乖離剣エア

登録日 :2009/06/22(月) 20:17:54
更新日 : 2017/08/16 Wed 11:36:07
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Fateシリーズに登場する黄金のサーヴァント・ギルガメッシュの所持する宝具の一つ。
読みは「かいりけん えあ」。

Air.jpg
*1

本来は銘などは無く、便宜上ギルガメッシュがそう呼んでいるだけ。
無銘にして最強の剣である。

普段は他の武具と同じく王の財宝の中に収めている。
ギルガメッシュの持つ宝具の中でも最高格のもので、宝具全体を見てもこれに比肩しうるものは数えるほどしかない。

王の財宝に収められている数々の宝物はあくまで接収および蒐集したものであり、厳密にはギルガメッシュの宝具というわけではない。
だが、この剣はそれらとは異なり正真正銘ギルガメッシュしか持ち得ない彼の剣であり、最大の切り札である。
そのためギルガメッシュは興が乗った時や窮地に立たされた時の他、これを使うに値すると判断した相手にしか使わない。

『stay night』においてはエアを使うに値するのはセイバー(Fate)のみと語り、他の者に使うのを良しとする事はなかった。
士郎との対決時に使用したが、コレは粘る彼に対して興が乗ったのと偽物と本物との格の差を見せつける為に極低出力で使用した。

Fate/Zero』で遠坂時臣が海魔討伐のためにエアの解放を願った際には、海魔を使うに値しない汚物と認識していた為に「痴れ者がっ!」と時臣に激怒した。
対して、認めた存在に対するライダー(ZERO)との対決には最初から使用し、一撃で「王の軍勢」を粉砕。圧勝を納めた。

便宜上剣と呼ばれているが剣という概念が出来る前に生まれた物とされ、実際には円柱状の刀身を持つ突撃槍のような妙な形状をしている。
人の望みによって作られながら人の意思に影響されず生まれる「神造兵装」の一つ。

上記のようにこの宝具は「無銘」なので真名は存在せず、理屈の上では真名解放も出来ないのだが、この剣の最大出力時の擬似的な時空断層による空間切断『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』が事実上の真名解放であり、「ギルガメッシュの宝具」としてもステータス表示上ではカテゴリーされている。


『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』
ランク :EX
種別  :対界宝具
レンジ :1~99 / 1~999 (EXTRA)
最大捕捉:1000人
原典:メソポタミア神話の創世叙事詩「エヌマ・エリシュ」

乖離剣エアの最大出力の名称。
周囲の風を魔力を伴う超高速回転で巻き込み、異常なまでに圧縮、それによる真空波の渦を放出する事で物理的に空間を切裂く。
創世叙事詩の通り、この剣が生み出すものはあらゆる生命が存在しなった頃の原初の地球であり、あらゆる「死の国」の原典であるそれは、生命の記憶の原初の光景である。
ギルガメッシュは「地獄を識るもの」と表現する。それは語り継がれる記憶には存在せず、遺伝子に刻まれているという。
尚、起動と同時に放出される朱い帯は周囲の大気を巻き込んで圧縮した際の魔力の余剰エネルギーである。
ギルガメッシュが上半身の鎧を脱ぎ捨てたネイキッド状態でも腕回りにだけ防具があるのはこの余剰エネルギーの熱で火傷しない為だとか。
要はもの凄い鎌鼬みたいなもの。コンマテ3及び設定集によるとエクスカリバーと同等かそれ以上の出力という。

SN作中では常に『約束された勝利の剣』と撃ち合い、多少拮抗したもののセイバーを吹き飛ばし深手を負わせた。
古代メソポタミアで天地を切り裂き世界を創造した『世界を切り裂いた』名に違わず、その一撃は目前の敵のみならずその周囲の『世界』をも切り裂く。
ダメージ計算は筋力×20、ランダムで魔力の数値もプラスされる。
防ぐ方法は対粛清ACか、同等の破壊力を持って相殺するしかない。
最大ダメージは4000程だが王の財宝内の宝具のバックアップを受けることで更に破壊力を増大させる事が出来るという。

