血界戦線

登録日:2011/05/08(日) 21:42:40
更新日:2024/04/09 Tue 13:12:42
所要時間:約 7 分で読めます





異界と現世の交わる街―「ヘルサレムズ・ロット」
これは、世界の均衡を保つため暗躍する
「秘密結社ライブラ」の知られざる活動の記録である―


征け。手始めに、世界を救うのだ!


ジャンプSQ.RISEにて連載されている漫画。
作者は内藤泰弘。

氏の代表作であるトライガンにも見受けられた大胆なコマ割りとアクション描写は健在で、読んでいて実に爽快である。
コンセプトは「技名を叫んでから殴る漫画」。

9巻にて兄メ……もといアニメ化が報じられた。(詳細後述)

10巻で第一部がひとまず終了。第二部も2022年に10巻で終了し、現在第三部が連載中。



◆あらすじ

異界と現界が交差する都市―「ヘルサレムズ・ロット」
今後千年の世界の覇権を握る場所とも例えられるこの場所で、ひょんなことから「秘密結社ライブラ」に所属する羽目になった少年・レオ。
組織のメンバーは個性的の一言では済まない曲者ばかり。
この物語はそんな彼らの戦いと日常の記録である。



◆登場人物

◇クラウス・V・ラインヘルツ(CV:小山力也)

秘密結社ライブラのリーダー。名家ラインヘルツ家の第三子。
顔で損をしている人その1。鬼を想起させる赤髪と下犬歯が印象的。
強面故に誤解されがちだが、実際は愚直なまでに信念に忠実な紳士であり、大のプロスフェアー*1愛好家でもある。
血液を変幻自在に操る能力及びそれを応用した「滅獄の血」と言われる「ブレングリード血闘術」の使い手で、戦闘時は鬼神の如き強さを見せる。
本作の名言製造機。


◇レオナルド・ウォッチ(CV:阪口大助)

ライブラの新入り。通称レオ。
糸目とゴーグルがトレードマークの少年で、今作の狂言回し。
直接的な戦闘力は作中でも最低というか皆無だが、「神々の義眼」と呼ばれる異能の眼を持つ。
作中で確認出来る能力だけでも
  • とてつもない動体視力(音速で動く物体を目視できる)
  • 他者の視界占有
  • 対象の本質を見抜く
    etc...
こと視覚においては絶対的とさえいえる能力。
あと妹がかわいい。
妹の視力と引き替えに*2神々の義眼を手に入れる。
ザップとは腐れ縁の仲で、彼と行動を共にすることが多い。
話が進むにつれどんどん低身長になっていった。

1巻を読んでから順番に読んでいき、10巻終盤とクラウスのレオのやりとりは必見。


◇ザップ・レンフロ(CV:中井和哉)

ライブラのメンバー。外見的な特徴は銀髪と褐色の肌。
クラウスを旦那と呼び慕っているように見えるが、隙あらば心底殺すつもりで襲っているため本当に慕っているのかどうかは怪しい。レオとは腐れ縁で築いた名コンビであり、2人のやり取りはもはや漫才の域。
普段の様子からは想像もできないが、発火する血液を刃状の武器として用いる剣術・斗流血法(ひきつぼしりゅうけっぽう)「カグツチ」の使い手。
1ナノ秒の間に半神*3と斬り合いをする膂力、超光速域の反応を持つ超々人(これに関しては主要登場人物全てに言えるが、トライガンでも同じようなレベルだったりする設定)
戦闘能力はもちろん、それに加え自身の体から出た血液を操る能力に対しスティーブンから「天才」と称されるほど。

だが…度し難い人間のクズである。
因果応報と言うべきか、作中ではよくケガをしたり入院したりと痛い目にあっている。
オフの時は大変だらしなく、酒浸りになったりヤク中になったりすることもある。
その性格が災いして多方面からとんでもなく恨みもかってるため、ガチで命を狙われることもある。
痴情のもつれから重武装トレーラーに潰され全身ズタボロレベルにされるなど。(なぜか原型を留めている)
(もっとも血界世界の兵器類はどれも異界技術との融合やフィードバックにより普通の見た目のもので超兵器化してる、ビルなどの建築物も大概が巨大でもあり頑丈でもある設定(内藤と仲間達がトークショー2010/4/8)なので普通のトラックではない上に暗殺紛いのやり口であったが)
レオの友人を完全になめきって金をたかろうとして突き飛ばされピタゴラスイッチの如く轢かれて入院など。
対象追跡中にまったく気配のしなかった触手に絡められ叩きつけられ入院などオフではない仕事中でも痛い目にあうこともある。それは弟弟子共々であったが。


