しかもオマーンの新聞には、1ヶ月で231回も日本の話題が載るほど日本が大好き。
自国の事は大丈夫なのかとこちらが心配してしまうほどである。

それだけオマーンが平和で、日本の事を思ってくれているという証しなのだろう。



日本人にはまだまだ有名とは言い難いが、サッカーではワールドカップなどの主要大会のアジア予選で対戦する機会が多く、
よきライバルとして交流を深めている。

産業はおもに石油精製が主だが、ナツメヤシの生産も世界8位と好調。
首都マスカットには様々なモスクがある為観光客も多い。
砂漠の国のため湖は少ないが、海岸沿いではドルフィンツアーが組まれている。

2011年からは東京大学にてオマーンの歴史や文化を学ぶスルタン・カブース講座が開設された。
また、東北地方太平洋沖地震にも8億円の支援を行っている。
他、被災地の南相馬で浄水器を大量に発注し、「金は此方が払うから地元で使ってくれ」と粋な計らいを見せた。






日本人はどれだけオマーンのことを知っているのだろうか?

話題に上がったとしても「オマーン国際空港wwwwww」「オマーン国債wwww」 とかネタにしていないだろうか?

こんなに親しい国は他に無い。
まぁトルコとかあるけどね。

機会があったら、是非オマーンに目を向けてみよう。


追記・修正は、オマーンをもっと知りたくなった人にお願いします

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最終更新:2024年03月17日 13:20