シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件

登録日 :2011/02/07(月) 17:45:51
更新日 : 2017/09/27 Wed 14:20:29
所要時間 :約 7 分で読めます





1986年に発売されたFC用ゲームソフト。ジャンルは推理アドベンチャー



【あらすじ】
ロンドン郊外に邸宅を構えるアップル家。その当代伯爵の令嬢マーガレット=アップルが何者かに連れ去られた。
犯人の要求は一切無く、手を焼いた警察はホームズを呼び出した。
ロンドンを包む夜霧の向こうに連れ去られた令嬢。狙われ始めるホームズの命。
果たして君は相棒のワトソンとともにアップル嬢を救い出すことができるのか……



【登場人物】

おなじみコナン・ドイル著、ホームズシリーズの主人公。
超絶天才、完璧超人キャラのご多分に漏れず変人街道まっしぐら。

  • ジョン・ワトソン
ホームズの友人。元軍医。
物語中盤、ホームズをかばったせいで重傷を負う。

  • マーガレット・アップル
今回連れ去られたアップル家のお嬢様。12歳。
途中犯人に囚われの身になりながらの会話パートがあるのだが
そこでの会話が 異様にエロい。凌辱モノのエロゲ並にエロい。80年代ということを考慮しても子供向けではない。


 「わたくしは きさまらのような げせんの ものども には くっしませんことよ!」
 「やっ! いたい… はなして!」
男「おい、うるさいから くちふさげ」
 「ん! ふぐう ううう…」


ふぅ…

まさかFCの、しかも推理ゲームで抜くことになろうとは…

勿論これ以外でもボリューム不足感は否めないが十分に楽しめる。
FCながらマルチエンディングである事も魅力の一つ。






頼れるものは己の蹴りのみ
その幻想を蹴り殺す!
















   *   *
 *   + うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *
とりあえず謝る。ごめん




以下、このゲームの本当の解説



スタートすると、いきなりなんの説明もなくどっかの街中に佇むホームズの姿が。
画面上にロンドンとあるからロンドンなのだろうが、この状態ではなにも進まない。この手のゲームのお約束、道行く人に話を聞こうと接触すると…

\ドンッ/

HP ━━━

\ドンッ/

HP

\ドンッ/

HP

GAME OVER


お分かりいただけただろうか?
一般人に話しかけようとするとダメージを受けるのである
推理ゲームの基本中の基本である行為をするとダメージをくらいホームズが死ぬのである。

考えてみてほしい。
自分以外の動くキャラクターに接触するとダメージを受けて死亡する
こんな基本ルールのあるゲームの種類といえば…

そうこのゲーム、パッケージやタイトルを見た分は推理ゲームに見えるのだが、中身は 推理ゲームの皮を被ったバリバリのアクションゲームなのである

そこでゲームの説明書を確認すると

あらすじ(要約)
アップル伯爵家のマーガレット嬢が悪のシンジケート「パパイヤ団」の首領、Dr.コルディリアにさらわれた。
動機はホームズへの挑戦。かつてのホームズの宿敵だったモリアーティ教授亡き後、
ホームズを負かせ、モリアーティよりも力のあることを世間に知らし示そうとする。


因みにDrとはいうがなんの博士かは不明。令嬢もタイトル画面とエンディング以外に全く登場せず使い捨て。
というか「パパイヤ団」って……
そして、犯人の名前はおろか動機も最初から明らかになっているこのサービスっぷり。

推理ゲームの根幹は プレイ前に解決 されている。
(ただしこのあらすじはゲーム中で一切話されないので説明書を読まないと推理ゲームになりえるかもしれない)
あらすじの内容も内容で、完全にアクションゲームのそれである。


試しに市民が寄ってきたらAボタンを押してみてほしい。
ホームズは市民に 蹴り をお見舞いし、 市民は30ポンドを出して死ぬ。

このゲームの実態は、 街中をうろうろしている一般市民をホームズが蹴り殺し、ゲームを進めるヒントやお金を強奪するゲームなのである。


どうみてもホームズのほうが悪なのだが、そういうゲームなのだから仕方がない。


たまにお金の他にヒントを出して死ぬ市民もいるのだが、その8割は

「アシタハ アシタノ カゼガフク」
だの
「カエルガ ナクカラ カーエロ」
だの
「ココハドコ? ワタシハダレ?」
だの神経を逆なでするような何の意味もないヒントばかり。