◇チェイン・(スメラギ)(CV:小林ゆう)

エロい。とにもかくにもエロい。何がエロいってスーツに収まりきらないおっぱいがエロい。ほんのりと塗られた口紅がまたエロい。ライブラのメンバーだったり酒豪だったり人狼だったり姿を消したり毒舌だったりするがそんなことは関係なくただひたすらにエロい

戦闘力は低め。卓越した身体能力&とある能力を生かした諜報活動を担当する。


◇スティーブン・A・スターフェイズ(CV:宮本充)

ライブラのメンバーで目元に大きな傷のある男。そのためK・Kからはスカーフェイスと呼ばれている。
クラウスの副官的存在で、一見何を考えているかよく分からないため腹黒扱いされている反面、その実異常なまでの観察眼を備えた切れ者である。

戦闘スタイルは絶対零度の蹴りを用いたエスメラルダ式血凍道。
相手にモーションを悟られずに攻撃を仕込んだりと超光速すら超えている節がある。


◇K・K(CV:折笠愛)

ライブラのメンバー。
右眼の眼帯とライダースーツの似合う長身が印象的なレディ。
未来技術と異界技術が融合して超性能になっている世界観の銃火器、(血界世界全ての武器類がそうであり、普通に見えても現実の物と比較にならない超性能の武器類となっている、トライガンと同様な感じもの 普通には見えない武器には現実改変可能な兵器なども割とゴロゴロしている 内藤と仲間達がトークショー2010/4/8)
それに血を付与させ雷撃を発生させる血弾格闘技(ブラッドバレットアーツ)の使い手で、他メンバーの例に漏れず超人的な戦闘力を有する。

長男と幼い息子二人がいて、夫は一般人。旦那はK・Kの仕事の事情を分かっているものの、その都合で息子の授業参観参加に参加できず、とある方法で頑張る話もある。
チャーミングでイカした姐さんだが絵心は無い。


◇ギルベルト・F・アインシュタイン(CV:銀河万丈)

ライブラのメンバー。
浅黒い肌に白髪と口髭を蓄えた老人。顔で損をしている人その2。
クラウスの執事であり、彼を坊ちゃまと呼ぶ。
主人と同じく紳士的な人物だが、顔を含む全身を包帯で覆っているために誤解されがち。ホータイグルグル巻きなのに不思議と存在感がない。
致命傷を受けた場合に肉体を急速に再生できる「再生者(レゲネトーア)」であり、その能力を活かして組織を支える。
戦闘時には重火器で武装した改造車を操る。(当然この世界の物なので普通じゃない車両、兵器である)
怒ると怖い。


◇パトリック(CV:石塚運昇)

ライブラの武器管理人。銃の手入れは生きがいらしい。
いろいろな超兵器を調達したりもするが、ザップ曰く「こんな気の弱い男は他にいない」とのことで、実際戦闘する描写はない。
素人のレオに大げさな武器を押し付ける以外は気さくないい人。
ニーカ(CV:上田麗奈)という弟子娘がいる。


◇デルドロ・ブローディ(CV:藤原啓治)&ドグ・ハマー(CV:宮野真守)

ライブラのメンバー。
凶悪犯のデルドロをある秘術で血液に錬成し、ハマーの血液と入れ替えられている。基本的に身体の主導権はハマー寄り
ハマーの人格も普通に残っており、2人は共存関係にある。
デルドロの方が超弩級凶悪犯罪服役囚なので普段は警備厳重な刑務所にいる。
血液を身に纏う血殖装甲(エグゾクリムゾン)で肉体を強化して、格闘戦を行う。
必殺技は全血液を拳に回して放つ数百mの巨大車両を数百キロ以上吹き飛ばす「ただパンチ・改。」や「僕の百裂拳」など。


◇エイブラムス(CV:大塚明夫)