遊び半分で加減して放った一撃でも熾天覆う七つの円環を破壊するほどの破壊力を誇る。
上記のようにギルガメッシュが本気で放つ『天地乖離す開闢の星』は凄まじい規模・破壊力を誇るが、同じEXランクの『全て遠き理想郷』には防がれてしまった。
この時、「まさかこれほどの全身全霊の一撃が防がれようとは」と彼自身驚愕している。
使用直後は反動で完全に隙だらけになるため、セイバーにはその隙を突かれ敗北した。
周囲の世界も切り裂くのなら全て遠き理想郷の範囲内は良くても、鞘の能力を解除した時に周辺の影響を受けてよく分からない状態になる気がするのだが、気にしたら負けなのだろう。

数多の宝具の中でもまさに最高峰といえる破壊力を持つも生前の親友であるエルキドゥによると
「生前の頃より威力が落ちている」と言及されている。
それには、後述の理由がある。


この宝具は物理的な破壊力に限らず、創造神エアの「権能」を一部再現し、「発生させた三層の力場によって時空流を生み出し空間変動を起こす」と『Fate/EXTRA CCC』では説明されている。
「権能」とは因果律書換による事象の確定や時間流操作による空間変動、国造りといった、世界創造を可能とする極めて強大な神代の能力を指す。
神霊レベルの強大なサーヴァントならば持って然るべき力と説明され、最強の英霊とされる彼が所有するこの剣もまた「権能」に相当する能力を所持する。
大地母神の母である原初の女神は地球の根源とされ、神々が振るう力もそれに近いものがある。

『CCC』内のモノローグやギルガメッシュが語る当時の世情によれば、神代では神々が大権能と呼ばれる力を振るい、人間の知恵の向上や、月との距離等によるエーテルやマナの減少によって神秘の力が弱まるにつれ、徐々に物理法則への移行を始めたという。
ただし、神霊等の強大な神秘の存在がその力や権能を思うままに振るえた神代ならともかく、物理法則が安定してそうした過剰な存在が現界することは許されない現代の地上においてこうした「権能」を振る行為は彼らの存在同様地上の法を捻じ曲げることに他ならず、自身の崩壊を含んだ代償を必要とする。
はっきり言えば地上では使えない。というか使えたとしても確実に自滅する。

ただ、ランサーの刺しボルクも権能一歩手前の能力と評されている("手前"と到達したものとでは、似て非なる別物だが)。
先述の通り神霊クラスのサーヴァントなら権能に相当する能力ないし宝具をもっていても別に不思議ではなく、彼だけが特別というワケでもないらしい。


hollow・Zeroでは切り裂いた空間に「無」へと繋がる大穴を開け、無限の残骸や王の軍勢を「無」へと落下させ消滅させている。
この宝具は無限の剣製でも投影出来ず、それどころか士郎の"目"をもってしても構造を読み取る事すら出来なかった。
コンマテ3においては神造兵装の為に複製は不可能と説明されている。
さらにこちらはランクがEXであるためEXTRAの状態でも投影は不可能

原作では特に言及されていないが、元ネタはヒッタイト神話に登場する「エアの剣」である。
世界の初めに天と地を切り分けた青銅の剣あるいは鋸という途方もないスケールを持つ武器であり、後に神々ですら歯が立たなかった巨人ウルリクムミを倒すために知恵神エアが宝物庫から取り出し使用したことから「エアの剣」と呼ばれるようになった。
ちなみにデザインはトンネルを掘るドリルを参考にして生まれたとか



Fate/unlimited codes』ではギルガメッシュの武器として登場し、普通に叩いたり薙いだりと剣として使われている。
『天地乖離す開闢の星』も超必殺技として登場しており、ヒット数の関係上、『約束された勝利の剣』とかちあえば『天地乖離す開闢の星』が勝つようになっている。



Fate/hollow ataraxia』では、財の出し惜しみなしの本気モードで使用。街の一区画を覆い尽くした。
現世と隔絶されていることで天の理によりその力の全て出しており、時空流によって地獄へ繋がる空間変動となっている。
反魂の香で集めた無限の残骸の大軍勢を切り裂いた空間から生み出した奈落へと叩き込み、宝具の放出も行って無限の残骸を殲滅した。
やはりこの時でもCCC同様の権能の原初の星造りが解説されている。(というよりこっちが先)



