エロマンガ島

登録日:2012/10/08(月) 13:50:15
更新日:2023/06/02 Fri 15:30:27
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エロマンガ島(Erromango Island)は、南太平洋はオセアニアに浮かぶ実在する島である。
国としてはバヌアツに属する。

人口は約1600人。
総面積は約975kmほどで、東京都の総面積の半分よりやや小さい程度。


日本から行こうとした場合、
まず日本からオーストラリア(シドニーかブリスベン)か、
ニュージーランドから飛行機を乗り継いでバヌアツの首都ポートビラへ行き、さらに飛行機か船に乗る必要がある。


一時期、「エロマンガ島は温暖化の影響で既に水没した」との噂が立っていたが、まったくの事実無根であり、いまだ健在である。
これはテレビなど各種メディアの都市伝説ブームや、地図の表記に変化があったことが影響しているものと思われる。



エロマンガ島は1800年代頃からイギリスにより統治されていたが、管理が行き届かず、実質は無法地帯と化していた。
そんなある日、とある船団がこの島に「白檀(線香などに使われる質の高い香木)」が大量に存在していることを発見し、
以降、交易船が訪れるようになり、原住民との間で頻繁に取引が行われるようになった。





のだが……

実は、このエロマンガ島の先住民、いわゆる「食人族」なのである。
なので、彼らとの取引には彼らの食糧となる人間が必要であった。


それから約半世紀ほどで島の白檀はほとんど採り尽くされ、交易はすっかり無くなった。
が、商船が持ち込んだジフテリアなどの病が先住民を蝕み始め、島の人口は激減してしまった。
さらにはオーストラリアなどから「奴隷狩り」などとして多くの住民が連れ去られ、人口は益々減退することとなった。



さて、繰り返すが、エロマンガ島の先住民は「食人族」であった。
そんな島と交流をもつことで、もちろん何も起こらないわけがない。

白檀交易が行われた時期と同時期にキリスト教の宣教師が多くエロマンガ島に上陸しているのだが、
彼らの一部は先住民に捕まり、食糧として喰われてしまったそうである。

フランスから宣教師が来た際にも同じような事態が起こり、そのことにキレたフランス軍は報復として先住民の村を焼き討ちにした。

こういったことがあってか、当時の欧米人たちからこの島のイメージはかなり悪く、19世紀終わり頃に書かれたジュール・ヴェルヌの『動く人工島』では、
島民*1が蛮族扱いどころか海賊(海賊自身はマレー人)の先兵として登場しており、「世界で最低の人間たち」とひどいことをナレーションから言われている。

これらの事件は現在でも尾を引いており、現在のエロマンガ島の住人の間にも語り継がれている。

なお、幸か不幸か、現在のエロマンガ島の住人に食人文化はない。
というのも、キリスト教が布教し、食人を禁じられ、かつてこの島で疫病が流行り滅びの道を辿ったのは、
「神罰」が下ったためであるという風潮が浸透したからである。
実際は前述の通り商船の持ち込みだが。






そんな凄まじい歴史をもつエロマンガ島であるが。

やはりと言うか何と言うか、エロ地名の代表格として小中学生の大好物なのである。
アニヲタの中にも幼いころ地図を開いては爆笑した者もいるかも知れない。

しかし、そんなエロマンガ島に興味を持ち調べるうちに
強烈な歴史を目の当たりにし名前とのギャップに面食らうと言うのもまた青春の通過儀礼なのである。



なお、現在の地図では「エロマンガ島」と言う表記は減っており、多くは「イロマンゴ島」と書き直されている。

…と言われているが、現地の発音では「エロマンガ島」または「エロマガ島」(「ンガ」が一音)
らしく、「エロマンガ島」表記の地図もそれなりにある。

ついでに「ウルマンゲ島」とする説もあるが、どれも微妙に際どいのが何とも……。


あと、残念ながらエロマンガ島にエロマンガを売る店は存在しない。まあ仮に名前の通りの島だったとして、昨今の表現規制でかなりの不況に見舞われている可能性が高いが。


  • その他のエロマンガ(地名)

上述のエロマンガ島とは直接の関係は無いが、オーストラリア内陸部にはエロマンガ盆地という盆地が存在する。
こちらは、ここから化石が発掘された白亜紀の首長竜エロマンガサウルスの存在により有名。
内陸部で首長竜の化石が見つかったのは、白亜紀にはここが海だったため(この海をエロマンガ海と呼ぶこともある)。


追記・修正はイロマンゴ表記を駆逐してからお願いいたします。


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最終更新:2023年06月02日 15:30

*1 正確にはエロマンガ島を含む、ニューヘブリデス諸島南部の部族の集団。ただ、海賊船長のモノローグから拠点はエロマンガ島だと明言されている。