世界屈指の吸血鬼専門対策家で、クラウスの師匠筋にあたる人物。
性格はマイペースそのもの。
冴えない中年男といった風体だが驚異的な悪運の持ち主であり、ついた通り名が「豪運のエイブラムス」
仕事柄吸血鬼の恨みを多くかった結果、小国なら国ごと滅びるような呪術をかけられている。
…が、「豪運」が幸いして傷一つ負わない。しかし呪いの被害は周囲に受け流されているだけで無効にしているわけではない。そのため彼の行く先では壊滅的な事故や事件が絶えない。
ザップの基準では頭脳と性格と運以外は一般人。


◇ツェッド・オブライエン(CV:緑川光)

ある血界の眷属により作られた魚と人の合成された存在、つまりは半魚人。
斗流血法の一派で風を操る「シナトベ」の使い手で、ザップの弟弟子。
軟派なザップとは好対照な生真面目で良識、実直な魚男。
魚人ゆえに生魚は苦手。


裸獣(らじゅう)汁外衛(じゅうげえ)賤厳(しずよし)(CV:柴田秀勝)

斗流血法創始者にしてザップとツェッドの師匠。
猪の頭骨とボロのマントに身を包んだ異形の姿で、クラウスですら「封印」が精一杯の血界の眷属を「滅殺」せしめる怪物。
火と風の属性の血液をそれぞれ体内で混ざらないように循環させ、別々に使い分けるというデタラメぶりでザップ曰く「人間様のやっていい領域を越えている」とのこと。
(彼は一人で二種類使えるが前述の理由の通り普通は無理なので流派を二つに分けた)
性格は非常に傲岸不遜でストイックかつ弟子には容赦なく、自身の研鑽ばかり頭にある。
左腕と顔を除いて肉体が殆ど欠損しており欠損部分は血法で補っている(というより血法でどうにでもなると考えている)、会話には通訳が必要(主にザップがこき使われる)。
自身で喋ることは可能だが声帯がないのか血法で補っているのか、喋ると雑音混じりな感じとなる。



吸血鬼(ブラッドブリード)

ライブラ最大級の敵の一つ。組織ではなく個々で好き勝手行動しており個々同士の繋がりは薄い。
ギリカとギリカに転化させられたトーニオ以外は、明確に描写されていない。



◆13王

ヘルサレムズ・ロットで暗躍する暇人13人の集まり。
それぞれが人類を遥かに超越する魔術・能力を有しており彼ら一人がお遊びでも行動すればその度に世界終了と化す程に厄介極まりない存在達。
現在、原作合計3名まで名称が判明している。(アニメオリジナルを含めれば4名)
アニメではOPや謎の空間にて全員登場はしている(フェムトとアリギュラ以外は色枠付きシルエットだが)。


◇堕落王フェムト(CV:石田彰)

13王の一人。
退屈と普通を何より嫌う愉快犯。
暇つぶし感覚で神性存在を縦に半分と半分にしてその痛みで理性を無くさせて別々に召喚したり(半神性存在でも理性があれば人間に合わせてガチャ回して爆死してキレて惑星を壊すくらいわけがない)、朝食がてらあくびをしながら時間経過とともに巨大化して人類を滅ぼしかねない魔獣を作り放ったり、十数分で考えた買い物ゲームではコインにブラックホールを仕込んでミスをしたら惑星を消えるなどとてつもない力を持つ迷惑極まりない存在。
ありとあらゆる時空、次元の神秘に通じており神の御業の領域でありどのような事も出来るが故に退屈をしている。
ある事件で多元宇宙の規模を超える神性の力を使った現実を改変する論理爆弾の力をもってしてもフェムトをどうにも出来なかった事などからその領域の神性存在の力を持っている事が分かった。
そもそも確実に世界終了が可能なことは数十通り考えた時点で飽きてたりする。
とはいえ、自身が認めたものには敬意を払う紳士的な面もあり、ヘルサレムズ・ロット一の極上のサービスと美食を提供する「モルツォグァッツァ」の常連客にもなっていることも。


◇偏執王アリギュラ(CV:こおろぎさとみ)

13王の一人。
フェムト同様に御業は神々の領域で、精神は餓鬼。
デルドロの元恋人で、デルドロを生きたまま血液に改造してハマーと合体させた張本人。
よくフェムトのところに顔をだしている。
アニメでは原作よりもデザインとこおろぎさとみの声によって更にロリ化が進んだ。
ホワイトの事で悩むレオを独自の恋愛観で後押し(?)した。


◇過敏王ゼオドラ

13王の一人。
神経組織の塊のような異形で常に発狂と覚醒を繰り返しHLの全てを常に知覚している。
13王の中でも一際扱いづらい存在。


絶望王???