Fate/Zeroにおいても登場。
「鍵剣を何もない空間に差し込む」「巨大な紋様のようなもの(おそらく王の財宝の系統図)を展開する」等の過程を経て取り出す演出が追加されている。
掌サイズだった筈の王の財宝の鍵剣がいやに巨大化しており違和感を感じさせるが、演出は格好良い。
その威力は天地含む森羅万象を破壊し狙いを定める必要すらないと表現された。
ライダー本人には回避されたが、ライダーの『王の軍勢』の世界そのものを切り裂き、軍勢の大半を地割れに落として消滅させる事で固有結界を崩壊させた。
その後のライダーの命がけの突進には天の鎖で動きを止め、エア本体で貫いてとどめを刺した。



Fate/EXTRA CCCにも登場。
スキル『乖離剣エア』は自身のHPが30%未満の場合のみ発動可能でさらにMP消費150とかなり使い辛く、威力もリスクに釣り合っていない残念な技。
原作SNやunlimited codeの『天地乖離す開闢の星』と同じ規模の朱い竜巻として可視化された真空波である。
ちなみに、説明では貫通効果があるはずなのになぜか機能していない。

宝具『天地乖離す開闢の星』は中盤のイベントから解放される。戦闘中5ターン以上経過し、敵のHPが30%未満の場合に使用できる。
効果は使った時点で相手を 即死させる
どんなボス敵でも、蘇生効果をつけていようが、ダメージ無効状態だろうが、99999ダメージと即死エフェクトの2段構えで問答無用で即死。
上記のように神の権能に等しい能力をムーンセルでは遺憾なく発揮出来るので、その規模は最早人に使うものではなく、「世界」に対して使うものだと説明されている。

作中の演出としては地に乖離剣エアを突き刺すことで三層の力場を出現させて、そこから発生する極大の衝撃波の塊を生み出し相手を押し潰す。
規模がブラック・ホールの如くあまりにも巨大であり、もはや味方の技には見えない。原作からして敵役だったのだが。
セリフによっては高笑いしながら展開する様はどう見てもラスボスである。


なお、今作では主人公(Fate/EXTRA)の指示によっては雑魚が相手でもあっさり抜いてくれる。

「我に慢心を捨てろと来たか! つくづく厚顔なマスターよな!」

と愉快げに喋りながら使ってくれる為に、あんなに懇願しても抜いてくれない時臣涙目すぎるというプレイヤーのコメントがあったりする。
尤も奈須きのこ曰わくあの時に時臣が「英雄王の格好いい姿が見た~い」と言って持ち上げれば、海魔が相手でも割とノリノリで抜いてくれるそうな。
要するに時臣の対応が悪かっただけで、彼に取っては気分一つで簡単に抜いてくれるモノにすぎないらしい。
ただ、物理破壊力でも『約束された勝利の剣』と同等以上の破壊規模な上にセイバーの時のように緩衝材も用意していないので抜かなくて正解だったかもしれない。



Fate/strange fakeにおいても登場。
生前互角に渡り合った親友であるエルキドゥの現界を察知し、歓喜したギルガメッシュによって早々に登場。
再開と同時にいきなり、『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』を繰り出すが、
エルキドゥも『人よ、神を繋ぎ止めよう(エヌマ・エリシュ)』という同名の宝具を放ち、当然のように相殺される。
そこで今まで存在は明らかにされながらもこれまで登場しなかったエアを更に強化するバックアップ宝具を使用。
背後に展開された道具によって、エアの出力は通常時より更に増大し渾身の『天地乖離す開闢の星』を放つもそれすらも決め手にはならずに相殺、互いに再戦を約束して分かれていった。
地形は滅茶苦茶に荒れつくされた凄まじい戦いであったが二人にとってはじゃれ合い程度の遊びであったという。



登場する度に演出が変化する宝具。
「EXTRA maerial」の解説では、上記の地上では振るえない権能を振るったことによるものとそうでないものがあるためだという。





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