そして善良な市民を蹴り倒しながら進むと見えてくる公園。
公園と言えば市民の憩いの場だが、そんな常識はこのゲーム内では通用しない

フィールド内は 大量の穴 が開いており、これに落ちると 即死
もちろん襲ってくる市民も穴に落ちれば 即死 というか自ら進んで落ちている

極めつけは奥にいる男。
蹴りをお見舞いしようと近づくとなんとこの男、 発砲 してくる

ホームズは生身なので、当たればほぼ 即死
避けようにも移動速度がノロいので操作ミスをしやすく、穴に落ちれば 即死
弾に気をとられていると後ろから市民に襲いかかられ 死亡

なにこの内戦国家?
…もう町中がパパイヤ団に占領されていると考えた方が良いのでは…

このゲーム、主人公がホームズじゃなくて、ジャック・ザ・リッパーかジャッキーにやらせたほうがよかったのでは……

そして、銃弾を ジャンプ で避けながら華麗な蹴り捌きで倒すとこんなメッセージが

「キミハ イマノヨノナカニ マンゾク シテイマスカ?」

どうやら新興宗教団体の方だったようだ


ゲームを進めると切符を買って(もちろん資金は市民を蹴って得た金)、バーミンガムに行けるようになるが、
バーミンガム駅を降りると、 通りで警官が銃を乱射している。

この街には武器屋なる店が存在し、 ナイフや銃弾 が売っている
とある民家でピストルを入手済みであれば(無論市民を蹴って強奪する)弾を購入でき、Bボタンで撃てるようになる

威力が高く、画面端まで飛ぶので、 撃てばほぼ必ず誰かに当たって死ぬ

因みに弾は10発で45ポンド。
さきほど述べたとおり、蹴り殺された市民が落とすお金は1人30ポンド。

\えー!?やっすーい!!/(人命が)

高威力と画面のほぼ全体をカバーする射程、魅力的なコスパ。銃を手に入れたらまず間違いなく ホームズによる銃乱射ゲー と化す。
そう、ここから推理アドベンチャーに見せかけたアクションゲームかと思いきや、 市民殺戮シューティングゲームとなる。


そんなホームズ無双中表示されるヒントメッセージ

「ゴショーデスカラ ミノガシテクダサイ」

「オネガイダカラ コロサナイデ」

「タスケテクレタラ ナンデモ イウコトキクワ」

このゲームの開発者はシャーロック・ホームズを連続無差別殺傷犯か何かだと思っているのだろうか?
ホームズ主人公じゃなくジャック・ザ・リッパー主人公の方が(ry
まぁ原作のホームズも結構武闘派でしかもヤク中だったりするが…

因みにワトソンは、ホームズの自宅にひきこもり

「ヤア ホームズ ヨクブジ ニ カエッテコレタナ」

の言葉とともに体力を回復してくれる(というかゲーム内でまともな会話をしてくれるのは彼くらい)

ぶっとび具合は説明書にまで及び、「2コンは使いません」と書いてあるにもかかわらず セーブとラスボスまで辿り着くには2コンを使わなければならない

そのラスボスも動機やら過去やら語るわけでもなくトコトコ近づいてくる。
もちろんホームズの蹴りと銃乱射で開始数秒死。
最期は市民と同じようにメッセージを出して果てる


「NEVER GIVE UP! SEE YOU AGAIN NEXT GAME」




このような完全なトチ狂ったぶっとびゲーではあるが、
当時にしては比較的美しかったグラフィック、やりこめば味の出るアクション、
アイテムやメッセージを発見した時の快感、敵の味のある独特のセリフなどなど、魅力も感じられるだろう。


余談だが今作の2年後にトーワチキはFCで「名探偵ホームズ 霧のロンドン殺人事件」という第2弾を発売している。
ジャンルはコマンド選択式ADVになった。
嫌な予感がするかもしれないが、これがグラフィックもストーリーもよくできており隠れた名作の部類だったりする。

さらに1年後にシステム面の改善が行われた「名探偵ホームズ Mからの挑戦状」という第3弾も発売されたが、
シナリオに練りこみが足りずバカゲーに片足を突っ込んでいる。



最後に一言

「シャーロック ホームズ ッテ オモシロイ ゲーム ナンダッテ」
↑実際にあるゲーム内でのヒントメッセージ




「ツイキ シュウセイ オネガイシマス」

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