13王の一人。アニメオリジナルキャラ。原作は未登場。
詳細は項目参照


◇ドン・アルルエル・エルカ・フルグルシュ

神性存在とも肩を並べる異界有数の顔役。
本来なら人界はおろか異界の住人すら「謁見」できる「存在」では無い。
プロスフェアー(将棋とチェスの超発展形な異界の超次元ゲーム)に1200年という時間を費やしているプロスフェアー愛好家。

時間の支配さえも児戯に等しいほどの力を持ち、対局者が勝利した場合(投了はもちろん、逃げ切り、引き分けでも可)にはどのような願いでも叶えてくれる。
対局者の望みを聞き、内容に応じた長さの対局を対価として願いを叶えている。
が、時間を経る毎に指数関数的に複雑化していくこのゲームでは、一瞬の油断も許されないほどに心身を酷使しなければならない。
人類の至宝と呼ばれる頭脳のウルツェンコでさえ、9時間の対局終えた後の肉体は廃人のようにボロボロになっていた。
クラウスは99時間逃げ切ったが、彼ですらも途中からズタボロになっていた。
しかもこれはドンもまったく本気を出しておらずプロスフェアーに「緊張感によって奇跡の遊戯を生み出す儀式」を求めている側面もある。(それでもクラウスは一時でも油断をすれば即負けていた)

ちなみに敗北者は「残りの人生を奪われる」のだが、これは命を貰うという意味ではなく対局者の脳を取り込み、死ぬまで永遠に対局を課せられるという意味である。
すでに何人もの脳(コマで確認できる限り、少なくとも8人分)を取り込み全員と常に対局をしながら、クラウスらと対局をしている

神性存在は上位は多元宇宙、時間軸などあらゆる次元を超えた存在でのような、もしくはそれ以上の連中がゴロゴロいて(※ブログEF、内藤と仲間達がトークショー)
演算による現実改変兵器ですら最低でもアレフ二次元、多元宇宙の規模の神性存在の力があることからも神性連中と肩を並べるドンに力が分かる。
ちなみにこの兵器は作中世界で弱小組織でも財性はたいて割と普通に購入できたりする。
側近の異界人のような者を従えており、彼等すらもクラウスが反応が出来ない速さでウルツェンコを奪うほど。



◆アニメ版

2015年4月より1クールで放映された。
制作は高クオリティな作画でお馴染みのボンズ、監督は「京騒戯画」などを担当した松本理恵。
アニメ化の企画は原作6巻が発売された頃とかなり早期の段階から進められており、内容としては一話完結型だった原作のシナリオにオリジナルエピソードを組み込むことによって連続性を持たせたシナリオ構成になっている。
OPにはBUMP OF CHICKENの「Hello,world!」、EDにはUNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」と豪華なラインナップを起用しており、特にEDは演出も相まってかなりの話題となった。

2017年にはセカンドシーズン「血界戦線 & BEYOND」が放送予定。
監督は「ギャラクシーエンジェル」シリーズ、「神のみぞ知るセカイ」シリーズ、「だがしかし」などの高柳滋仁が務める。



◆アニメ版の登場人物

ホワイト(CV:釘宮理恵)

本名メアリー・マクベス。
幽霊を自称している金髪の女の子。
レオが毎度入院する羽目になっている病院に長期入院しており、その病院の付近にある墓地でレオと出会う。
初対面のはずのレオの名前を知っているなど謎を匂わせるところがあるが…?


ブラック(CV:釘宮理恵)

本名ウィリアム・マクベス。
ホワイトの双子の兄で容姿はそっくりだが妹に比べ大分気弱な性格の持ち主。
コントロールは下手なものの強力なPSI保持者であり、幼少期からその片鱗を見せている。
彼もまた13王と何らかの関係があるようで…?






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最終更新:2024年04月09日 13:12

*1 チェスに類似した異界のゲーム。並の人間では到底理解しきれないほどに難解なルール

*2 正確には、妹が自分から視力を差し出した

*3 HL(ヘルサレムズロット)の高層ビル群を容易に粉々にする斬撃を繰り出す